発表年:1971年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー系ソウル
気分は... :そこに愛はある?
今回はサイケデリック・ソウル・グループRotary ConnectionがThe New Rotary Connection名義でリリースしたラスト・アルバム『Hey, Love』(1971年)です。
Minnie Ripertonが在籍し、Charles Stepneyがプロデュース&アレンジを手掛けていたサイケデリック・ソウル・グループRotary Connectionの紹介は、1stアルバム『Rotary Connection』(1967年)、4thアルバム『Songs』(1969年)に続き3回目となります。
結果的にグループのラスト作となった本作『Hey, Love』(1971年)は、The New Rotary Connection名義でのリリースとなっています。
Charles Stepneyのプロデュース&アレンジは不変ですが、メンバーは大幅に再編されています。
本作におけるレコーディング・メンバーはMinnie Riperton(vo)、
Kitty Haywood(vo)、Shirley Wahls(vo)、Dave Scott(vo)、Charles Stepney(p、el-p、org、harpsichord)、Phil Upchurch(g)、Pat Ferreri(g)、Sydney Simms(b)、Donny Simmons(ds)、Master Henry Gibson(congas)。女性3名+男性1名のヴォーカル陣の再編が目立ちます。
Minnie Ripertonは、既に『Come To My Garden』(1970年)でソロ・デビューしており、本作ではヴォーカル陣の中に1名という感じで特別目立っている感じではありません。
本作で目立つのはCharles Stepneyがプロデュース&アレンジの手腕です。初期のサイケデリック・ソウルというよりは、ソウル/ゴスペル、ジャズ、フォークのフィーリングを強調したクロスオーヴァー・サウンドと美しいヴォーカルワークが魅力の1枚に仕上がっています。
楽曲はCharles StepneyとMinnie Ripertonの公私のパートナーであったRichard Rudolphの楽曲が殆どです。同じCadet Recordsのレーベル・メイトTerry Callierの作品も1曲取り上げています。
Jocelyn BrownをフィーチャーしたNuyorican Soulのカヴァーでもお馴染みの「I Am The Blackgold Of The Sun」、Chaka Khanもカヴァーした「Love Has Fallen On Me」、ピースフル・ソウルなタイトル曲「Hey, Love」、本作らしいクロスオーヴァー感のある「Vine Of Happiness」、美しいハーモニーの「If I Sing My Song」あたりがオススメです。
"Minnie Riperton在籍のグループ"ということを抜きにして楽しめる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「If I Sing My Song」
Charles Stepney/Richard Rudolph作。Charles Stepneyのドラマチックなストリングス・アレンジをバックに美しいハーモニーで魅了するオープニング。軽いジャズ・フィーリングがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=-nY2fln55Rs
「The Sea & She」
Richard Rudolph作。ヘブンリー・モードのビューティフル・ソング。ある意味Rotary Connectionらしい雰囲気かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=6l4z2E7LI0Y
「I Am The Blackgold Of The Sun」
Charles Stepney/Richard Rudolph作。ゴスペル/ソウル+ロック+ラテンなクロスオーヴァー・チューンは本作のハイライトかもしれませんね。。イントロのアコギの美しい音色もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=SsY_rRFncGU
当ブログでも紹介したJocelyn BrownをフィーチャーしたNuyorican Soulのカヴァーでもお馴染みの曲ですね。
Nuyorican Soul feat. Jocelyn Brown「I Am The Blackgold Of The Sun」
https://www.youtube.com/watch?v=ZBeFJZnU1Ag
「Hanging Round The Bee Tree」
Richard Rudolph作。Dave Scottの男性ヴォーカルを前面フィーチャーした感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=od5Vt1w12dE
「Hey, Love」
Charles Stepney/Richard Rudolph作。タイトル曲はDave Scottの男性ヴォーカルがリードをとるピースフル・ソウル。バック・コーラスとの掛け合いも素晴らしいですね。ニューソウル的な魅力もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=sjPMLLWZHMU
「Love Has Fallen On Me」
Charles Stepney/Lloyd Webber作。女性ヴォーカル陣が素晴らしいヴォーカルワークで楽しませてくれます。本作らしいゴスペル/ソウル色の強い1曲い仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6gH9XX_5hIc
Chaka Khanがアルバム『Chaka』(1978年)でカヴァーしていましたね。また、Common feat. Lily Allen「Drivin' Me Wild」、Pigeon John「As We Know It」のサンプリング・ソースとなっています。
Chaka Khan「Love Has Fallen On Me」
https://www.youtube.com/watch?v=P6JhYpVB6K8
Common feat. Lily Allen「Drivin' Me Wild」
https://www.youtube.com/watch?v=M6Mj6wPgQso
「Song For Everyman」
Terry Callier作。Terry Callierからなのか、フォーキーな味わいに仕上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=n9CV0XrfXTc
「Love Is」
Charles Stepney/Richard Rudolph作。美しいヴォーカル・ワークを重視したラブ&ピースな仕上がり。Charles Stepneyらしいドラマチックなアレンジが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=OfmJ23fDLW4
「Vine Of Happiness」
Charles Stepney/Richard Rudolph作。ラストも美しいヴォーカル・ワークで締め括ってくれます。ソウル+ジャズ+フォーキーなクロスオーヴァー感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=b1Db6YSfs3E
Rotary Connectionの他作品もチェックを!
『Rotary Connection』(1967年)
『Aladdin/Dinner Music』(1968年、1970年) ※2in1CD
『Songs』(1969年)
『Songs/Hey, Love』(1969年、1971年) ※2in1CD