2016年10月24日

Agustin Pereyra Lucena『Climas』

独自の美しいギター・ワールドを楽しめる3枚目☆Agustin Pereyra Lucena『Climas』
CLIMAS~友との語らい
発表年:1973年
ez的ジャンル:名人ギタリスト系アルゼンチン・ジャズ/ボッサ
気分は... :友との語らい・・・

今回はアルゼンチン人ギタリストAgustin Pereyra Lucenaが1998年にリリースした『Climas』です。

「私のルーツはアルゼンチンにあって、憧れはブラジルにある」と、アルゼンチン人ながらもブラジル音楽に大きく影響を受けたギタリストAgustin Pereyra Lucenaに関して、当ブログで紹介した作品は以下の5枚(発売順)。

 『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
 『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)
 Candeias『Sambaiana』(1976年)
 『La Rana』(1980年)
 『Miradas』(1998年)

本作『Climas』は、『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)、Nana Vasconcelosと共演した『El Increible Nana Con Agustin Pereyra Lucena』(1971年)に続く3枚目のアルバムです。

ブラジル音楽の影響を受けながらも、独自の音楽スタイルを模索し始めたのが本作『Climas』であり、ブラジル音楽の枠に収まらない美しいギター・ワールドを楽しめます。

本作のレコーディング・メンバーはAgustin Pereyra Lucena(g)以下、Paulinho do Pinho(g)、Guillermo Reuter(p、g)、Franklin Correa(fl)、Mario "Mojarra" Fernandez:(b)、Jorge Padin(ds)、Carlos Carli(ds、per)、Oscar Alem(contrabass)、Banana(per)、Carlos Guanair(per)、Esnai(per)等です。アレンジはPaulinho do Pinho

Agustinの美しくも、何処となく愁いを帯びたギターの音色は、紅葉の季節にピッタリだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Pra Que Chorar」
Baden Powell/Vinicius De Moraes作。Agustinが敬愛するブラジル人ギタリストBaden Powellの楽曲をカヴァー。軽やかな中にも透明感のあるギター・アンサンブルに魅了されます。後に『La Rana』でも本曲を再演しています。

「Andorinha」
Antonio Carlos Jobim作。Jobim作品をロマンチックな雰囲気で聴かせてくれます。

「Quem Diz Que Sabe」
Joao Donato作。Franklin Correaの軽やかなフルートが先導するメロウ・ボッサ。美しいストリングスもグッド!

「Te Quiero...Dijiste」
Maria Grever作。1分強の短い演奏ですが、秋にピッタリのギターの音色に魅了されます。

「Pao de Jesus」
Paulinho do Pinho作。派手さはありませんが、Agustinの美しきギター・ワールドを堪能できる素敵なアンサンブルです。

「Algo De Mi」
Agustin Pereyra Lucena作。ジャジーな雰囲気のアコースティック・メロウ。

「Verano Del 42」
Michel Legrand作の「Summer Of '42」をカヴァー。美しいストリングスをバックに、Agustinが素敵な演奏を聴かせてくれます。いささかストリングスが目立ちすぎですが(笑)

「Tomara」
Toquinho/Vinicius De Moraes作。当ブログではVinicius/Marila Medalha/Toquinhoヴァージョンも紹介済みです。緩急織り交ぜながら、Agustinのギターを存分に堪能できる演奏に大満足です。

「Encuentro Casual」
Agustin Pereyra Lucena/Guillermo Reuter作。メロウという点では本作随一のメロウ・ボッサ。キャッチーな聴きやすさもあります。

「Pra Dizer Adeus」
Edu Lobo/Torquato Neto作。Oscar AlemのコントラバスとAgustinのギターが織り成す美しくも寂しげな音世界に魅了されます。

本曲に関して、当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaのヴァージョンをはじめ、Luciana SouzaMaria BethaniaSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo Henriquesヴァージョンも紹介済みです。

「Espontaneo」
Agustin Pereyra Lucena作。ラストはパーカッシブなアフロ・ブラジリアンな演奏で締め括ってくれます。

他のAgustin Pereyra Lucena作品もチェックを!

『Agustin Pereyra Lucena』(1970年)
Agustin Pereyra Lucena

『Ese Dia Va A Llegar』(1975年)
Ese dia va a llegar

Candeias『Sambaiana』(1976年)
Sambaiana

Agustin Pereyra Lucena Quartet『La Rana』(1980年)
La Rana

『Puertos de Alternativa』(1986年)
Puertos de Alternativa

『Miradas』(1998年)
Miradas

『42:53』(2009年)
42:53
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2016年10月23日

The Doggett Brothers『Colours』

Tuxedo、Cool Millionに続け!UKソウル/ディスコの新星☆The Doggett Brothers『Colours』
カラーズ
発表年:2016年
ez的ジャンル:UKモダン・ソウル/ディスコ
気分は... :『狂気』全曲再現!

昨晩はPink Floydのトリビュート・バンド原始神母による『狂気』全曲再現ライヴへ行ってきました。

会場となった川崎 CLUB CITTA'はプログレ上級者とおぼしきオジサン達で超満員!当然、お客さんの年齢層はかなり高めでしが、若者や女性もちらほら見られました。

僕は人に誘われて足を運んだので、バンドやライブの詳細を知らず、名作『Dark Side Of The Moon(邦題:狂気)』(1973年)の全曲再現+αでせいぜい1時間半位のステージをイメージしていたのですが、終わってみれば『狂気』全曲再現を含む代表曲を網羅した圧巻のライブは3時間半にも及びました。

一緒に行った方々は、僕ごときが到底足元にも及ばないプログレ上級者ばかりだったのですが、そうした方々も大満足の充実のライブでした。ライティングも素晴らしくFloydの世界観を見事に演出してくれました。

目玉の"『狂気』全曲再現"は女性スキャットやサックス、さらには効果音も抜群で、全曲再現という謳い文句に相応しいものだったと思います。また、『Wish You Were Here(邦題:炎)』(1975年)からの演奏が多かったのも嬉しかったですね。

最近はプログレやFloydを殆ど聴いていなかった僕ですが、今回のライブのためにこの1週間は『狂気』『炎』を繰り返し聞き、にわかFloydファンになろうしていましたが、年季の入ったファンの方々のパワーに圧倒されっぱなしでした。

『Dark Side Of The Moon』というモンスター・アルバムの凄さを再認識させられた一夜でした。

ここまで書いておきながら、今回はFloydとは全く脈絡のないセレクトです(笑)

新作アルバムからUKのソウル/ディスコ・ユニットThe Doggett Brothersの最新作『Colours』です。

The Doggett BrothersGreg Doggett(g)、Carl Doggett(ds)というDoggett兄弟を中心としたUKのソウル/ディスコ・ユニット。

2013年にデビュー・アルバム『Daylight』をリリースしており、本作『Colours』は2ndアルバムとなります。

内容的にはTuxedoCool Millionなどのモダン・ディスコ/ブギーの流れを汲むアルバムと見えがちですが、ダンス一辺倒というわけではなく、ディスコ/ブギー作品の一言で片づけられない、UKモダン・ソウル作品です。

アルバム全体にアーバンな落ち着きがあるのがいいですね。きっと80年代ブラコン好きにはフィットするはずです。

Cool Million作品にも参加していたLaura Jackson、90年代から活躍するUKの男性ソウル・シンガーKenny Thomas、さらにはStacy StuartArnob BasitDominic Uppiahといったシンガーがフィーチャリングされています。

Laura Jacksonをフィーチャーした「Lover」「Hotter」「Colours」、Arnob Basitをフィーチャーした「Outta Control」、Kenny Thomasをフィーチャーした「You Make Me Feel」あたりが特にオススメです。

The Doggett Brothers『Colours』teaser
 https://www.youtube.com/watch?v=Y7yoXDSzzvk

ジャケは正直言ってB級感丸出しですが、中身はかなりいいと思います。

80年代好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「You Make Me Feel」
Kenny Thomasをフィーチャー。Kenny Thomasのヴォーカルの魅力が伝わってくるミディアム・グルーヴ。単に踊らせるのではなく、しっかり聴かせようという感じがいいですね。

「Lover」
Laura Jacksonをフィーチャー。80年代ブラコン好きの人が歓喜するであろうアーバンなダンス・チューン。Cool Million作品でも証明済みですが、Laura Jacksonのヴォーカルは実にしなやかでいいですね。

「You and I」
Stacy Stuartをフィーチャー。少しテンポを落としたオトナのメロウ・ソウル。落ち着いた雰囲気のブラコン感がいいですね。

「Fill My Cup」
Stacy Stuartをフィーチャー。Gregのギター・カッティングが冴えるモダン・ディスコ。クールなヴォーカルがいい雰囲気を醸し出します。

「Why」
Laura Jacksonをフィーチャー。Laura Jacksonのヴォーカルが妖艶な雰囲気を醸し出すミディアム・グルーヴ。

「Outta Control」
Arnob Basitをフィーチャー。メロウに疾走するアーバン・ダンサー。Arnob Basitの抑え目ながらもセクシーなヴォーカルが栄えます。

「Hotter」
Laura Jacksonをフィーチャー。この曲もブラコン好きの人が喜びそうなアーバンなミディアム・グルーヴ。少しレイジーな雰囲気も醸し出すLauraのヴォーカルにグッときます。

「2am」
インタールード的な小曲です。

「Two In My Life」
Dominic Uppiahをフィーチャー。オトナのスロウ・チューンをしっとりと聴かせます。

「Colours」
Laura Jacksonをフィーチャー。タイトル曲はバカンス・モードのダンス・チューンです。華やかな中にも落ち着きがあります。

「Our Time」
Laura Jacksonをフィーチャー。ラストはオトナのアーバン・ソウルで締め括ってくれます。

『Daylight』(2013年)
Daylight
posted by ez at 05:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月22日

Blue Mitchell『The Thing to Do』

ハードバップ期の人気トランペッターの代表作☆Blue Mitchell『The Thing to Do』
The Thing to Do
録音年:1964年
ez的ジャンル:ハードバップ系トランペッター
気分は... :音色が決め手!

今回はハードバップ期の人気ジャズ・トランペッターBlue Mitchellを代表する1枚、『The Thing to Do』(1964年)です。

Blue Mitchell(1930-1979年)はフロリダ州マイアミ出身。

1958年にRiversideから初リーダー作『Big 6』をリリース。その後Riversideからリーダーをリリースするのと並行して、Horace Silverのグループに参加し、サイドメンとして活躍します。

Horace Silverのグループから独立後は、Blue NoteMainstream等からコンスタントにアルバムをリリースしています。1979年に癌のため49歳で逝去。

Blue Note第1弾となる本作『The Thing to Do』(1964年)は彼のキャリアを代表する1枚です。

レコーディング・メンバーはBlue Mitchell(tp)、Junior Cook(ts)、Chick Corea(p)、Gene Taylor (b)、Al Foster(ds)という5名。

Horace Silverのグループ時代の盟友Junior CookGene Taylor に、Chick CoreaAl Fosterという若き才能が加わった形です。

派手なアルバムではありませんが、全体的に聴きやすく、Mitchellのトランペットの音色の美しさに魅了される1枚です。

ジャズ初心者の方が聴いても、小難しい感じがせずに楽しめる1枚だと思います。

全5曲、5曲5様の魅力を持った演奏で、あっという間に最後まで聴けます。

全曲紹介しときやす。

「Fungii Mama」
Blue Mitchell作。カリプソ調の軽やかでリラックスした演奏を楽しめるオープニング。このあたりはHorace Silverからの影響が大きいのでしょうね。Junior Cookのテナー、Mitchellのトランペット共に快調です。
https://www.youtube.com/watch?v=oXr-Jz5RBn0

「Mona's Mood」
Jimmy Heath作。Mitchellのトランペットの音色の美しさに魅了されるバラード。Chick Corea控えめながらも美しいピアノにもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=l1RnJARq1As

「The Thing to Do」
Jimmy Heath作。タイトル曲はリラックスした中にも小粋なセンスを感じる演奏を楽しめます。さり気なさが逆にキマっています。最初と最後にラテン・フレイヴァーでアクセントをつけているのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4CJfh9FaFM8

Leaders of the New School「Teachers, Don't Teach Us Nonsense」のサンプリング・ソースにもなっています。
Leaders of the New School「Teachers, Don't Teach Us Nonsense」
 https://www.youtube.com/watch?v=dBphooC4aAM

「Step Lightly」
Joe Henderson作。開放的な雰囲気のブルースです。ここでもMitchellのトランペットの美しいトーンを存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZCxpL-vQSS0

「Chick's Tune」
Chick Corea作。ラストはクラブジャズ世代の人が聴いてもグッとくるであろうハードバップ。端正なChickのピアノやAl Fosterの格好良いドラミングも楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=gv3MlbLnkXM

ご興味がある方はBlue NoteMainstream時代のBlue Mitchell作品もチェックを!

『Down with It!』(1965年)
Down With It

『Bring It Home to Me』(1966年)
ブリング・イット・ホーム・トゥ・ミー

『Boss Horn』(1966年)
Boss Horn

『Heads Up』(1967年)
ヘッズ・アップ+2

『Bantu Village』(1969年)
Bantu Village

『Blue Mitchell』(1971年)
Blue Mitchell

『The Last Tango = Blues』(1973年)
ザ・ラスト・タンゴ=ブルース

『Graffiti Blues』(1973年)
グラフィティ・ブルース

『Many Shades of Blue』(1974年)
メニー・シェイズ・オブ・ブルー
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2016年10月21日

Maria Muldaur『Open Your Eyes』

AOR/ブルーアイド・ソウル路線の1枚、Stevie Wonder参加☆Maria Muldaur『Open Your Eyes』
Open Your Eyes
発表年:1979年
ez的ジャンル:AOR/ブルーアイド・ソウル系女性シンガー
気分は... :ピカピカ...

女性シンガーMaria Muldaurが1979年にリリースした『Open Your Eyes』です。

1943年N.Y.生まれの女性シンガーMaria Muldaurの紹介は、大ヒット曲「Midnight at the Oasis」収録のソロ1stアルバム『Maria Muldaur』(1973年)に続き2回目となります。

本作のプロデュースは、代表曲「Midnight at the Oasis」の作者David NichternPatrick Henderson。フォーク、カントリーなどオールド・タイミーなイメージが強いMaria Muldaurですが、Patrick Hendersonの起用からもわかるように、本作はAOR/ブルーアイド・ソウル色の強い1枚に仕上がっています。

そのあたりの雰囲気はNorman Seeffが撮影したジャケからも伝わってきますね。

レコーディングにはPatrick Henderson(p、el-p)、David Nichtern(g)、Stevie Wonder(harmonica)、Amos Garrett(g)、Dean Parks(g)、Robben Ford(g)、Rick Vito(g)、Doug Livingstone(g)、Willie Weeks(b)、Freebo(b)、Rick Shlosser(ds)、Ron Tutt(ds)、Peter Bunetta(ds)、Bill PayneLittle Feat)(p)、Victor Feldman(per)、Bobbye Hall(per)、Jim Gordon(sax)、Jr. Walker(sax)、Marty Paich(strings arr)、Wendy Waldman(back vo)、Brenda Burns(back vo)、Rosemary Butle(back vo)、Chris Spencer(back vo)、Greg Prestopino(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

ハイライトは「Clean Up Woman」Betty Wright)、「Open Your Eyes」The Doobie Brothers)という有名曲カヴァーだと思います。

「Midnight at the Oasis」とは異なるMaria Muldaurの魅力を楽しめる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Fall in Love Again」
Patrick Henderson/Wornell Jones作。作者Wornell Jonesのヴァージョンは『Wornell Jones』(1979年)に収録されています。少し前に取り上げたPointer Sisters『Black & White』(1981年)でもカヴァーされていました。Dean Parkのギターが唸るAOR色の強いオープニング。

「Finally Made Love to a Man」
Brenda Burns作。ほんのりカントリーの香りがする、しっとりとしたメロウ・チューン

「Birds Fly South (When Winter Comes)」
David Nichtern作。Stevie Wonder参加曲。Stevieのハーモニカが先導するビューティフル・チューン。Mariaのキュートな魅力がうまく引き出されています。

「Heart of Fire」
Patrick Henderson/Wornell Jones作。作者Wornell Jonesのヴァージョンは『Wornell Jones』(1979年)に収録されています。Mary Russellも同時期に本曲をカヴァーしています。本作らしい都会的なポップ・ロックに仕上がっています。Mariaが妖艶なヴォーカルで迫ります。ホーン隊がかなり盛り上げてくれます。

「Lover Man」
Jimmy Davis/Roger Ramirez/James Sherman作のスタンダードをカヴァー。Billie Holidayのレパートリーだったことでも知られる名曲ですね。当ブログではPatti LaBelleJose Jamesのカヴァーも紹介済みです。ここではジャズ調サウンドをバックに艶めかしく歌い上げます。

「Open Your Eyes」
The Doobie Brothersの名盤『Minute By Minute』(1978年)収録曲をカヴァー(Lester Abrams/Patrick Henderson/(Michael McDonald作)。僕の一番のお気に入り。本作ならではのメロウ・ソウル調の仕上がりはAOR/ブルーアイド・ソウル好きの方もグッとくるはず!

「(No More) Dancin' in the Street」
John Hiatt作品のカヴァー。オリジナルは『Slug Line』(1979年)に収録されています。ロックンロール調のスタイルですが、今の僕には、このタイプの曲はパスです(笑)

「Elona」
David Nichtern作。少しミステリアスな雰囲気も漂うバラードをしっとり歌い上げます。

「Clean Up Woman」
Willie Clarke/Willie Hale(Little Beaver)作。マイアミ・ソウルの女王Betty Wrightの名曲をカヴァー。オリジナルは『I Love The Way You Love』(1972年)に収録されています。一般的には本作のハイライトはコレかもしれませんね。フリーソウル人気曲をファンキー&ソウルフルにカヴァーしています。フリーソウル好きの人であれば気に入るはず!Jr. Walkerのサックス・ソロもキマっています。

「Love Is Everything」
女性ブルース・ギタリスト/シンガーRory Blockの作品をカヴァー。オリジナルは『I'm In Love』(1976年)に収録されています。メロウな中にも味わい深さがあるバラードで締め括ってくれます。

『Maria Muldaur』(1973年)
Maria Muldaur
posted by ez at 10:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月20日

Perry & Sanlin『For Those Who Love』

Phil Perryによる男性ソウル・デュオ☆Perry & Sanlin『For Those Who Love』
perry & sanlin for those who love.jpg
発表年:1980年
ez的ジャンル:男性ソウル・デュオ
気分は... :サレンダー!

男性ソウル・デュオPerry & Sanlinの1stアルバム『For Those Who Love』(1980年)です。

Perry & Sanlinは、Kevin SanlinPhil Perryというセントルイスのソウル・グループThe Montclairsの元メンバー2人が組んだ男性ソウル・デュオ。

Perry & Sanlinとして『For Those Who Love』(1980年)、『We're The Winners』(1981年)という2枚のアルバムをリリースしています。

その後、Phil Perryはセッション・シンガーとして数多くのアーティストのレコーディングに参加した後、1991年のアルバム『The Heart Of The Man』を皮切りにソロ・アーティストとして活動するようになります。僕もPhil Perryとの出会いは『The Heart Of The Man』でした。

1stアルバムとなる本作『For Those Who Love』(1980年)は、アーバン/モダン・ソウルな魅力に溢れた1枚です。

レコーディングにはKevin Sanlin(vo、g、b)、Phil Perry(vo、key)以下、Charles Fearing(g)、Michael McGlory(g)、Nathan East(b)、Scott Edwards(b)、 John Barnes(key)、Mike Lang(key)、Patrice Rushen(key)、Tony Coleman(key)、Leon Chancler(ds、per)、Paulinho Da Costa(per)、Julia Tillman Waters(back vo)、Maxine Willard Waters(back vo)、Edie Lehman(back vo)、Marti McCall(back vo)、Myrna Matthews(back vo)、Sherrie Payne(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

プロデュースはCharles JacksonDr. Cecil Hale

男性ソウル・デュオらしさとこの時代らしいサウンドを両立させているのがアルバムの魅力だと思います。

個人的には、モダン・ソウル名曲と再評価の高い「With You」、アーバン・メロウな「Off On Your Love」、爽快モダン・ソウル「It's Alright」あたりが特にオススメです。

アルバム全編を通して充実した1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Off On Your Love」
オススメその1。Charles Jackson/Phil Perry作。AOR的魅力を持ったアーバン・メロウなオープニング。名うてのミュージシャンによるバッキングもグッド!今の時期より夏に聴きたいサウンドですが。
https://www.youtube.com/watch?v=AOIv7cocPR8

「It's Alright」
オススメその2。Phil Perry/Kevin Sanlin作。ポジティブなヴァイブに満ちた爽快モダン・ソウル。Phil Perryのハイ・トーン・ヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=bMJtKOgaIzU

「Since You (Came Into My Life)」
Charles Jackson/Phil Perry作。ジワジワと盛り上がるミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=-6mX29LbJWU

「Just To Make You Happy」
オススメその3。Charles Jackson/Phil Perry作。スウィートな魅力を楽しめるメロウ・バラード。バラード系ならばコレが一番好き!
https://www.youtube.com/watch?v=yUW4OlA35pE

「Keep Dancing」
Phil Perry/Kevin Sanlin作。タイトルの通りのディスコ・チューンです。このデュオらしいヴォーカル・ワークを楽しめるダンス・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mFdVbedEmzo

「You Can't Hide Love」
Skip Scarborough作。『Gratitude』(1975年)収録のEarth, Wind & Fireヴァージョンでお馴染みの楽曲をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介したCreative Sourceヴァージョンです。当ブログでは『Live At The Jazz Cafe,London』収録のD'angeloヴァージョンも紹介済みです。ここでは少しシブいオトナの「Can't Hide Love」を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ARuQQSNUO_o

「We Belong Together」
Spinnersのカヴァー(Linda Creed/Thom Bell作)。オリジナルは『Spinners』(1973年)に収録されています。オーセンティックなバラードをしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=hKyNdN5hTgo

「With You」
オススメその4。Charles Jackson/Phil Perry/Tony Coleman作。今日、モダン・ソウル名曲と再評価の高い1曲。大人の小粋なアーバン・ダンサーって雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kgtG7jiXOcA

「I'm So Glad There's You」
Phil Perry作。ドリーミーなイントロが印象的なメロウ・バラード。ビューティフルに最後は締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=eP2YDFJ8wPg

Drake「Lust for Life」、1982「2012」のサンプリング・ソースとなっています。
Drake「Lust for Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=AmSFP3veWyc

2nd『We're The Winners』(1981年)もセットでどうぞ!

『We're The Winners』(1981年)
We’re The Winners

『For Those Who Love/We're The Winners』(1980年/1981年) ※2in1CD
For Those Who Love / We're the Winners
posted by ez at 02:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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