発表年:1969年
ez的ジャンル:シカゴ・ソウル・グループ
気分は... :Mighty Mighty!
今回は60年代ソウル作品からシカゴの名グループThe Impressionsの『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)です。
The Impressionsの前身はテネシー州チャタヌーガで結成されたThe Roosters。
シカゴへ拠点を移し、 Jerry ButlerとCurtis Mayfieldが加わり、Jerry Butlerをフロントマンに据えた5人組のヴォーカル・グループJerry Butler & the Impressionsとして活動するようになります。
その後、Jerry Butlerらが抜けてしまい、Curtis Mayfield、Sam Gooden、Fred Cashという3人体制でThe Impressionsとしての再スタートを切ります。
グループは以下のようなヒット曲を生み出し、人気ソウル・グループの地位を確立します。
「Gypsy Woman」(1961年、全米チャート第20位、同R&Bチャート第2位)
「It's All Right」(1963年、全米チャート第4位、同R&Bチャート第1位)
「Keep On Pushing」(1964年、全米チャート第10位)
「People Get Ready」(1965年、全米チャート第14位、同R&Bチャート第3位)
「We're A Winner」(1967年、全米チャート第14位、同R&Bチャート第1位)
「Choice Of Colors」(1969年、全米チャート第21位、同R&Bチャート第1位)
1970年にはCurtis Mayfieldがソロ活動のために独立し、代わりにLeroy Hutsonが加入します(Hutsonは1973年に脱退)。
その後もメンバー交代を繰り返しながら、1980年代前半まで作品をリリースしています。
これまでCurtis Mayfield作品は10枚紹介してきましたが、The Impressionsの紹介は初めてになります。
僕の場合、前述のThe Impressionsのヒット曲は、オリジナルよりも『Curtis/Live!』(1971年)ヴァージョンの印象が強いです。そのせいもあって、Curtis Mayfield自身が設立したレーベルであるCurtom時代(1968-1976年)のImpressions作品への関心の方が高いですね。
本作『The Young Mods' Forgotten Story』(1969年)は、『This Is My Country』(1968年)に続くCurtom第2弾アルバムとなります。ニューソウル感の漂うジャケからして雰囲気があっていいですよね。
プロデュース&ソングライティングはCurtis Mayfield。アレンジはDonny HathawayとJohnny Pate。
「Choice Of Colors」、「My Deceiving Heart」、「Seven Years」の3曲がシングル・カットされ、前述のように「Choice Of Colors」が全米R&Bチャート第1位のヒットとなっています。
また、「Mighty Mighty (Spade & Whitey)」 は前述の『Curtis/Live!』(1971年)のオープニング曲としてもお馴染みですね。
Curtis Mayfieldの初期ソロ作に通じる魅力を持ったThe Impressions作品だと思います。
全曲紹介しときやす。
「The Young Mods' Forgotten Story」
美しいストリングス・アレンジがニューソウルを感じさせるオープニング。Curtisのソロにも繋がっていくようなサウンドにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=iQURvdyht4g
「Choice Of Colors」
アルバムからの1stシングルであり、全米チャート第21位、同R&Bチャート第1位のヒットとなっています。美しいメロディに乗って、痛烈なメッセージを投げかけるニューソウルらしい1曲。Donny Hathawayのアレンジも冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=SNV1Y01xNk8
The Heptones、Gladys Knightがカヴァーしています。また、Project Pat feat. Lord Infamous「Choices」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Heptones「Choice Of Colors」
https://www.youtube.com/watch?v=vx8SOwcr6jE
Project Pat feat. Lord Infamous「Choices」
https://www.youtube.com/watch?v=SD126VCl9lg
「The Girl I Find」
Curtisの遺作となった『New World Order』(1996年)でもセルフ・カヴァーしていたビューティフル・バラード。語り掛けるようなCurtisのジェントル・ヴォーカルにグッときます。。
https://www.youtube.com/watch?v=OAjPxdbEWoI
「Wherever You Leadeth Me」
少しイナたい軽やかさが魅力のミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=3y7GJE3SnDQ
「My Deceiving Heart」
シングル・カットされ、全米R&Bチャート第23位となっています。腹にジワジワと沁みてくるゴスペル調バラードです。Donny Hathawayの色が出ている1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=Yi49YVZOKJQ
「Seven Years」
シングル・カットされ、全米R&Bチャート第15位となっています。Curtisのソロがお好きな人であれば気に入るであろう1曲に仕上がっています。Donny Hathawayの小粋なアレンジ・センスもいいですね。Blu「theRunAwaySlaveSong」、Trey Songz「Never Again」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=--wgHJfGCns
「Love's Miracle」
シカゴ・ソウル・グループらしいヴォーカルワークを楽しめる1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=h_9Xy2JF1vo
「Jealous Man」
今回聴き直してみて、結構フィットしたのがこのミディアム・バラード。イントロの乾いたドラムはThe Rootsあたりにも通じる感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=gDsHPQWn8nA
「Soulful Love」
穏やかなバラード。さり気なさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wTYmax1Nz7Y
「Mighty Mighty (Spade & Whitey)」
前述のように、『Curtis/Live!』(1971年)のオープニングを飾った名曲。疑似ライブ仕立てで盛り上げてくれるファンキー・チューン。当ブログではCurtis MayfieldがプロデュースしたCurtom所属の巨漢男性ソウル・シンガーBaby Hueyのカヴァーも紹介済みです。(多分)、同カヴァーは本オリジナルと同じトラックを使っていると思います。それ以外にAlexis Kornerもカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=u7Rdr22dBPE
The Impressionsの他作品もチェックを!
『The Impressions/Never Ending Impressions』(1963/1964年) ※2in1CD
『Keep on Pushing/People Get Ready』(1964/1965年) ※2in1CD
『One by One/Ridin' High』(1965/1966年) ※2in1CD
『The Fabulous Impressions/We're a Winner』(1967/1968年) ※2in1CD
『This Is My Country』(1968年)
『Check Out Your Mind!』(1970年)
『Times Have Changed』(1972年)
『Preacher Man』(1973年)
『Finally Got Myself Together』(1974年)
『First Impressions/Loving Power』(1975/1976年) ※2in1CD
『It's About Time』(1976年)
『Come to My Party/Fan the Fire』(1979/1981年) ※2in1CD