2016年12月23日

Soul Survivors『Take Another Look』

Duane Allmanのギターも聴けるブルーアイド・ソウル作品☆Soul Survivors『Take Another Look』
テイク・アナザー・ルック
発表年:1969年
ez的ジャンル:Gamble & Huff系ブルーアイド・ソウル
気分は... :気力が・・・

今回はブルーアイド・ソウル・グループSoul Survivorsの2ndアルバム『Take Another Look』(1969年)です。

メキシコ系移民のIngui兄弟を中心に結成されたSoul Survivorsの紹介は、3rdアルバム『Soul Survivors』(1974年)に続き2回目となります。

『Soul Survivors』(1974年)はLarsen-Feiten Bandやその前身グループFull Moonのメンバーが参加していたことでも注目されたフリーソウル人気盤でした。

それに対して、本作『Take Another Look』は、Ingui兄弟のソウルフルなヴォーカルの魅力を堪能できるブルーアイド・ソウル好盤に仕上がっています。

Gamble & Huff(Kenneth Gamble & Leon Huff)のプロデュースでシングル「Expressway to Your Heart」(1967年)を発表し、全米チャート第4位、同R&Bチャート第3位のヒットを放ったSoul Survivorsでしたが、その後はヒットに恵まれず、アルバムも1st『When the Whistle Blows Anything Goes』(1967年)、2ndとなる本作『Take Another Look』(1969年)も商業的成功には至りませんでした。

本作におけるメンバーはCharles Ingui(vo)、Richard Ingui(vo)、Kenneth Jeremiah(vo)、Joseph Forgione(ds)、Paul Venturini(org)、Edward Leonetti(g)、Tony Radicello(b)という7名。

本作は3曲がGamble & HuffプロデュースによるN.Y.録音、残りがRick Hallプロデュースによるマッスル・ショールズ録音です。

後者についてはFame Recording Studiosの名うてのミュージシャン達の参加も噂されています。少なくともギターにはThe Allman Brothers Bandの“スカイドッグ”Duane Allmanが参加していると思われます。

そんなせいで、本来はGamble & Huffプロデュースの3曲に注目が集まりそうですが、個人的にはマッスル・ショールズ録音の曲の方が楽しく聴けました。

ファンキーなオープニング「Funky Way To Treat Somebody」、シングルにもなった「Mama Soul」、Duane Allmanのスライド・ギターがさく裂する「Darkness」、Etta James「Tell Mama」のカヴァー「Tell Daddy」、正統派ソウル・バラード「Keep Your Faith, Brother」、カントリー・シンガーMickey Newburyのカヴァー「Got Down On Saturday」あたりがオススメです。

ブルーアイド・ソウル好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Funky Way To Treat Somebody」
Calvin Arnoldのカヴァーがオープニング。オルガンを中心としたファンキー・サウンドをバックに、少し荒々しいソウルフル・ヴォーカルが響きます。格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=5TTk-8VE3Pc

「Baby, Please Don't Stop」
Kenny Gamble/Leon Huff/Mikki Farrow作。Gamble & Huffプロデュース。R&Bフィーリングのリード・ヴォーカルのロック・グループがお好きな方も気に入る曲なのでは?

「Jesse」
Charles Ingui/Richard Ingui作。ブルーアイド・ソウルらしい雰囲気のミディアム・バラード。

「Mama Soul」
Charles Ingui/Richard Ingui作。この曲もシングルになりました。アルバムの中でも完成度の高いキャッチーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZmSIoN2SrDI

「Darkness」
Charles Ingui/Richard Ingui作。マッスル・ショールズ感を楽しめる哀愁のソウル・チューン。ここでのハイライトはDuane Allmanのスライド・ギターかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=qc9a61pwRzo

「We Got A Job To Do」
Charles Ingui/Richard Ingui作。豪快なホーン・サウンドとグルーヴィーなオルガンが印象的なマッスル・ショールズ。フィーリングのソウル・チューン。

「Keep Your Faith, Brother」
Charles Ingui/Richard Ingui作。正統派ソウル・バラード。ヴォーカル・グループとしての彼らの魅力を楽しめます。

「Tell Daddy」
Etta James「Tell Mama」のカヴァー(Clarence Carter/Marcus Daniel/Wilbur Terrell作)。南部ソウルなファンキー・サウンド全開の1曲。Duane Allmanのギターもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1ISgrsoGf4g

「Got Down On Saturday」
カントリー・シンガーMickey Newburyのカヴァー。アーシーな雰囲気をうまく取り入れたバラード。

「(Why Don't You) Go Out Walking」
Charles Ingui/Richard Ingui作。Gamble & Huffプロデュース。ブルーアイド・ソウルらしいヴォーカル&コーラスを楽しめる1曲に仕上がっています。

「Turn Out My Fire」
Kenny Gamble/Mikki Farrow/Thom Bell作。Gamble & Huffプロデュース。シングルにもなりました。Gamble & Huffらしい手腕の発揮されたキャッチーな1曲に仕上がっています。

ご興味がある方は、ヒット・シングル「Expressway to Your Heart」収録の『When the Whistle Blows Anything Goes』(1967年)、フリーソウル人気盤『Soul Survivors』(1974年)もチェックを!

『When the Whistle Blows Anything Goes』(1967年)
When the Whistle Blows Anything Goes (Reis)

『Soul Survivors』(1974年)
ソウル・サヴァイヴァーズ(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする