2017年03月18日

Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』

L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの融合☆Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』
Elevation
発表年:2008年
ez的ジャンル:L.A.スピリチュアル・ジャズ+Hip-Hop
気分は... :ガラスの天井・・・

今回はL.A.スピリチュアル・ジャズの首領Carlos NinoがHip-HopアーティストLil' Sciとタッグを組んだ1枚、Carlos Nino & Lil Sci Present What's The Science?『Elevation』(2008年)です。

Build An ArkThe Life Force Trio等での活動でも知られるCarlos Ninoの紹介は、Carlos Nino & Friends『Flutes, Echoes, It's All Happening!』(2016年)に続き2回目となります。

本作『Elevation』(2008年)は、Hip-HopユニットScienz Of LifeのメンバーでもあるLil' Sci(John Frederick Robinson)と組み、L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの融合を図った1枚です。

Lil' SciCarlos NinoFabian AmmonによるHip-Hop/エレクトロニカ・ユニットAmmonContactのレコーディングに参加したことが本作制作のきっかけとなったようです。その流れでトラックにもAmmonContactのマテリアルが多く用いられています。

レコーディングには、Ninoの右腕的なヴァイオリン/ヴィオラ奏者Miguel Atwood-Ferguson(viola、key)、Build An ArkThe Life Force Trioでの盟友Dwight Trible(vo)とDexter Story(b、key)、前述のAmmonContactFabian Ammon(ds)、Build An Ark作品に参加しているNick Rosen(b)、Nate Morgan(el-p)、それ以外にTiffany Paige(vo)、Prince Po(vo)、Invizible Handz(Michael Robinson)(vo)、Elvin "Nobody" Estela(g)、Daedelus(g)等が参加しています。

また、Flying Lotusが楽曲提供している曲もあります。

L.A.スピリチュアル・ジャズ、Carlos Ninoといったことを意識せずとも、エッジーで格好良いHip-Hop作品として楽しめると思います。Lil' Sciのハスキー・ヴォイスによるラップは

L.A.スピリチュアル・ジャズ、Carlos Nino好きの人は、ジャズの枠に止まらないNinoをはじめとするL.A.ジャズ人脈の懐の深さを感じる1枚です。

L.A.スピリチュアル・ジャズとHip-Hopの相性は意外に良いですよ!

全曲紹介しときやす。

「Inspiration」
スピリチュアル・ジャズなトラックをバックに、Lil' SciがHip-Hopへの敬愛を述べるオープニング。

「Love, Hugs And Hip-Hop Soul」
Miguel Atwood-Fergusonのヴィオラも加わったリズミックなスピリチュアル・トラックとLil' Sciのフロウが見事にシンクロしたピースフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=_EPKn6g5k2k

「The Right Song」
Tiffany Paigeの女性ヴォーカルも加わったジャズHip-Hop。ここではMiguel Atwood-Fergusonがローズを弾いています。Lil' Sciのハスキー・ヴォイスがビターな味わいとなっていい感じです。

「The Natural/Scriptures」
AmmonContactのトラックを使った1曲。コズミックに浮遊するトラックとリズミックなLil' Sciのフロウはアブストラクトな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=3zLz7RMjqOU

「Higher」
AmmonContactのトラックにDaedelusのギター、 Tiffany Paigeの女性ヴォーカルが加わったキャッチーな1曲。アルバムの中で最も華のある仕上がりです。

「Circulate」
Flying Lotus作品。L.A.スピリチュアル・ジャズ+L.A.ビートミュージック+Hip-Hopといった感じですね。無機質なビートの中にも薄っすらとスピリチュアルな雰囲気が漂います。ヴォーカルでInvizible Handzが参加しています。

「What's The Science?」
ユニット名を冠した曲はジャズ・フィーリングの効いたHip-Hopチューンです。

「Honor, Courage And Karma/Infinity Of Rhythm」
Dexter Story参加曲。Prince Poも参加し、Lil' Sciとマイクリレーを展開します。アブストラクトなHip-Hopチューンは僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=g0O9br32c-M

「Constant」
ジャジー&メロウHip-Hop好きはグッとくるであろうメロウ・エレピにグッとくる1曲。全然Carlos Ninoっぽくありませんが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=SJ17-CLcYlI

「The Replenish」
AmmonContactのトラックを用いたアブストラクト・トラックが格好良い1曲。

「Freedom」
Build An Ark『Peace With Every Step』(2004年)でもカヴァーしているクラブジャズ人気曲でもあるPharoah Sanders「You've Got To Have Freedom」をベースにした1曲。Pharoah Sandersのオリジナルは当ブログでも紹介した『Journey To The One』(1980年)に収録されています。Tiffany Paigeが女性ヴォーカルで参加しています。スピリチュアル・ジャズ好きにはたまらない仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=_PKYxsrwOsA

「The Dream」
本編のラストは盟友Dwight Tribleも参加したスピリチュアル・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=M_bHRBJEyyA

国内盤にはボーナス・トラック「So Heavenly」が追加収録されています。

Carlos Nino関連の他作品もチェックを!

Carlos Nino & Miguel Atwood-Ferguson『Fill The Heart Shaped Cup』(2007年)
フィル・ザ・ハート・シェイプド・カップ

Carlos Nino & Friends『High With A Little Help From』(2009年)
High With a Little Help from

Carlos Nino & Friends『Aquariusssssss』(2012年)
アクエリアス

Carlos Nino & Friends『Aurorasmushroomtenderness』(2014年)
AURORASMUSHROOMTENDERNESS(オーロラスマシュルームテンダネス)

Carlos Nino & Friends『Flutes, Echoes, It's All Happening!』(2016年)
Flutes, Echoes, It's All Happening! [日本限定流通輸入盤CD / ボーナストラック4曲収録] (LR081)_251

Dwight Trible & The Life Force Trio『Love Is the Answer』(2005年)
Love Is the Answer [2CD] (ZENCD108)

The Life Force Trio『Living Room』(2006年)
Living Room

Build An Ark『Peace With Every Step』(2004年)
ピース・ウィズ・エヴリー・ステップ

Build An Ark『Dawn』(2007年)
ドーン

Build An Ark『Love Part 1』(2009年)
ラヴ

Build An Ark『Love Part 2』(2010年)
ラヴ・パート2 [限定盤]

Build An Ark『The Stars Are Singing Too』(2011年)
THE STARS ARE SINGING TOO ~10 YEARS ANNIVERSARY SPECIAL 2001-2011~

AmmonContact『Sounds Like Everything』(2003年)
Sounds Like Everything

AmmonContact『One in an Infinity of Ways』(2004年)
One in an Infinity of Ways

AmmonContact『New Birth』(2005年)
New Birth

AmmonContact『With Voices』(2006年)
With Voices

Turn on the Sunlight『Turn on the Sunlight』(2010年)
TURN ON THE SUNLIGHT

Turn on the Sunlight『New Day』(2013年)
NEW DAY
posted by ez at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする