2016年12月06日

The Vogues『Turn Around, Look At Me』

全米トップ10ヒット2曲を含む、男性コーラス・グループの代表作☆The Vogues『Turn Around, Look At Me』
ふりかえった恋
発表年:1968年
ez的ジャンル:男性コーラス・グループ
気分は... :ドルフィンズ、実力不足か・・・

NFLでは我がドルフィンズの連勝が6でストップ。
レイブンズに全く良い所がなく完敗・・・
まだまだ実力不足であることを痛感しました。
それでもポスト・シーズンに出て欲しい!

今回は60年代男性コーラス・グループ各品からThe Vogues『Turn Around, Look At Me』(1968年)です。

The Voguesはペンシルベニア州ピッツバーグ郊外のタートル・クリークで結成された男性コーラス・グループ。

メンバーはBill BurketteDon MillerHugh GeyerChuck Blaskoの4名。

グループはCo & Ceから『Meet the Vogues』(1965年)、『Five O'Clock World』(1966年)という2枚のアルバムをリリースし、そこから「You're The One」「Five O'Clock World」という共に全米チャート第4位となるヒットを放ちました。

その後、Reprise Recordsへ移籍し、『Turn Around, Look at Me』(1968年)、『Till』(1969年)、『Memories』(1969年)、『The Vogues' Greatest Hits』(1970年)、『The Vogues Sing the Good Old Songs』(1970年)といったアルバムをリリースしています。

本作『Turn Around, Look at Me』はReprise移籍第1弾アルバムであり、タイトル曲「Turn Around, Look At Me(邦題:ふりかえった恋)」(全米チャート第7位)、「My Special Angel」(同第7位)という2曲のシングル・ヒットを生んでいます。

プロデュースはThe Everly Brothers等を手掛けたDick Glasser 。アレンジャーはErnie Freeman

アルバム全体は1968年という時代を反映し、ロック時代のコーラス・グループを志向しています。サイケ・モード全開のジャケにも、そのあたりが反映されています。

とは言いつつ、アルバムにはオールディーズ感たっぷりのノスタルジックな雰囲気の楽曲も多く、そのあたりで好き/嫌いが分かれるかもしれません。

僕個人もコーラス・グループの王道路線の2曲のヒット・シングルより、UKの女性SSW、Barbara Ruskinのカヴァー「Come Into My Arms Again」、Mann & Weil(Barry Mann/Cynthia Weil)作の「It's Getting Better」、Roy Orbisonのヒット曲カヴァー「Dream Baby (How Long Must I Dream)」あたりが僕の好みです。

今の僕の嗜好でいえば、いつも聴きたい音ではありませんが、たまにはこんな作品もいいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Keep It Hid」
Jimmy Webb作。当時注目の新進SSWであったJimmy Webbを起用するあたりに、新たなThe Voguesの魅力を届けようとする意気込みが感じられます。
https://www.youtube.com/watch?v=ST3iAoMjbX8

「It's Getting Better」
Mann & Weil(Barry Mann/Cynthia Weil)作。The Mamas & The PapasのCass ElliotもMama Cass名義でシングル・リリースし、全米チャート・インさせています。今の僕の耳で聴くと、かなりキャッチーでスンナリ入ってきました。
https://www.youtube.com/watch?v=co9bcqq6qBs

「So This Is Love」
Herbert Newman作。1962年のThe Castellsのヒット曲をカヴァー。「My Special Angel」がお好きな人であれば気に入るであろう、コーラス・グループらしい王道を行っています。
https://www.youtube.com/watch?v=BafomMca4s0

「Just Say Goodbye」
Petula Clark/Pierre Delanoe/Tony Hatch作。Petula Clarkのカヴァー。UKポップ女性シンガーの作品をカヴァーしているのも本作らしいですね。オーケストレーションをバックに、ポップ・ロックな雰囲気で聴かせてくれます。

「Dream Baby (How Long Must I Dream)」
Cindy Walker作。1962年に全米チャート第4位となったRoy Orbisonのヒット曲をカヴァー。個人的にはこのカヴァーもヒップな魅力があってかなり好き!
https://www.youtube.com/watch?v=fLfLho7_MHg

「The Impossible Dream」
Joe Darion/Mitch Leigh作。大ヒット・ミュージカル「ラ・マンチャの男(Man of La Mancha)」の主題歌「見果てぬ夢」をカヴァー。いい曲だけど、本作の流れでは少し浮いている感じがします。

「My Special Angel」
前述のように、全米チャート第7位となったヒット曲(Jimmy Duncan作)。この曲もカヴァーであり、オリジナルは1957年のBobby Helmsヴァージョン。オールディーズ感たっぷりのロマンティックなバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=-_eTC_W8xDU

「Come Into My Arms Again」
UKの女性SSW、Barbara Ruskinの作品をカヴァー。僕の一番のお気に入りがコレ。本作らしい意図Ernie Freemanによるストリングス・アレンジ、The Voguesの美しいコーラスワークがうまくハマっていると思います。

「No Sun Today」
Fred Anisfield/James Last/Scott English作。美しいコーラスワークを堪能できますが、同タイプの曲の中で少し埋もれている気も・・・

「She Is Today」
Mann & Weil作品の2曲目。ドラマチックなアレンジの妙が光る1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=OjJ6fnXAkbs

「Then」
Jimmy Webb作品の2曲目。哀愁モードの落ち着いた雰囲気の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=8wxNWs-gOTQ

「Turn Around, Look At Me」
邦題「ふりかえった恋」。タイトル曲は全米チャート第7位となったグループの代表曲(Jerry Capehart作)。オリジナルはGlen Campbell。Bee Geesもカヴァーしていました。コーラス・グループらしい甘酸っぱいバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=c6jx74THhpk

Reprise時代のThe Voguesの他作品もチェックを!

『Till』(1969年)
愛の誓い

『Memories』(1969年)
メモリーズ

『The Vogues Sing the Good Old Songs』(1970年)
シング・ザ・グッド・オールド・ソングス
posted by ez at 12:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月05日

Loose Change『Loose Change』

Tom Moultonが手掛けた女性ディスコ・ヴォーカル・グループ☆Loose Change『Loose Change』
Loose Change
発表年:1979年
ez的ジャンル:Tom Moulton系ディスコ
気分は... :ドルフィンズ7連勝頼んだぞ!

今回は70年代ディスコ作品からLoose Change『Loose Change』(1979年)です。

Loose ChangeLeah GwinDonna BeeneBecky Andersonの3名による黒人女性ディスコ・ヴォーカル・グループ。

グループ唯一のアルバムがディスコ・ミックスの巨匠Tom Moultonがプロデュースを務めた『Loose Change』(1979年)です。

アルバムからは「Straight From The Heart」(Tavaresのカヴァー)がシングル・カットされ、ディスコ・ヒットしています。

レコーディングはフィラデルフィアのSigma Sound Studiosで行われ、Tom Moultonに加えて、ミュンヘン・ディスコの巨匠Giorgio Moroderの右腕であったプロデューサー/アレンジャー/キーボード奏者であったThor Baldurssonと、フィラデルフィアの名プロデューサー/アレンジャーはJohn Davisがアレンジャーで参加しています。

こうしたディスコ職人達の手腕が光る都会的なディスコ作品に仕上がっています。随所に"ミキシングの魔術師"Tom Moultonらしい音空間を楽しめます。

「Straight From The Heart」「All Night Man」「Love Is Just A Heartbeat Away」といった都会的なディスコ・チューンがハイライトですが、「Rising Cost Of Love」「Darling, That's Me」といったメロウ・ミディアムも悪くありません。

当ブログでも紹介したFirst Choice『Hold Your Horses』(1979年)がお好きな方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Babe」
Thor Baldursson/Tom Moulton作。ジワジワと加速していくポップなダンサブル・チューンがオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=--YBajdWZQk

「All Night Man」
Jack Robinson/James Bolden作。元々は女性ポップ・シンガーJulie Buddのために用意された曲のようですが、お蔵入りになった模様です。ディスコ・サウンドという点ではコレが一番アッパーで格好良いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=Sc9XsOXzbUs

「Darling, That's Me」
Abby Monn/Judy Cheeks/Williams Clarke作。黒人女性シンガーJudy Cheeksヴァージョンがオリジナルです(アルバム『Please Give Me This Night』収録)。オリジナルの雰囲気を重視したメロウなミディアム・グルーヴに仕上がっています。John Davisがサックス・ソロで盛り上げてくれます。

Judy Cheeks「Darling, That's Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=6SyfMmO0G88

「Straight From The Heart」
人気ソングライティング・チームGrey & Hanksの作品。オリジナルはTavaresです(アルバム『Madam Butterfly』収録)。前述のようにディスコ・ヒットとなったグループの代表曲です。今聴くと少しオッサン臭いTavaresヴァージョンより、都会的なディスコ・サウンドの本ヴァージョンの方が断然好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=JY6isaUsHq4

Tavares「Straight From The Heart」
 https://www.youtube.com/watch?v=yfpRD9eQFUY

「Love Is Just A Heartbeat Away」
Norman Bergen/Reid Whitelaw作。お色気カルト・ドラキュラ映画『Nocturna』(1979年)のサントラに収録されたGloria Gaynorヴァージョンがオリジナルです。スケール感のある哀愁モードのディスコ・チューンです。Tom Moultonらしい立体感のあるディスコ・サウンドを楽しめます。また、Milk & Sugar「Has Your Man Got Soul」のサンプリング・ソースにもなっています。

Gloria Gaynor「Love Is Just A Heartbeat Away」
 https://www.youtube.com/watch?v=dXchOeuA_Gk

「Rising Cost Of Love」
Bobby Martin/Grey & Hanks作。元The SupremesのJean Terrellヴァージョンがオリジナルです(アルバム『I Had To Fall In Love』収録)。ソウルフルなメロウ・ミデイァム。ヴォーカル・グループとしての彼女達の実力を実感できる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=kbqNES4C1IM

Jean Terrell「Rising Cost Of Love」
 https://www.youtube.com/watch?v=0gn3b8_FayQ

「I Wanna Hold On To You」
本編のラストは都会的なミディアム・グルーヴで締め括ってくれます。ムーディーなサックス・ソロも入ったアーバン・ナイトな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Qu6rXexc26E

CDにはボーナス・トラックとして、 「My Place Or Your Place」「You Never Done It Like That」の2曲が追加収録されています後者はCaptain & Tennilleもシングル・ヒットさせたNeil Sedaka作品のカヴァーです。

本作を気に入った方は、同じTom MoultonThor Baldurssonが手掛けたFirst Choice『Hold Your Horses』(1979年)もセットでどうぞ!

First Choice『Hold Your Horses』(1979年)
HOLD YOUR HORSES + 7
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2016年12月04日

A Tribe Called Quest『We Got It From Here…Thank You 4 Your Service』

正真正銘のラスト・アルバムが新作として登場!☆A Tribe Called Quest『We Got It From Here…Thank You 4 Your Service』
We Got It From Here… Thank You 4 Your Service
発表年:2016年
ez的ジャンル:レジェンド系Hip-Hop
気分は... :ATCQの残した音は永遠に不滅です!

今回は新作アルバムから90年代イースト・コーストHip-Hopを代表するレジェンドHip-HopグループA Tribe Called Quest(ATCQ)の正真正銘のラスト・アルバム『We Got It From Here…Thank You 4 Your Service』です。

Q-TipPhife DawgAli Shaheed MuhammadJarobi(1991年に脱退)によるHip-HopグループA Tribe Called Quest(ATCQ)について、これまで当ブログで紹介した作品は以下の6枚。

 『People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』(1990年)
 『The Low End Theory』(1991年)
 『Revised Quest for the Seasoned Traveller』(1992年) ※リミックス集
 『Midnight Marauders』(1993年)
 『Beats Rhymes & Life』(1996年)
 『The Love Movement』(1998年)

今年の3月22日にPhife Dawgが逝去し、当ブログでも追悼の意味を込めて(その時点の)ラスト・アルバム『The Love Movement』(1998年)を紹介しました。

しかし、遂に正真正銘のATCQラスト・アルバムが新作アルバムとして届けられました。未発表集などではなく、全曲新たにレコーディングされたものであり、生前のPhife Dawgのラップも収録されています。信じられません。

アルバムの制作自体はPhifeの死がスタートではなく、昨年11月13日の4人が久々に揃ったTVでのパフォーマンスがきっかけだったようです。その日は奇しくもパリ同時多発テロ事件が起きた日であり、そのことも少なからず影響を与えたようです。

こうして2015年の年末より新作のレコーディングが開始されましたが、その完成を目にすることなく、Phifeが糖尿病による合併症で亡くなってしまいました。しかし、Phifeの遺志を受け継ぎ、残りのメンバーで完成させたのが本作『We Got It From Here…Thank You 4 Your Service』です。

アルバムは見事に全米アルバム・チャート、同R&B/Hip-Hopアルバム・チャートで共に第1位となっており、有終の美を飾ることとなりました。

ただし、A Tribe Called Quest名義の作品ですが、各曲のクレジットにAli Shaheed Muhammadの名は1度も登場しません。これはAliが同時期にAdrian Youngeと共に『Luke Cage』のサントラを手掛けていたことが影響しているようです。クレジットはないものの、魂だけは他のメンバーと共に・・・といった感じかもしれません。

このため、プロデュースはQ-TipとエンジニアのBlair Wellsとなっています。

アルバムにはQ-TipPhifeJarobiの3名以外に、Q-Tipの従兄弟であるConsequenceLeaders Of The New School時代を含め、ATCQとは縁の深いBusta RhymesAndre 3000Outkast)、Kanye WestTalib Kweliといった大物ラッパーの面々、Kendrick LamarAnderson .PaakNxWorries)という今最も旬な西海岸Hip-Hop/R&Bアーティストの2人、The White Stripes等での活動で知られる白人ロック・ギタリスト/シンガーJack White(g、vo)、元Floetryの女性R&BシンガーMarsha Ambrosius、大御所ポップ・スターElton John(vo、p)、さらにはAbbey SmithKatia Cadetといった豪華ゲスト陣がフィーチャリングされています。

それ以外にもRobert Glasper Experiment(RGE)のメンバーであるCasey Benjamin(key、p、org)とMark Colenburg(ds)、Bilal作品等でお馴染み Masayuki "BIGYUKI" Hirano(key)、EPMD作品等で知られるDJ Scratch(turntable)、さらにはLouis Cato(b、g)、Chris Parks(g)、Chris Sholar(g)、Blair Wells(g)、Chris Bower(p)等のミュージシャンが参加しています。

アルバムはわざわざSide ASide Bという2部構成に分けられています。

このアルバムがATCQらしいアルバムなのかどうかは分かりませんが、Phifeの追悼や18年ぶりのATCQのアルバムということを抜きにしても勝負できるリアルHip-Hop作品になっていることは事実です。ラスト・アルバムという感傷に浸ることなく、今伝えるべきメッセージとサウンドを届けてくれたことに感銘を受けました。きっと天国のPhifeも満足気でしょう!

僕をHip-Hopワールドに誘ってくれたA Tribe Called Ques
最後までATCQは偉大でした。ありがとう!

全曲紹介しときやす。

「The Space Program」
ブラックスプロイテーション映画『Willie Dynamite』の声ネタと共にスタートするオープニング。Q-Tip、Ali、故J Dillaによるプロデュース・チームThe Ummahのサウンドを連想させるような浮遊トラックをバックに、Q-Tip、Jarobiがラップし、コーラスにはPhifeも加わります。Michael Jackson「Thriller」PVのVincent Price、The J.B.'s「Gimme Some More」、映画『Willy Wonka & the Chocolate Factory』といった声ネタが随所に散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=Fbuf6VbVQBQ

「We The People...」
アルバムからの先行シングルにもなりました。Black Sabbath「Behind the Wall of Sleep」ネタのヘヴィなビートはATCQらしくない感じもしますが、Q-Tipのフロウが入ると途端にATCQらしくなるので不思議です。Q-Tipに続き、Phifeも力強いフロウを聴かせてくれます。RGEのCasey Benjaminがキーボードで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=vO2Su3erRIA

「Whateva Will Be」
Consequenceをフィーチャー。ブラックスプロイテーション映画『Dolemite』の声ネタと共にスタートします。Nairobi Sisters「Promised Land」ネタの格好良いダビー・トラックをバックに、Phife、Jarobi、Q-Tip、Consequenceがマイクリレーを展開します。
https://www.youtube.com/watch?v=7v-mSYxrVoI

「Solid Wall Of Sound」
Jack White、Elton John、Busta Rhymesをフィーチャー。Elton John「Benny & the Jets」をベースにしたトラックをバックに、Busta、Phife、Q-Tipがリズミックなフロウを聴かせてくれます。中盤以降にはJack Whiteのコーラスがアクセントとなり、終盤にはEltonが堂々とした歌いっぷりでPhife及びATCQを送り出してくれます。The J.B.'s「Gimme Some More」、Michel Colombier & Pierre Henry「Jericho Jerk」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=7aUQ4sfo0Nw

「Dis Generation」
Busta Rhymesをフィーチャー。Invisible「Ruido De Magia」ネタのループの感動的なトラックが印象的です。Musical Youth「Pass the Dutchie」の声ネタも効果的に挿入されています。Bustaのダミ声ラップが加わると、ATCQ作品らしくなっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UYbovf6tKg0

「Kids...」
OutkastのAndre 3000をフィーチャー。リズミックなのに何処となくダークなピアノをバックに、QちゃんとAndre 3000が達者なフロウを披露してくれます。キャラ的にこの2人ってフィットする気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=6Fq0ocpLJPk

「Melatonin」
Marsha AmbrosiusとAbbey Smithをフィーチャー。さらにCasey Benjamin(key)、Mark Colenburg(ds)というRGEのメンバー2人も参加しています。この曲に関してはATCQというより、Q-Tipのソロといった色合いが強いですね。Chris Sholarのギターが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=d-GT5EELdhI

「Enough!!」
ATCQを代表するHip-Hopクラシック「Bonita Applebum」と同じRotary Connection「Memory Band」をサンプリング。DJ Scratchがセンスのいいターンテーブルで盛り上げてくれます。ラップはJarobiとQ-Tip。
https://www.youtube.com/watch?v=9NOBxC8DsCY

ここまでがSide Aです。

「Mobius」
Side BのスタートはBusta RhymesとConsequenceをフィーチャー。Consequenceがラップする前半は少し大人しい感じですが、Gentle Giant「Prologue」ネタの印象的なループが加わる中盤以降はBustaが大暴れします。Prodigy「Keep It Thoro」、Five Stairsteps「Ooh Child」のフレーズも引用されています。
https://www.youtube.com/watch?v=ls7PUYMkksI

「Black Spasmodic」
Consequenceをフィーチャー。レゲエ調の軽やかなトラックにのって、Consequence、Phife、Q-Tipがリズミックにフロウします。

「The Killing Season」
ConsequenceKanye WestTalib Kweliをフィーチャー。タイトルの通り、不穏な雰囲気でスタートしますが、中盤以降は美しくも寂しげなトラックへ表情が変わります。蟹江も加わった寂しげなコーラスがこの曲を象徴しているのでは?
Malcolm McLaren「Buffalo Gals」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=u6uzo061H5U

「Lost Somebody」
Katia Cadetをフィーチャー。Can「Halleluhwah」を引用したChris Bowerのピアノ・ループが印象的です。ソロ転向後のQ-Tip作品のような雰囲気ですね。Katia Cadetの女性コーラスもグッド!しかしながら、そんな演奏が突然遮断され、静寂の後にChris Parksの切り裂くようなギター音が・・・このギターにこそQちゃん達の社会へのメッセージが込められている気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=wPHvx2p5MxU

「Movin Backwards」
先日、Knxwledgeとの強力Hip-Hop/R&BタッグNxWorriesの1stアルバム『Yes Lawd!』を紹介したばかりの今一番旬なHip-Hop/R&BアーティストAnderson .Paakをフィーチャー。PaakとQちゃんの個性がうまく融合した好トラックに仕上がっています。Chris Sholarのギター、Casey Benjaminのキーボードも印象的です。Anderson .PaakNxWorries好きの人も楽しめる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=sK1kXOvDZ0A

「Conrad Tokyo」
Kendrick Lamarをフィーチャー。汐留のホテル、コンラッド東京の名が冠されたタイトルが日本人には気になりますが、いきなり♪Conrad Tokyo, Sapporo, pistachio♪というPhifeのラップで始まります。リリックにはトランプやヒラリーという大統領選挙を争った二人の名前も登場する政治・社会メッセージの強い1曲です。ここでもThe J.B.'s「Gimme Some More」の声ネタが使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=e7qVfEFnsTY

「Ego」
映画『2001 a Space Oddyssey(2001年宇宙の旅)』のサウンド・エフェクトをサンプリングした不穏な雰囲気でスタートします。明るいジャジー・サウンドと不穏なサウンドのコントラストが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=PNoVzY7zEo4

「The Donald」
Busta Rhymesをフィーチャー。ラストはPhifeへの惜別で締め括ってくれます。Bustaがラガ調ラップで盛り上げてくれます。「Conrad Tokyo」の流れでタイトルはDonald Trumpのことか!なんて勘ぐってしまいますが・・・。

A Tribe Called Questの音楽は不滅です!

A Tribe Called Quest(ATCQ)の過去記事もご参照を!

『People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』(1990年)
People's Instinctive Travels and the Pat by Jive / Sbme Europe 【並行輸入品】

『The Low End Theory』(1991年)
Low End Theory by Jive / Sbme Europe 【並行輸入品】

『Revised Quest for the Seasoned Traveller』(1992年) ※リミックス集
リヴァイズド・クエスト・フォー・ザ・シーズンド・トラヴェラー

『Midnight Marauders』(1993年)
Midnight Marauders by Jive / Sbme Europe 【並行輸入品】

『Beats Rhymes & Life』(1996年)
ビーツ,ライムズ&ライフ

『The Love Movement』(1998年)
Love Movement
posted by ez at 03:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月03日

Jose James『The Dreamer』

新世代男性ジャズ・シンガーの代表格、Brownswoodからのデビュー作☆Jose James『The Dreamer』
The Dreamer [帯解説・歌詞対訳 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (BRC369)
発表年:2007年
ez的ジャンル:新世代男性ジャズ・シンガー
気分は... :魅力を再発見!

今回は新世代男性ジャズ・シンガーの代表格Jose Jamesのデビュー作『The Dreamer』(2007年)です。

1978年ミネアポリス生まれの男性ジャズ・シンガーJose Jamesについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の4枚。

 『Blackmagic』(2010年)
 『No Beginning No End』(2013年)
 『While You Were Sleeping』(2014年)
 『Yesterday I Had The Blues』(2015年)

Gilles Petersonに認められ、彼のレーベルBrownswood Recordingsからデビュー作である本作『The Dreamer』(2007年)、2ndアルバム『Blackmagic』(2010年)をリリースしたJose James。

その後、名門Blue Noteへ移籍し、新世代ジャズを代表する男性シンガーとしての地位を確立していくわけですが、Brownswood時代のJoseは僕の中ではクラブジャズ寄りのジャズ・シンガーというイメージが強く、自ずとそういった楽曲を求めていた傾向があったように思います。その意味でリアルタイムで本作を聴いていた時には、偏ったフィルターを通して聴いており、純粋にJose Jamesの世界を楽しむ耳になっていなかったかもしれません。

Billie Holidayへのトリビュート『Yesterday I Had The Blues』(2015年)といった正統派アルバムを聴いた後に、本作を聴くことで、ようやくこのデビュー作の本当の面白さに気づかされた気がします。

プロデュースはJose James自身。

レコーディングにはSteve Lyman(ds)、Luke Damrosch(ds)、Alexi David(b)、Nori Ochiai(p)、Junior Mance(p)、Ryan Blum(key)、Gal Ben Haim(g)、Omar Abdulkarim(tp)といったミュージシャンが参加しています。

アルバム全体はJohn Coltraneを敬愛する一方で、Hip-Hopも聴いて育ってきたJose Jamesの原点に、Gilles PetersonのBrownswoodらしいクラブミュージックのエッセンスが少しだけ加わった新世代ジャズ作品に仕上がっています。

リアルタイムで聴いていた時には、ドラムンベース調の「Love」「Nola」、ソウル・フィーリングの「Blackeyedsusan」あたりが好きですが、改めて聴き直すとJohn Coltrane的フィーリングをHip-Hop的手法で表現した「Red」「Velvet」あたりにも惹かれます。

また、『Yesterday I Had The Blues』が大好きだったので、その耳で「The Dreamer」「Moanin'」を聴き直すと魅力が大幅アップしています。

改めて、Jose Jamesの原点を感じると同時に、本作の面白さを再発見できました。

全曲紹介しときやす。
※僕が保有する国内盤の曲順・構成です。
 輸入盤のオリジナルは曲順・構成が異なるのでご注意を!

「Love」
Jose James/Ryan Blum作。オープニングはいきなりドラムンベース調。Gilles PetersonのBrownswoodらしいですし、新世代ジャズ・シンガーを印象づける1曲に仕上がっています。憂いを帯びたJoseのクール・ヴォーカルと人力ドラムンベースのバッキングがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=xl4n57LH0_g

「Spirits Up Above」
盲目のジャズ・サックス奏者Rashaan Roland Kirk(1935-77年)の作品をカヴァー。Charles Mingus風のアレンジを施したブルージーな仕上がりが、新世代でありながら古き良きジャズもリスペクトする正統派ジャズ・シンガーであることを印象づけてくれます。中盤以降のバックのアンサンブルも素晴らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=sApit4tWdQo

「Moanin'」
国内盤ボーナス・トラック1。Art Blakey & The Jazz Messengersでお馴染み、ファンキー・ジャズを代表するBobby Timmons作の名曲をカヴァー。当ブログではJon Hendricksが歌詞をつけたLambert, Hendricks & Rossのヴァージョンも紹介済みです。JoseのカヴァーはLambert, Hendricks & Rossのヴァージョンをお手本にした仕上がりです。『Yesterday I Had The Blues』を聴いた後に本カヴァーを聴くと、実にしっくりきます。
https://www.youtube.com/watch?v=cZ9XnEDvQl0

「Park Bench People」
90年代に活躍したL.A.のHip-HopグループFreestyle Fellowshipのカヴァー。オリジナルはアルバム『Innercity Griots』(1993年)に収録されています。Jose本人のリクエストと思いきや、Gilles Petersonの勧めによりレコーディングしたようです。ギターを加えた演奏は、Hip-Hopカヴァーとは思えないジャジー・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mo3hzUmoi_s

「Blackeyedsusan」
Jose James作。Marvin Gayeを意識したJoseのソウル・フィーリングにグッとくる1曲。あくまでジャズ・サイドからのソウル・フィーリングって感じがグッド!後の『No Beginning No End』を予感させます。
https://www.youtube.com/watch?v=Qln33JzZODA

「Nola」
映画監督Spike Leeの父親Bill Leeの作品をカヴァー。Spike Leeの出世作でBill Leeがサントラを手掛けた映画『She's Gotta Have It』(1986年)収録曲です。途中でドラムンベースのエッセンスが加わるなどBrownswoodらしい1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9l8R8CHpdk4

「Red」
Jose James作。名曲Wayne Shorter「Footprints」を引用し、ループしたHip-Hop的アプローチが新世代ジャズ・シンガーらしいですね。"今ジャズ"を聴くようになった耳で聴くと、心地よいフィーリングです。
https://www.youtube.com/watch?v=P_qwIhY15hM

「The Dreamer」
Jose James作。タイトル曲はキング牧師からインスパイアされたものです。Joseのヴォーカルや演奏自体は静寂に包まれ、『Yesterday I Had The Blues』の世界観に通じるものがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=IzGiotkGkwQ

「Velvet」
Jose James作。John Coltrane「Compassion」を引用しています。John Coltraneを敬愛するJoseが、Hip-Hop的アプローチでColtraneのフィーリングを表現するというところが新世代ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PDdSnXbn8Vc

「Winter Wind」
Jose James作。ジャジー・フィーリングのSSW風の仕上がり。N.Y.在住の日本人ピアニストNori Ochaiの美しいピアノをバックに、Joseがしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=duPOs6WuRps

「Desire」
JoseとNori Ochaiとの共作曲です。Joseらしい静寂のクール・ヴォイスを堪能できる1曲。前半は『Yesterday I Had The Blues』がお好きな人ならば気に入るはず!後半はバッキングが盛り上がります。個人的には前半の雰囲気で押し通しても良かった気が・・・
https://www.youtube.com/watch?v=ylqA5a3335k

「Body + Soul」
国内盤ボーナス・トラック2。お馴染みのポピュラー/ジャズ・スタンダードをカヴァー(Edward Heyman/Robert Sour/Frank Eyton/Johnny Green作)。スウィンギーな雰囲気が打ち出されたカヴァーに仕上がっています。

僕が保有する国内盤はボートラ2曲のみですが、昨年再発された国内盤にはL.A.ビートミュージックの雄Flying Lotusとの共演曲「Visions Of Violet」も加わっています。

Jose Jamesの他作品もチェックを!

『Blackmagic』(2010年)
Blackmagic [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] 期間限定廉価盤 (BRC246Z)

Jose James & Jef Neve『For All We Know』(2010年)
For All We Know

『No Beginning No End』(2013年)
ノー・ビギニング・ノー・エンド

『While You Were Sleeping』(2014年)
While You Were Sleeping

『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
イエスタデイ・アイ・ハド・ザ・ブルース
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2016年12月02日

Brazilian Groove Band『Anatomy Of Groove』

N.Y.+ブラジルなジャズ・ファンク作品☆Brazilian Groove Band『Anatomy Of Groove』
アナトミー・オブ・グルーヴ
発表年:2009年
ez的ジャンル:ブラジリアン・フレイヴァーN.Y.ジャズ・ファンク
気分は... :年末モード突入!

今回はジャズ・ファンク作品Brazilian Groove Band『Anatomy Of Groove』(2009年)です。

2009年にUKの優良レーベルFar Out Recordingsからリリースされた作品ですが、レコーディング自体は1999年に行われたものなので、1990年代カテゴリーにしておきます。

Brazilian Groove Bandは、リオ・デ・ジャネイロ出身でN.Y.を拠点に活躍するサックス奏者Leo Gandelmanが立ち上げたジャズ・ファンク・プロジェクト。

プロデュースはLeo GandelmanJuliano Zanoni

N.Y.ブルックリンで行われたレコーディングには、Leo Gandelman(sax、fl、key)、Juliano Zanoni(ds、per)以下、Charlie Hunter(b、g)、SouliveEric Kresno(g)、Reuben Wilson(org)、Grant Green Jr.(g)、Don Harris(tp、flh)、Ozi(tb)、Cafe(per)、Andre Vasconcellos(b)、Pedro Gomes(g)、David Feldman(el-p、key)、Sergio Brandao(b)、Gene Perez(b)、Mitch Stein(g)、Guilherme Monteiro(g)、Tony Mola(per)、David Vieira(per)といったミュージシャンが参加しています。

レア・グルーヴ好きにはお馴染みのベテラン・オルガン奏者Reuben Wilson、人気ギタリストであった故Grant Greenの息子Grant Green Jr.(g)がゲスト参加しているのが目を引きます。

ユニット名からして、ブラジル色を前面に打ち出したアルバムをイメージするかもしれませんが、全体の印象としてはN.Y.らしい都会的でスマートなジャズ・ファンクが基本であり、そこにブラジリアン・フレイヴァーで彩をつけているといった感じですね。抜けのいい爽快なジャズ・ファンク・サウンドを楽しめます。

意外に飽きのこないインスト・ジャズ・ファンク作品かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Safari」
Leo Gandelman/Charlie Hunter/Juliano Zanoni作。アフロなエッセンスも取り入れた開放的なジャズ・ファンクがオープニング。抜けのいいホーン・サウンドが気持ちいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=2rrJAcPYL_A

「Pirulito」
Leo Gandelman/Andre Vasconcellos/Juliano Zanoni作。サマー・ブリージンなメロウ・ジャズ・ファンク。季節外れですが、こういうの好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=goBoC_zyt6k

「Charlie 1」
Leo Gandelman/Charlie Hunter/Juliano Zanoni作。ハモンド・オルガンの音色が印象的なオルガン・ジャズ・ファンク。スクラッチを交えたブラジリアン・エッセンスの隠し味もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=uAVpP1zLcRw

「Pau Grande」
Leo Gandelman作。軽やかなブラジリアン・ジャズ・ファンク。ブラジリアン・リズムと鮮やかなホーン・アンサンブルの組み合わせがいいですね。Reuben Wilson参加曲。
https://www.youtube.com/watch?v=QdtgsR6sDUo

「April 7th」
Leo Gandelman作。Grant Green Jr.参加のグルーヴーなジャズ・ファンク。キレのあるホーン・サウンドと父Grant Greenを彷彿させるJr.のグルーヴィー・ギターにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=GO7P75mQvTQ

「Dance」
Leo Gandelman/Juliano Zanoni作。ブラジリアン・フレイヴァーが印象的ですが、全体としてはスマートで都会的なジャズ・ファンクに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gWYwv60qa_w

「Prince Samba」
Leo Gandelman作。タイトルの通り、サンバのリズムを取り入れたジャズ・ファンク。それでもN.Y.らしいジャズ・ファンク・サウンドがブレないところが本作らしさかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=hhdi7tJtE3Y

「Groove In The Head」
Leo Gandelman/Juliano Zanoni作。N.Y.産ならではのブラジリアン・ジャズ・ファンク。爽快メロウな疾走感が気持ちいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_uEY5y8zfDQ

「Bananeira」
Joao Donato作品をカヴァー。当ブログでは以前にBebel Gilbertoのカヴァーも紹介した楽曲です。素晴らしいホーン・アンサンブルが楽しめる本作のハイライト的な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5Vep08XRUSw

「Hip Baiao」
Leo Gandelman/Juliano Zanoni作。ラストはクラブジャズ調なブラジリアン・ジャズで締め括ってくれます。個人的にはこういうがあと1つ、2つあると嬉しかったですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=mv-z7d86Mqo

あっという間に12月ですね。
イベントややることが多すぎてバタバタです。
こういう時に体調を崩しやすいので注意せねば!
posted by ez at 11:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする