発表年:1977年
ez的ジャンル:MPB系男性SSW
気分は... :我が道を行く!
今回は70年代MPBからHermes Aquino『Desencontro De Primavera』(1977年)です。
Hermes Aquinoは1949年リオグランデ・ド・スル州リオグランデ生まれの男性シンガー・ソングライター。
1976年のドラマのサントラ『O Casarao』にAquino作の「Nuvem Passageira」が収録され、ヒットしたことで一躍注目を浴びます。その後『Desencontro De Primavera』(1977年)、『Santa Maria』(1978年)という2枚のアルバムをリリースしています。
1stソロ・アルバムとなる『Desencontro De Primavera』(1977年)は、彼の幅広い音楽性とソングライターとしての才を実感できる1枚に仕上がっています。
ブラジル音楽に止まらないBeatlesをはじめとする米英ロックやジャグ・バンドの影響も感じるのが興味深いです。
ヒットした「Nuvem Passageira」、ブラジリアンAORとしての再評価も高い「Cuidado」あたりが有名なのかもしれませんが、個人的には素敵なメロウ・チューン「Coracao」、ブラジリアンAORな「2010」、Jorge Benを思わせる「Eu Quero Ser Teu Rei」あたりがオススメです。
70年代後半らしい洗練されたサウンドと幅広い音楽性を楽しめるMPB作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Desencontro Da Primavera」
タイトル曲はカヴァキーニョの音色が印象的な哀愁チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=avh0DOAPu1U
「Cuidado」
ブラジリアンAORとしての再評価も高い哀愁メロウ。サウダージなAOR感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=6t9jcvCJMCs
「Pedras No Meu Caminho」
60年代フォーク・ロック調に疾走します。1977年にこういう演奏をすると1週回って新鮮だったのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=cH4xCxpK5xM
「Longas Conversas」
哀愁バラードをしみじみと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=zupeKHy3nDc
「Cavaleiro Do Sul」
ジャグ・バンド風のホンワカ・ムードな仕上がり。僕の苦手なタイプの演奏ですが、スルーしたくなるほどではありません。
https://www.youtube.com/watch?v=JJXn0XRVFmQ
「2010」
アーバンな雰囲気のメロウ・チューン。ブラジリアンAORという点では「Cuidado」より、本曲を僕は推します。終盤にはBeatles「She Loves You」ネタも。
https://www.youtube.com/watch?v=I0OgryCZ_HQ
「Eu Quero Ser Teu Rei」
Jorge Benを思わせるアフロ・サンバ調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=OSyfDNc9wJc
「Coracao」
透明感のある素敵なメロウ・チューン。Aquinoのシンガー・ソングライターとしてのセンスを感じます。後期Beatlesの香りもします。
https://www.youtube.com/watch?v=7LZhxbSrXDQ
「Guantanamo」
汎ラテン・アメリカな雰囲気の開放的な1曲。彼の音楽性の広さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=vRAQYXUp50c
「Bola Louca E Colorida」
ディキシー・ジャズ/ジャグ・バンド調の演奏でアルバムにアクセントを与えています。
https://www.youtube.com/watch?v=Flw7ipVDRFI
「Nuvem Passageira」
前述のようにサントラ『O Casarao』に収録され、ヒットしたAquinoの代表曲。寒い季節にピッタリのしみじみくる哀愁チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=gexPge5PP54
「Prenda Minha-Negrinho Do Pastoreio-Balaio-Meu Boi Barroso」
ラストは素敵なメドレーで締め括ってくれます。メロディアス&グルーヴィーのバランスが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=rZlWY_e9a08
ご興味がある方は2nd『Santa Maria』(1978年)もチェックを!
『Santa Maria』(1978年)