発表年:1978年
ez的ジャンル:伝承者系サンバ/ショーロ
気分は... :揺るぎない音世界・・・
表向きは昨日で仕事納め(実際にはまだ作業しているのですが)。
そのせいで張りつめていたものが、一度緩んでしまい、疲れがどっと出てきたようです。
意識的にしっかり休まないといけませんね。
今回はサンバ/ショーロの大物ミュージシャンPaulinho Da Violaが1978年にリリースした『Paulinho Da Viola』(1978年)です。
1942年リオ・デ・ジャネイロ生まれのシンガー/ギタリスト/コンポーザーPaulinho Da Violaの紹介は、『Nervos De Aco』(1973年)、Elton Medeirosと共同名義の『Samba Na Madrugada』(1968年)に続き3回目となります。
伝説的なショーロ・グループEpoca De OuroのオリジナルメンバーであるギタリストのCesar Fariaを父親に持つと同時に、サンバ・ユニットConjunto a Voz Do Morroのオリジナル・メンバーであるとPaulinho Da Violaには、ショーロとサンバの血が自然と流れており、その両者を融合させた独自のサンバ/ショーロ・ワールドが彼の最大の魅力です。
本作でも、そんなPaulinhoのサンバ/ショーロ・ワールドを存分に楽しめます。繊細な美しさとサンバの躍動感が同居し、ノスタルジックなのにメロウな聴きやすさがあるのがいいですね。
ブラジル音楽の奥深さを改めて実感できる名盤だと思います。
揺るぎない信念のある音は伝わってくるものが違います・・・
全曲紹介しときやす。
「Sentimento Perdido」
オススメその1。Elton Medeiros/Paulinho Da Viola作。Elton Medeirosとの共作で幕を開けます。タイトルの通り、センチメンタル・ムードの漂う素敵なオープニング。リズミカルなヴィオラン&カヴァキーニョとノスタルジックなトロンボーンの音色が織り成す素敵なサンバ/ショーロ・サウンドに、Paulinhoの味わいのある歌声が加われば言うことありません。終盤のコーラス隊もグッド!このオープニングだけでも名盤だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=gCO35cc6QoQ
「Atravessou」
オススメその2。Paulinho Da Viola作。気取らない庶民感覚の哀愁メロウって雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=89jRWW2LBts
「Mudei De Opiniao」
Bubu/Casquinha作。花やいだ雰囲気の小気味よい演奏が印象的な庶民サンバ/ショーロに仕上がっています。
「Coracao Leviano」
オススメその3。Paulinho Da Viola作。Paulinhoの味わいのある語り口のヴォーカルにグッときます。ヴィオラン&カヴァキーニョの中でピアノやクラリネットの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pH5FEGZfLVQ
「Sofrer」
オススメその4。Capinan/Paulinho Da Viola作。エレピも加わった都会的アレンジで聴かせてくれるメロウ・チューン。この辺りは新境地かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=34RKY1Y6JHc
「Uma Historia Diferente」
オススメその5。Paulinho Da Viola作。カヴァキーニョの軽快な音色が躍動します。Paulinhoのサンバ/ショーロ愛を感じる素敵な演奏&ヴォーカルです。
https://www.youtube.com/watch?v=Yd9hEUzUk8c
「Cenarios」
オススメその6。Catoni/Jorge Mexeu作。サンビスタとしてのサンバの素晴らしさを余すことなく伝えてくれます。コーラス隊を従え、Paulinhoの歌が躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=PjLIGVPlO-4
「Pelos Vinte」
オススメその7。Paulinho Da Viola/Sergio Natureza作。楽曲とPaulinhoのヴォーカルの素晴らしさが際立つ1曲。ヴィオランは少し控えめにピアノ中心のサウンドにしているのも成功しています。
https://www.youtube.com/watch?v=vmogio0IvBQ
「Apoteose Ao Samba」
Mano Decio/Silas De Oliveira作。リオ四大エスコーラの1つインペリオ・セハーノ(Imperio Serrano)の重鎮2人による作品をカヴァー。偉大なサンビスタ達への敬意を表したサンバ・カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xx8zop1S2Rw
「Sarau Para Radames」
Paulinho Da Viola作。美しいアレンジによる小粋なサウンドを楽しめるインスト。
「Nos Horizontes Do Mundo」
Paulinho Da Viola作。しっとりと味わい深く歌い上げます。当ブログではLuciana Souzaのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=Rzb1xvhoj8E
「Miudinho」
ラストはPaulinhoのカヴァキーニョの音色を楽しめる軽快な演奏で締め括ってくれます。
Paulinho Da Violaの他作品もチェックを!
Paulinho Da Viola e Elton Medeiros『Samba Na Madrugada』(1968年)
『Paulinho Da Viola』(1968年)
『Foi Um Rio Que Passou em Minha Vida』(1970年)
『Paulinho Da Viola』(1971年)
『A Danca Da Solidao』(1972年)
『Nervos De Aco』(1973年)
『Paulinho Da Viola(Amor a Natureza)』(1975年)
『Memorias Cantando』(1976年)
『Memorias Chorando』(1976年)
『Zumbido』(1979年)
『Eu Canto Samba』(1989年)
『Bebadosamba』(1996年)