2016年11月06日

NxWorries『Yes Lawd!』

Anderson .PaakとKnxwledgeの強力Hip-Hop/R&Bタッグ☆NxWorries『Yes Lawd!』
Yes Lawd!
発表年:2016年
ez的ジャンル:強力Hip-Hop/R&Bタッグ
気分は... :フューチャリスティック・ピンプ・・・

新作アルバムから今最も注目を集める西海岸Hip-Hop/R&BアーティストAnderson .Paakとニュージャージー出身の期待のプロデューサーKnxwledgeによる強力Hip-Hop/R&BタッグNxWorriesの1stアルバム『Yes Lawd!』です。

西海岸Hip-Hopシーンの大御所Dr. Dreが健在ぶりを示した大ヒット・アルバム『Compton』(2015年)で6曲もフィーチャリングされたことをきっかけに、大きく注目されることになったAnderson .Paakについては、これまで『Venice』(2014年)、『Malibu』(2016年)という2枚のアルバムを紹介済みです。

もう一人の主役であるKnxwledgeに関して、当ブログで彼の名前はAnderson .Paakの記事以外にKendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(2015年)、SiR『Seven Sundays』(2015年)、Mndsgn『Body Wash』(2016年)の記事で登場しています。ちなみに期待のプロデューサー/ビートメイカーMndsgnとKnxwledgeは、かつてKlipmodeというHip-Hopクルーを結成していました。

ニュージャージー、フィラデルフィアを経てL.A.に拠点を移したKnxwledgeがネット上でAnderson .Paakと知り合い、結成したユニットがNxWorriesです。そして、Stones Throwから2015年にEP『Link Up & Suede』をリリースしています。

特に『Link Up & Suede』に収録された「Suede」は、Dr. Dre『Compton』での大抜擢のきっかけとなった曲であり、Anderson .Paakの運命を切り開いた1曲となりました。また、同じタイミングでKnxwledgeがモンスター・アルバムKendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』にプロデューサーの一人として関与することとなり、全世界に存在感を示すことに成功しました。

このようにAnderson .PaakKnxwledgeへの注目度が最高潮となった絶好のタイミングでStones Throwからリリースされたのが本作『Yes Lawd!』です。

ゲスト・アーティストなどは招かないあたりに、Anderson .PaakとKnxwledgeの自信が窺えます。

アルバム全体はフューチャリスティック・ピンプな世界観で貫かれており、Knxwledgeによるソウルフルなトラックが並び、それに合わせてPaakが癖のある声でヴォーカル/ラップを聴かせてくれます。

流れが素晴らしい前半、ソウルフルなトラックが並ぶ後半と聴き応えのある全19曲です。

『Link Up & Suede』にも収録されていた代表曲「Suede」「Link Up」以外ならば、「Get Bigger/Do U Luv」「Scared Money」「Sidepiece」「Another Time」「Lyk Dis」「Can't Stop」「What More Can I Say」あたりがオススメです。

今年一番の注目度のHip-Hop/R&B作品を聴き洩らさないように!

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。

「Livvin」
Paakの癖のあるヴォーカルが全てを投げ捨てて都会へ旅立つ男の心情を歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=BJM31we4I6w

「Wngs」
Ahmad Jamal「Ghetto Child」のエレピ・ネタを使ったKnxwledgeの心地よいメロウ・トラックが栄える1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=Y8cgSzmzp78

「Best One」
「Wngs」から切れ間なく続きます。Paakの少しエロい感じのヴォーカルとソウルフル・トラックがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=CT2DB_U_-Zg

「What More Can I Say」
The Notations「What More Can I Say」ネタのソウルフル・トラックをバックに、Paakが切々と歌い上げます。途中、The Five Heartbeats「Nights Like This」のフレーズが効果的に使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=9598ioIhflg

「Kutless」
Gino Vannelli「Lady」ネタの美しいトラックが印象的です。

「Lyk Dis」
Creme D'Cocoa「Mr Me, Mrs You」ネタのトラックにKnxwledgeのセンスを感じます。そんなトラックがPaakのラッパーならではのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=2hEm94gx1y8

「Can't Stop」
妖しくも虚しい雰囲気のエフェクト・ヴォーカルが印象的です。Evelyn "Champagne" King「I Think My Heart Is Telling」をサンプリング。海外カートゥーン『Rick and Morty』ネタも入っています。

「Get Bigger/Do U Luv」
Webster Lewis「The Love You Give to Me」をサンプリングした本作らしいメロウ&ソウルフル・ワールドを堪能できます。終盤にはRonnie Mcneir「In Summertime」も使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=FUKfwoKoCrQ

「Khadija」
ダークで妖し気な空気で疾走します。アルバムの流れの中でいいアクセントになっています。

「H.A.N.」
シリアスなトラックにのって、Paakが切々と問いかけます。

「Scared Money」
B.B. & Q. Band「(I Could Never Say) It's Over」をサンプリングした本曲もメロウ&ソウルフルな魅力を楽しめる1曲に仕上がっています。

「Suede」
前述のように彼らの快進撃のきっかけとなった運命の1曲。Gil Scott-Heron & Brian Jackson「The Bottle」ネタのトラックにのって、Paakが癖のあるヴォーカルで畳み掛けます。
https://www.youtube.com/watch?v=zNTNbNtft9g

「Starlite」
70年代ソウルのエッセンスを巧みに使ったトラックにのってPaakが切々と歌い上げます。

「Sidepiece」
優しく包み込んでくれるようなメロウ・チューン。J Dilla「Won't Do」ネタが挿入されているあたりも嬉しいですね。

「Jodi」
インタールード的な小曲。

「Link Up」
「Suede」と並び『Link Up & Suede』に収録されていた注目曲。Cassiano「Onda」をサンプリングしています。哀愁ソウル・トラックとPaakのラップ調ヴォーカルのバランスが絶妙ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PsXaSRBO5kM

「Another Time」
Heaven Sent & Ecstasy「Bless You With My Love」 をサンプリングしたソウルフル・チューン。NxWorries流のソウル・ワールドを楽しめます。終盤のChristion & Jay Z「Your Love」ネタに思わずニヤリとする方もいるのでは?

「Fkku」
ラストはEddie Robinson「Absolutly Beautiful」ネタのメロウ・ソウル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MeiKE43pqaE

Anderson .PaakKnxwledgeのソロ作品もチェックを!

Anderson .Paak『Venice』(2014年)
Venice

Anderson .Paak『Malibu』(2016年)
MALIBU [国内仕様盤 / 帯・解説付き](ERECDJ218)

Knxwledge『Hud Dreems』(2015年)
Hud Dreems
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする