発表年:1996年
ez的ジャンル:アシッド・ジャズ最終形
気分は... :有終の美・・・
今回はRob Gallagher率いるGallianoの4thアルバム『:4』(1996年)です。
アシッド・ジャズの人気ユニットGallianoの紹介は、2ndアルバム『A Joyful Noise Unto The Creator』(1992年)、3rdアルバム『The Plot Thickens』(1994年)に続き3回目となります。
4thアルバムとなる本作『:4』(1996年)は、結果としてグループのラスト・スタジオ作となってしまいました。
プロデュースはDominic "Ski" Okenfullと Demus。
本作におけるメンバーはRob Gallagher(vo、g)、Crispin "Spry" Robinson(per)、Valerie Etienne(vo)。さらにDominic "Ski" Okenfull(key、vibe、programming)もサウンド面で大きく貢献しています。
それ以外に、Young Disciplesでお馴染みのMarco Nelson(b)、Ernie McKone(b)、Crispin Taylor(ds、per)、Nemo Jones(g)、Linda Lewis(back vo)等が参加しています。また、UKの人力アブストラクト・バンドRed Snapperをフィーチャーした楽曲もあります。
前作『The Plot Thickens』(1994年)でフォーキー/レイドバックの色合いを強め、アシッド・ジャズという枠に囚われないスタイルを追求していました。ラスト作となる本作ではスワンプ調のフォーキー/レイドバック路線のライブ・サウンドを重視しつつも、ドラムンベース、ダブのエッセンスを取り入れたサウンドも披露し、グループの総仕上げを行っています。
円熟の中にもエッジーなアプローチを忘れないアシッド・ジャズの最終形を楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「Who Ate The Fly? (Gonna Getcha)」
ファンキー&アーシーなロッキン・サウンドが印象的なオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=dRyOZcpulCE
「Ease Your Mind」
シングルにもなりました。Valerieのソウルフル・ヴォーカルを活かしたファンキー・グルーヴ。骨太な感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uu0RUjU4pX4
「Slack Hands」
Samuel L. Jackson主演の映画『187』(1997年)のサントラにも収録された楽曲です。同じTalkin' Loud発のHip-HopユニットUrban Speciesの代表曲「Spiritual Love」あたりに通じる魅力を持ったオーガニックHip-Hop調の仕上がり。Neil Young「The Old Laughing Lady」を引用した バック・コーラスには、あのLinda Lewisが参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=FZhQTsQfzu4
「Roofing Tiles」
ストリングスを配した哀愁フォーキー。美しいアレンジがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mBO0dGTxhxg
「Slightly Frayed」
美しさと退廃が同居するフォーキー・グルーヴ。ダウナーな隠し味が効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=5hJX9flTvKQ
「Best Lives Of Our Days」
UKの人力アブストラクト・バンドRed Snapperをフィーチャー。ライブ・バンド感のあるラップはThe Rootsあたりに通じる魅力があるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=oFNQUmz7SE8
「Thunderhead」
ファンキーな疾走感に一発KOされてしまった1曲。スワンプ・テイストのファンキー・ロック+エレクトロニカなサウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=uMFLLHikH50
「Freefall」
サイケ&コズミックな雰囲気のドラムンベース。ドラムンベース・サウンドとValerieのソウルフル・ヴォーカルがフィットしています。
https://www.youtube.com/watch?v=b7qx1fC7574
「Some Came」
レゲエ/ダブのエッセンスを取り入れたサウンドが印象的な哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=JO2-k5k56FA
「Funny How」
Valerieのヴォーカルを前面に打ち出したビューティフル・フォーキー。
https://www.youtube.com/watch?v=P3qL0VJcA5A
「Western Front」
スワンプ・フィーリングたっぷりの仕上がり。アシッド・ジャズ経由のスワンプ・リヴァイバルと感じですかね
https://www.youtube.com/watch?v=PwMVSR-KeXU
「Who's In Charge」
ダークな肌触りのHip-Hopサウンド。この音を聴くと、大好きなThe Roots「75 Bars」に通じる魅力を感じます(Gallianoの方が先ですが)。
https://www.youtube.com/watch?v=TS68Uu7xGfI
強引ですが、The Roots「75 Bars」のドラム・ブレイクはサイコーに格好良いし、今だからこそ聴くべき曲なのでは?
The Roots「75 Bars」
https://www.youtube.com/watch?v=5pcu6dbTb00
「Battles Are Brewing (Reprise)」
ラストは美しく締め括ってくれます。さらばアシッド・ジャズよ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=aIZCrMctDR0
『In Pursuit of the 13th Note』(1991年)
『A Joyful Noise Unto The Creator』(1992年)
『The Plot Thickens』(1994年)