2016年12月18日

Jimi Tenor『Saxentric』

12年ぶりのソロ名義アルバム☆Jimi Tenor『Saxentric』
jimi tenor saxentric.jpg
発表年:2016年
ez的ジャンル:北欧系モンド・ジャズ/アフロ・ジャズ
気分は... :ジャズの桃源郷へ・・・

今回は新作アルバムから、フィンランドの奇才マルチプレーヤーJimi Tenorが久々にソロ名義でリリースした『Saxentric』です。

当ブログでこれまで紹介したJimi Tenor作品は以下の3枚。

 『Intervision』(1997年)
 Jimi Tenor & Kabu Kabu『Joystone』(2007年)
 Cola & Jimmu『Enigmatic』(2013年)

ここ10年はベルリンのアフロビート・バンドKabu Kabu、アフロビートのレジェンド・ドラマーTony Allen、奥方Nicole Willis、アイスランドのバンドHjalmar、フィンランドのビッグバンドUmo Jazz Orchestra等との共演アルバムが多かったJimi Tenorが、『Beyond the Stars』(2004年)以来のソロ名義のアルバムとしてリリースしたのが本作『Saxentric』です。

レコーディングにはTony Allen(ds)をはじめ、Ekow Alabi Savage(ds)、Akinola Famson(per)、Patrick Frankowski(b)、Daniel Allen Oberto(per、tp)というKabu Kabuのメンバー、Jimiと共演アルバム『Dub Of Doom』(2013年)もリリースしたアイスランドのバンドHjalmarのメンバーであるHelgi Svavar Helgason(ds)、同じくJimiと共演アルバム『Itetune』(2011年)をリリースしたAbdissa Assefa(ds)、昨年Jimiとの共演アルバム『Mysterium Magnum』をリリースしたフィンランドのビッグバンドUmo Jazz OrchestraのメンバーMongo Aaltonen(per)、かつてJimi Tenor & His ShamansのメンバーであったIlkka Mattila(b、g)、さらにはAllonymous(vo、per)、Tero Lindberg(flh)、Kalle Kalima(g)、Hilary Jeffery(tb)といったミュージシャンが参加しています。また、Jimi自身もマルチプレーヤーぶりを大いに発揮しています。

この十数年のコラボ相手が多数参加していることからも推察されるように、近年の活動の集大成的な作品かもしれませんね。サウンド的にもJimiのさまざまなジャズ・ワールドを楽しめます。

派手さはありませんが、Jimi Tenorというミュージシャンのプリミティブな魅力に触れることができる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Cap De Creus」
モンドでバカンスなラウンジ・チューンでアルバムは幕を開けます。トロピカル・ベースあたりにも通じる世界観なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=rurD_qqogqI

「Full House」
Tony Allen参加のアフロビート。Tony AllenKabu Kabuと共演した諸作がお好きな方には、やはりアフロビートなJimiがしっくりくるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=nVpN11hrCK8

「My Baby Is Coming」
Jimi自身がヴォーカルをとるモンド感覚のジャズ・ヴォーカル・チューン。何処か毒々しいのに、それをスマートに聴かせてしまうのがJimiのセンスかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=lL9838A1Rmo

「Vortex」
Helgi Svavar Helgasonの叩くビートにのって、Jimiのサックスを存分に楽しめるアフロ・ファンク。軽くボッサなエッセンスも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=UuGM__7HoEI

「Ursa Major」
すべての楽器をJimiが演奏しているマルチプレーヤーぶりを堪能できます。Jimiの一人スピリチュアル・ジャズを楽しみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=9lV2TYZmf0A

「Baby Pharaoh」
タイトルからしてPharoah Sandersを意識したものでしょうか。2分強で終わってしまうので少しあっけない気も・・・
https://www.youtube.com/watch?v=6aqPzjcAwCY

「Four Corners Of The Earth」
Allonymousのヴォーカルをフィーチャー。ラウンジ感のあるオルガンが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=gSwTuOhNzHQ

「Meridian Of Peace」
Walter Wanderley的なオルガン・ラウンジに、Jimiらしい近未来的なモンド感覚を加えた演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=ghEstkYlNMc

「Kivinokka」
この演奏こそPharoah Sanders的なスピリチュアル・ジャズですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JnuQiJYs6u4

「Magick Of Choice」
50年代のジャズ黄金期を2016年に再構築したようなサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=VbyVh2wVgAc

「Peaceful Maelstrom」
本作の中で最も多くのミュージシャンが参加したパーカッシヴなアフロビート/アフロ・ファンクを楽しめます。

「Polygonal」
ラストはJimiらしいモンドでかつスピリチュアルな雰囲気の演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Cujkb5993MI

Jimi Tenorの他作品もチェックを!

『Sahkomies』(1994年)
Sahkomies by Tenor, Jimi (2001-01-01) 【並行輸入品】

『Europa』(1995年)
Europa

『Intervision』(1997年)
INTERVISION

『Organism』(1999年)
Organism

『Out of Nowhere』(2000年)
Out of Nowhere (WARPCD76)

『Utopian Dream』(2001年)
Utopian Dream

『Higher Planes』(2003年)
Higher Planes

『Beyond the Stars』(2004年)
Beyond the Stars

『Deutsche Grammophon Recomposed』(2006年)
Recomposed By Jimi Tenor

Jimi Tenor & Kabu Kabu『Joystone』(2007年)
Joystone

Jimi Tenor & Kabu Kabu『4th Dimension』(2009年)
4th Dimension

Jimi Tenor & Tony Allen『Inspiration Information, Vol. 4』(2009年)
Inspiration Information, Vol. 4

Jimi Tenor & Abdissa Assefa『Itetune』(2011年)
jimi tenor & abdissa assefa itetune.jpg

Jimi Tenor & Kabu Kabu『The Mystery Of Aether』(2012年)
Mystery of Aether

Cola & Jimmu『Enigmatic』(2013年)
Enigmatic

Jimi Tenor & Umo Jazz Orchestra 『Mysterium Magnum』(2015年)
Mysterium Magnum
posted by ez at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする