発表年:2017年
ez的ジャンル:UK期待の男性R&Bシンガー
気分は... :内なる自分に向き合う・・・
UK期待の男性R&BシンガーSamphaのデビュー・アルバム『Process』です。
SamphaことSampha Sisayは1988年南ロンドン生まれのR&Bシンガー/プロデューサー。
これまで「Sundanza」(2010年)、「Dual」(2013年)という2枚のEPをリリースしています。また、Jessie WareやSBTRKT作品で頻繁にフィーチャリングされています。
さらにDrake「Too Much」(2013年)、Kanye West「Saint Pablo」(2016年)、Frank Ocean「Alabama」(2016年)、Solange「Don't Touch My Hair」(2016年)等の大物アーティスト作品におけるフィーチャリングで、その名をシーンに轟かせることになります。
また、SBTRKT『SBTRKT』(2011年)を共同プロデュースするなどプロデューサーとしてもその手腕を発揮しています。
そんな期待の男性R&Bシンガーが満を持してリリースしたデビュー・アルバムが本作『Process』です。The XX、SBTRKT、FKA Twigsを輩出したレーベルYoung Turksからのリリースです。
プロデュースはSamphaとRodaidh McDonald。
レコーディングにはJosh Doughty(kora)、John Foyle(vo)、Laura Groves(back vo)、The PSMとして知られるPauli Stanley-McKenzie(ds)等も参加しています。
楽曲はすべてSamphaのオリジナルです(共作含む)。Kanye Westとの共作もあります。
全体的にはSamphaの内面を歌い上げたアルバムであり、音数は少なく、彼の心模様がダイレクトに伝わってきます。決して明るいアルバムではありませんが、Samphaの切なる歌声が聴く者に感動を与えます。
この飾り気のないサウンド・プロダクションで存在感を示すSamphaの歌声に、アーティストとしてのスケールの大きさや可能性を感じます。
聴いていると、内なる自分と真摯に向き合いたくなるような1枚です。
R&Bの新星の静かなるデビュー作を聴き込んでみてください。
全曲紹介しときやす。
「Plastic 100°C」
美しくも切ないオープニング。Josh Doughtyによる印象的なコラの音色をバックに、Samphaが愁いを帯びたヴォーカルで訴えます。
「Blood On Me」
アルバムに先駆け2016年シングル・リリースされた楽曲。切迫感のあるSamphaのヴォーカルが聴く者の心に刺さる哀愁R&Bグルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=_oM1DFL43Lk
「Kora Sings」
タイトルの通り、Josh Doughtyのコラを大きくフィーチャーしたエスニック+エレクトリックな仕上がり。このあたりはSBTRKTとの共演歴も多いR&Bの枠のみで収まらないSamphaらしさかもしれませんね。。
「(No One Knows Me) Like The Piano」
アルバムからのリード・シングル。2015年に亡くなった母のために書かれた歌のようです。母への想いが伝わってくる美しいピアノ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=_NSuIYwBxu4
「Take Me Inside」
ピアノの弾き語りからエレクトリック・サウンドが加わり、心の葛藤を歌い上げます。
「Reverse Faults」
ダウナー・モードの哀愁チューン。噛み合わない歯がゆさが伝わってきます。
「Under」
揺らぎのあるエレクトリック・サウンドの中で、Samphaが懸命に戦っています。Samson & Delilah「I Can Feel Your Love Slipping Away」をサンプリング。
「Timmy's Prayer」
Kanye Westとの共作。アルバムに先駆け2016年シングル・リリースされた楽曲。派手さはありませんが、Samphaのアーティストとしてのスケール感が伝わってくる仕上がりです。後半のエレクトリックな盛り上がりがいいですね。Timmy Thomas「The Coldest Days of My Life」をサンプリング。
https://www.youtube.com/watch?v=ZQXDVZf3akg
「Incomplete Kisses」
心の中の小宇宙を歌いきった美しい仕上がり。静寂の中に感情がジワジワとにじみ出てくる感じがSamphaらしいのかもしれませんね。
「What Shouldn't I Be?」
鍵盤とヴォーカルが織り成すビューティフルな音世界で本編を締め括ってくれます。
国内盤にはボーナス・トラックとして以下の6曲が追加収録されています。
「In-Between And Overseas」
美しいピアノをバックに優しく歌い上げる、静かなる闘志を感じる仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=vciLEByIcIE
「Answer」
本編ではあまり聴けなかったエレクトリックなビート感のあるインスト。サウンド・クリエイターとしてのSamphaを楽しめます。
「Too Much」
2013年にシングル・リリースしていたピアノ・バラード。本作に通じる内面から湧き起こるSamphaの心の声が感動的です。
https://www.youtube.com/watch?v=yC-0p4k0jw4
「Happens」
上記「Too Much」のカップリング曲。ピアノの弾き語りですが、聴く者に特別な感情を湧かせます。
https://www.youtube.com/watch?v=GxVdTQyEPQo
「Without」
EP「Dual」収録曲。ローファイな魅力に溢れた1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=KWEbYsXeDvE
「Indecision」
EP「Dual」収録曲。
https://www.youtube.com/watch?v=FF8okFt4bGg
急に腰痛が・・・
三連休は大人しくしています(泣)