発表年:1983年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ポップ・ダンス
気分は... :マテリアル・ガール!
今回は80年代のコンテンポラリー・ポップ・ダンス作品、Peter Brown『Back to the Front』(1983年)です。
Peter Brownは1953年イリノイ州ブルー・アイランド生まれのシンガー・ソングライター/プロデューサー。
70年代後半にマイアミのT.K. Recordsおよび傘下のDriveから「Do You Wanna Get Funky with Me」(1977年、全米チャート第18位、同R&Bチャート第3位)、「Dance With Me」(1978年、全米チャート第8位、同R&Bチャート第5位)、「Crank It Up (Funk Town)」(1979年、全米R&Bチャート第9位)といったヒットを放っています。特に「Dance With Me」ではマイアミ・ソウルの女王Betty Wrightが参加しています。
アルバムとしては『A Fantasy Love Affair』(1977年)、『Stargazer』(1979年)、『Back to the Front』(1983年)、『Snap』(1984年)という4枚のアルバムをリリースしています。
これらのヒット曲以上にPeter Brownの名を有名にしたのが、Madonnaの大ヒット曲「Material Girl」をRobert Ransと共に書いたことかもしれません。
3rdアルバムとなる本作は70年代ディスコから進化した80年代ならではのコンテンポラリーなポップ・ダンス作品に仕上がっています。「Material Girl」をMadonnaに楽曲提供する直前のアルバムであり、大ヒット曲を生み出すに至った彼のポップなダンス感覚を楽しめる1枚になっています。
アルバムにはMichael Boddicker(syn)、David Boruff(sax)、Jerry Hey(tp)等のミュージシャンが参加しています。また、バック・ヴォーカルでThe WatersのJulia WatersとMaxine Waters、Venetta Fields、Becky Lopez-Porter、Terry Woodが参加しています。
ディスコ/ダンス・チューン狙いならば、「Baby Gets High」、「Overnight Sensation」というシングル2曲や「Danger」あたりがオススメです。
個人的には「Material Girl」を予感させるポップ・センスが発揮された「Heaven In Your Eyes」、「The Love Game」、「Satisfaction Guaranteed」、「Give Me Up」あたりに惹かれました。
80年代前半らしいコンテンポラリーなポップ・ダンス・サウンドを楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Give Me Up」
Peter Brown/Robert Vavrik作。AOR的なポップ・ロックでアルバムは幕を開けます。
「Heaven In Your Eyes」
Peter Brown/Robert Vavrik作。僕の一番のお気に入りはコレ。Peter Brownのソングライターとしてのポップ・センスが一番発揮されているのがコレなのでは?
「Overnight Sensation」
Peter Brown/Robert Rans作。シングルにもなった哀愁モードのエレクトリック・ダンス。80年代ならではの哀愁エレクトリック・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=m3ola8Qfm_o
「Lover Come Back」
Peter Brown/Robert Rans作。メロディアスなラブ・バラード。Brownの伸びやかで素直なヴォーカルが似合います。
「Satisfaction Guaranteed」
Peter Brown/Robert Vavrik作。ギター・カッティングが印象的なダンス・チューン。ポップ・チャートを意識したダンス・サウンドが本作らしいスタンスなのでは?Jerry Heyらのホーン隊が盛り上げてくれます。
「Baby Gets High」
Peter Brown作。シングル曲として全米R&Bチャート第49位、同ディスコ・チャート第6位となっています。Peter Brownらしいダンス・チューンを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=vrQBkjgO3m4
「Shall We Dance」
Oscar Hammerstein II/Richard Rodgers作のスタンダードをカヴァー。あの同名邦画でお馴染みの曲です。スタンダード然とした仕上がりはアルバムの中で正直浮いています。ご愛嬌ということで。
「Danger」
Peter Brown/Robert Rans作。「Overnight Sensation」と同じ路線の哀愁エレクトリック・ダンス。80年代好きの人はグッとくる哀愁のメロディ・ラインです。
「The Love Game」
Peter Brown/Robert Rans作。本編のラストはダンサブルな爽快ポップで締め括ってくれます。80年代全米Top40のヒット曲がお好きな人は気に入るタイプの曲だと思います。
再発CDには「Baby Gets High (7")」、「Baby Gets High (12")」、「Overnight Sensation (12")」、「Overnight Sensation (Instrumental)」の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。
Peter Brownの他作品もチェックを!
『A Fantasy Love Affair』(1977年)
『Stargazer』(1979年)
『Snap』(1984年)