2016年11月30日

Lazarus『Lazarus』

Bill Hughesが在籍していたフォーキー・トリオ☆Lazarus『Lazarus』
ラザルス <SHM-CD>
発表年:1971年
ez的ジャンル:ウッドストック産フォーキー
気分は... :君の時はくる・・・

今回は70年代フォーキー作品からLazarus『Lazarus』(1971年)です。

今年になり『AOR BEST SELECTION 1300』シリーズの1枚として再発CDがリリースされました。

Lazarusはテキサスで結成されたBill Hughes(vo、g、violin)、Carl Keesee(vo、b)、Gary Dye(vo、p、org)という3人組。

メンバーのうちBill Hughesはソロ・アーティストとして知られていますね。彼のアルバム『Dream Master』(1979年)、『Welcome To The Edge』(1991年)はAOR人気盤です。特に『Welcome To The Edge』のタイトル曲(邦題:届かぬ想い)は吉田栄作・山口智子主演のドラマ『もう誰も愛さない』の主題歌としても話題となりました。

Lazarusに話を戻すと、Peter, Paul & MaryPeter Yarrowにデモテープを送ったことがきっかけで、YarrowがN.Y.ウッドストックに呼び寄せ、レコード・デビューのチャンスを掴みます。そして、Peter YarrowPhil Ramoneのプロデュースで『Lazarus』(1971年)、『A Fool's Paradise』(1973年)という2枚のアルバムをレコーディングしています。

1stアルバムとなる本作『Lazarus』はウッドストックの空気感に満ちたフォーキー/SSW作品に仕上がっています。その意味では『AOR BEST SELECTION 1300』シリーズのAORイメージとはギャップが大きい1枚です。

この時代のフォーク作品の場合、サウンドのバラエティ感がないとアルバムが一本調子で途中で飽きてしまうこともあるのですが、本作は楽曲の良さとハイトーンのリード・ヴォーカルと美しいコーラスワークで1曲1曲に聴き入ってしまいます。

聴いていると、何故だか洋楽をピュアに聴いていた中学、高校の頃の思い出してしまいます。

聴く者に優しく包み込み、前へ進む勇気をくれる素敵なフォーキー作品です。

全曲紹介しときやす。

「Refugee」
難民をテーマに平和への願いを込めたオープニング。ハイトーンのリード・ヴォーカルと美しいコーラスワークがフォーキー・サウンドとよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=FVh7j1PvXAw

「Whatever Happened」
美しいメロディと共に、当時の若者の葛藤を切々と歌います。この時代の空気感が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=nYYNGd2ETVc

「Looking Through」
シンプルなフォーキー・チューンですが、逆に楽曲の良さ、味わいのあるヴォーカルの良さが伝わってきます。

「Listening House」
素敵なヴォーカルワークが聴く者を優しく包み込んでくれます。

「Circuit Rider」
聴いていると放浪の旅に出たい気分になる1曲。ヴァイオリンやオルガンも加わった演奏が実に味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=MbBEZZNqbqM

「Warmth Of Your Eyes」
シングルにもなった楽曲。CSN&Y的なハーモニーの王道フォークな仕上がりです。僕は他の楽曲の方が好みですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=Wwu3IONl32Q

「Blessed」
傷ついた翼を癒してくれる優しい歌声にグッときます。歌詞は実にクリスチャン的なものですが・・・

「Eastward」
タイトルからして、テキサスからウッドストックへ向かった彼らの心情を歌ったものかもしれませんね。自分たちに言い聞かせるような、しみじみとしたフォーキー・チューンに仕上がっています。後にLettermenがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=YdU0vg7lv4U

「Memory Of A Stranger」
静かに始まる前半から徐々にコーラス、サウンドが厚みを増し、全体もテンポアップしていきます。

「Doncha Cry」
このユニットらしい美しいメロディ&ハーモニーを生かした1曲。前へ一歩踏み出す勇気を後押してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7SRb03H9jSo

「Rivers」
タイトルのように川の流れを人生に重ね合わせて歌い上げます。

本作と路線は全く異なりますが、ご興味がある方はBill Hughesのアルバムもチェックを!『Dream Master』も本作と同じく『AOR BEST SELECTION 1300』シリーズの1枚として再発されたばかりです。

Bill Hughes『Dream Master』(1979年)
ドリーム・マスター(期間生産限定盤)

Bill Hughes『Welcome To The Edge』(1991年)
とどかぬ想い
posted by ez at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする