2016年09月24日

Toquinho & Vinicius『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』

師弟デュオを代表する1枚。意外に軽快です☆Toquinho & Vinicius『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』
サン・ジマイス・オス・ペリーゴス・デスタ・ヴィーダ BOM1126
発表年:1972年
ez的ジャンル:師弟コンビ系ボッサ
気分は... :人生は多難なり?

ボサノヴァのパイオニアの一人であるVinicius De Moraesと名ギタリストToquinhoのコンビToquinho & Viniciusによる名盤『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』(1972年)です。

Toquinho & Viniciusの紹介は、Marilia Medalhaを加えたスペシャル・ユニットVinicius/Marila Medalha/Toquinho『Como Dizia O Poeta...』(1971年)に続き2回目となります。

1913年生まれのVinicius De Moraesと1946年生まれのToquinho。親子のような年の差ユニットですが、Toquinhoにとっての青春時代のアイドルViniciusとの共演は、師弟のような絆を感じます。

そんな師弟のようなユニットを代表する1枚が『Sao Demais Os Perigos Desta Vida... 』(1972年)です。僕が本作を購入したのは約20年前でしたが、CDショップでエロ・モードのジャケを手にするのが少し気恥ずかったように記憶しています(笑)

イメージとして、Toquinhoのギター伴奏のみのシンプルな"静"のボサノヴァ・アルバムのような印象を受けるかもしれませんが、パーカッシヴなサンバ調の曲や凝ったアレンジの曲も多く、軽快な演奏が魅力のアルバムに仕上がっています。

僕好みの軽快な演奏の「Para Viver Um Grande Amor」「Tatamiro」、ビューティフルな「Menina Das Duas Trancas」、名曲の誉れ戦い「Regra Tres」、メリハリのあるアレンジが素晴らしい「No Colo Da Serra」あたりがオススメです。

楽曲はすべて作詞Vinicius De Moraes、作曲Toquinhoによるオリジナルです。

初心者も聴きやすく、中級以上の人も飽きさせない間口の広い名作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Cotidiano No 2」
邦題「日常No.2」。さり気ない日常の中に、Viniciusの人生観が刻まれたオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=uc67KkNF_7M

「Tatamiro」
オススメその1。アフロ・サンバ的なエッセンスも取り入れた開放的な仕上がり。この開放的なパーカッシヴ感はモロに僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=Le72YB7h5LQ

「Sao Demais Os Perigos Desta Vida...」
邦題「人生は多難なり」。Viniciusだからのこその説得力がある哀愁ボッサ。女性を愛して止まないViniciusの生き様が表れています。
https://www.youtube.com/watch?v=PWo5Krl29r8

「Chorando Pra Pixinguinha」
邦題「ピシンギーニャに捧げるショーロ」。ブラジル音楽の父とも称される、ショーロの名コンポーザーPixinguinha(1897-1973年)に捧げられたショーロ。Toquinhoが奏でる美しい音色を堪能しましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=4WaubbEUm2U

「Valsa Para Uma Menininha」
邦題「少女のワルツ」。Toquinhoの美しいギターにストリングスが絡む、美しくも切ない1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=5f-T3oUtSHI

「Para Viver Um Grande Amor」
オススメその2。邦題「大恋愛を生きるために」。僕の一番のお気に入り。Toquinhoの軽快なギターとパーカッシヴなリズムが実に心地好いですね。Vinicius先生の恋愛教室といったところでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=JPodulXLWJs

「Menina Das Duas Trancas」
オススメその3。邦題「お下げ髪の少女」。Toquinhoのギターが美しいメロディを奏でるビューティフル・ソング。フルート&ストリングスによるアクセントもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Iy6fKfNOCPg

「Regra Tres」
オススメその4。邦題「三角定規」。タイトルが示唆するように不倫関係を歌った哀愁サンバ調の仕上がり。恋に破れた哀愁モードの疾走感がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=gUsgVqu8XfQ

「No Colo Da Serra」
オススメその5。邦題「山々に抱かれて」。パーカッシヴなスピード感にメリハリをつけた、美しくもスリリングな演奏が魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=1T3gXSQoqJs

「Canto De Oxalufa」
Toquinhoのギターに呪術的なパーカッションが絡むミステリアスな演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CF0b3haH7Wc

Toquinho & Viniciusの他作品もチェックを!

Vinicius/Marila Medalha/Toquinho『Como Dizia O Poeta...』(1971年)
コモ・ディジア・オ・ポエタ・・・

Toquinho & Vinicius『Toquinho E Vinicius』(1971年)
トッキーニョ&ヴィニシウス BOM1125

Vinicius De Moraes Avec Maria Creuza Et Toquinho『La Fusa』(1971年)
La Fusa con Maria Creuza y Toquinho(紙ジャケット仕様)

Vinicius + Maria Bethania + Toquinho『En La Fusa (Mar Del Plata)』(1971年)
Vinicius Bethania & Toquinho Em Buenos

Toquinho & Vinicius『Per Vivere Un Gran』(1974年)
Per Vivere Un Gran

Toquinho & Vinicius『Toquinho, Vinicius & Amigos』(1974年)
Toquinho, Vinicius & Amigos

Toquinho & Vinicius『Vinicius & Toquinho』(1974年)
Vinicius & Toquinho

Toquinho & Vinicius『O Poeta E O Violao』(1975年)
O Poeta E O Violao

Ornella Vanon - Vinicius De Moraes - Toquinho『La Voglia La Pazzia L'Incoscienza L'Allegria』(1976年)
La Voglia La Pazzia

Tom & Vinicius & Toquinho & Miucha『Ao Vivo No Canecao』(1977年)
With Vinicius Toquinho & Miucha

Maria Creuza/Vinicius De Moraes/Toquinho『O Grande Encontro De』(1979年)
O Grande Encontro De

Toquinho & Vinicius『10 Anos de Toquinho e Vinicius』(1979年)
10 Anos W/Toquinho
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2016年09月23日

Cameo『Knights Of The Sound Table』

大所帯体制のラスト作。「The Sound Table」等収録☆Cameo『Knights Of The Sound Table』
魔法の騎士
発表年:1981年
ez的ジャンル:N.Y.ファンク
気分は... :リストラ前夜・・・

今回はLarry Blackmon率いるファンク・グループCameoの7thアルバム『Knights Of The Sound Table』(1981年)です。

これまで当ブログで紹介したCameo作品は以下の6枚。

 『Cardiac Arrest』(1977年)
 『Cameosis』(1980年)
 『She's Strange』(1984年)
 『Word Up!』(1986年)
 『Machismo』(1988年)
 『Real Men ... Wear Black』(1990年)

本作『Knights Of The Sound Table』は大所帯ファンク・グループとしてのCameoの最終作。本作を最後にリーダーLarry Blackmonはリストラを断行し、、次作『Alligator Woman』(1982年)から少数体制のユニットへと移行していきます。

本作におけるメンバーとしてクレジットされているのは、Larry Blackmon(vo、ds、per)以下、Anthony Lockett(g、vo)、Gregory Johnson(syn、el-p、vo)、Nathan Leftenant(tp、vo)、Arnett Leftenant(sax、vo)、Tomi Jenkins(vo)、Aaron Mills(b、vo)、Thomas 'T.C.' Campbell(key)、Jeryl Bright(tb、vo)、Stephen Moore(vo)、Charlie Singleton(vo)という11名。

さらにDavid Weber(tp)、Clifford Adams(tb)、Jose Rossy(per)、Nona Hendryx(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはLarry Blackmon

シングルになった「Freaky Dancin'」「I Like It」、今日人気の高い「The Sound Table」をはじめとする快調なディスコ・ファンクが魅力のアルバムです。また、「I Never Knew」「I'll Always Stay」といったメロウ・バラードもアルバムのいいアクセントとなっています。

大所帯体制のCameoがお好きな方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Knights by Nights」
オープニングを飾るアッパーなディスコ・ファンク。鮮やかなホーン・アンサンブルとCameoらしいワォなヴォーカル・ワークを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=usQriguHn-o

「Freaky Dancin'」
1stシングルとして全米R&Bチャート第3位となったファンク・グルーヴ。Cameoらしいノリが伝わってくるキャッチーな1曲。Fabe「Classique」のサンプリング・ソースにもなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=UnIuldTX19M

「I Never Knew」
Cameoのもう1つの魅力であるメロウ・バラード。素敵なヴォーカル・ワークで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=vkGj0mmRr4s

「Use It or Lose It」
ジェントル&メロウなミディアム・グルーヴ。何処となくほのぼのした感じが好き!密かにお気に入りの1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=AgNQRVaaEo0

「The Sound Table」
本作のハイライトにコレを推す人も多いのでは?パーカッシヴなリズム、スキャット・ヴォーカル、トランペット、トロンボーンが織り成すブギー・ディスコです。
https://www.youtube.com/watch?v=qkDmZCsX2v4

当ブログで紹介したrestless soul Fun Band「It's Hard」は本曲のイントロを加工し、ループさせたものです。
restless soul Fun Band「It's Hard」
 https://www.youtube.com/watch?v=cYg0TCAFJf4

「Don't Be So Cool」
派手さはありませんが、なぜか惹き付けられるファンク・チューン。グルーヴ感とヴォーカル・ワークが好きなのかなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=SDfbskn52U8

「I'll Always Stay」
メロウ・バラード。ファンク作品に1〜2曲入っているスロウって何でこんなに良く聴こえるですかね。
https://www.youtube.com/watch?v=Uc3u_bsmhKg

Median「Rize」のサンプリング・ソースとなっています。
Median「Rize」
 https://www.youtube.com/watch?v=mezV-x8eDkM

「I Like It」
ラストは2ndシングルにもなった疾走感が格好良いファンク・グルーヴ。ノリの良さがいいですな。
https://www.youtube.com/watch?v=iVj15I8jL9E

Cameoの過去記事もご参照下さい。

『Cardiac Arrest』(1977年)
カーディアック・アレスト

『Cameosis』(1980年)
Cameosis

『She's Strange』(1984年)
She's Strange

『Word Up!』(1986年)
Word Up!

『Machismo』(1988年)
cameo machismo.jpg

『Real Men ... Wear Black』(1990年)
Real Men Wear Black
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2016年09月22日

Mndsgn『Body Wash』

Stones Throw期待のHip-Hopアーティストによるブギー/ファンク作品☆Mndsgn『Body Wash』
Body Wash
発表年:2016年
ez的ジャンル:Stones Throw系ブギー/ファンク
気分は... :煌びやかで儚いスロウ・ファンク・・・

新作アルバムが溜まってきたので、定番の週末のみならず、しばらく週中にも紹介していきたいと思います。

ということで、新作アルバムからL.A.を代表するインディHip-HopレーベルStones Throwが送り出す、期待のプロデューサー/ビートメイカーMndsgn『Body Wash』です。

Mndsgnの本名はRinggo Ancheta。1988年サンディエゴ生まれ、その後ニュージャージーに移り住み、10台前半からビート制作を開始します。

その後、今日同じStones Throw期待のHip-Hopアーティストとして売り出し中のKnxwledgeとネット上で知り合い、彼ら2名を含む4名でKlipmodeというHip-Hopクルーを結成します。

2009年には各メンバーがそれぞれ『3P』というタイトルでEPをリリースしています。さらに同年、Mndsgnは1stアルバム『Funraiser Vol. 2: Skrayons』をデジタル・リリースします。

2011年には拠点をニュージャージーからL.A.に移し、『Nomaps』(2011年)、『Breatharian』(2013年)、Ahwleeとの共作『A Rap Vacation X-Mas W』(2013年)といったアルバムをリリースします。

こうしたMndsgnの活動を見過ごさなかったのがStones Throw。そして、2014年にStones Throw第1弾アルバムを『Yawn Zen』リリースします。また、ソロ活動以外に2015年にはKoreatown OddityとのユニットViviansとしてもアルバムをリリースしています。

Stones Throw第2弾アルバムとなる本作『Body Wash』はブギー/ファンク路線を強めたアルバムに仕上がっています。このあたりは同じStones ThrowのTuxedoDam-Funkの流れを汲むものです。

キャッチーなブギー/ファンク「Cosmic Perspective」が出色ですが、それ以外に「Ya Own Way」「Use Ya Mnd (Twentyfourseven)」「Transmission」「Lather」あたりのミディアム〜スロウ系もオススメです。

同じようなテンポの曲が多い点と、尺が少し短い点が少し残念ですが、それでも聴かせてしまうセンスの良さがあるアルバムです。

まずは「Cosmic Perspective」を聴いてみてください!ハマる人も多いはず!

全曲紹介しときやす。

「Overture」
アルバムのイントロ。ブギー/ファンク・ショーの幕開けです。

「Cosmic Perspective」
オススメその1。アルバムを象徴するブギー/ファンク・チューン。このPVを観て本作の購入を決めました。このキャッチーさはTuxedoDam-Funk級ですね。80年代エレクトリック・ファンク好きの人も気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=BGgaZ66-hPA

「Tha Origin Interlude」
エレクトリックなインタールード。

「Alluptoyou」
Mndsgnのエフェクト・ヴォーカルで切なく響く、メロウ・ミディアム。女性コーラスも加わり、いい感じです。

「Ya Own Way」
オススメその2。ギター&シンセのエレクトリック感が気持ちいいメロウ・ミディアム。メロウな中にも儚さが漂うのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SGkcCRxO-u8

「Use Ya Mnd (Twentyfourseven)」
オススメその3。80年代エレクトリック・ファンク作品のスロウ・チューンといった雰囲気の1曲。Mndsgnのエフェクト哀愁ヴォーカルが切なく響きます。生ピアノの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KBhWluUUHA0

「Enter Her Abode Interlude」
女性コーラスは妖しくさまようインタールード。

「Vague// Recalibrate」
甘く妖しい音色が織り成すスロウ・チューン。

「Transmission」
オススメその4。Mndsgnのエフェクト・ヴォーカルの哀愁メロウ・サウンドのバランスが絶妙なスロウ・ファンク。彼のセンスの良さが反映されや1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YfCDPJOr0GY

「Prelude 2 Purification」
パーカッションの効いたフュージョン風味の小曲。

「Lather」
オススメその5。妖しげなキラキラ感がミディアム・スロウ。退廃的なメロウ・ワールドって雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ZVACxUZAR-k

「Where Ever U R」
小曲ながらも心地よいメロウ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=0kp-yEiQvSg

「Searchin I (4 That Familiar Feelin)」
ここからSearchin3部作。パート1は儚い煌びやかさが印象的な哀愁メロウ・ブギー。
https://www.youtube.com/watch?v=q-gmyS2BHfI

「Searchin II (4 Sumthin New)」
パート2は80年代モード全開のブギー・ファンク。思わずハンド・クラッピングしてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=siFCB1yPHIM

「Searchin III (4 Nothin Else)」
パート3はメリハリのつけかたが絶妙なメロウ・ブギー。

「Guess It's All Over」
ラストは本作らしい哀愁モードのスロウ・ファンクで締め括ってくれます。

Stones Throw第1弾となる『Yawn Zen』(2014年)もチェックを!

『Yawn Zen』(2014年)
Yawn Zen
posted by ez at 02:43| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月21日

Martee Lebous『The Lady Wants To Be A Star』

女性SSWによる初々しいシティ・ソウル☆Martee Lebous『The Lady Wants To Be A Star』
ザ・レディ・ワンツ・トゥ・ビー・ア・スター [世界初CD化]
発表年:1976年
ez的ジャンル:女性SSW系シティ・ソウル
気分は... :スターを夢見て・・・

今回は女性SSW、Martee Lebousのアルバム『The Lady Wants To Be A Star』(1976年)です。

Martee Lebousのプロフィールは不明ですが、ライナーノーツには本作『The Lady Wants To Be A Star』(1976年)リリース時は19歳であったと書かれています。

その後Martee Lebowのアーティスト名で再デビューし、『Crimes Of The Heart』(1986年)、『Love's A Liar』(1987年)という2枚のアルバムをリリースしています。

さらに2012年にはThe Mar-Taysの一員として The Beatles作品のウクレレ・カヴァー「All I Got To Do」をダウンロード・リリースしています。

まず本作はジャケが印象的です。レコード・ショップの店頭でヒット・アルバムのジャケを眺めるLebousの姿は、まさにアルバム・タイトル『The Lady Wants To Be A Star』そのものですね。

Charlie Calelloがプロデュースし、N.Y.でレコーディングが行われました。

レコーディングにはMartee Lebous(vo、p)以下、Jeff Mironov(g)、John Tropea(g)、Barry Miles(key)、Will Lee(b)、Ron Tierno(ds)、George Devens(per)、Randy Brecker(tp)、Michael Brecker(sax)、George Young(sax)、Joe Farrell(sax)、Arnold McCuller(back vo)、David Lasley(back vo)、Lynn Pitney(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

アルバム全体は、名うてのミュージシャンをバックにした都会的なシティ・ソウル作品に仕上がっています。

ブルーアイド・ソウル的な魅力を持った「For David」「Chance To Dance」あたりが僕のオススメです。

「You Taught Me To Feel」「If You Still Want Me」「The Lady Wants To Be A Star」といった女性SSWらしいバラードも本作の魅力だと思います。

ブルーアイド・ソウル的な女性SSWをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Prelude/Nothing But Love」
ピアノ弾き語りによるCarole King風のプレリュードに続き、都会的に疾走するシティ・ソウルで初々しく弾けます。

「You Taught Me To Feel」
女性SSWらしいバラードを堂々と歌い上げます。このあたりは十代とは思えない早熟ぶりを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Lt0IlBIhd6U

「For David」
この曲を本作のハイライトに推す人も多いのでは?僕も一番好きです。ブルーアイド・ソウル的な魅力を持ったミディアム・グルーヴです。Michael Breckerのサックスも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=AYxPu_nGEpg

「If You Still Want Me」
アコースティックな質感と素敵なストリングスがLebousの歌を引き立てるバラード。Lebousの魅力を引き出すCharlie Calelloのプロデュース・センスが光ります。

「I Belong To You」
リラックスしたファンキー・サウンドが楽しげな1曲。ソウルフルなLebousのヴォーカルが栄えます。

「Friend In You」
パンチの効いたソウルフル・ヴォーカルで歌い上げます。

「Willee Or Won't He ?」
小曲ですが、ブラック・フィーリングの効いたるシティ・ソウルに仕上がっています。

「My Inspiration」
哀愁モードのミディアム。

「Chance To Dance」
タイトルの通り、ダンサブルなシティ・ソウル。成功を夢見る躍動感のようなものがあっていいですね。「For David」に次いで好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=8xvZequLUmg

「Ain't It A Shame」
ブルージーな味わいで歌い上げるバラード。

「(How Can You Lose) Something You Never Had」
ポップな味わいのブルーアイド・ソウルって雰囲気ですよね。

「Fallin' In And Out Of Love」
名うてのミュージシャン達による開放的なグルーヴが印象的な1曲。

「The Lady Wants To Be A Star」
プレリュードでもチラ聴かせしたCarole King風のタイトル曲で締め括ってくれます。

ご興味がある方はMartee Lebow名義の『Love's A Liar』(1987年)あたりもチェックしてみては?かなりポップ・ロック色が強いですが。

『Love's A Liar』(1987年)
Love's A Liar
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2016年09月19日

The Winans『Return』

Teddy Riley、Stevie Wonder参加!Winans兄弟グループのヒット作☆The Winans『Return』
Return
発表年:1990年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :歌魂!

今回は90年代コンテンポラリー・ゴスペル作品からThe Winans『Return』(1990年)です。

The Winansは有名なゴスペル・ファミリーWinansのRonald WinansCarvin WinansMarvin WinansMichael Winansという次男、三男、四男、五男が結成したゴスペル・グループ。有名な兄妹デュオBeBe & CeCe Winans の兄たちです。

ゴスペル界の超大物アーティストAndrae Crouchに見出され、1981年にデビュー・アルバム『Introducing the Winans』をリリース。その後、『Long Time Comin'』(1983年)、『Tomorrow』(1984年)、『Let My People Go』(1986年)、『Decisions』(1987年)、『Live At Carnegie Hall』(1988年)、『Return』(1990年)、『All Out』(1993年)、『Heart & Soul』(1995年)、『Christmas: Our Gifts to You』(2000年)といったアルバムをリリースしています。

本作『Return』(1990年)はUSゴールド・ディスクに輝いたグループ最大のヒット作。「It's Time」(全米R&Bチャート第5位)といったR&Bヒットも生んでいます。

当時Guyで時代の寵児となっていたTeddy Rileyと彼の良きプロデュース・パートナーであったBernard Bell、さらには元Chapter 8の人気プロデューサーMichael J. Powellがグループと共にプロデュースを務め、Stevie WonderGuyのリード・シンガーAaron Hall、人気サックス奏者Kenny Gがゲスト参加しています。

正直、Teddy Rileyプロデュースの3曲はTeddy色が強く、必ずしもThe Winansの個性とマッチしているとは思いませんが、そのあたりのミスマッチを楽しむ聴き方もあるのでは(笑)。対照的にMichael J. Powellプロデュースの4曲はグループの持ち味を生かした手堅い作りになっています。個人的にはCarvinがハイトーンのリード・ヴォーカルをとる曲が気に入っています。

4兄弟の歌魂が伝わってくるジャケも好きです。
ジャケ好きの僕としてはジャケだけで気に入っているアルバムかもしれません(笑)

全曲紹介しときやす。

「It's Time」
Bernard Bell/Teddy Riley/The Winansプロデュース。Teddy Riley自身のラップをフィーチャーしたグループ最大のヒット・シングル(全米R&Bチャート第5位)。NJS調のダンサブル・チューンはThe Winansらしいとは言えませんが、時代の音ということで楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=bQBsfd1QE9k

「Everyday The Same」
Michael J. Powell/The Winansプロデュース。Stevie Wonderのヴォーカル&ハーモニカをフィーチャー。軽くビートを効かせつつ、メロディアスな味わいを重視した仕上がりです。Carvinのリラックスうしたリード・ヴォーカルが実にスマートでいいですね。Stevieのハーモニカも曲に良く合っています。
https://www.youtube.com/watch?v=qeA_rytT1K4

「Don't Leave Me」
Teddy Riley/The Winansプロデュース。Aaron Hallがバック・ヴォーカルで参加。The WinansとTeddy Rileyが懸命に融合を図っていますが、結構苦戦しているかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=69YP407PoZY

「A Friend」
Bernard Bell/Teddy Riley/The Winansプロデュース。この曲もAaron Hall参加。アルバムからの2ndシングルとして全米R&Bチャート第11位となっています。Teddy Riley絡みの3曲では最もメロディアスなコレが一番好きです。ただし、曲調はWinansというよりAaron Hall向きですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JvwOzXq762c

「Gonna Be Alright」
Michael J. Powell/The Winansプロデュース。MarvinとRonaldがそれぞれ素晴らしいリード・ヴォーカルを聴かせてくれるミディアム。コンテンポラリー・ゴスペルらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gJSh3JySHg8

「When You Cry」
Michael J. Powell/The Winansプロデュース。Kenny G参加曲。アルバムからの3rdシングル。Carvinがハイトーンでしっとりと歌い上げ、兄弟のコーラスとKenny Gのサックスが優しく寄り添います。
https://www.youtube.com/watch?v=4QpeKtad-gA

「Together We Stand」
Michael J. Powell/The Winansプロデュース。これは楽曲がいいですね。アーバンなコンテンポラリー感はAOR好きの人あたりもグッとくるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=-gBOhU_HtM4

「This Time It's Personal」
The Winansプロデュース。ダンサブルな仕上がりですが、今聴くと少し古めかしいかも?

「Free」
The Winansプロデュース。ポップに弾けたダンサブル・チューン。キラキラ感がこの時代らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0Z1ZTKHYPFI

「Wherever I Go」
Marvin Winansプロデュース。ラストはゴスペル・グループらしく感動的に締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=k-Ceum_Hi90

The Winansの他作品もチェックを!

『Introducing the Winans/Long Time Comin'/Tomorrow』(1981/1983/1984年) ※3in1CD
Classic 3

『Decisions』(1987年)
Decisions

『All Out』(1993年)
All Out
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