2017年04月15日

The Impressions『The Young Mods' Forgotten Story』

ニューソウルな雰囲気のCurtom第2弾☆The Impressions『The Young Mods' Forgotten Story』
ヤング・モッズ・フォゴットン・ストーリー
発表年:1969年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル・グループ
気分は... :Mighty Mighty!

今回は60年代ソウル作品からシカゴの名グループThe Impressions『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)です。

The Impressionsの前身はテネシー州チャタヌーガで結成されたThe Roosters。

シカゴへ拠点を移し、 Jerry ButlerCurtis Mayfieldが加わり、Jerry Butlerをフロントマンに据えた5人組のヴォーカル・グループJerry Butler & the Impressionsとして活動するようになります。

その後、Jerry Butlerらが抜けてしまい、Curtis MayfieldSam GoodenFred Cashという3人体制でThe Impressionsとしての再スタートを切ります。

グループは以下のようなヒット曲を生み出し、人気ソウル・グループの地位を確立します。
 「Gypsy Woman」(1961年、全米チャート第20位、同R&Bチャート第2位)
 「It's All Right」(1963年、全米チャート第4位、同R&Bチャート第1位)
 「Keep On Pushing」(1964年、全米チャート第10位)
 「People Get Ready」(1965年、全米チャート第14位、同R&Bチャート第3位)
 「We're A Winner」(1967年、全米チャート第14位、同R&Bチャート第1位)
 「Choice Of Colors」(1969年、全米チャート第21位、同R&Bチャート第1位)

1970年にはCurtis Mayfieldがソロ活動のために独立し、代わりにLeroy Hutsonが加入します(Hutsonは1973年に脱退)。

その後もメンバー交代を繰り返しながら、1980年代前半まで作品をリリースしています。

これまでCurtis Mayfield作品は10枚紹介してきましたが、The Impressionsの紹介は初めてになります。

僕の場合、前述のThe Impressionsのヒット曲は、オリジナルよりも『Curtis/Live!』(1971年)ヴァージョンの印象が強いです。そのせいもあって、Curtis Mayfield自身が設立したレーベルであるCurtom時代(1968-1976年)のImpressions作品への関心の方が高いですね。

本作『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)は、『This Is My Country』(1968年)に続くCurtom第2弾アルバムとなります。ニューソウル感の漂うジャケからして雰囲気があっていいですよね。

プロデュース&ソングライティングはCurtis Mayfield。アレンジはDonny HathawayJohnny Pate

「Choice Of Colors」「My Deceiving Heart」「Seven Years」の3曲がシングル・カットされ、前述のように「Choice Of Colors」が全米R&Bチャート第1位のヒットとなっています。

また、「Mighty Mighty (Spade & Whitey)」 は前述の『Curtis/Live!』(1971年)のオープニング曲としてもお馴染みですね。

Curtis Mayfieldの初期ソロ作に通じる魅力を持ったThe Impressions作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「The Young Mods' Forgotten Story」
美しいストリングス・アレンジがニューソウルを感じさせるオープニング。Curtisのソロにも繋がっていくようなサウンドにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=iQURvdyht4g

「Choice Of Colors」
アルバムからの1stシングルであり、全米チャート第21位、同R&Bチャート第1位のヒットとなっています。美しいメロディに乗って、痛烈なメッセージを投げかけるニューソウルらしい1曲。Donny Hathawayのアレンジも冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=SNV1Y01xNk8

The Heptones、Gladys Knightがカヴァーしています。また、Project Pat feat. Lord Infamous「Choices」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Heptones「Choice Of Colors」
 https://www.youtube.com/watch?v=vx8SOwcr6jE
Project Pat feat. Lord Infamous「Choices」
 https://www.youtube.com/watch?v=SD126VCl9lg

「The Girl I Find」
Curtisの遺作となった『New World Order』(1996年)でもセルフ・カヴァーしていたビューティフル・バラード。語り掛けるようなCurtisのジェントル・ヴォーカルにグッときます。。
https://www.youtube.com/watch?v=OAjPxdbEWoI

「Wherever You Leadeth Me」
少しイナたい軽やかさが魅力のミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=3y7GJE3SnDQ

「My Deceiving Heart」
シングル・カットされ、全米R&Bチャート第23位となっています。腹にジワジワと沁みてくるゴスペル調バラードです。Donny Hathawayの色が出ている1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Yi49YVZOKJQ

「Seven Years」
シングル・カットされ、全米R&Bチャート第15位となっています。Curtisのソロがお好きな人であれば気に入るであろう1曲に仕上がっています。Donny Hathawayの小粋なアレンジ・センスもいいですね。Blu「theRunAwaySlaveSong」、Trey Songz「Never Again」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=--wgHJfGCns

「Love's Miracle」
シカゴ・ソウル・グループらしいヴォーカルワークを楽しめる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=h_9Xy2JF1vo

「Jealous Man」
今回聴き直してみて、結構フィットしたのがこのミディアム・バラード。イントロの乾いたドラムはThe Rootsあたりにも通じる感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=gDsHPQWn8nA

「Soulful Love」
穏やかなバラード。さり気なさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wTYmax1Nz7Y

「Mighty Mighty (Spade & Whitey)」
前述のように、『Curtis/Live!』(1971年)のオープニングを飾った名曲。疑似ライブ仕立てで盛り上げてくれるファンキー・チューン。当ブログではCurtis MayfieldがプロデュースしたCurtom所属の巨漢男性ソウル・シンガーBaby Hueyのカヴァーも紹介済みです。(多分)、同カヴァーは本オリジナルと同じトラックを使っていると思います。それ以外にAlexis Kornerもカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=u7Rdr22dBPE

The Impressionsの他作品もチェックを!

『The Impressions/Never Ending Impressions』(1963/1964年) ※2in1CD
Impressions/Never Ending Impressions

『Keep on Pushing/People Get Ready』(1964/1965年) ※2in1CD
Keep on Pushing/People Get Ready

『One by One/Ridin' High』(1965/1966年) ※2in1CD
ONE BY ONE/RIDIN!

『The Fabulous Impressions/We're a Winner』(1967/1968年) ※2in1CD
The Fabulous Impressions / We're A Winner

『This Is My Country』(1968年)
This Is My Country

『Check Out Your Mind!』(1970年)
チェック・アウト・ユア・マインド!

『Times Have Changed』(1972年)
タイムズ・ハヴ・チェンジド

『Preacher Man』(1973年)
プリーチャー・マン

『Finally Got Myself Together』(1974年)
ファイナリー・ガット・マイセルフ・トゥゲザー

『First Impressions/Loving Power』(1975/1976年) ※2in1CD
First Impressions & Loving

『It's About Time』(1976年)
It's About Time

『Come to My Party/Fan the Fire』(1979/1981年) ※2in1CD
Come to My Party/Fan the Fire
posted by ez at 02:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする