発表年:1970年
ez的ジャンル:夫婦スワンプ・ロック
気分は... :いよいよ年度末・・・
いよいよ年度末ですね。
年度末と年度初めは毎年少しフワフワした気分になり、落ち着きませんね。
こんな時には、どっしりとしたロック、特にアーシーなやつが聴きたい気分です。
今回はスワンプ・ロックの先駆者としてロック・ファンから高い支持を得ている夫婦デュオDelaney & Bonnieの『To Bonnie From Delaney』(1970年)です。
Delaney BramlettとBonnie Bramlettによる夫婦デュオDelaney & Bonnieの紹介は、2ndアルバム『Accept No Substitute』(1969年)に続き2回目となります。
4thアルバムとなる本作『To Bonnie From Delaney』(1970年)は、Eric Clapton、Dave Masonらも参加したDelaney & Bonnie & Friends名義のライブ・アルバム『On Tour With Eric Clapton』(1970年)に次ぐ作品です。
本作では、それまでこの夫婦デュオを支えてきたミュージシャン達が多忙となり、レコーディング・メンバーが大幅に入れ替わっています。そんな中で特筆すべきはThe Allman Brothers BandのDuane Allmanが全面参加している点です。
プロデュースはJerry Wexler、Tom Dowd、Delaney Bramlett。
レコーディングにはBonnie Bramlett(vo)、Delaney Bramlett(vo、g)をはじめ、Duane Allman(g)、Little Richard (p)、King Curtis(ts)、Jim Gordon(p、org)、Bobby Whitlock(p)、後にLittle Featに加入するKenny Gradney(b)とSam Clayton(congas)、Flying Burrito BrothersのSneaky Pete Kleinow(steel g)、Jim Dickinson (p)、Mike Utley(p)、Charlie Freeman (g)、Sammy Creason(ds)、Tommy McClure(b)というThe Dixie Flyersの5名、さらにThe Memphis HornsのWayne Jackson (tp)、Andrew Love(sax)等が参加しています。
King Curtis参加のファンキー・ロック「They Call It Rock and Roll Music」、Duane Allmanのギターが唸る豪快なロック・チューン「Living on the Open Road」、シングル・ヒットした「Soul Shake」、Bonnieのソウルフル・ヴォーカルを満喫できるゴスペル調バラード「The Love of My Man」と「Lay Down My Burden」、Duane Allmanのギターも楽しめるアコースティックなカントリー・ブルース「Medley:Come On In My Kitchen/Mama, He Treats Your Daughter Mean/Goin' Down the Road Feelin' Bad」あたりが僕のお気に入りです。
レコーディング・メンバーが大幅に入れ替わっても、夫婦スワンプ・ロックの底力を見せつけてくれた力作だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Hard Luck and Troubles」
Delaney Bramlett作。軽快なサザン・ソウル調サウンドでアルバムは幕を開けます。Dixie Flyersの面々やThe Memphis Hornsが好サポートしています。
https://www.youtube.com/watch?v=Kw8CVYybaJY
「God Knows I Love You」
Delaney Bramlett/Mac Davis作。ブルージーなカントリー・テイストが味わい深い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=gDwMD4xBTfU
「Lay Down My Burden」
Steve Bogard/Mike Utley作。Bonnieのソウルフル・ヴォーカルが栄えるゴスペル調のバラード。バック・コーラス隊との掛け合いは迫力があります。
「Medley:Come On In My Kitchen/Mama, He Treats Your Daughter Mean/Goin' Down the Road Feelin' Bad」
Robert Johnsonの「Come On In My Kitchen」、Ruth Brownのヒット曲「Mama, He Treats Your Daughter Mean」(Herbert Lance/Charles Singleton/John Wallace作)、トラディショナルのカヴァー「Goin' Down the Road Feelin' Bad」というメドレー。Duane Allmanのギターも楽しめるアコースティックなカントリー・ブルースに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9u-Sx0dz79U
「The Love of My Man」
Theola KilgoreのR&Bヒットをカヴァー(Ed Townsend作)。「Lay Down My Burden」と同じくBonnieのソウルフル・ヴォーカルを満喫できるゴスペル調バラード。Bonnieの歌いっぷりの良さに惚れます。
https://www.youtube.com/watch?v=6wd0MPekB5U
「They Call It Rock and Roll Music」
Delaney Bramlett作。ゲストでKing Curtisが参加しています。King Curtisのサックスに加え、Delaney & Bonnieのシャウトが格好良いファンキーなスワンプ・ロックです。
https://www.youtube.com/watch?v=ucYlAO54Yc4
「Soul Shake」
Peggy Scott & Jo Jo Benson、1969年のR&Bヒットをカヴァー(Margaret Lewis/Myrna Smith作)。シングルとして全米チャート第43位となっています。ファンキーに弾けたソウル・グルーヴは盛り上がります!
https://www.youtube.com/watch?v=wFRX9EvQOO0
「Miss Ann」
ゲストのLittle Richardのカヴァー(Little Richard/Enotris Johnson作)。偉大なロックン・ロール・スターLittle Richardへのリスペクトを感じる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=cfbPM6Fj4NE
「Alone Together」
Delaney Bramlett/Bonnie Bramlett/Bobby Whitlock作。カラッとしたロックン・ロールはプレイヤー達が演奏を楽しんでいる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HAVUuqDft_k
「Living on the Open Road」
Delaney Bramlett作。Duane Allman目当ての方にとってのハイライトはこの演奏かもしれません。スカイ・ドックのプレイを存分に楽しみましょう!演奏全体も豪快なロック・サウンドが格好良すぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=-TOpLCYaTCY
「Let Me Be Your Man」
白人ソウル・マンGeorge Souleのカヴァー(George Soule/Terry Woodford作)。Delaneyがソウル・バラードを味わい深く歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=KpWnaJvTW1M
「Free the People」
Barbara Keith作品のカヴァー。作者本人のヴァージョンは『Barbara Keith』(1972年)に収録されています。Barbra Streisandも『Stoney End』(1971年)で取り上げていましたね。この曲もシングル・カットされ、全米チャート第73位となっています。チューバも加わったブラス・アレンジとゴスペル調コーラスの組み合わせは、僕には少し奇異に聴こえてしまうのですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=zCC6VtlBdg0
Delaney & Bonnieの他作品もチェックを!
『Home』(1969年)
『Accept No Substitute』(1969年)
Delaney & Bonnie & Friends『On Tour With Eric Clapton』(1970年)
『Motel Shot』(1971年)
『D&B Together』(1972年)