発表年:2017年
ez的ジャンル:UKソウルの重鎮
気分は... :オリジネーター!
今回はUKソウルを代表する男性シンガーOmarの最新8thアルバム『Love in Beats』です。
アシッド・ジャズ期から活躍するUKソウルの重鎮Omar(Omar Lye-Fook)について、当ブログでこれまで紹介したのは以下の4枚。
『There's Nothing Like This』(1990年)
『Best By Far』(2001年)
『Sing (If You Want It)』(2006年)
『The Man』(2013年)
前作『The Man』(2013年)から約3年半ぶりの新作となる本作『Love in Beats』ですが、Omarらしいジャズ、ワールド・ミュージック、Hip-Hop、クラブミュージックのエッセンスを取り入れた独自のUKソウルで楽しませてくれます。
現代ジャズをリードするピアニストRobert Glasper、UKのベテラン・ラッパーTy、Cool MillionのレーベルSedSoulに所属するUKの実力派女性シンガーNatasha Watts、メロウ大王Leon Ware、Grant Windsor's Big Beat Band、かつてMarsha Ambrosiusと女性R&BデュオFloetryを組んでいたFloacist(Natalie Stewart)、キューバ出身、フランスを拠点に活動する女性シンガーMayra Andrade、The Moteane - Lyefooks、元JamiroquaiのStuart Zender、Les Nubiansのプロデュースもしたフランス人男性シンガーJean-Michel Rotinといったミュージシャンがゲスト参加しています。
大半の曲はOmar本人もしくは実弟Scratch Professerとの共同プロデュースです。それ以外に、Richard Earnshaw、Maurice Brownとの共同プロデュース曲がそれぞれ1曲あります。
突出した曲はありませんが、Omarワールドを十分楽しめる1枚だと思います。
UKソウル好きの人はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Vicky's Tune」
Robert GlasperとTyをフィーチャー。フューチャー・ジャズ的なソウル・チューンに仕上がっています。ファンの期待を軽く飛び越えてくれた絶好調のオープニングです。
「Insatiable」
Richard Earnshawとの共同プロデュース。Natasha Wattをフィーチャー。ジャジー・フィーリングのメロウ・ソウルで盛り上げてくれます。息の合ったデュエットで盛り上げてくれます。
「Gave My Heart/It's So Interlood」
「Gave My Heart」はメロウ大王Leon Wareをフィーチャー。
メロウ大王の「Rockin' You Eternally」をサンプリングし、さらにフルート、ハープも加わったネオ・ソウル調のメロウ・チューンです。本編に続き、Grant Windsor's Big Beat Bandをフィーチャーした「It's So Interlood」が挿入されています。
「Feeds My Mind」
Floacistをフィーチャー。OmarらしいネオソウルにFloacistのポエトリーがアクセントで加わります。オトナのUKソウルといった趣です。
「De Ja Vu」
Mayra Andradeをフィーチャー。UKネオソウル・シンガーDon-Eがギターを奏でるレトロなワルツ調のジャジー・ソウルです。
「Girl Talk」
The Moteane - Lyefooksをフィーチャー。このThe Moteane - LyefookとはOmarの家族のことだと思います。家族の会話を収めたインタールード的な1曲。Maurice Brownとの共同プロデュース。
「This Way That Way」
コーラス・アレンジが特徴的です。ジャズ・フレイヴァーのアレンジも含めてベテランならではのセンスが冴えるネオソウル・チューンです。
「Hold Me Closer」
Stuart Zenderのギターをフィーチャー。バカンス・モードのメロウ・グルーヴです。フリーソウル好きの人は気に入るであろうサマー・ブリーズです。
「I Want It To Be」
配信で先行リリースされたリード曲。軽くカリビアン・フィーリングの効いたリラックスしたソウル・グルーヴが心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Az17VbA8CwU
「Doobie Doobie Doo」
Omar自身のラップも交えつつ、寛いだ雰囲気が本作らしくていいのでは?
「Grey Clouds」
スコールの効果音と共に始まるカリビアン・フィーリングのソウル・バラード。
「Destiny」
Jean-Michel Rotinをフィーチャー。ラストはOmarらしい雰囲気のソウル・グルーヴで締め括ってくれます。特に終盤の盛り上がりがいいですね。
Omarの過去記事もご参照下さい。
『There's Nothing Like This』(1990年)
『Best By Far』(2001年)
『Sing (If You Want It)』(2006年)
『The Man』(2013年)