発表年:1979年
ez的ジャンル:AOR/ブルーアイド・ソウル系女性シンガー
気分は... :ピカピカ...
女性シンガーMaria Muldaurが1979年にリリースした『Open Your Eyes』です。
1943年N.Y.生まれの女性シンガーMaria Muldaurの紹介は、大ヒット曲「Midnight at the Oasis」収録のソロ1stアルバム『Maria Muldaur』(1973年)に続き2回目となります。
本作のプロデュースは、代表曲「Midnight at the Oasis」の作者David NichternとPatrick Henderson。フォーク、カントリーなどオールド・タイミーなイメージが強いMaria Muldaurですが、Patrick Hendersonの起用からもわかるように、本作はAOR/ブルーアイド・ソウル色の強い1枚に仕上がっています。
そのあたりの雰囲気はNorman Seeffが撮影したジャケからも伝わってきますね。
レコーディングにはPatrick Henderson(p、el-p)、David Nichtern(g)、Stevie Wonder(harmonica)、Amos Garrett(g)、Dean Parks(g)、Robben Ford(g)、Rick Vito(g)、Doug Livingstone(g)、Willie Weeks(b)、Freebo(b)、Rick Shlosser(ds)、Ron Tutt(ds)、Peter Bunetta(ds)、Bill Payne(Little Feat)(p)、Victor Feldman(per)、Bobbye Hall(per)、Jim Gordon(sax)、Jr. Walker(sax)、Marty Paich(strings arr)、Wendy Waldman(back vo)、Brenda Burns(back vo)、Rosemary Butle(back vo)、Chris Spencer(back vo)、Greg Prestopino(back vo)等のミュージシャンが参加しています。
ハイライトは「Clean Up Woman」(Betty Wright)、「Open Your Eyes」(The Doobie Brothers)という有名曲カヴァーだと思います。
「Midnight at the Oasis」とは異なるMaria Muldaurの魅力を楽しめる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Fall in Love Again」
Patrick Henderson/Wornell Jones作。作者Wornell Jonesのヴァージョンは『Wornell Jones』(1979年)に収録されています。少し前に取り上げたPointer Sisters『Black & White』(1981年)でもカヴァーされていました。Dean Parkのギターが唸るAOR色の強いオープニング。
「Finally Made Love to a Man」
Brenda Burns作。ほんのりカントリーの香りがする、しっとりとしたメロウ・チューン
「Birds Fly South (When Winter Comes)」
David Nichtern作。Stevie Wonder参加曲。Stevieのハーモニカが先導するビューティフル・チューン。Mariaのキュートな魅力がうまく引き出されています。
「Heart of Fire」
Patrick Henderson/Wornell Jones作。作者Wornell Jonesのヴァージョンは『Wornell Jones』(1979年)に収録されています。Mary Russellも同時期に本曲をカヴァーしています。本作らしい都会的なポップ・ロックに仕上がっています。Mariaが妖艶なヴォーカルで迫ります。ホーン隊がかなり盛り上げてくれます。
「Lover Man」
Jimmy Davis/Roger Ramirez/James Sherman作のスタンダードをカヴァー。Billie Holidayのレパートリーだったことでも知られる名曲ですね。当ブログではPatti LaBelle、Jose Jamesのカヴァーも紹介済みです。ここではジャズ調サウンドをバックに艶めかしく歌い上げます。
「Open Your Eyes」
The Doobie Brothersの名盤『Minute By Minute』(1978年)収録曲をカヴァー(Lester Abrams/Patrick Henderson/(Michael McDonald作)。僕の一番のお気に入り。本作ならではのメロウ・ソウル調の仕上がりはAOR/ブルーアイド・ソウル好きの方もグッとくるはず!
「(No More) Dancin' in the Street」
John Hiatt作品のカヴァー。オリジナルは『Slug Line』(1979年)に収録されています。ロックンロール調のスタイルですが、今の僕には、このタイプの曲はパスです(笑)
「Elona」
David Nichtern作。少しミステリアスな雰囲気も漂うバラードをしっとり歌い上げます。
「Clean Up Woman」
Willie Clarke/Willie Hale(Little Beaver)作。マイアミ・ソウルの女王Betty Wrightの名曲をカヴァー。オリジナルは『I Love The Way You Love』(1972年)に収録されています。一般的には本作のハイライトはコレかもしれませんね。フリーソウル人気曲をファンキー&ソウルフルにカヴァーしています。フリーソウル好きの人であれば気に入るはず!Jr. Walkerのサックス・ソロもキマっています。
「Love Is Everything」
女性ブルース・ギタリスト/シンガーRory Blockの作品をカヴァー。オリジナルは『I'm In Love』(1976年)に収録されています。メロウな中にも味わい深さがあるバラードで締め括ってくれます。
『Maria Muldaur』(1973年)