2017年03月18日

Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』

L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの融合☆Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』
Elevation
発表年:2008年
ez的ジャンル:L.A.スピリチュアル・ジャズ+Hip-Hop
気分は... :ガラスの天井・・・

今回はL.A.スピリチュアル・ジャズの首領Carlos NinoがHip-HopアーティストLil' Sciとタッグを組んだ1枚、Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』(2008年)です。

Build An ArkThe Life Force Trio等での活動でも知られるCarlos Ninoの紹介は、Carlos Nino & Friends『Flutes, Echoes, It's All Happening!』(2016年)に続き2回目となります。

本作『Elevation』(2008年)は、Hip-HopユニットScienz Of LifeのメンバーでもあるLil' Sci(John Frederick Robinson)と組み、L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの融合を図った1枚です。

Lil' SciCarlos NinoFabian AmmonによるHip-Hop/エレクトロニカ・ユニットAmmonContactのレコーディングに参加したことが本作制作のきっかけとなったようです。その流れでトラックにもAmmonContactのマテリアルが多く用いられています。

レコーディングには、Ninoの右腕的なヴァイオリン/ヴィオラ奏者Miguel Atwood-Ferguson(viola、key)、Build An ArkThe Life Force Trioでの盟友Dwight Trible(vo)とDexter Story(b、key)、前述のAmmonContactFabian Ammon(ds)、Build An Ark作品に参加しているNick Rosen(b)、Nate Morgan(el-p)、それ以外にTiffany Paige(vo)、Prince Po(vo)、Invizible Handz(Michael Robinson)(vo)、Elvin "Nobody" Estela(g)、Daedelus(g)等が参加しています。

また、Flying Lotusが楽曲提供している曲もあります。

L.A.スピリチュアル・ジャズ、Carlos Ninoといったことを意識せずとも、エッジーで格好良いHip-Hop作品として楽しめると思います。Lil' Sciのハスキー・ヴォイスによるラップは

L.A.スピリチュアル・ジャズ、Carlos Nino好きの人は、ジャズの枠に止まらないNinoをはじめとするL.A.ジャズ人脈の懐の深さを感じる1枚です。

L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの相性は意外に良いですよ!

全曲紹介しときやす。

「Inspiration」
スピリチュアル・ジャズなトラックをバックに、Lil' SciがHip-Hopへの敬愛を述べるオープニング。

「Love, Hugs And Hip-Hop Soul」
Miguel Atwood-Fergusonのヴィオラも加わったリズミックなスピリチュアル・トラックとLil' Sciのフロウが見事にシンクロしたピースフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=_EPKn6g5k2k

「The Right Song」
Tiffany Paigeの女性ヴォーカルも加わったジャズHip-Hop。ここではMiguel Atwood-Fergusonがローズを弾いています。Lil' Sciのハスキー・ヴォイスがビターな味わいとなっていい感じです。

「The Natural/Scriptures」
AmmonContactのトラックを使った1曲。コズミックに浮遊するトラックとリズミックなLil' Sciのフロウはアブストラクトな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3zLz7RMjqOU

「Higher」
AmmonContactのトラックにDaedelusのギター、 Tiffany Paigeの女性ヴォーカルが加わったキャッチーな1曲。アルバムの中で最も華のある仕上がりです。

「Circulate」
Flying Lotus作品。L.A.スピリチュアル・ジャズ+L.A.ビートミュージック+Hip-Hopといった感じですね。無機質なビートの中にも薄っすらとスピリチュアルな雰囲気が漂います。ヴォーカルでInvizible Handzが参加しています。

「What's The Science?」
ユニット名を冠した曲はジャズ・フィーリングの効いたHip-Hopチューンです。

「Honor, Courage And Karma/Infinity Of Rhythm」
Dexter Story参加曲。Prince Poも参加し、Lil' Sciとマイクリレーを展開します。アブストラクトなHip-Hopチューンは僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=g0O9br32c-M

「Constant」
ジャジー&メロウHip-Hop好きはグッとくるであろうメロウ・エレピにグッとくる1曲。全然Carlos Ninoっぽくありませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=SJ17-CLcYlI

「The Replenish」
AmmonContactのトラックを用いたアブストラクト・トラックが格好良い1曲。

「Freedom」
Build An Ark『Peace With Every Step』(2004年)でもカヴァーしているクラブジャズ人気曲でもあるPharoah Sanders「You've Got To Have Freedom」をベースにした1曲。Pharoah Sandersのオリジナルは当ブログでも紹介した『Journey To The One』(1980年)に収録されています。Tiffany Paigeが女性ヴォーカルで参加しています。スピリチュアル・ジャズ好きにはたまらない仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=_PKYxsrwOsA

「The Dream」
本編のラストは盟友Dwight Tribleも参加したスピリチュアル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=M_bHRBJEyyA

国内盤にはボーナス・トラック「So Heavenly」が追加収録されています。

Carlos Nino関連の他作品もチェックを!

Carlos Nino & Miguel Atwood-Ferguson『Fill The Heart Shaped Cup』(2007年)
フィル・ザ・ハート・シェイプド・カップ

Carlos Nino & Friends『High With A Little Help From』(2009年)
High With a Little Help from

Carlos Nino & Friends『Aquariusssssss』(2012年)
アクエリアス

Carlos Nino & Friends『Aurorasmushroomtenderness』(2014年)
AURORASMUSHROOMTENDERNESS(オーロラスマシュルームテンダネス)

Carlos Nino & Friends『Flutes, Echoes, It's All Happening!』(2016年)
Flutes, Echoes, It's All Happening! [日本限定流通輸入盤CD / ボーナストラック4曲収録] (LR081)_251

Dwight Trible & The Life Force Trio『Love Is the Answer』(2005年)
Love Is the Answer [2CD] (ZENCD108)

The Life Force Trio『Living Room』(2006年)
Living Room

Build An Ark『Peace With Every Step』(2004年)
ピース・ウィズ・エヴリー・ステップ

Build An Ark『Dawn』(2007年)
ドーン

Build An Ark『Love Part 1』(2009年)
ラヴ

Build An Ark『Love Part 2』(2010年)
ラヴ・パート2 [限定盤]

Build An Ark『The Stars Are Singing Too』(2011年)
THE STARS ARE SINGING TOO ~10 YEARS ANNIVERSARY SPECIAL 2001-2011~

AmmonContact『Sounds Like Everything』(2003年)
Sounds Like Everything

AmmonContact『One in an Infinity of Ways』(2004年)
One in an Infinity of Ways

AmmonContact『New Birth』(2005年)
New Birth

AmmonContact『With Voices』(2006年)
With Voices

Turn on the Sunlight『Turn on the Sunlight』(2010年)
TURN ON THE SUNLIGHT

Turn on the Sunlight『New Day』(2013年)
NEW DAY
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2017年03月17日

Brian Auger & Julie Tippetts『Encore』

Julie Tippetts(Julie Driscoll)との再会作品☆Brian Auger & Julie Tippetts『Encore』
思い出にアンコール
発表年:1978年
ez的ジャンル:UK鍵盤ロック/フリーソウル
気分は... :素敵な再会!

今回はUKキーボード奏者Brian AugerJulie Tippetts(旧姓:Julie Driscoll)と共同名義でリリースした『Encore』(1978年)です。

これまで当ブログで紹介したBrian Auger関連作品は以下の8枚です。

Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity
 『Open』(1967年)
 『Streetnoise』(1969年)
Brian Auger & The Trinity
 『Definitely What!』(1968年)
Brian Auger's Oblivion Express
 『A Better Land』(1971年)
 『Second Wind』(1972年)
 『Closer to It!』(1973年)
 『Straight Ahead』(1975年)
 『Reinforcements』(1975年)

『Happiness Heartaches』 (1977年)でOblivion Expressの活動に一区切りをつけ、ソロ活動をスタートさせたBrian Augerですが、その最初の作品はKeith Tippettと結婚してTippetts姓となったJulie Tippetts(旧姓:Julie Driscoll)との共同名義での作品となりました。

Brian Auger & The Trinity時代に『Open』(1967年)、『Streetnoise』(1969年)といった作品でタッグを組んだ二人の再会作品とも呼べる1枚です。

Brian Auger自身がプロデュース&アレンジを手掛け、Brian Auger(org、p、el-p、syn、per、vo)、Julie Tippetts(vo)以下David McDaniels(b)、Dave Crigger(ds)、George Doering(g)といったメンバーがレコーディングに参加しています。

また、Jessica SmithThe WatersJulia Tillman WatersMaxine Willard Waters等がバック・コーラスを務めています。

カヴァー中心ですが、The Trinity時代やOblivion Express時代のレパートリーの再演などもあります。Brian Augerにジャズ・ロック的なものを求めている人には物足りないのかもしれませんが、フリーソウル/ブルーアイド・ソウル的なものを求めている僕にとっては楽しめる1枚になっています。

個人的にはFree Soulのコンピにも収録されたJack Bruceのカヴァー「Rope Ladder To The Moon」をはじめ、オリジナルの「Git Up」Al Jarreauのカヴァー「Spirit」Milton Nascimentoのカヴァー「Nothing Will Be As It Was」あたりがオススメです。

Brian Augerの鍵盤とJulie Tippettsのソウルフル・ヴォーカルの相性の良さを再確認できる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Spirit」
先月惜しくも逝去したAl Jarreauのカヴァー。オリジナルは『We Got By』(1975年)に収録されています。Augerの格好良い鍵盤サウンドとJulieのパワフル・ヴォーカルが調和したオトナのロック・チューンに仕上がっています。

「Don't Let Me Be Misunderstood」
「悲しき願い」の邦題でお馴染みの名曲をカヴァー(Bennie Benjamin/Gloria Caldwell/Sol Marcus作)。The AnimalsやSanta Esmeraldaのヴァージョンが有名ですがオリジナルはNina Simoneです。テンポを落としたミディアム・バラードで哀愁のメロディを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=DanA_cxlz-4

「Git Up」
Brian Augerのオリジナル。Julieと女性バック・コーラス陣のソウルフル・ヴォーカルにAugerのハモンドが絡むパワフルなジャズ・ロック的ソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=Ii-nOBfXYI4

「Freedom Highway」
The Staple Singersのカヴァー(Pops Staples作)。Julieと女性バック・コーラス陣のソウルフル・ヴォーカルにファンキー・グルーヴが絡むスワンピーな仕上がりです。

「Future Pilot」
Brian Auger's Oblivion Express時代の『Reinforcements』(1975年)で演奏していた楽曲のセルフ・カヴァー。『Reinforcements』ヴァージョンの雰囲気を受け継ぎつつ、Julieのヴォーカルの引き立てるナチュラル・フィーリングな仕上がりです。

「Rope Ladder To The Moon」
Jack Bruce/Pete Brown作。Jack Bruceのオリジナルは 『Songs For A Tailor』(1969年)に収録されています。Colosseumもカヴァーしています。前述のようにFree Soulのコンピにも収録された再評価の高い人気曲であり、本作のハイライトと呼べるフリーソウルなジャジー&フォーキー・メロウです。少し幻想的な雰囲気もあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=iAycBh4-8hM

「No Time To Live」
Trafficのカヴァー(Jim Capaldi/Steve Winwood作)。オリジナルは『Traffic』(1968年)に収録されています。Brian Auger & The Trinity時代のアルバム『Befour』(1970年)でも取り上げていた楽曲の再演です。本ヴァージョンはJulieのヴォーカルやサウンドも抑えめで味わい深い仕上がりです。

「Nothing Will Be As It Was」
Milton Nascimentoのカヴァー(Ronaldo Bastos/Milton Nascimento/Rene Vincent作)。オリジナルは『Clube Da Esquina』に収録されています。当ブログでは『Milton』(1976年)収録ヴァージョンも紹介済みです。さらに当ブログではElis ReginaFlora PurimSarah Vaughanによるカヴァーも紹介済みです。少し意外な選曲ですが、Auger本人がリード・ヴォーカルを務めるミステリアスなポップ・ロックに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=kosVsMGJS5A

「Lock All The Gates」
Al Jarreau作品のカヴァー2曲目。「Spirit」と同じくオリジナルは『We Got By』(1975年)に収録されています。ラストはAugerの美しいピアノをバックに、Julieが歌い上げ、The Waters姉妹がゴスペル調コーラスで盛り上げるソウル・バラードで締め括ってくれます。

Brian Auger関連作品の過去記事もご参照下さい。

Julie Driscoll,Brian Auger & The Trinity『Open』(1967年)
Open

Brian Auger & The Trinity『Definitely What!』(1968年)
デフィニットリー・ホワット(紙ジャケット仕様)

Julie Driscoll,Brian Auger & The Trinity『Streetnoise』(1969年)
Streetnoise by Julie Driscoll & Brian Auger (2011-07-12) 【並行輸入品】

Brian Auger's Oblivion Express『A Better Land』(1971年)
ア・ベター・ランド(紙ジャケット仕様)

Brian Auger's Oblivion Express『Second Wind』(1972年)
Second Wind

Brian Auger's Oblivion Express『Closer to It!』(1973年)
Closer to It (Dlx)

Brian Auger's Oblivion Express『Straight Ahead』(1975年)
ストレイト・アヘッド(紙ジャケット仕様)

Brian Auger's Oblivion Express『Reinforcements』(1975年)
Reinforcements
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2017年03月16日

The James Taylor Quartet『In The Hand Of The Inevitable』

本作ではAlison Limerickをフィーチャー☆The James Taylor Quartet『In The Hand Of The Inevitable』
In the Hand of the Inevitable
発表年:1995年
ez的ジャンル:UKアシッド・ジャズ
気分は... :原点回帰!

今回はUKアシッド・ジャズの牽引者の一人であるオルガン/キーボード奏者James Taylor率いるJames Taylor Quartet(JTQ)『In The Hand Of The Inevitable』(1995年)です。

JTQの紹介は、アシッド・ジャズ期のUKソウルを代表する男性シンガーNoel McKoyをヴォーカルに迎えた『Supernatural Feeling』(1993年)、デビュー・アルバムとなる『Mission Impossible』(1987年)に続き3回目となります。

本作『In The Hand Of The Inevitable』(1995年)は、『Supernatural Feeling』(1993年)に続くアルバムです。

『Supernatural Feeling』では、アシッド・ジャズ期のUKソウルを代表する男性シンガーNoel McKoyをヴォーカルに迎えましたが、本作では当時人気のあったUKディーヴァAlison Limerickを3曲でフィーチャーしています。

本作におけるJTQのメンバーはJames Taylor(org、el-p、p、moog、clarinet、programming)以下、David Taylor(g)、John Wilmott(sax、fl)、Gary Crockett(b)、Neil Robinson(ds)という5名。

それ以外にSnowboy(per)、US3などで知られるGerard Presencer(tp)等も参加しています。

クラブミュージック的なアプローチが目立った前作『Supernatural Feeling』は賛否が分かれる1枚でしたが、本作はそれと比較して原点回帰している感があり、ファンの間でも人気の高い1枚なのでは?

Alison Limerick好きの僕としては、彼女をフィーチャーした先行シングル「Love Will Keep Us Together」「Stepping Into My Life」「Good Thing」という3曲を推してしまいます(笑)

それ以外であれば、「Haitian Breakdown」「In The Hand Of The Inevitable」「3 Mile Island」、そしてLed Zeppelinの名曲カヴァー「Whole Lotta Love」あたりはJTQらしい格好良さを実感できると思います。

JTQらしいアシッド・ジャズを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Love Will Keep Us Together」
Alison Limerickをフィーチャー。アルバムからのリード・シングルにもなったソウルフルなアシッド・ジャズ。JTQファン以上にAlison Limerickファンが歓喜する1曲かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=4_5csvww0fY

「3 Mile Island」
アシッド・ジャズらしい疾走感のあるインスト・ジャズ・ファンク。ホーン・アンサンブルやJohnny Hammondを意識したJames Taylorのハモンドの音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XkJDNVBqEn4

「Free Your Mind」
爽快ギター・カッティングが心地好いサウンドに乗って、麻薬常習の危険性を訴えるメッセージを発信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=SqYAeNKqnV8

「Haitian Breakdown」
原点回帰したJTQを実感できるインスト・ディープ・ファンク。David Taylorのギターが演奏を牽引します。James Taylorのハモンドもいい感じです。適度にパーカッシヴな感じも僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=iM_IVxX4s5o

「Good Thing」
Alison Limerickをフィーチャー。Alisonの艶やかなソウルフル・ヴォーカルが栄えるファンキー・メロウに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pQsln4Q8hmk

「Let's Get Together」
Alison Limerickをフィーチャー。ストリングスを配したブリージングなジャズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=SCjmssR4Q2A

「Segue No.1」
スパイ・ジャズ的な格好良さのあるインスト小曲。

「Stepping Into My Life」
Alison Limerickをフィーチャー。愛する人を見つけて人生をシェアすることの大切さを歌うラブソングです。Alison Limerick好きはグッとくるソウルフル&ダンサブルな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=xkFh_hGKRQw

「Whole Lotta Love」
Led Zeppelinの名曲をカヴァー。ハードロック名曲をモッドな雰囲気で格好良くカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=9sRgw9yyY40

「Journey」
James Taylorのムーグが蠢くミステリアスなインスト・ジャズ・ファンク。70年代クロスオーヴァーな雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=E-Y9Q6guYac

「Sounds Of Freedom」
ムーグが牽引するジャズ・ファンク。タイトルの通り、フリーダムな雰囲気がサウンドにも表れています。
https://www.youtube.com/watch?v=k17MxfOAzOg

「Keep On Moving」
David Taylorのギターが活躍するジャズ・ファンク。サマー・モードで疾走します。

「In The Hand Of The Inevitable」
グルーヴィーなハモンド・オルガンが印象的なJTQらしいインストで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ObR7GowttJA

僕の所有する国内盤には以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Love Ballad」
George Bensonでお馴染みの曲(Skip Scarborough作)をカヴァー。アシッド・ジャズらしいメロウ・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DhmBuGcjh8o

「Europa」
ファンキーに疾走するインスト・ジャズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=ooW-9pb1FcM

JTQの他作品もチェックを!

『Mission Impossible』(1987年)
Mission Impossible

『The Money Spyder』(1987年)
Money Spyder

『Wait a Minute』(1988年)
Wait a Minute

『Get Organized』(1989年)
Get Organised

『Do Your Own Thing』(1990年)
James Taylor Presents Jtq

『Absolute: JTQ Live』(1991年)
Absolute - James Taylor Quartet Live

『Supernatural Feeling』(1993年)
Supernatural Feeling

『A Few Useful Tips About Living Underground』(1996年)
A Few Useful Tips About Living Underground

『Whole Lotta Live 1998』(1998年)
Whole Lotta Live 1998

『Penthouse Suite』(1999年)
ザ・ペントハウス・スイート

『A Bigger Picture』(1999年)
The Bigger Picture

『Swinging London』(2000年)
Swinging London

『Message from the Godfather』(2001年)
Message From the Godfather

『Room at the Top』(2002年)
Room at the Top

『The Oscillator』(2003年)
The Oscillator

『A Taste of Cherry』(2006年)
Taste of Cherry

『Don't Mess With Mr. T - James Taylor Quartet Plays Motown』(2007年)
Don't Mess With Mr T / James Taylor Quartet Plays

『Live at the Jazz Cafe』(2008年)
ライヴ・アット・ザ・ジャズカフェ

『New World』(2009年)
New World

『The Template』(2011年)
The Template

『Closer to the Moon』(2013年)
Closer to the Moon

『The Rochester Mass』(2015年)
The Rochester Mass
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2017年03月14日

The Emotions『Sincerely』

アーバン・メロウな魅力が詰まった後期作品☆The Emotions『Sincerely』
Sincerely
発表年:1984年
ez的ジャンル:姉妹ソウル・グループ
気分は... :今宵はローストビーフ・・・

Hutchinson姉妹による女性ソウル・ヴォーカル・グループThe Emotions『Sincerely』(1984年)です。

The Emotionsの紹介は、Earth,Wind & Fire/Kalimba Productionのバックアップの下で制作された『Flowers』(1976年)、『Rejoice』(1977年)に続き3回目となります。

Earth,Wind & Fire/Kalimba Productionのバックアップでキャリアの絶頂期であった70年代後半のColumbia時代、レア・グルーヴ方面からの再評価の高い70年代前半のStax/Volt時代と比較して、80年代の作品は注目度が低いかもしれませんが、Red Labelからリリースされた本作にはアーバンな魅力があります。

本作におけるメンバーはWandaSheilaPamelaの3名。これまで紹介した2枚と異なり、Jeanetteに代わってPamelaがグループに加入しています。

レコーディングにはWayne Vaughn(syn、key、programming)、Benjamin Wright(key、programming)、David Souza(syn、key)、Billy Osborne(syn)、Attala Zane Giles(instruments)、Jerry Peters(key)、Paul Fox(key、strings)、Carlos Rios(g)、Jerry Williams(g、b)、Charles Fearing(g)、Greggory Moore(g)、Ray Fuller(g)、Nathan East(b)、Fred Washington(b)、James Jamerson Jr.(b)、Charles Meeks(b)、Ricky Lawson(ds)、Michael White(ds)、Steve Reid(ds)、Darryl (Munyungo) Jackson(per)、Kenny Pickens(tb)等が参加しています。

Wanda、Sheilaに加え、Wandaの旦那Wanda VaughnBenjamin WrightOsborne & Giles(Billy Osborne/Attala Zane Giles)等がプロデュースを務めています。

「You're The Best」のようなアーバン・ダンサーもありますが、本作の魅力は「You're The One」「All Things Come In Time」「Are You Through With My Heart」などに代表されるアーバン・メロウなミディアム〜スロウにあると思います。

成熟したEmotionsを堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「All Things Come In Time」
Wanda Vaughn/Wayne Vaughnプロデュース。80年代らしいアーバン・ナイトなミディアムがオープニング。グループの成熟を感じる1枚です。
https://www.youtube.com/watch?v=VjAEqelMPZc

「Are You Through With My Heart」
Benjamin Wrightプロデュース。アルバムからの3rdシングル。甘く切ないアーバン・ミディアム。Emotionsらしい息の合ったヴォーカル・ワークを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=QbNCYJGiyOY

「You're The One」
Osborne & Giles(Billy Osborne/Attala Zane Giles)プロデュース。アルバムからの1stシングルとなったアーバンなメロウ・ミディアム。本作のハイライトの1つ。クワイエット・ストームな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=InVYYCdMZU4

「Can't Blow Out The Candle」
Wanda Vaughn/Wayne Vaughnプロデュース。シンセの躍動感が印象的なダンサブル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=wPmLyvYzRaQ

「Sincerely」
Benjamin Wright/Lee Young Sr.プロデュース。タイトル曲はしっとりと歌い上げるビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=QvGylpxFTqw

「You're The Best」
Osborne & Gilesプロデュース。2ndシングルとなったアーバン・ダンサー。妖艶なダンサブル感が80年代らしくて良いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ZcsQpoWIurs

「You Know I'm The One」
Wanda Vaughn/Wayne Vaughnプロデュース。吐息交じりのSheilaのヴォーカルにグッとくるメロウ・バラード。本作らしいアーバンな魅力を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=kxdes3nedR8

「Never Let Another」
Sheila Hutchinson/Wayne Vaughnプロデュース。妖しげなダンサブル・サウンドが印象的なミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=qsTlG0IzQwQ

「I Can Do Anything」
Wanda Vaughn/Wayne Vaughnプロデュース。本編のラストはSheilaが歌い上げるミディアム・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=oPeTZL019q4

Expansionからの再発CDには、グループのラスト・アルバムとなった次作『If I Only Knew』(1985年)から「Eternally」「The Good Times」「Giving You All I Got」の3曲がボーナス・トラックとして追加収録され、さらにシングル「You're The Best」に収録されていたJohyn Morales & Sergio Munzibaiによる「You're The Best (M&M Mix)」「You're The Best (M&M Re-Edit)」の2曲も追加収録されています。

The Emotionsの他作品もチェックを!

『So I Can Love You』(1969年)
ソー・アイ・キャン・ラヴ・ユー

『Untouched』(1972年)
アンタッチド

『Flowers』(1976年)
Flowers

『Rejoice』(1977年)
リジョイス(紙ジャケット仕様)

『Sunbeam』(1978年)
SUNBEAM

『Come Into Our World』(1979年)
Come Into Our World: Expanded Edition

『New Affair』(1981年)
NEW AFFAIRS
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2017年03月13日

Harlem Underground『Harlem Underground』

George Benson参加?レア・グルーヴで人気の怪盤!☆Harlem Underground『Harlem Underground』
Harlem Underground Band
発表年:1976年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ファンク/ソウル・ジャズ
気分は... :手に汗握る試合!

WBC「日本対オランダ」は手に汗握る好試合でした。
相変わらず継投策には疑問が残りましたが、それでも何とか踏ん張った投手陣に日本の底力を感じました。

今回はレア・グルーヴ方面で人気のジャズ・ファンク/ソウル・ジャズ作品Harlem Underground『Harlem Underground』(1976年)です。

Harlem UndergroundはプロデューサーPaul Winleyが中心となって結成されたユニット。

Harlem Underground名義で本作『Harlem Underground』(1976年)、Harlem Underground Band名義で『Erotic Moods』(1978年)という2枚のアルバムをリリースしています。

第1弾となる本作『Harlem Underground』におけるメンバーはGeorge Benson(g)、Willis Jackson(sax)、Sterling McGee(b)、Earl Williams(ds)、Dave "Baby" Cortez(org)、Buddy Lucas(harmonica)、さらにPaul Winleyの奥方Ann Winley(vo)も参加しています。

ちなみに第2弾の『Erotic Moods』では、Ann Winleyを除く上記メンバー以外にReuben Wilson(key)も参加しています。

George Benson参加作品として推しているにも関わらず、George Bensonらしいギターは聴かれないということで、クレジットのみの不参加説まである賛否が分かれる怪盤です。

まぁ、本作がレア・グルーヴで人気なのは、どこまでも黒いグルーヴに魅力があるためであり、George Bensonらしいギター云々は脇に置いて楽しめばいいのでは?

ハイライトとなるのは定番ブレイクとしても人気の2曲「Smokin Cheeba Cheeba」
「Ain't No Sunshine」Bill Withersのカヴァー)。

全5曲と曲数は少ないですが、上記2曲を中心にレア・グルーヴらしい演奏を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Smokin Cheeba Cheeba」
Paul Winley/Ann Winley作。格好良いブレイクに続き、Buddy Lucasのハーモニカに先導され、どす黒いグルーヴが展開されます。エフェクトを駆使した後半のアシッドな雰囲気も嫌いじゃありません。♪Cheeba Cheeba♪のフレーズは日本人には♪千葉 千葉♪にしか聴こえてこないかもしれませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=bRyyoQo0qj4

前述のように格好良いドラム・ブレイクはサンプリング・ソースとしても大人気です。Boogie Down Productions「South Bronx」、Jungle Brothers feat. Q-Tip「The Promo」、Tone Loc「Cheeba Cheeba」、Cypress Hill「Something for the Blunted」、The Beatnuts「Psycho Dwarf」、Eric B. & Rakim「What's Going On?」、EPMD feat. Das EFX「Cummin' at Cha」、Smif-N-Wessun「P.N.C.」、The Genius feat. RZA「Pass the Bone」1994
Fugees「Nappy Heads (Remix)」、Sista feat. Craig Mack「It's Alright」、Jurassic 5「Unified Rebelution」、Method Man「Sub Crazy」、Company Flow 「8 Steps to Perfection」、DMX feat. The Lox and Mase「Niggaz Done Started Something」、J Dilla「Rat on Bill」、Amy Winehouse「Stronger Than Me」、Strong Arm Steady「Cheeba Cheeba」等でサンプリングされています。

Boogie Down Productions「South Bronx」
 https://www.youtube.com/watch?v=vsrOy32nJdI
Jungle Brothers feat. Q-Tip「The Promo」
 https://www.youtube.com/watch?v=TM4Tyad-ctg
Cypress Hill「Something for the Blunted」
 https://www.youtube.com/watch?v=yW9ZGrQrXx0
EPMD feat. Das EFX「Cummin' at Cha」
 https://www.youtube.com/watch?v=lr6VsylWQ2A
The Genius feat. RZA「Pass the Bone」
 https://www.youtube.com/watch?v=tkGQPioV1Hw
Sista feat. Craig Mack「It's Alright」
 https://www.youtube.com/watch?v=FEgG2emuVH8
DMX feat. The Lox and Mase「Niggaz Done Started Something」
 https://www.youtube.com/watch?v=AS26TFyGu9Q
J Dilla「Rat on Bill」
 https://www.youtube.com/watch?v=PpprHhbU6ZI
Eric B. & Rakim「What's Going On?」
 https://www.youtube.com/watch?v=geMGNG1Ax7I
Fugees「Nappy Heads (Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=LgLT7aXXw9M

「Fed Up (Vocal)」
Paul Winley/Ann Winley作。Willis JacksonのサックスとAnn Winleyのヴォーカルが寄り添うブルージーな仕上がり。レイジーな黒さがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=TIS4uU4BQoM

「Finger In It」
Paul Winley/Ann Winley作。爽快ファンキー・グルーヴとAnn Winleyがナスティなヴォーカルのコントラストが魅力の1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=UVTdgwEwucE

「Ain't No Sunshine」
Bill Withersのカヴァー。オリジナルは『Just As I Am』(1971年)に収録されています。Willis Jacksonの雰囲気のあるサックスと共に始まる濃厚な黒さが魅力の好カヴァー。途中のドラム・ブレイクもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JLv7NaaCOg8

この曲も定番サンプリング・ソースとして人気です。Pizzicato Five「Tokyo, Mon Amour」、The Beatnuts「No Equal」、Da Phlayva「World Premier」、Mad Kap「Cheeba」、Ideal J「O'Riginal MC's」、Jurassic 5「(Who's Gonna Be The) Next Victim」、Ghostface Killah feat. Solomon Childs and RZA「Stroke of Death」、Dela feat. Talib Kweli「Long Life」、Freddie Gibbs「Freddie Soprano」、ScHoolboy Q「Hoover Street」、The Game「Young Niggas」等でサンプリングされています。

Pizzicato Five「Tokyo, Mon Amour」
 https://www.youtube.com/watch?v=9xBJ80kU8SM
The Beatnuts「No Equal」
 https://www.youtube.com/watch?v=EXkFE_srlcM
Jurassic 5「(Who's Gonna Be The) Next Victim」
 https://www.youtube.com/watch?v=JYtbR2GMfkA
Ghostface Killah feat. Solomon Childs and RZA「Stroke of Death」
 https://www.youtube.com/watch?v=PVFJLCxxh5s
Ideal J「O'Riginal MC's」
 https://www.youtube.com/watch?v=gdKOxu4SIM0
Dela feat. Talib Kweli「Long Life」
 https://www.youtube.com/watch?v=FhawKoMKGK4
Freddie Gibbs「Freddie Soprano」
 https://www.youtube.com/watch?v=IVMcNhbOZJU
The Game「Young Niggas」
 https://www.youtube.com/watch?v=o3mFKUMYews

「Fed Up」
Paul Winley/Ann Winley作。「Fed Up」のインスト・ヴァージョン。

ご興味がある方は『Erotic Moods』(1978年)もチェックを!ただし、「Smokin Cheeba Cheeba」「Fed Up」の2曲は重複しているのでご注意を!

Harlem Underground Band『Erotic Moods』(1978年)
Erotic Moods
posted by ez at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする