発表年:1969年
ez的ジャンル:Gamble & Huff系ブルーアイド・ソウル
気分は... :気力が・・・
今回はブルーアイド・ソウル・グループSoul Survivorsの2ndアルバム『Take Another Look』(1969年)です。
メキシコ系移民のIngui兄弟を中心に結成されたSoul Survivorsの紹介は、3rdアルバム『Soul Survivors』(1974年)に続き2回目となります。
『Soul Survivors』(1974年)はLarsen-Feiten Bandやその前身グループFull Moonのメンバーが参加していたことでも注目されたフリーソウル人気盤でした。
それに対して、本作『Take Another Look』は、Ingui兄弟のソウルフルなヴォーカルの魅力を堪能できるブルーアイド・ソウル好盤に仕上がっています。
Gamble & Huff(Kenneth Gamble & Leon Huff)のプロデュースでシングル「Expressway to Your Heart」(1967年)を発表し、全米チャート第4位、同R&Bチャート第3位のヒットを放ったSoul Survivorsでしたが、その後はヒットに恵まれず、アルバムも1st『When the Whistle Blows Anything Goes』(1967年)、2ndとなる本作『Take Another Look』(1969年)も商業的成功には至りませんでした。
本作におけるメンバーはCharles Ingui(vo)、Richard Ingui(vo)、Kenneth Jeremiah(vo)、Joseph Forgione(ds)、Paul Venturini(org)、Edward Leonetti(g)、Tony Radicello(b)という7名。
本作は3曲がGamble & HuffプロデュースによるN.Y.録音、残りがRick Hallプロデュースによるマッスル・ショールズ録音です。
後者についてはFame Recording Studiosの名うてのミュージシャン達の参加も噂されています。少なくともギターにはThe Allman Brothers Bandの“スカイドッグ”Duane Allmanが参加していると思われます。
そんなせいで、本来はGamble & Huffプロデュースの3曲に注目が集まりそうですが、個人的にはマッスル・ショールズ録音の曲の方が楽しく聴けました。
ファンキーなオープニング「Funky Way To Treat Somebody」、シングルにもなった「Mama Soul」、Duane Allmanのスライド・ギターがさく裂する「Darkness」、Etta James「Tell Mama」のカヴァー「Tell Daddy」、正統派ソウル・バラード「Keep Your Faith, Brother」、カントリー・シンガーMickey Newburyのカヴァー「Got Down On Saturday」あたりがオススメです。
ブルーアイド・ソウル好きの方はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Funky Way To Treat Somebody」
Calvin Arnoldのカヴァーがオープニング。オルガンを中心としたファンキー・サウンドをバックに、少し荒々しいソウルフル・ヴォーカルが響きます。格好良い!
https://www.youtube.com/watch?v=5TTk-8VE3Pc
「Baby, Please Don't Stop」
Kenny Gamble/Leon Huff/Mikki Farrow作。Gamble & Huffプロデュース。R&Bフィーリングのリード・ヴォーカルのロック・グループがお好きな方も気に入る曲なのでは?
「Jesse」
Charles Ingui/Richard Ingui作。ブルーアイド・ソウルらしい雰囲気のミディアム・バラード。
「Mama Soul」
Charles Ingui/Richard Ingui作。この曲もシングルになりました。アルバムの中でも完成度の高いキャッチーな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZmSIoN2SrDI
「Darkness」
Charles Ingui/Richard Ingui作。マッスル・ショールズ感を楽しめる哀愁のソウル・チューン。ここでのハイライトはDuane Allmanのスライド・ギターかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=qc9a61pwRzo
「We Got A Job To Do」
Charles Ingui/Richard Ingui作。豪快なホーン・サウンドとグルーヴィーなオルガンが印象的なマッスル・ショールズ。フィーリングのソウル・チューン。
「Keep Your Faith, Brother」
Charles Ingui/Richard Ingui作。正統派ソウル・バラード。ヴォーカル・グループとしての彼らの魅力を楽しめます。
「Tell Daddy」
Etta James「Tell Mama」のカヴァー(Clarence Carter/Marcus Daniel/Wilbur Terrell作)。南部ソウルなファンキー・サウンド全開の1曲。Duane Allmanのギターもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1ISgrsoGf4g
「Got Down On Saturday」
カントリー・シンガーMickey Newburyのカヴァー。アーシーな雰囲気をうまく取り入れたバラード。
「(Why Don't You) Go Out Walking」
Charles Ingui/Richard Ingui作。Gamble & Huffプロデュース。ブルーアイド・ソウルらしいヴォーカル&コーラスを楽しめる1曲に仕上がっています。
「Turn Out My Fire」
Kenny Gamble/Mikki Farrow/Thom Bell作。Gamble & Huffプロデュース。シングルにもなりました。Gamble & Huffらしい手腕の発揮されたキャッチーな1曲に仕上がっています。
ご興味がある方は、ヒット・シングル「Expressway to Your Heart」収録の『When the Whistle Blows Anything Goes』(1967年)、フリーソウル人気盤『Soul Survivors』(1974年)もチェックを!
『When the Whistle Blows Anything Goes』(1967年)
『Soul Survivors』(1974年)