録音年:1969年
ez的ジャンル:ジャズ・ヴァイヴ&ビッグバンド系ジャズ・ファンク
気分は... :L.A.録音だけど気分はメンフィス!
今回はジャズ・ヴァイヴのパイオニアMilt JacksonがRay Brown率いるビッグバンドと共にレコーディングした『Memphis Jackson』(1969年)です。
Modern Jazz Quartet(MJQ)のメンバーとしても活躍したヴァイヴ奏者Milt Jackson(1923-1999年)に関して、当ブログで紹介したのは以下の3枚。
Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)
『Jazz 'N' Samba』(1964年)
『Sunflower』(1972年)
Impulse!からリリースされた本作『Memphis Jackson』は、Dizzy Gillespie楽団時代からの盟友であるベーシストRay Brownが率いるビッグバンドとの共演作です。レコーディングはL.A.で行われました。
Milt Jackson(vibe)、Ray Brown(b、conductor)以下、Joe Sample(el-p)、Wilton Felder(el-b)といったThe Crusaders勢、Mike Melvoin(p、el-p)、Howard Roberts(g)、Fred Robinson (g)、Cubby O'Brien(ds)、Paul Humphries(ds)、Earl Palmer(ds)、Al Aarons(tp)、John Audino(tp)、Bud Brisbois(tp)、Buddy Childers(tp)、Harry Edison(tp)、Ollie Mitchell(tp)、Randy Aldcroft(tb)、Jimmy Cleveland(tb)、Kenny Shroyer(btb)、John T. Johnson(tuba)、Ernie Watts(as)、Jim Horn(as、bs)、Teddy Edwards(ts)、John Lowe(bs)、Victor Feldman(per)です。
L.A.レコーディングですが、タイトルの通りメンフィス・レコーディングのようなアーシー&ファンキーなジャズ・ファンク・サウンドが目立つ1枚に仕上がっています。
今日的なハイライトは、定番サンプリング・ソースとお馴染みの「Enchanted Lady」かもしれません。しかし、本作らしいジャズ・ファンク・サウンドは、タイトル曲「Enchanted Lady」をはじめ、「One Mint Julep (One Way)」、「Braddock Breakdown」、「A Sound for Sore Ears」、「Uh-Huh」といった曲で聴くことができます。
バグスのヴァイヴ、ビッグバンドとジャズ・ファンクがマッチするのか、という気もしますが、これが意外と調和しています。むしろ、ビッグバンドならではのジャズ・ファンクが本作の魅力といえるかもしれません。
気分はメンフィス!
全曲紹介しときやす。
「Uh-Huh」
オススメその1。Ray Brown作。本作らしいアーシー&ファンキーなジャズ・ファンク・グルーヴでアルバムは幕を開けます。ファンキーなホーン・アンサンブルで盛り上げてくれます。バグスのヴァイヴも存在感があります。
「One Mint Julep (One Way)」
オススメその2。Rudy Toombs作。ビッグバンドらしい序盤に続き、本編はシフト・チェンジしてファンキーに疾走するジャズ・ファンク。
「Oh Happy Day」
Edwin Hawkins作。ビッグバンドらしいダイナミックな演奏を楽しめます。本作らしいソウルフルな味わいもあります。
「Memphis Junction」
オススメその3。Milt Jackson作。格好良いパーカッション・ブレイクと共に始まるタイトル曲。ファンキー・モード全開のアーシーなジャズ・ファンクです。そんなジャズ・ファンク・サウンドにバグスのヴァイヴも調和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=mjVd3t6IbY4
「Queen Mother Stomp」
Victor Feldman作。にバグスのヴァイヴのメロウな響きが栄えるミディアム・ファンク。
「Braddock Breakdown」
オススメその4。Ray Brown作。ビッグバンドならではの重厚なホーン・アンサンブルが印象的なジャズ・ファンク。かなり格好良いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=TAObal_Hllg
「A Sound for Sore Ears」
オススメその5。Jimmy Heath作。この演奏もファンキーな魅力に溢れています。ビッグバンドとジャズ・ファンクの魅力がバランス良く両立しているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=xrq-t63AXSs
「Enchanted Lady」
オススメその6。Milt Jackson作。今日の本作のハイライトは定番サンプリング・ソースとなっている本曲かもしれませんね。印象的な哀愁のメロディは確かにサンプリング・ソースしたくなる気持ちがわかります。。
https://www.youtube.com/watch?v=C2VoIVYrN1w
当ブログでも紹介したDe La Soul「Dinninit」をはじめ、Pete Rock & C.L. Smooth「Carmel City」、Pete Rock & Deda「Everyman For Hisself」、Large Professor「Ijuswannachill」、Heltah Skeltah feat. Vinia Mojica「Therapy」、Funky DL「Underground Hip Hop」、Rob Swift「A Natural High」、3rd Eye「360 Degrees」、Knxwledge「3Koin[s]」、O.S.T.R. & Hades「Idealny Swiat」等のサンプリング・ソースとなっています。
De La Soul「Dinninit」
https://www.youtube.com/watch?v=rsB-ZnywySQ
Pete Rock & C.L. Smooth「Carmel City」
https://www.youtube.com/watch?v=dy8mu2_RbzA
Pete Rock & Deda「Everyman For Hisself」
https://www.youtube.com/watch?v=57h-83Ujg_4
Large Professor「Ijuswannachill」
https://www.youtube.com/watch?v=4kKaR2hN9b0
Heltah Skeltah feat. Vinia Mojica「Therapy」
https://www.youtube.com/watch?v=a9SqsnPIOT0
Funky DL「Underground Hip Hop」
https://www.youtube.com/watch?v=NMHFVlIhYF8
Rob Swift「A Natural High」
https://www.youtube.com/watch?v=0RV2jy99viA
3rd Eye「360 Degrees」
https://www.youtube.com/watch?v=SCI-wdcPiHE
Knxwledge「3Koin[s]」
https://www.youtube.com/watch?v=XUViqBKtJPQ
O.S.T.R. & Hades「Idealny Swiat」
https://www.youtube.com/watch?v=GhHo6MrJXTI
「One Mint Julep (The Other Way)」
Rudy Toombs作。「One Mint Julep (One Way)」の別テイク。こちらはジャズ・ファンクせずに王道ジャズしています。
https://www.youtube.com/watch?v=lqcvE3RpfTM
「Picking Up the Vibrations」
Ray Brown作。エレガントなビッグバンド・サウンドと本作らしいファンキーな演奏が交錯します。
Milt Jacksonの過去記事もご参照下さい。
Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)
『Jazz 'N' Samba』(1964年)
『Sunflower』(1972年)