2016年08月26日

The Blossoms『Shockwave』

Darlene Loveを中心とした女性R&Bヴォーカル・グループ☆The Blossoms『Shockwave』
ショックウェイヴ
発表年:1972年
ez的ジャンル:女性R&Bヴォーカル・グループ
気分は... :一花咲かせます!

今回は70年代ソウル作品からThe Blossoms『Shockwave』(1972年)です。

The Blossomsは1950年代から活躍する女性R&Bヴォーカル・グループ。

1960年代前半にはCarolyn WillisEdna Wrightといった後のHoney Coneのメンバーも在籍していました。

長い歴史を誇るグループであり、50年代後半より断続的にシングルをリリースしてきましたが、アルバムとしては本作『Shockwave』(1972年)が唯一の作品です。

本作におけるメンバーはDarlene LoveFanita JamesJean Kingの3名。

中心メンバーDarlene LoveEdna Wrightの実姉であり、映画『バックコーラスの歌姫たち(20 Feet from Stardom)』(2013年)でも大きくフィーチャーされていたので、そちらでご記憶の方も多いのでは?

さて、本作『Shockwave』(1972年)ですが、フリー・ソウル好きの人であれば間違いなく気に入るであろう1枚だと思います。

まずFreda Payneのヒット曲をカヴァー「Cherish What Is Dear To You」Bill Withers作品のカヴァー「Grandma's Hands」の2曲が本作のハイライトでしょう。

続いて、Gene Pageのダイナミックなアレンジが栄えるタイトル曲「Shockwave」、サンプリング・ソースとしても人気のビューティフル・バラード「Just Remember」あたりが注目ですかね。

個人的にはフリー・ソウル好き向けの「Touchdown」、ファンキーな味わいの「Last Call For Love」、しっかり聴かせる「It's All Up To You」あたりも好きです。

Arthur Munson/Joe ReedまたはArthur Munson/Mike Patterson、さらにはThe Paris Brothersがプロデュースを務めています。

ジャケの雰囲気は地味ですが、中身は結構弾けています。

全曲紹介しときやす。

「Touchdown」
Arthur Munson/Joe Reed作&プロデュース。Gene Pageのアレンジが冴えるフリー・ソウル好きの人は気に入るであろうオープニング。女性グループらしく躍動します。

「It's All Up To You」
Adeniyi Paris/Ted McNamara作。女性ヴォーカル・グループとしての実力を堪能するには、こうしたしっかり聴かせる曲も良いと思います。The Paris Brothersプロデュース。

「Cherish What Is Dear To You」
Freda Payneのヒット曲をカヴァー(Angelo Bond/Brian Holland/Lamont Dozier作)。オリジナルは『Contact』(1971年)に収録されています。キュートなFreda Payneヴァージョンも魅力的ですが、よりソウルフルに躍動する本ヴァージョンも負けていません。アナログ・シンセのイントロも印象的ですね。本作のハイライト!
https://www.youtube.com/watch?v=CN5hDuZBaMU

「Moody」
Ekundayo Paris/Robert Staunton作。ポップ・ソウル的な味わいにグッとくるビューティフルな仕上がり。The Paris Brothersプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=zTXfi5VmLGI

「Fire And Rain」
James Taylorの名曲カヴァー。堂々と歌い上げるソウル・バラードに仕上がっています。Arthur Munson/Mike Pattersonプロデュース。

「Last Call For Love」
Adeniyi Paris/Ekundayo Paris作。ファンキーな味わいと実力派グループらしいヴォーカル・ワークのバランスが取れていていい感じです。The Paris Brothersプロデュース。本作の中では地味な扱いですが、かなり好きです。

「Shockwave」
Arthur Munson/Joe Reed作&プロデュース。Gene Pageのダイナミックなアレンジが栄えるパワフルなファンキー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=XD8wsGpMHLo

スチャダラパー feat. Dev Large & CQ「リーグオブレジェンド」のサンプリング・ソースとなっています。
スチャダラパー feat. Dev Large & CQ「リーグオブレジェンド」
 https://www.youtube.com/watch?v=NlFQlKNJPcU&spfreload=10

「Grandma's Hands」
Bill Withers作品のカヴァー。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)に収録されています。「Cherish What Is Dear To You」と並ぶ本作のハイライト。派手さはありませんが、ジワジワと高揚してくるグルーヴ感と女性R&Bヴォーカル・グループらしいコーラス・ワークがたまりません。Arthur Munson/Mike Pattersonプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=0GYYIMQ1Lw4

「Heartbank」
Adeniyi Paris/Ekundayo Paris作。息の合ったヴォーカル・ワークで盛り上げてくれます。さり気ないですが感動的です。The Paris Brothersプロデュース。

「Just Remember」
Hal Brooks/Pattie Brooks作。イントロが印象的なビューティフル・バラードでドリーミーに締め括ってくれます。Arthur Munson/Mike Pattersonプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=k8WslbGDC7o

Force of Nature「Just Forget」、Charles Hamilton「Supernatural Vacation」、Pekado feat. Shinoflow「Luz De Luna」、Funky Notes「Don't Worry」のサンプリング・ソースとなっています。
Force of Nature「Just Forget」
 https://www.youtube.com/watch?v=BNOCEfCziqI
Charles Hamilton「Supernatural Vacation」
 https://www.youtube.com/watch?v=OwS7l3acn1I
Pekado feat. Shinoflow「Luz De Luna」
 https://www.youtube.com/watch?v=TPFShfHr2dA
Funky Notes「Don't Worry」
 https://www.youtube.com/watch?v=ta4XmbTCVuM

中心メンバーDarlene Loveにご興味がある方は、ぜひ映画『バックコーラスの歌姫たち(20 Feet from Stardom)』(2013年)もチェックを!

DVD『バックコーラスの歌姫たち』
バックコーラスの歌姫たち [DVD]
posted by ez at 01:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月25日

Orchestra Harlow『Orchestra Harlow Presenta A Ismael Miranda』

反則技なキラー・チューン「Horsin Up」収録☆Orchestra Harlow『Orchestra Harlow Presenta A Ismael Miranda』
Presenta a Ismael Miranda
発表年:1969年
ez的ジャンル:N.Y.サルサ/ラテン・コンボ
気分は... :「Horsin Up」最高!

N.Y.サルサを代表する名ピアニストLarry HarlowのグループOrchestra Harlowが1969年にリリースした『Orchestra Harlow Presenta A Ismael Miranda』です。

本作はタイトルの通り、N.Y.サルサの"美少年"シンガーIsmael Mirandaを前面にフィーチャーした格好良いN.Y.ラテン/サルサを楽しめます。

レコーディング・メンバーはLarry Harlow(leader、p、vo)、Ismael Miranda(lead vo)、Kike Perez(congas)、Phil Newsum(timbales)、Bobby Valentin(b)、Mark Weinstein(tb)、Jack Hitchcock(tb)、Manny Duran(tp)、Ralph Castrello(tp)、Billy Vacarro(tp)、Ron King(ds)、John Griggs(per、vo)、Manny Oquendo(bongos)、Santos Colon(coro)、Pete Rodriguez(coro)となっています。

本作といえば、何といってもCliff Nobles & Co.「The Horse」とArchie Bell & The Drells「Tighten Up」が合体したキラー・チューン「Horsin Up」ですね。僕はこの1曲のために本作をゲットしました。

それ以外にも映画『Jackie Brown』でも使われていたHugh Masekelaのカヴァー「Grazin' In The Grass」、N.Y.サルサらしい「La Contraria」、格好良いパーカッション・ブレイクと共にスタートする「Rumba A La Vida」あたりがオススメです。

N.Y.サルサ/ラテン好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Horsin Up」
本作のキラー・チューン。Cliff Nobles & Co.「The Horse」とArchie Bell & The Drells「Tighten Up」をマッシュ・アップした反則技的な1曲ですが、この格好良さはひれ伏すほかありません。この1曲だけでも本作を聴く価値があると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=4apz8X6tCEo

Cliff Nobles & Co.「The Horse」
 https://www.youtube.com/watch?v=McFSX8LkOqU
Archie Bell & The Drells「Tighten Up」
 https://www.youtube.com/watch?v=Wro3bqi4Eb8

「La Contraria」
Bobby Valentin作。N.Y.サルサ好きの人であれば、Ismael Mirandaのヴォーカルを満喫できるこの哀愁サルサにグッとくるのでは?N.Y.サルサらしい掛け合いやホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=qdzpFnOo0iM

「Mi Manera De Ser」
Luis Garcia作。魅惑のムード・ラテンって趣ですね。Ismael Mirandaをフィーチャーするには、このタイプも必要なのでしょうが僕はパス(笑)

「Jaguey」
Arsenio Rodriguez作。軽快なラテン・リズムにのってIsmael Mirandaが小粋なヴォーカルを披露してくれます。60年代後半のN.Y.ラテンらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=atAObQm72dc

「Yo Me Voy」
Larry Harlow/Ismael Miranda作。ラテンらしい哀愁モードの疾走感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=GoykfomFM3U

「Grazin' In The Grass」
Hugh Masekela作。Hugh Masekelaのオリジナルは『The Promise Of A Future』(1968年)に収録されています。本ヴァージョンは映画『Jackie Brown』でも使われていましたね(サントラ未収録でしょうが)。「Horsin Up」に続く本作のハイライトでしょう。「Horsin Up」を少しテンポを落とすと同時にラテン色を濃くしたような感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=eeu55Kz1vmc

「Lamento Cubano」
Larry Harlow/Ismael Miranda作。ノスタルジックなキューバン感が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=fbIuTsrNeOE

「Bobby's Boogaloo」
Bobby Valentin作。キャッチーなブーガルーで盛り上げてくれます。思わず体を揺らしてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=vL75WcRs944

「Rumba A La Vida」
Roberto Faz作。格好良いパーカッション・ブレイクと共にスタートするメロディアスなサルサはなかなかキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=lwTOut7Fs2w

「Mi Guajira Si」
Bobby Valentin作。ラストはリーダーLarry Harlowのピアノが冴える哀愁ラテンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_tsYsvPPpvU

Orchestra Harlowの他作品もチェックを!

Orchestra Harlow『Heavy Smokin'』(1966年)
Heavy Smokin'

Orchestra Harlow『Gettin' Off (Bajandote)』(1967年)
Gettin' Off / Bajandote

Orchestra Harlow『Electric Harlow』(1970年)
Electric Harlow

Orchestra Harlow『Tribute to Arsenio Rodriguez』(1971年)
Tribute to Arsenio Rodriguez

Ismael Miranda Con Orchestra Harlow『Abran Paso!』(1971年)
Abran Paso

Orchestra Harlow『Harlow's Harem』(1972年)
Harlow's Harem

Ismael Miranda Con Orchestra Harlow『Oportunidad』(1972年)
Oportunidad

Orchestra Harlow『Hommy a Latin Opera』(1973年)
Hommy a Latin Opera

Orchestra Harlow『Live In Quad』(1974年)
Live in Quad

Orchestra Harlow『Salsa』(1974年)
Salsa

Orchestra Harlow『El Judio Maravilloso』(1975年)
Judio Maravilloso

Orchestra Harlow『La Raza Latina - A Salsa Suite』(1977年)
La Raza Latina – A Salsa Suite
posted by ez at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月24日

Subway『Good Times』

素敵なヴォーカル・ワークで魅了するティーンズ男性R&Bグループ☆Subway『Good Times』
Goodtimes
発表年:1995年
ez的ジャンル:ティーンズ男性R&Bグループ
気分は... :グッド・タイムス!

今回は90年代R&Bからティーンズ男性グループ作品Subway『Good Times』(1995年)です。

SubwayEric McNealKeith ThomasTrerail PuckettandRoy Jonesの4人が結成したシカゴを拠点とするティーンズ男性R&Bグループ。

New Edition、Bell Biv Devoe作品で知られるMichael Bivinsが設立したBiv 10 Recordsから1994年にデビュー・シングル「This Lil' Game We Play」をリリース。女性R&Bグループ702をフィーチャーした本曲は全米チャート第15位、同R&Bチャート第4位の大ヒットとなりました。

さらに1995年にはデビュー・アルバムとなる本作『Good Times』をリリースしています。その後Shaquille O'Neal主演のコメディ映画『Kazaam』(1996年)のサントラに収録された「I'll Make Your Dreams Come True」をPerspective Recordsからシングル・リリースしたのを最後にシーンから姿を消してしまいます。

グループ唯一のアルバムである本作『Good Times』では、Gerald Levert/Edwin NicholasDinky Binghamらがプロデュースを手掛けています、

個人的にはティーンズ男性R&Bグループって少し苦手な部分もあるのですが、本作は勢いではなく、ヴォーカル・ワークで勝負している点で魅了されます。

前述のヒット・デビュー・シングル「This Lil' Game We Play」、2ndシングル「Fire」、3rdシングル「This Is Not A Goodbye」とヴォーカル・ワーク重視のバラードが印象的なアルバムです。タイトル曲「Goodtimes」「Sticky Situation」もオススメです。

ティーンズ・グループと敬遠せずに聴いてみて下さい!

全曲紹介しときやす。

「Chi-town Ride」
EasyとTwistaをフィーチャー。シカゴ・ストリート感のある哀愁グルーヴでアルバムは幕を開けます。Twistaが存在感のあるラップを披露してくれます。Silky/Dinky Binghamプロデュース。

「The Better The Love」
Chad "Dr. Ceuss" Elliott/Herb Middleton/Dinky Bingham/Shawn Brownプロデュース。このグループらしいヴォーカル・ワークを重視した哀愁ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=TvIsQmsPYLg

「Fire」
Dinky Binghamプロデュース。「This Lil' Game We Play」に続く2ndシングル。オーセンティックなバラードでコーラス・グループとしての実力を示してくれます。90年代男性R&Bグループらしい甘く切ない雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IHOl-7W8uB0

「This Lil' Game We Play」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。Biv 10のレーベル・メイトである女性R&Bグループ702をフィーチャーし、全米チャート第15位、同R&Bチャート第4位となったデビュー・シングル。ティーンズR&Bグループらしからぬ落ち着きのあるミディアム・バラード。キュートな702のヴォーカルも加わり華があります。
https://www.youtube.com/watch?v=e3zE5Mkz_EA

「Get Da Money」
Dinky Binghamプロデュース。G-Funk調の哀愁シンセが印象的なミディム・グルーヴ。ダンサブルな楽曲でもメロディやヴォーカル・ワークを大切にしているのはいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1dYt3eUsqEY

「This Is Not A Goodbye」
Chad "Dr. Ceuss" Elliott/Herb Middletonプロデュース。3rdシングルにもなりました。若々しいリード・ヴォーカルと素敵なコーラス・ワークが印象的なミディアム・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=WWSFeXW4KP0

「Sticky Situation」
Chad "Dr. Ceuss" Elliott/Shawn Brownプロデュース。ティーンズ・グループらしいディープ感が印象的なバラード。なかなか聴き応えがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=wbNyL0NzS08

「Get Da Money (Phat Pocket's Remix)」
Dinky Binghamプロデュース。「Get Da Money」のリミックス。オリジナルのマイナー・チェンジって感じですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=q5nrmmFLAsI

「Goodtimes」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。ラストは素敵なビューティフル・バラードで締め括ってくれます。まさにグッド・タイムス!
https://www.youtube.com/watch?v=tT0L32ZxYk4

ジャケもいい感じですね。
posted by ez at 02:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月22日

Cecilio & Kapono『Night Music』

ハワイアンAORのパイオニアの代表作☆Cecilio & Kapono『Night Music』
ナイト・ミュージック
発表年:1977年
ez的ジャンル:ハワイアンAOR
気分は... :いよいよフィナーレ・・・

リオ五輪が終わった虚脱感と気になる台風動向でモヤモヤした週明けです。

コンテンポラリー・ハワイアン・ミュージックのパイオニアCecilio & Kaponoの3rdアルバム『Night Music』(1977年)です。

メキシコ人とヤキ族インディアンの混血のCecilio Rodriguezとハワイ出身のHenry KaponoのデュオCecilio & KaponoKalapanaと並びハワイアン・サーフ・ロックを代表するグループであり、日本でも高い人気を誇りました。

2人は『Cecilio & Kapono』(1974年)、『Elua』(1975年)、『Night Music』(1977年)、『Life's Different Now』(1978年)、『Together Live』(1982年)、『The First Noel』(1986年)、『Goodtimes Together』(1988年)、『Summerlust』(1992年)といったアルバムをリリースしています。

以前にKalapanaの記事でも書きましたが、僕自身がKalapanaCecilio & Kaponoの音を聴いたのは20代に入ってからです。しかしながら、親戚の家にKalapanaやCecilio & Kaponoのレコードがあり、洋楽など聴いたことのない小学生の頃から、ハワイアン・サーフ・ロックを代表する両グループの名前だけはインプットされていました。その意味ではそれ程聴いたわけではないのに親近感のある両グループです。

ちなみに僕が最初に買ったハワイアンAOR作品は大学生の時に購入したMackey Feary & Nite Life『Mackey Feary & Nite Life』(1983年)でした。あとレコードは持っていませんでしたが、Audy Kimura『Looking For "The Good Life"』(1983年)あたりもエア・チェックして聴いていましたね。

そこからKalapanaやCecilio & Kaponoの音を聴くようになり、さらにフリーソウル・ブームの時にMacky Feary BandLemuria等を聴くようになった・・・というのが僕のハワイアンAOR歴ですかね。

さて今回Cecilio & Kaponoを紹介するにあたり、『Elua』(1975年)と『Night Music』(1977年)のどちらにするか迷いましたが、よりAOR色の強い『Night Music』をセレクトしました。

3rdアルバムとなる本作『Night Music』はLA録音であり、メンバー2人に加え、Bruce BotnickTerry Powellがプロデュースを務めています。また、Nick DeCaroがアレンジを手掛けています。

レコーディングにはRandy Lorenzo(vo、el-b)、Alan Pasqua(p、el-p、syn)、Artie Alinikoff(ds)、Tom Scott(sax、fl)、Kevin Calhoun(per)が参加しています。

AOR名曲な「The Night Music」、フリー・ソウルな爽快メロウ・グルーヴ「Have You Ever Had That Feelin'」、メロウAOR「Climb The Line」、美しいバラード2曲「Make It Up To You」「Here With You」あたりが僕のオススメ。あとはBoz Scaggsの名曲カヴァー「We're All Alone」もなかなかいいですよ。

美しいジャケも含めてハワイアンAORの魅力を存分に楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Night Music」
オススメその1。Dave Ellingson作。 AOR名曲なタイトル曲。このデュオらしい爽快メロウな魅力とLA録音の本作らしいAOR感が結びついた素敵なナイト・ミュージックです。
https://www.youtube.com/watch?v=wBafDAggfSI

「Love By The Numbers」
Cecilio Rodriguez作。Nick DeCaroによる美しいストリングスと共に始まる哀愁バラード。本作らしい洗練を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=fi6BZM-GLsw

「After The Omen」
Henry Kapono作。カントリー調の仕上がり。正直、この雰囲気は好みではありません。

「We're All Alone」
オススメその2。Boz Scaggs『Silk Degrees』に収録されたAORクラシックをカヴァー。透明のあるアコースティック・バラードで名曲を歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=qiy_TMk5oUE

「Have You Ever Had That Feelin'」
オススメその3。Henry Kapono作。フリー・ソウル好きはグッとくるであろう爽快メロウ・グルーヴ。パーカッシヴなメロウ・グルーヴ感とNick DeCaroによるストリングスの妙が光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=KfmCTcjkSyA

「Climb The Line」
オススメその4。Henry Kapono作。シンセ・サウンドがアクセントになっているメロウ・グルーヴ。本作ならではのAORチューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yGMSoh727oA

「Make It Up To You」
オススメその5。Henry Kapono作。サンセット・モードのバラードである本曲も人気があるのでは?黄昏をバックに聴きたい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=stx8GNzQ3vU

「Here With You」
オススメその6。Cecilio Rodriguez作。楽曲の良さとこのデュオらしい美しいヴォーカル・ワークに魅了されるビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=Bv6E9DRKXSU

「I Love You」
Cecilio Rodriguez作。LA録音らしい雰囲気の哀愁AOR。Tom Scottのサックスが盛り上げてくれます。このデュオにこのタイプが似合うかはビミョーですが。

「Longing」
Henry Kapono作。サラッとした味わいは繋ぎの1曲としていい味出しているのでは?

「Sallin'」
Henry Kapono作。波の音とハーモニカで始まるビューティフル・バラードで締め括ってくれます。

Cecilio & Kaponoの他作品もチェックを!

『Cecilio & Kapono』(1974年)
Cecilio & Kapono

『Elua』(1975年)
Elua

『Together Live』(1982年)
Together Live

『Goodtimes Together』(1988年)
Goodtimes Together

『Summerlust』(1992年)
SUMMERLUST
posted by ez at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月21日

Lakuta『Brothers & Sisters』

多国籍なUKアフロ・ファンク・バンド☆Lakuta『Brothers & Sisters』
Brothers & Sisters [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC520)
発表年:2016年
ez的ジャンル:UKアフロ・ファンク
気分は... :残りあと2日・・・

新作からUKのアフロ・ファンク・バンドLakutaのデビュー・アルバム『Brothers & Sisters』です。

ケニアとタンザニアをルーツに持つリード・シンガーSiggi Mwasoteをはじめ、ガーナ人ハーフ、マレーシア人ハーフ、イタリア人などのメンバーも含む多国籍バンドです。

そんな多国籍UKアフロ・ファンク・バンドが名門Tru Thoughtsからリリースしたデビュー・アルバムが本作『Brothers & Sisters』です。

このデビュー作におけるメンバーは、Cicely Rose Taylor(congas、per、vo)、Siggi Mwasote(vo)、Claire Wootton(ss、ts)、Deen Lim(b)、Claire Mathews(bs)、Luke Rattenbury(g)、Damian McLean-Brown(tp)、Will Rumfitt(tb)、Tom Camidge(per、cola)、Mattia Bourgis(ds)という10名。

Fela Kuti直系のアフロ・ビートに加え、多国籍バンドらしいワールド・ミュージック的なエッセンスや、Hiatus Kaiyoteあたりに通じるハイブリッド感が加わったアフロ・ファンクを楽しめます。

アフロ・ファンク好きのみならず、ファンク好き、クラブ・ミュージック好きの人も楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Bata Boy」
アッパーなアフロ・ビートがオープニング。そんなアッパー・サウンドにのってSiggiのソウルフル・ヴォーカルが人種偏見を批判するメッセージを投げ掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=dKMreskhSuA

「Rice & Peace」
軽快なアフリカン・リズムで疾走するアフロ・ファンク。トライバルなダンス・ミュージックがお好きな人もグッとくるはず!

「So Sue Us」
ワールド・ミュージック的な魅力を持ったアフロ・ファンク。

「Pique」
ホーン隊が活躍するアフロ・ファンク。ライブ・バンドとしての彼らの実力を垣間見ることができるインスト・チューンです。

「Yansan」
ミステリアス&ダンサブルなアフロ・ジャズ。聴く者を独特の音世界に惹き付けます。このバンドの懐の深さを感じます。

「Changanya」
コラの音色に魅了されるフォーキーなアフロ・ジャズ。個人的にコラの音色が好きなので嬉しいです。

「Lose Yourself」
Tru Thoughts作品らしい洗練を感じるアフロ・ファンク。Siggiのソウルフル・ヴォーカルも含めて、かなり格好良い1曲だと思います。

「Mr Serious」
開放的なアフリカン・リズムを楽しめる1曲。リズムは軽やかでもメッセージはシリアスというのがこのグループらしいのでは?

「Fear Go Running」
Siggiのヴォーカルを先導役に緩急織り交ぜたアフリカン・サウンドで楽しませてくれます。

「Ultimate Robot」
タメのあるアフロ・グルーヴで魅了する前半から一気に加速する中盤以降と2段構えで楽しませてくれます。

国内盤ボーナス・トラックとして、「Bata Boy(Instrumental)」「Rice & Peace(Instrumental)」の2曲が追加収録されています。

UKアフロ・ファンクであれば、昨年当ブログで紹介したNo Go Stop『Agbara Orin』(2015年)もセットでどうぞ!

No Go Stop『Agbara Orin』(2015年)
Agbara Orin
posted by ez at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。