発表年:1976年
ez的ジャンル:元祖アフロビート
気分は... :バナナをよこせ!
元祖アフロビートFela Kutiの全盛期作品の2in1CD『Excuse-O/Monkey Banana』(1976年)です。
ナイジェリア出身でアフロビートの創始者Fela Kuti(1938-1997年)に関して、これまで紹介したのは以下の2in1CD3枚、6作品。
『Na Poi/Zombie』(1972年/1976年)
『Ikoyi Blindness/No Buredi』(1976年)
『Perambulator/Original Sufferhead』(1981年/1983年)
Fela Kutiが音楽的な頂点を極めたのが、2年間で15枚以上のオリジナル・アルバムをリリースしている1976〜1977年です。この時期は、自らのコミュニティであるカラクタ共和国を形成し、政府と真っ向から対立していた時です。
今回紹介する『Excuse-O』(上記ジャケ左)、『Monkey Banana』(上記ジャケ右)の2枚は、共にそんな絶頂期の1976年にリリースされた作品です。
『Excuse-O』はナイジェリアの(当時の首都)ラゴスの治安の悪さを訴えた1枚、『Monkey Banana』は石油利権に群がるエリートを批判した1枚です。
各作品オリジナルLPA面、B面で各1曲、2in1でも2枚で全4曲というFela Kuti作品らしい構成です。
レコーディングにはFela Kuti(ts、as、p、org、vo)、バック・バンドAfrica 70のリーダーTony Allen(ds)以下、Christopher Uwaifor(ts)、Lekan Animashaun(bs)、Ukem Stephen(tp)、Tunde Williams(tp)、Franco Aboddy(b)、Leke Benson(g)、Henry Kofi(conga)、Nicholas Addo(conga)、Shina Abiodun(conga)、James Abayomi(per)等が参加しています。
アフロビートらしい覚醒的グルーヴを満喫できる「Excuse-O」、レゲエにも通じる間が印象的な「Mr. Grammarticalogylisationalism Is the Boss」、現行アフロ・ファンクにも通じる開放的なリズムの「Monkey Banana」、クールに疾走する「Sense Wiseness」と4曲4様のアフロビートを楽しめます。。
アフロビートの祖Fela Kutiの魅力をバランス良く楽しめる2in1CDだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Excuse-O」
アフロビートらしいグルーヴで徐々に高揚させ、ホーン隊が加わり一気にスパークします。アフロビートならではの覚醒的な鍵盤の音色もいいですね。アフロビート好きには間違いない演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=JMXnC7xugps
「Mr. Grammarticalogylisationalism Is the Boss」
レゲエに通じる音空間の使い方が印象的な演奏です。ゆったりとしたリズムの中にも権力に屈しない戦うミュージシャン集団の強い意志を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ToCUKl5qevo
「Monkey Banana」
♪俺たちにもバナナをよこせ♪と石油利権を批判する歌ですが、モンキー・バナナ感を見事にリズムで表現していると思います。サックス・プレイではジャズ・フィーリングがあるのもいいですね。。
https://www.youtube.com/watch?v=dReQzUpNIG4
「Sense Wiseness」
どこまでもクールに疾走するグルーヴ感が実に格好良い1曲。そんなクールなグルーヴをバックに、Fela Kutiのサックスが雄弁に語ります。
https://www.youtube.com/watch?v=kurnT5qCkpQ
Fela Kutiの過去記事もご参照ください。
『Na Poi/Zombie』(1972年/1976年)
『Ikoyi Blindness/No Buredi』(1976年)
『Perambulator/Original Sufferhead』(1981年/1983年)