2016年10月12日

Ivan Lins『Chama Acesa』

稀代のメロディ・メイカーらしいMPB作品☆Ivan Lins『Chama Acesa』
シャーマ・アセーザ(期間生産限定盤)
発表年:1975年
ez的ジャンル:稀代のメロディ・メイカー系MPB
気分は... :痛恨のPK・・・

今回はMPBの稀代のメロディ・メイカーIvan Lins『Chama Acesa』(1975年)です。

MPBを代表する男性シンガー・ソングライターIvan Linsについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Modo Livre』(1974年)
 『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)
 『Nos Dias De Hoje』(1978年)
 『Novo Tempo』(1980年)

本作『Chama Acesa』『Modo Livre』(1974年)に続くRCA第2弾アルバムです。

レコーディングはIvan Lins(vo、p、org、g)と彼のバックバンドModo Livreのメンバー、Gilson Peranzzetta(el-p、p、org、syn)、Ricardo Ribeiro(ss、as、fl、back vo)、Fred Barbosa(el-b、per、back vo)、 Joao Cortez(ds、per、back vo)。アレンジはIvan LinsとGilson Peranzzetta。

バンド構成からもわかるように、キーボード・サウンドが主体となり、美しいメロディをしっかり聴かせる曲が多いですね。

特に作詞Vitor Martins、作曲Ivan Lins、アレンジGilson Peranzzettaという最強トリオという黄金トリオによる「Joana Dos Barracos (Beira Mar)」「Ventos De Junho」「Demonio De Guarda」「Corpos」がサイコーです。

Ivan Linsらしい素敵なメロディをじっくり聴くことができる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Sorriso Da Magoa」
Ivan Lins作。Ivanらしい曲調ですね。IvanとGilsonのツイン・キーボードとRicardo Ribeiroのサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=M8V26gj2vlA

「Nesse Botequim」
Ivan Lins作。しっとりと前半から中盤以降はメリハリのあるアレンジで聴かせてくれます。

「Chama Acesa」
Ivan Lins/Paulo Cesar Pinheiro作。メロウな鍵盤に合わせて、美しいメロディを歌い上げます。

「Lenda Do Carmo」
Ivan Lins/Vitor Martins作。サンバのリズムが遠くで聴こえてる、夢の中の喧騒といった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=uQ2rwP7NJxQ

「Joana Dos Barracos (Beira Mar)」
Ivan Lins/Vitor Martins作。キーボード主体のサウンドが目立つ本作ですが、ここでアコギも加わて、素敵なメロウ・サウンドを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=a9NJZ2noi_Y

「Ventos De Junho」
Ivan Lins/Vitor Martins作。邦題「6月の風」。稀代のメロディ・メイカーらしい素敵なメロディに魅了されます。感動的なアレンジもグッド!

「Nao Ha Porque」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro作。Modo Livreの息の合ったバッキングがIvanの歌を盛り上げます。Ricardoのフルートが気が利いています。
https://www.youtube.com/watch?v=OzRwziLQ9Mk

「Demonio De Guarda」
Ivan Lins/Vitor Martins作。静の曲が多い本作において、疾走する本曲は動のイメージですね。アレンジの妙が光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=2eBYIyUnvYA

「Poeira, Cinza e Fumaca」
Ivan Lins/Paulo Cesar Pinheiro作。哀愁のメロディを憂いを帯びたヴォーカルで歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=_coW6uyjnRw

「Palhacos E Reis」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro作。1曲の中にドラマがあります。こういうのもIvan Linsらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=v45YPzTPb8k

「Corpos」
Ivan Lins/Vitor Martins作。ラストはツイン・キーボードらしい素敵なアンサンブルが冴える小粋なサウンドで締め括ってくれます。当ブログではAlaide Costaのカヴァーも紹介済みです。

Ivan Linsの過去記事もチェックを!

『Modo Livre』(1974年)
Modo Livre

『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)
今宵楽しく

『Nos Dias De Hoje』(1978年)
ノス・ヂアス・ヂ・オージェ

『Novo Tempo』(1980年)
ノーヴォ・テンポ
posted by ez at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月11日

Fat Freddy's Drop『Based On A True Story』

NZならではのクロスオーヴァーなレゲエ/ダブ☆Fat Freddy's Drop『Based On A True Story』
ベイスド・オン・ア・トゥルー・ストーリー
発表年:2005年
ez的ジャンル:NZ産レゲエ/ダブ
気分は... :独自のダビー・サウンドに魅せられ・・・

今回はNZを代表するレゲエ/ダブ・バンドFat Freddy's Dropの1stスタジオ・アルバム『Based On A True Story』(2005年)です。

2000年にニュージーランド、ウエリントンで結成されたレゲエ/ダブ・バンドFat Freddy's Dropの紹介は、『Bays』(2015年)に続き2回目となります。

本作『Based On A True Story』は、グループのの1stスタジオ・アルバムとなります。

本作におけるメンバーは、Joe Dukie(vo、g)、DJ Fitchie(production)、Tony Chang(tp、el-p、el-p、org)、Jetlag Johnson(g)、Dobie Blaze(key、el-p、el-p、org)、Hopepa(tb)、Fulla Flash(sax、fl)の7名。

また、NZのバンドTrinityRootsのメンバーRio Hemopo(b)、Riki Gooch(ds)をはじめ、Adan Tijuerina(congas)、Dan Yeabsle(bs)、Tom Callwood(b)、Nick Gaffaney(per、ds)、Julian Dyne(ds)、Ebb、Rhombusといったグループで活躍するLisa Tomlins(vo)、Ladi 6(vo)、P Digsss(vo)、Taj Mahalの娘Deva Mahal(vo)、Hollie Smith(vo)等のミュージシャンが参加しています。

DJ/エレクトロニカ感覚のジャム・セッションといった雰囲気のレゲエ/ダブ作品です。すべての曲が5分以上、7分前後の演奏が多いというのもジャム・セッション的なサウンドがベースになっているためです。曲によってはフォーキーな味わいも目立ちます。レゲエ/ダブ+αな感じも本作の魅力かもしれません。

本場ジャマイカ、UKレゲエ、南米レゲエ、N.Y.レゲエとも異なるNZならではのクロスオーヴァーなレゲエ/ダブを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Ernie」
前半はダビーなピアノ・レゲエ、後半はヴォーカル入りの哀愁レゲエといったオープニング。このバンドらしい音空間を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=RB8PKb7DhDo

「Cay's Crays」
レゲエならではのノスタルジックな雰囲気がいい感じの1曲。キャッチーな哀愁感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SveqAY9tZ24

「This Room」
このバンドらしいDJ/エレクトロニカ感覚のレゲエ/ダブを楽しめます。Joe Dukieのヴォーカルの魅力も実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=dohiIisG_zk

「Ray Ray」
Joe Dukieのソウルフル・ヴォーカルとローファイ感覚のサウンドの組み合わせが意外にクセになります。
https://www.youtube.com/watch?v=9dhMwTXwKzs

「Dark Days」
アコギによるフォーキーな展開。中盤以降はチェロなども加わった荘厳な雰囲気となります。
https://www.youtube.com/watch?v=fArI3kDyvII

「Flashback」
エレクトロニカ感覚のルーツ・レゲエって雰囲気がこのバンドらしいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=q-t5nBbGhPM

「Roady」
シングルにもなった楽曲。Ladi 6、P Digsssといったヴォーカル陣をゲストに迎えています。ジャズなイントロに続き、レイド・バック感のあるレゲエ・サウンドが展開されます。ラガ/ラップ調を織り交ぜた軽快なヴォーカルもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=29MgzHUhHws

「Wandering Eye」
ミクスチャー感覚のフォーキー・レゲエが心地好いです。このあたりはNZ産レゲエ/ダブらしさかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=aBJLkt5seJk

「Del Fuego」
レゲエ/ダブというより音響フォーキーとでも呼びたくなるサウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=ewoVIXj4QOs

「Hope」
ラストはアップライト・ベース、オルガン等をバックにJoe DukieとゲストのHollie Smithがソウルフルに歌い上げるソウル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Htjwd68Ovas

Fat Freddy's Dropの他作品もチェックを!

『Live at the Matterhorn』(2001年)
Live at the Matterhorn

『Dr Boondigga and the Big BW』(2009年)
Dr Boondigga & The Big Bw

『Live at Roundhouse』(2010年)
Live at Roundhouse

『Blackbird』(2013年)
Blackbird

『Bays』(2015年)
Bays
posted by ez at 01:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月10日

Jason McGuiness『Empyrean Tones』

L.A.ジャズ人脈を駆使した今ジャズ作品☆Jason McGuiness『Empyrean Tones』
EMPYREAN TONES
発表年:2016年
ez的ジャンル:L.A.ジャズ
気分は... :あり得ない!

連休なので2日連続で新作を紹介したいと思います。

セレクトしたのはL.A.ジャズの新作Jason McGuiness『Empyrean Tones』です。

Jason McGuinessはミュージシャンのバックグラウンドも持たないものの、L.A.のジャズ・ミュージシャンと交流を持ちながら一人でビートを作りを始めたらしいです。

2014年にはWhitfield-Strong(Norman Whitfield/Barrett Strong)作品をカヴァーした初EP『Masterpiece EP: A Whitfield/Strong Tribute』をリリースしています。さらに2016年にはシングル「We Could Be/Empyrean Tones」をリリース。「Empyrean Tones」ではジャズ・トランぺッターKeyon Harroldをフィーチャーしています。

少し脱線すると、Keyon Harroldは今最も旬なトランぺッターの一人かもしれませんね。これまでもR&BやHip-Hopの話題作に参加し、今年に入ってもOriginal Soundtrack『Miles Ahead』Dr. Lonnie Smith『Evolution』 、Gregory Porter『Take Me To The Alley』Terrace Martin『Velvet Portraits』といった作品に参加しています。当ブログで紹介した作品であれば、Joss Stone『Colour Me Free』(2009年)、John Stoddart『Faith, Hope, Love』(2010年)、Derrick Hodge『Live Today』(2013年)に参加しています。

話をJason McGuinessに戻すと、前述のEP/シングルをベースに、彼のL.A.ジャズ人脈を活かして作り上げたアルバムが本作『Empyrean Tones』です。

アルバムには前述のKeyon Harrold(tp)をはじめ、L.A.ジャズのトップ・ミュージシャンKamasi Washington(sax)、
L.A.ジャズにすっかり根付いてきた、かつての"西ロンドンのHerbie Hancock"Mark De Clive-Lowe(key、org)、Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』にも参加していたBrandon Owens(b)、デトロイトのジャズ・レーベル。ブラック・ジャズの伝説的レーベルTribeの設立者の一人であるPhil Ranelin(tb)、『Seasons』(2013年)で一躍有名になったDexter Story(key)、売れっ子トランぺッターTodd Simon(tp)Te'amir Sweeney(ds)、L.A.のファンク・ユニットBreakestraの男性ヴォーカリストMixmaster Wolf(vo)、Sylk Black(vo)、Herb Larkins (vo)、Taurus Hamilton(vo、g)、Bobby Easton(vibe、b)、L.A.のアフロ・ファンク・バンドJungle Fire等のミュージシャンが参加しています。

全8曲中、5曲がWhitfield-Strong(Norman Whitfield/Barrett Strong)作品のカヴァー、しかも4曲はThe Temptationsのカヴァーという偏りはありますが、Jason McGuinessのプロデュース・センスを感じるL.A.ジャズ作品に仕上がっています。

テンプス・カヴァーの多さに象徴されるように、ソウルフルな味わいが強い1枚です。ただし、そこにブラック・ジャズやHip-Hopを経由した今ジャズのフィーリングが加わり、今のL.A.ジャズらしい演奏を楽しむことができます。今ジャズの肝はドラミングだと思いますが、本作でも殆ど曲でドラムを叩くTe'amir Sweeneyのビートが重要な役割を果たしていると思います。

今ジャズ、L.A.ジャズ好きのもならず、レア・グルーヴ好きの人あたりも、かなりハマる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Empyrean Tones」
Keyon Harroldをフィーチャーしたシングル曲(Jason McGuiness/Keyon Harrold作)。Te'amir SweeneyとBrandon Owensによる今ジャズらしいリズム隊がKeyon Harroldのトランペット・ソロを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=M9PCHDRIJ5M

「We Could Be」
HighScience Project名義のシングル曲(HighScience Project/Jason McGuiness/R. Wansley作)。J Dilla的なTe'amir Sweeneyのドラミングが牽引するヴォーカル曲。ソウルフルですが、しっかり今ジャズしています。

「Nascent」
Jason McGuiness/Phil Ranelin作。伝説のブラック・ジャズ・マンPhil Ranelinをフィーチャー。Mark De Clive-Loweも参加しています。"今ジャズ"的ブラック・ジャズ・サウンドを楽しめます。MDCLの鍵盤が効いています。

「Papa Was A Rolling Stone」
Whitfield-Strong(Norman Whitfield/Barrett Strong)作品のカヴァー1曲目(『Masterpiece EP: A Whitfield/Strong Tribute』収録曲)。The Temptations、1972年の大ヒット曲のカヴァー。Kamasi Washington参加曲。テンプス名曲をヴィンテージ・ソウルと今ジャズが融合したソウルフル"L.A.ジャズ"で格好良くキメてくれます。個人的には本作のハイライト。

「Smiling Faces Sometimes」
Whitfield-Strong(Norman Whitfield/Barrett Strong)作品のカヴァー2曲目(『Masterpiece EP: A Whitfield/Strong Tribute』収録曲)。The Undisputed Truth、1971年のシングル曲のカヴァー。「Papa Was A Rolling Stone」と同路線のソウルフル"L.A.ジャズ"です。派手さはないけど、コクのあるブラック・フィーリングがいいですね。

「Cloud Nine」
Whitfield-Strong(Norman Whitfield/Barrett Strong)作品のカヴァー3曲目(『Masterpiece EP: A Whitfield/Strong Tribute』収録曲)。The Temptations、1968年のヒット曲のカヴァー。この演奏もソウルフルな臨場感がいいですね。Te'amir Sweeneyのドラミングがいいですね。

「Discipline」
Jason McGuiness/Bobby Easton作。Te'amir Sweeneyのドラミングが叩き出すHip-Hop的なビートとヴァイヴ音色の織り成す独特の雰囲気がいいですね。

「I Need You」
ConSoul名義。Whitfield-Strong(Norman Whitfield/Barrett Strong)作品のカヴァー4曲目。The Temptationsのカヴァー。ソウル・バンド的な魅力のある演奏です。

「Ball Of Confusion」
ConSoul名義。Whitfield-Strong(Norman Whitfield/Barrett Strong)作品のカヴァー5曲目。The Temptations、1970年のヒット曲のカヴァー。レア・グルーヴ好きの人が喜びそうな演奏ですね。ブラック・フィーリングたっぷりの演奏は文句なしに格好良いです。

NFLは早くも第5週。
我がドルフィンズは開幕ダッシュに失敗しましたが、このあたりから巻き返して欲しいですね。
posted by ez at 02:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月09日

Ryle『The Adventures Of Jefferson Keyes』

Cool Millionのメンバーの初ソロ・アルバム☆Ryle『The Adventures Of Jefferson Keyes』
The Adventures Of Jefferson Keyes
発表年:2016年
ez的ジャンル:70〜80年代ディスコ/ファンク・リバイバル
気分は... :不届き者に告ぐ(怒)

ここ数週間ほど当ブログの記事を無断で完全コピペし、自分のブログに自らの名で記事投稿していることが判明(怒)

(参照元を明示した)引用やリンクなら全く問題ありませんが、自分の記事として他人の記事を盗用する行為は許せません。

当ブログの「各記事タイトル」+「ez」でGoogle検索し、「日本語のページを検索」にすれば、当ブログの次もしくはそれに近い位置に、無断コピペ・ブログが表示されています。この方法で記事を2〜3を検索すれば、すぐに分かります。

URL、管理人名をこの場で明示しても構いませんが、そこは穏便に済ませたいので・・・

(おそらく、この記事もコピペしているであろうから)

不届き者に警告する!
直ちに無断コピペした記事をすべて削除せよ!
愚かな行為を反省し、以後こうした行為を止めよ!

警告に従わない場合は、URL、管理人名を明示し、同時にしかるべき措置を講ずる。


今時、こんな愚かな行為をする人がいるなんて驚きです。
こうした不愉快な警告を書かねばならないことが残念でなりません。
腹立たしくもあり、哀れにも感じます。

不愉快な話はここまで。

********************************

今回は新作アルバムから70〜80年代ディスコ/ファンク・リバイバルの旗手Cool Millionのメンバーの一人であるデンマーク人プロデューサーFrank Ryleの初ソロ・アルバム『The Adventures Of Jefferson Keyes』です。

デンマーク人プロデューサーFrank Ryleとドイツ人プロデューサーRob HardtによるユニットCool Millionに関して、当ブログでは4thアルバム『Sumthin'Like This』(2015年)を紹介済みです。また、Rob Hardtの別ユニットSeductive Soulsのアルバム『Spirit』(2010年)も取り上げています。

Cool Millionのアルバムと同じく、70〜80年代ディスコ/ファンク・リバイバルなダンス・サウンドを存分に楽しめます。

あえて、Cool Millionと同路線のソロ作品をリリースする意図は分かりません。違いといえば、フィーチャリング・ヴォーカリストがやや小粒かもしれません。

『III』にも参加していたUK白人男性ソウル・シンガーKenny ThomasChicTime Machineの作品に参加している女性シンガーFolamiIncognitoの最新作『In Search Of Better Days』に参加している女性シンガーSulene Fleming『Sumthin'Like This』での起用され、Cool MillionのレーベルSedsoulから自身名義の作品をデジタル・リリースした女性シンガーKiki Kyte、2014年にソロ・アルバム『Friday Vibes』が国内でもリリースされたデンマーク生まれの白人男性ソウル・シンガーGregers L. Mogstad等がフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加しています。

全8曲と曲数はやや少なめですが、その分内容の充実ぶりに満足できるはずです。

Cool Million好き、ディスコ/ファンク・リバイバル好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Keep The Faith」
Kenny Thomasをフィーチャー。先行シングルにもなったオープニング。本作のクオリティを確認できる、キャッチーなディスコ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=OjOGnxuFyPA

「Busy Dreamin」
Gregers(Gregers L. Mogstad)をフィーチャー。Cool Millionらしいディスコ/ファンク・サウンドと北欧白人ソウル・シンガーのモダンな感覚がフィットした仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=antOqbyhvQM

「Walkin On Air」
Folami/Kiki Kyteという2人の女性シンガーをフィーチャー。 軽快なホーン・サウンドも加わり、華やかなディスコ・チューンに仕上がっています。、Nile Rodgers風のギターやヴォコーダー使いもグッド!

「Two Way Love Affair」
Flemming Fanoeをフィーチャー。Flemming Fanoeのプロフィールは不明ですが、なかなかセクシーな歌声の男性シンガーです。そんなヴォーカルの魅力を活かしたアーバン・ディスコに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1SwB_gw0UGY

「Never Gonna Let You Go」
Seestをフィーチャー。クラヴィネットの軽やかな響きのイントロが印象的なディスコ/ファンク。Seestのソウルフル・ヴォーカルもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=x5E_kXuteSY

「Lift Your Head Up」
Sulene Flemingをフィーチャー。70〜80年代ディスコ/ファンク名曲カヴァーのような錯覚を起こしてしまう確信犯的なソングライティング&アレンジの妙に脱帽です。

「Soho House」
Folami/Kiki Kyteをフィーチャー。2人の女性シンガーのキュートな魅力を引き立てた爽快ディスコに仕上がっています。東京、ロンドン、パリといった地名が出てくるのも楽しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=xoQQXG2HyvQ

「Private Eye」
トークボクサーJimmy Antonyのトークボックスをフィーチャー。ラストはZapp/Roger好きにはたまらない、トークボックス全開のファンク・チューンで締め括ってくれます。

Cool Millionの他作品やFrank Ryleのソロ・アルバム『The Adventures Of Jefferson Keyes』(2016年)、Rob Hardtの別ユニットSeductive Soulsもチェックを!

Cool Million『Going Out Tonight』(2008年)
Going Out Tonight

Cool Million『Back For More』(2010年)
Back for More

Cool Million『The Tom Moulton Session』(2010年) ※リミックス・アルバム
Tom Moulton Session

Cool Million『III』(2012年)
III

Cool Million『Sumthin'Like This』(2015年)
Sumthin’ Like This

Seductive Souls『Spirit』(2010年)
Spirit

Ryle『The Adventures Of Jefferson Keyes』(2016年)
The Adventures Of Jefferson Keyes
posted by ez at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月08日

The Blackbyrds『The Blackbyrds』

Donald Byrd門下生ジャズ・ファンク・バンドの1stThe Blackbyrds『The Blackbyrds』(1974年)
ブラックバーズ
発表年:1974年
ez的ジャンル:Donald Byrd系ジャズ・ファンク
気分は... :おそるべき教え子たち!

今回は70年代に活躍したジャズ・ファンク・バンドThe Blackbyrdsの1stアルバム『The Blackbyrds』(1974年)です。

人気ジャズ・トランぺッターDonald Byrdが教鞭をとっていたハワード大学で、彼の教え子達が結成したバンドThe Blackbyrdsの紹介は、2ndアルバム『Flying Start』(1974年)に続き2回目となります。

最近、2012年の復活アルバム『Gotta Fly』が国内流通するようになり、CDショップでプッシュされているThe Blackbyrds

『Gotta Fly』(2012年)
Gotta Fly

The Blackbyrdsといえば、Donald Byrdプロデュースの下、Fantasyからリリースされた『The Blackbyrds』(1974年)、『Flying Start』(1974年)、『City Life』(1975年)、『Cornbread, Earl and Me』(1975年)、『Unfinished Business』(1976年)、『Action』(1977年)といったアルバムになりますね。とりわけ1st、2nd、3rdあたりですかね。

1stアルバムとなる本作『The Blackbyrds』(1974年)はLarry MizellSky High Productions)とDonald ByrdBlackbyrd Productions)がプロデュースを務めています。

メンバーはメンバーはAllan Barnes(ss、ts)、Kevin Toney(key、syn、melodica)、Barney Perry(g)、Joe Hall(b)、Keith Killgo(ds)、Perk Jacobs(per)。

ヒット曲はありませんが、「Do It, Fluid」「Summer Love」「The Runaway」「Reggins」といった人気サンプリング・ソースが多く収録されているあたりからも、本作の内容充実ぶりが窺えます。

全体にベース・ラインが格好良いロウ・ファンクがいいですね。また、随所で気の利いたホーン・アンサンブルを聴けるのも本作の魅力だと思います。

全8曲、最初から最後まで聴き応え十分です。

全曲紹介しときやす。

「Do It, Fluid」
Donald Byrd作。シングル・カットされ、全米R&Bチャート第23位となっています。メロディカがいいアクセントになっているヴォーカル入りロウ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=cJDmAlRx8gk

I.R.M. Crew「R U Ready 2 Change the World?」、B-Fats「How's Everybody Feelin'?」、Racionais MC's「Mulheres Vulgares」、Style「In Tone We Trust」、Stetsasonic「So Let the Fun Begin」、DJ Quik feat. Playa Hamm, Hi-C, 2nd II None & Kam 「Keep Tha P in It」、DJ Quik feat. 2nd II None, AMG, Hi-C & El DeBarge「Get 2Getha Again」等ののサンプリング・ソースとなっています。

I.R.M. Crew「R U Ready 2 Change the World?」
 https://www.youtube.com/watch?v=-RqSFBiIzi8
Style「In Tone We Trust」
 https://www.youtube.com/watch?v=I1Z1lanvEM8
DJ Quik feat. Playa Hamm, Hi-C, 2nd II None & Kam 「Keep Tha P in It」
 https://www.youtube.com/watch?v=2wzkY3iDkT4
DJ Quik feat. 2nd II None, AMG, Hi-C & El DeBarge「Get 2Getha Again」
 https://www.youtube.com/watch?v=parGk1KJbb0

「Gut Level」
Lincoln Ross作。疾走感が格好良いインスト・ジャズ・ファンク。シンセの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ynrLlZHJvtI

「Reggins」
Larry Mizell作。ベースラインが格好良いインスト・ジャズ・ファンク。個人的には本作のハイライト。ホーン・アンサンブルもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=taLtiVABiHA

Kid 'N Play「Gittin' Funky」、Racionais MC's「Hey Boy」、Grand Daddy I.U.「Pick Up the Pace」、Ministere A.M.E.R.「Au Dessus Des Lois」、Die Fantastischen Vier「Lass Die Sonne Rein」、Hard 2 Obtain「L.I. Groove Reprise」、The Cenobites「Cold Peein' on 'Em」、O.C.「Brothers Are Fake」のサンプリング・ソースとなっています。
Racionais MC's「Hey Boy」
 https://www.youtube.com/watch?v=Shbsgs53A9g
O.C.「Brothers Are Fake」
 https://www.youtube.com/watch?v=RcR4vjKUBIU

「The Runaway」
Donald Byrd/Kevin Toney作。シンセとベースによる妖しげな低音グルーヴが格好良い1曲。ブレイク、ホーン・アンサンブルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=8oDEPJWwFT0

Kid 'N Play「Gittin' Funky」、RBL Posse「Smoke a Blunt」、Porn Theatre Ushers「Me & Him」、Binary Star「Binary Shuffle」、Coldcut「More Beats and Pieces (DJ Lord Fader Turntable Mix)」、DJ Hasebe feat. Emiko「Moon Light Party - Clap Your Hand」、O.S.T.R.「Daj Mi Prace」のサンプリング・ソースとなっています。

RBL Posse「Smoke a Blunt」
 https://www.youtube.com/watch?v=L1qRJsS-MtE
Porn Theatre Ushers「Me & Him」
 https://www.youtube.com/watch?v=VZerff2zfrw
Binary Star「Binary Shuffle」
 https://www.youtube.com/watch?v=qw9QOV-Pjhw
DJ Hasebe feat. Emiko「Moon Light Party - Clap Your Hand」
 https://www.youtube.com/watch?v=3WxtEZNqj94
O.S.T.R.「Daj Mi Prace」
 https://www.youtube.com/watch?v=B32u1nBMthA

「Funky Junkie」
Donald Byrd作。本作らしいロウ・ファンク感とスカイ・ハイ的なコーラスが融合した仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=71z0ZWYQBbI

Ant Banks「2 the Head」のサンプリング・ソースとなっています。
Ant Banks「2 the Head」
 https://www.youtube.com/watch?v=D2ILMR4FDj8

「Summer Love」
Allan Barnes作。メロウ・サウンドにスカイ・ハイ的なコーラスが加わった素敵な仕上がり。アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=QV20NbwdDu4

Nil's Jazz Ensembleがカヴァーしています。また、SWV「Right Here (Funkyman Extended Mix)」、The B.U.M.S.「Let the Music Take Your Mind」、Cocoa Brovaz「Teenage Love」、DJ Ezasscul「Just a Thought」、Hugh Augustine feat. Sonny Softspoken「Let You Go」のサンプリング・ソースとなっています。特にDJ Ezasscul「Just a Thought」がオススメ。

Nil's Jazz Ensemble「Summer Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=-EQK0nhB4BQ
SWV「Right Here (Funkyman Extended Mix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=zJGBPZ-a_aw
The B.U.M.S.「Let the Music Take Your Mind」
 https://www.youtube.com/watch?v=4pw0UIBHv-Q
Cocoa Brovaz「Teenage Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=rSnYH6NDqMY
DJ Ezasscul「Just a Thought」
 https://www.youtube.com/watch?v=ziz0uPD1QpQ

「Life Styles」
Larry Mizell作。うねるグルーヴに素敵なホーン・アンサンブルが絡むインスト・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=gly9n0UyP8s

「A Hot Day Today」
Donald Byrd/Barney Perry作。ラストは爽快メロウ・ミディアムで締め括ってくれます。

The Blackbyrdsの他作品もチェックを!

『Flying Start』(1974年)
フライング・スタート

『City Life/Unfinished Business』(1975年/1976年) ※2in1CD
City Life/Unfinished Business by Beat Goes Public Bgp 【並行輸入品】

『Action/Better Days』(1977年/1980年) ※2in1CD
Action / Better Days
posted by ez at 07:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。