2017年05月25日

Santa Y Su Gente『Urgente』

チリ産ラテン・レア・グルーヴ☆Santa Y Su Gente『Urgente』
ウルヘンテ
発表年:1974年
ez的ジャンル:チリ産ラテン・レア・グルーヴ
気分は... :チリ産ワインを飲みながら・・・

今回は南米レア・グルーヴ作品Santa Y Su Gente『Urgente』(1974年)です。

Santa Y Su Genteは、コンガ奏者Santiago "Santa" Salasを中心にチリで結成されたラテン・ジャズ・ファンク・バンド。

メンバーはSantiago "Santa" Salas(congas)以下、Lautaro Rosas(g)、Mario Lecaros(p)、Harida Quinteros(ds)、Juan Carlos Mendoza(b)、Orlando Avendano(per)、David Estanovich(saz、fl)、Rosario Salas(vo)、Carlos Torres(vo)、Pablo Lecaros(vo)。

本作『Urgente』(1974年)は、グループ唯一のアルバムですが、その充実ぶりに驚きました。

アルバムは大きく、インストのラテン・ジャズ・ファンクと美しいヴォーカル入りのラテン・メロウ・グルーヴから成り、そのどちらも魅力的です。ラテン・レア・グルーヴらしいパーカッシヴ・リズムがアルバム全編を貫きます。

インストはクロスオーヴァー調、サイケデリック調、ラテン・ロック調、スパニッシュ調、スピリチュアル調と多彩な切り口で楽しませてくれます。また、ヴォーカル曲は僕好みの爽快メロウ・チューンが並びます。

ラテン・レア・グルーヴの名に相応しい1枚だと思います。

気分を盛り上げるために、チリ産ワインを飲みながら記事を書いています。

全曲紹介しときやす。

「La Muneca」
爽快コーラスと共に始まる素敵なメロウ・グルーヴ。美しいピアノとパーカッシヴ・リズムが織り成す素敵なサウンドが、美しいヴォーカルワークを引き立てます。

「Murumba」
アフロ・ラテンなサイケデリック感覚が印象的なインスト・ジャズ・ファンク。

「Los Amantes Del Sol」
ファンキー&メロウなラテン・グルーヴにピースフルな爽快ヴォーカルが絡みます。ラテン・レア・グルーヴらしい1曲かもしれませんね。

「El Salero」
ラテン・ジャズ・ファンク・ユニットとしての魅力が伝わってくるインスト・ジャズ・ファンク。リーダーSantiago "Santa" Salasのコンガは演奏を牽引します。
https://www.youtube.com/watch?v=pG2Q2QRiPsc

「Colores」
ドライブ感が格好良いラテン・ジャズ・ファンク。扇動的なコンガやギター・ソロにグッときます。パッションという点ではコレが一番かも?
https://www.youtube.com/watch?v=M4luCpw08Uo

「Niebla」
個人的にはかなり好み!ギター・サウンドとラテン・パーカッションが織り成すサウンドは、ラテン・ロック好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=NOompbHG4rc

「Pajaros En El Jardin」
女性スキャットが先導する密林モードのメロウ・ジャズ。スピリチュアルな雰囲気もあります。

「Barco Camaronero」
ヴォーカルを前面に打ち出したポップなラテン・メロウ・グルーヴ。小粋なエレピの音色もグッド!

「Triangulo Espanol」
ラテン・クロスオーヴァーなインスト・チューン。タイトルの通り、スパニッシュなフレイヴァーが効いています。

「Sonando」
AztecaMaloSapo等のUSの西海岸ラテン・グルーヴ好きの人であれば、気に入る1曲なのでは?

「Una Nueva Vida」
ラストはクール&ミステリアスなインスト・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=N4P4t2RrvHo

ここ2日間、近くで夜道路工事を行っており、その騒音で寝付けない(泣)
そのせいもあり、少しストレスが溜まっているかも?
posted by ez at 03:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月24日

『今の気分は...2017年5月24日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は2000年代後半から2010年代前半のR&B/Hip-Hopから、有名アーティストの楽曲を10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Erykah Badu「Honey」
https://www.youtube.com/watch?v=SFkHylBiPyQ
From 『New Amerykah: Part One (4th World War)』(2008年)
New Amerykah, Pt. 1: 4th World War

Q-Tip feat. Norah Jones「Life Is Better」
https://www.youtube.com/watch?v=nMIs3WYLZbY
From 『The Renaissance』(2008年)
The Renaissance

Eric Benet feat. Faith Evans「Feel Good」
https://www.youtube.com/watch?v=py-q0Kw0lmI
From 『Lost In Time』(2010年)
Lost in Time

Raphael Saadiq feat. Stevie Wonder & CJ Hilton「Never Give You Up」
https://www.youtube.com/watch?v=xuCpet4UKE8
From 『The Way I See It』(2008年)
The Way I See It

Leela James「Tell Me You Love Me」
https://www.youtube.com/watch?v=mnYZDapj1tQ
From 『My Soul』(2010年)
My Soul

R. Kelly「Love Letter」
https://www.youtube.com/watch?v=j9ZB0fcwoJI
From 『Love Letter』(2010年)
Love Letter

Avant「When It Hurts」
https://www.youtube.com/watch?v=KEMjg3pVKCk
From 『Avant』(2008年)
Avant

Musiq Soulchild「Someone」
https://www.youtube.com/watch?v=kCbxIMO0Cn8
From 『Onmyradio』(2008年)
OnMyRadio

Common「The People」
https://www.youtube.com/watch?v=S7B2VgRShew
From 『Finding Forever』(2007年)
Finding Forever

The Roots「How I Got Over」
https://www.youtube.com/watch?v=zI4D1QOLGuM
From 『How I Got Over』(2010年)
How I Got Over
posted by ez at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月23日

Groove U『Tender Love』

90年代男性R&Bグループの佳作☆Groove U『Tender Love』
Tender Love
発表年:1994年
ez的ジャンル:実力派男性R&Bグループ
気分は... :ファンタスティック乾!

今回は90年代男性R&Bグループ作品からGroove U『Tender Love』(1994年)です。

Groove UTerron MitchellDarren MosleyOrick SidneyJoe Halliburtonの4名により、テキサス州ヒューストンで結成された男性R&Bグループ。

商業的には成功を収めることはできませんでしたが、唯一のアルバムである『Tender Love』(1994年)は、某R&Bディスクガイドにも掲載された再評価の高い1枚です。

プロデューサーとしてMikki BleuThe Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)Chad ElliottBuff Loveが起用され、それぞれいい仕事ぶりを見せています。アルバムとしての統一感は欠けますが、ざまざまなタイプの曲に対応し、素晴らしいヴォーカルワークを披露するグループの実力によって魅力的なR&B作品に仕上がっています。

Mikki Bleuプロデュースの「Say U Love Me」「Tender Love」、The Charactersプロデュースの「(Seek And You'll Find) The Kinda Right Baby」「Call And I'll Answer」、Buff Loveプロデュースの「Looking For Love (In All The Wrong Places)」あたりが僕のオススメです。

R&Bシーンの中に埋もれてしまったアルバムですが、ぜひチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「(Seek And You'll Find) The Kinda Right Baby」
The Charactersプロデュース。シングルにもなったオープニング。ニュー・クラシック・ソウル調のグルーヴ感がいいですね。Tony! Toni! Tone好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=IiPv2GA2Vtc

「Old Becomes New」
The Charactersプロデュース。この曲もシングル・カットされたバラード。哀愁バラードを素敵なヴォーカルワークで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=x4i7lrAarN0

「Can I Make It Up To You」
Chad Elliottプロデュース。NJS調の哀愁ミディアム・グルーヴに仕上がっています。

「Call And I'll Answer」
The Charactersプロデュース。ソングライティングには後の人気男性R&BシンガーCarl Thomasの名もクレジットされています。ヴォーカルワークが栄えるダンサブルなR&Bグルーヴです。

「Tender Love」
Mikki Bleuプロデュース。タイトル曲はアコースティックな質感のあるクワイエット・ストームなビューティフル・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=wVYLf5rqdpc

「Looking For Love (In All The Wrong Places)」
Buff Loveプロデュース。オーセンティックなバラードで勝負!このグループのヴォーカルワークの素晴らしさを存分に実感できます。

「Groove With You」
Mikki Bleuプロデュース。セクシー・モードのダンサブル・チューン。打ち込みモード全開のサウンドは好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、なかなかキャッチーな仕上がりだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=YYwt5AikRxE

「Oh-oh Uhh Oh」
Buff Loveプロデュース。曲は悪くないのですが、これは打ち込みサウンドが裏目に出ているような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=67HjrJLzJSE

「Say U Love Me」
Mikki Bleuプロデュース。Mikki Bleuのセンスとグループのヴォーカルワークが見事に噛み合った絶品ミディアム・スロウ。何度もリピートしたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=7WtADTaRtfQ

「Hoochie」
Buff Loveプロデュース。この時代らしい甘く妖しい雰囲気の漂うダンサブル・チューン。ラップ・パートもあります。Kool & The Gang「Kool's Back Again」ネタ。
https://www.youtube.com/watch?v=cM5WyX9cP5M

「Don't Let It Slip Away」
Chad Elliottプロデュース。ラストはNJSなアップ・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=45QR50Qg-Fs

昨日は乾、本田、久保とサッカーの日本人選手が活躍しましたね。
特に、バルサ相手にカンプノウで2得点を決めた乾は素晴らしかったですね。
TVのライブ中継を観ていましたが、(失礼ですが)予想外の大活躍に興奮して眠れませんでした。
そろそろ乾の代表復帰があってもいいのでは?
posted by ez at 03:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

Rico Rodriguez『Man From Wareika』

伝説のトロンボーン奏者によるインストゥルメンタル・レゲエ名盤☆Rico Rodriguez『Man From Wareika』
マン・フロム・ワレイカ+9
発表年:1976年
ez的ジャンル:レジェンド系スカ/レゲエ・トロンボーン奏者
気分は... :ディープなレゲエ・ワールド・・・

今回はスカ/レゲエ伝説のトロンボーン奏者Rico Rodriguezの代表作Rico Rodriguez『Man From Wareika』(1976年)です。

Rico Rodriguez(1934-2015年)はキューバのハバナで生まれ、ジャマイカのキングストンで育ち。

スカの代表的バンドThe Skatalitesのオリジナル・メンバーであったトロンボーン奏者Don Drummond(1932-1969年)はAlpha Boys'Schoolの先輩です。

1958年にラスタファリアンとなったRicoは、ラスタファリアン・ドラマーCount Ossieワレイカ・ヒルのコミューンに身を置き、Count Ossie、Don Drummondらとセッションを重ねます。

1961年に渡英した後は、セッション・ミュージシャンとして活動しますが、70年代半ばには不遇の時代も過ごします。しかし、Bob Marley & The Wailersの成功が追い風となり、Island Recordsとの契約に成功し、本国ジャマイカでレコーディングした作品が本作『Man From Wareika』(1976年)です。

70年代後半のイギリスに一大スカ・ブーム時には、その中心グループThe Specialsの諸作に参加しています。

2015年にロンドンで逝去。

スカ黎明期に後のThe Skatalitesメンバーらとセッションを重ね、70年代後半のUKスカ・ブームにも身を置いたことから、"スカ/レゲエのレジェンド"として多くのミュージシャン、音楽ファンからリスペクトされる存在であったRico Rodriguez。

そんなレジェンドを代表する作品が、彼のキャリアのターニング・ポイントとなった本作『Man From Wareika』(1976年)です。インストゥルメンタル・レゲエの最高峰と称されることも多い作品ですね。

Karl Pittersonがプロデュースを務め、レコーディングにはRico Rodriguez(tb)以下、Karl Pitterson(g、key、per)、Sly Dunbar(ds)とRobbie Shakespeare(b)による最強リズム・セクションSly & Robbie、70〜80年代のジャマイカ・レゲエ・シーンを支えたLloyd Parks(g)、Ansell Collins(key)、Bernard "Touter" Harvey(key)、Tarzan Nelson(key)、Herman Marquis(sax)、Richard "Dirty Harry" Hall(sax)といった名プレイヤーたち、Bobby Ellis(tp)、Eddie "Tan Tan" Thornton(tp)、それにSkully(per)といったRicoと同じAlpha Boys'School出身のミュージシャンたち、UKでと共に活動していたDick Cuthell(tp)当ブログでもアルバムを紹介したUK出身の女性シンガーCandy McKenzie(back vo)、本作の後にソロ活動を開始し、人気男性レゲエ・シンガーとなるIjahman Levi(back vo)等が参加しています。

ヴォーカルがない分、レゲエ・サウンドの魅力とは何かを改めて確認できる1枚だと思います。また、レゲエにおけるトロンボーンという楽器の重要性を再認識できます。

なお、国内再発CDにはオリジナルLPの9曲に加え、本作の次作品としてレコーディングされながらもお蔵入りとなった『Midnight In Ethiopia』からの9曲が、ボーナス・トラックとして追加収録されており、お楽しみが倍増となります。『Midnight In Ethiopia』からの9曲は本編とは異なるテイストで、実に興味深い内容になっています。

ヴォーカル入り作品とは異なるレゲエの魅力を発見できる1枚かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「This Day」
本作のハイライトにこのオープニングを挙げる方も多いのでは?ルードなレゲエ・グルーヴにのった哀愁のホーン・サウンドがたまりません。。
https://www.youtube.com/watch?v=Gdc12Eibf2I

「Ramble」
インスト・レゲエならではの自由なヴァイヴがあります。Ricoのトロンボーンの音色が醸し出すユルさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=hbGAY56NAww

「Lumumba」
Bob Marley & The Wailersにも相通じるラスタファリアン・レゲエの魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=6VzIgCwSFzs

「Africa」
「This Day」と並ぶ人気曲かもしれませんね。シングルにもなった曲です。ラスタファリアンのRicoらしいザイオン(アフリカ)への思いをサウンドに託した完成度の高い1曲。他の曲と異なり、Candy McKenzieとIjahman Leviによるバック・コーラス入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=i0LaJO5h0LM

「Man From Wareika」
Ricoの原点はワレイカ・ヒルにあることを示すタイトル曲。ゆったりとしたグルーヴの中に、ラスタファリアンとしてのアイデンティを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=P9drTXCqOVA

「Rasta」
トロンボーンが主役のレゲエ・サウンドといった感じがいいですね。主役を引き立てるSly & Robbieのリズム隊の好サポートもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=eT_dh7wip8M

「Over The Mountain」
ルーツ・レゲエらしい魅力に溢れた演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=ByUp8dp42pE

「Gunga Din」
ジャズ・フィーリングを少し強調したホーン・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=_1vB2dzvSSQ

「Dial Africa」
ラストはアフリカへの思いが伝わってくるルーツ・レゲエ・サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZhFyoIQ1B0M

ここからはボーナス・トラック。幻のアルバム『Midnight In Ethiopia』に収録予定であった9曲です。

「Children Of Sanchez」
ジャズ・トランペット奏者Chuck Mangioneのカヴァー。『Man From Wareika』とは雰囲気の異なるダイナミックなレゲエ・サウンドが印象的です。

「You Really Got Me」
The Kinksのロック名曲をカヴァー。UKスカ・ブームを先取りするかの演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=AjAG-17zYxg

「Midnight In Ethiopia」
ザイオン(アフリカ)回帰のラスタ思想を反映した1曲。同じルーツ・レゲエ・サウンドでも『Man From Wareika』からの進化を感じることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=0FGjaINvA_4

「Free Ganja」
ジャズ・フィーリングのホーン・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=QEQSOycakmM

「Take Five」
Dave Brubeckのジャズ名曲をカヴァー。ジャズ名曲をダビー・フィーリングのレゲエに変貌させています。お見事!
https://www.youtube.com/watch?v=J4PJ7MDbWec

「Far East」
ラヴァーズ調のメロウ・サウンドが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=u37cl76hj5U

「No Politician」
ダビー&メロウなレゲエ・サウンドはMad ProfessorのAriwa作品あたりと一緒に聴きたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=xaRykCzC60o

「Firestick」
レゲエの枠に収まらないトロピカル・フィーリングの仕上がり。

「Ska Wars」
映画「Star Wars」のテーマ曲を大胆にカヴァー。ダースベイダーもビックリ!のレゲエ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=2qGWTBUf1II

ご興味がある方はRico Rodriguezの他作品もチェックを!

『Wareika Dub』(1977年)
ワレイカ・ダブ

『You Must Be Crazy』(1994年)
You Must Be Crazy

『Wonderful World』(1995年)
ワンダフル・ワールド(紙ジャケット仕様)

『Wareika Vibes』(2006年)
Wareika Vibes
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2017年05月21日

Diggs Duke『Civil Circus』

話題のSSW/マルチ・インストゥルメンタリストの新作☆Diggs Duke『Civil Circus』
CIVIL CIRCUS [日本限定CD化 / 日本語解説付き]
発表年:2015年
ez的ジャンル:マルチ・インストゥルメンタリスト系異才ジャズ/ソウル
気分は... :この感性についていけるか・・・

今回は話題のシンガーソングライター/マルチ・インストゥルメンタリストDiggs Dukeの新作アルバム『Civil Circus』です。

Diggs Dukeの紹介は、Gilles PetersonのBrownswood Recordingsからリリースされた1stアルバム『Offering For Anxious』(2014年)に続き、2回目となります。

本作『Civil Circus』は自身のレーベルFollowing Is Leadingから2015年にリリースされ、Bandcampで数量限定でフィジカル・リリースされていた作品です。今回、日本限定でCDがリリースされ、新作アルバムとして話題になっています。

『Offering For Anxious』(2014年)における生演奏とプログラミング、ジャズをベースにソウル/R&B、Hip-Hop、ビートミュージックのエッセンスを絶妙に融合させた独自の音世界は、玄人志向ながらも各方面から絶賛されました。

本作『Civil Circus』でも独自の音世界は健在です。『Offering For Anxious』と比較すると、よりジャズ・フィーリングが強調されているかもしれませんね。きっと"今ジャズ"好きの人は興味深く聴けるのでは?

『Offering For Anxious』(2014年)同様に、30分にも満たないアルバムです。このあたりはビートミュージック作品のような感覚ですね。

決して聴きやすいアルバムではありません。
しかし、少ない音数の中にDiggs Dukeの感性が凝縮されています。
Diggs Dukeの感性に挑んでみましょう!

Diggs Duke『Civil Circus』Trailer
https://www.youtube.com/watch?v=uvWoplEXcEg

全曲紹介しときやす。

「Busker」
Jelani Brooksのサックス、Luke Stewartのダブルベース、Warren G. Crudup IIIのドラムをフィーチャー。完全にジャズ・モードのオープニング。

「Compensation」
Dante Popeのヴォーカルをフィーチャー。ヴォーカル・ワークを重視した約1分半の小曲。

「Ambition Addiction」
ジャズとドラムンベースを融合させたDiggs Dukeらしいサウンドを楽しめる1曲。"今ジャズ"好きの人は気に入るはず!

「Stoplight Lessons」
Herb Scottのアルト・サックス、Jelani Brooksのテナー・サックス、Terry Orlando Jonesのドラム、Rachel Brotmanのヴォーカルをフィーチャー。ソウル+ジャズ+ビートミュージックなクロスオーヴァー感覚が楽しい1曲に仕上がっています。

「Postcard」
ビートミュージックな側面を前面に打ち出したミニマルな仕上がり。

「Street Preacher」
Diggs Duke自身のクラリネットとアルト・サックスが織り成す陽だまりの一人ジャズ・セッションといった趣です。

「Bumper To Bumper」
Diggs Dukeのピアノ・ソロ。静かなる闘志といった雰囲気の演奏です。

「Warming Warning」
Warren G. Crudup IIIのドラム、Jada Irwinのヴォーカルをフィーチャー。トライバル・リズム、巧みなヴォーカルワークにフューチャリスティックな味付けも加わり、独特の感性を楽しめる1曲。

「Damn Near Home」
Herb Scottのアルト・サックス、Jelani Brooksのテナー・サックス、Rachel Brotmanのヴォーカルをフィーチャー。サックスとヴォーカルが織り成すストレンジ・ワールド。

「We Don't Need Love (But Understanding)」
ラストはDiggs Dukeのヴォーカル、ピアノ、ベースによるジャズ・フィーリングの演奏で締め括ってくれます。

未聴の方は『Offering For Anxious』(2014年)もチェックを!

『Offering For Anxious』(2014年)
オファリング・フォー・アンクシャス(タワレコ生産限定CD) Diggs Duke ディグス・デューク
posted by ez at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする