発表年:1967年
ez的ジャンル:ソフト・ボッサ系ジャズ/ポップス
気分は... :1-2-3!
今回はジャズ・フルート奏者Herbie Mannが母親が日本人の黒人女性シンガーTamiko Jonesと共演したアルバム『A Man And A Woman』(1967年)です。
N.Y.出身の人気ジャズ・フルート奏者Herbie Mann(1930-2003年)について、これまで当ブログで紹介してきた作品は以下の3枚。
『Memphis Underground』(1969年)、
『Muscle Shoals Nitty Gritty』(1970年)
『Push Push』(1971年)
また、1945年ウエスト・ヴァージニア生まれ、母親が日本人の女性シンガーTamiko Jonesについては、フリーソウル人気曲「Touch Me Baby」、「Creepin'」収録のアルバム『Love Trip』(1975年)を紹介済みです。
フリーソウル人気作『Love Trip』(1975年)から入ると、ソウル・シンガーのイメージが強いTamiko Jonesですが、彼女の初アルバムは人気ジャズ・フルート奏者Herbie Mannとの共演によるジャズ/ポップス作品の本作です。
レコーディング・メンバーはHerbie Mann(fl)、Tamiko Jones(vo)以下、Joe Zawinul(p)、Victor Gaskin(b)、Reggie Workman(b)、Everett Barksdale(el-b)、Bruno Carr(ds)、Roy McCurdy(ds)、Carlos "Patato" Valdes(congas、per)、Roy Ayers(vibe)、Gary Burton(vibe)等。
アルバム全体はライト感覚のポップス作品に仕上がっています。ソフト・ボッサ調の曲が多いのが特徴です。
どちらかと言えば、ボッサ名曲カヴァーに惹かれて購入したのですが、実際に聴いて気に入ったのは「1-2-3」、「Sidewinder」、「A Good Thing (Is Hard to Come By)」といったビートの効いたヒップな演奏です。
Herbie Mannの持つクロスオーヴァーなポップ感覚がTamiko Jonesの魅力を上手に引き出している1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「A Man and a Woman」
お馴染みのフランス映画『Un Homme Et Une Femme(邦題:男と女)』(1966年)の主題歌をカヴァー(Francis Lai/Pierre Barouh作)。オリジナルの雰囲気を受け継いだソフト・ボッサな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=jPUl0hjRShE
「Day Tripper」
Beatlesソングをカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。TamikoのヴォーカルをHerbie Mannのフルートが先導する疾走感のあるポップ・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=hv9wladnFy8
「Come Back to Me」
ミュージカル『On a Clear Day You Can See Forever』(1965年)の挿入歌をカヴァー(Burton Lane/Alan Jay Lerner作)。疾走感が心地好いボッサ・グルーヴで楽しませてくれます。
「Little Boat」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作の名曲「O Barquinho(小舟)」をカヴァー。イントロだけ聴くと、「A Man and a Woman」と混同しそうなソフト・ボッサです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=b7lcAgOY2X4
本曲について、当ブログではElis Reginaの『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』、『Elis Regina in London』、『Aquarela Do Brasil』収録の3ヴァージョンやO Quarteto、Stacey Kent、Tamba Trioのカヴァーを紹介済みです。
「It's Time That You Settled Down」
Neil Sheppard/Ray Fox作。ポップな魅力があるソフト・ボッサ。しっとりとしたTamikoのヴォーカルがチャーミングです。
「A Good Thing (Is Hard to Come By)」
Tamiko Jones作。R&Bフィーリングのサウンドでヒップに躍動します。パンチのあるサウンドとコケティッシュなTamikoのヴォーカルの組み合わせがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=o3ce4rUIHis
「1-2-3」
Len Barry、1965年のヒット曲をカヴァー(Len Barry/John Madara/Dave White作)。個人的には一番のお気に入り。快活なポップ・チューンでTamikoのキュートなヴォーカルが弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=a2nft9e1lfI
「Only Yesterday」
Jimmy Wisner作。しっとりと歌い上げるバラード。Tamiko Jonesのソロ・アルバム『Tamiko』(1968年)でも取り上げています。
https://www.youtube.com/watch?v=dTVbOOoQY5E
「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲のカヴァー。このサウンド・プロダクションに見事にハマっています。あまりにも予定調和な感じが逆に物足りない気もしますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=o1UVPOnhTUM
本曲について、当ブログではDusty Springfield、Birgit Lystager、Clementine、Ann Burton、Jose Feliciano、Papik、Voices In Latinのカヴァーも紹介済みです。
「How Insensitive」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作のボサノヴァ名曲をカヴァー。少し憂いを帯びたヴォーカルでしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=p_10dVKwlHc
本曲について、当ブログではTriste Janero、Duke Pearson、Oscar Peterson、Earl Okin、Stacey Kent、Stan Getz & Luiz Bonfa、Genai、Bobbi Boyle & The Trioのカヴァーを紹介済みです。
「Sidewinder」
Lee Morganのジャズ・ロック名曲をカヴァー。「1-2-3」と並ぶお気に入り。スウィンギン・ロンドン系の曲と一緒に聴きたくなるヒップな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=AYXsUdyUPMw
Herbie Mann、Tamiko Jonesの過去記事もチェックを!
Herbie Mann『Memphis Underground』(1969年)
Herbie Mann『Muscle Shoals Nitty Gritty』(1970年)
Herbie Mann『Push Push』(1971年)
Tamiko Jones『Love Trip』(1975年)