2017年05月09日

The Everyday People『The Everyday People』

Kool & The Gangの弟分的ファンク・グループ☆The Everyday People『The Everyday People』
EVERYDAY PEOPLE +6 (日本独自企画、最新リマスター、解説、ボーナストラック付)
発表年:1972年
ez的ジャンル:ストリート・ファンク・バンド
気分は... :夜空はいつでも最高密度の青色だ・・・

今回は70年代レア・グルーヴからThe Everyday People『The Everyday People』(1972年)です。

The Everyday Peopleは、Milton CarpenterCurtis W. DavisLaforest JenkinsDouglas Hayes PinkneyHarley TylerJoseph R. WhiteHartwell Clifton Williamsの7人組ファンク・バンド。

Kool & The GangのプロデューサーであるGene Redd Jr.のレーベルRed Coach Recordsから唯一のアルバム『The Everyday People』(1972年)をリリースしています。勿論プロデュースはGene Redd Jr.

「Funky Granny」「Who's Gonna Take The Weight」といったKool & The Gangのカヴァーも含めて、Kool & The Gang的なファンク・サウンドを楽しめる1枚です。

加えて、Stevie Wonderの名曲カヴァー「Superwoman (Where Were You When I Needed You)」「Everyday People Doing Everyday」といったメロウで味わい深いソウル・チューンにも惹かれます。

最近、国内盤再発CDがリリースされ、入手しやすくなりました。
この機会にぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Funky Granny」
Kool & The Gangのカヴァー。Kool & The Gangの弟分バンドと呼ぶに相応しい、躍動するファンクで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CRivLbXULeY

「Superwoman (Where Were You When I Needed You)」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。オリジナルはアルバム『Music Of My Mind』(1972年)に収録されています。メロウネスを強調したミディアム・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7_7itSPISZ0

「Funky Generation」
ファンキー・ホーンが鳴り響く、格好良いファンク・グルーヴ。ジャケのイメージそのままのストリート・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=cE0cnn49dPc

「Everyday People Doing Everyday」
オルガンとハーモニカの音色がいい味を出しているミディアム・ソウル。個人的にはコレが一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=D8EUhBzZs6U

「Who's Gonna Take The Weight/Who's Gonna Take The Blame - Medley」
Kool & The Gangのカヴァー「Who's Gonna Take The Weight」とオリジナル「Who's Gonna Take The Blame」のメドレー。兄貴分Kool & The Gangに通じる開放的で躍動するホーン・アンサンブルで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wxW-mOTZ3RE

「Do-re-mi-fa-so-la-ti-do」
Gene Reddが手掛けたJohnny Starr、1968年のシングル曲のカヴァー。メロウな味わいのミディアム・ソウルです。思わずサビの♪ドレミファソラシド〜♪を一緒に口ずさんでしまいます。Pete Rock & C.L. Smooth「Ghettos of the Mind」のサンプリング・ソースにもなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Qoiry2t192g

「Mama Said - Papa Said (Too Young To Marry)」
結婚行進曲のメロディも登場するユーモラスなファンク・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=iZcEJJrOzE8

「Magic Man」
The Trumainsも「Mr. Magic Man」としてレコーディングしています。ファンキー&グルーヴィーなソウル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=wD4zvjF9lFk

「Gold Smoke」
ラストは開放的かつグルーヴィーなインストで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6KcsE71bOVY

僕の保有するCDには、「I Like What I Like」「The Bump (Part 1 & 2)」「Get Down, Get Stank」「I Like What I Like (Remix)」という4曲のボーナス・トラックが追加収録されています。特にSly & The Family Stone調の「I Like What I Like」がいいですね。

最近発売された国内盤再発CDは、「The Bump (Pt, 1) (Original Single Version)」「The Bump (Pt, 2) (Original Single Version)」「I Like What I Like (Original Single Version)」「Get Down, Get Stank (Original Single Version)」「Juice It Up (Part 1) (Original Single Version)」「Juice It Up (Part 2) (Original Single Version)」の6曲がボーナス・トラックとなっています。
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2017年05月08日

Geoff & Maria Muldaur『Pottery Pie』

夫婦デュオの第1弾作品☆Geoff & Maria Muldaur『Pottery Pie』
ポテリィ・パイ
発表年:1968年
ez的ジャンル:ルーツ探求系夫婦フォーク/カントリー
気分は... :黒人音楽のエッセンス多めで・・・

今回はGeoff MuldaurMaria Muldaurの夫婦デュオGeoff & Maria Muldaurの1stアルバム『Pottery Pie』(1968年)です。

Maria Muldaurに関しては、これまで当ブログで『Maria Muldaur』(1973年)、『Open Your Eyes』(1979年)という2枚のアルバムを紹介済みです。

ジャグ・バンド・リヴァイヴァルの旗手であったJim Kweskin & The Jug Bandのメンバーとして共に活動し、プライベートでも結婚したGeoff MuldaurとMaria Muldaurが、1967年のJim Kweskin & The Jug Band解散後に組んだ夫婦デュオがGeoff & Maria Muldaurです。

2人はGeoff & Maria Muldaur名義で『Pottery Pie』(1968年)、『Sweet Potatoes』(1972年)という2枚のアルバムをReprise Recordsからリリースしています。

1972年に2人は離婚し、コンビも解消してソロ・アーティストとして別々の道を歩むことになります。特にMaria Muldaurは、1973年に「Midnight at the Oasis」を大ヒットさせたことは周知の通りです。

夫婦デュオの第1弾となる本作『Pottery Pie』(1968年)は、GeoffとMariaのリード・ヴォーカルが交互に配される構成となっています。

フォーク/カントリーをベースにしつつ、ブルース、R&B、オールド・ジャズ等のフィーリングを取り入れた幅広いルーツ・ミュージックに根差した作品になっています。特に黒人音楽のエッセンス多めなのが僕好みです。

また、ブラジル音楽の名曲「ブラジルの水彩画(Aquarela Do Brasil)」をカヴァーしている点も、僕にとってポイント高いです。ちなみにGeoffがヴォーカルをとる本ヴァージョンは、映画『未来世紀ブラジル』(1985年)のテーマ曲にもなりました。『未来世紀ブラジル』のサントラ紹介記事でも書きましたが、モンティ・パイソンのメンバーTerry Gilliam監督によるこの近未来ブラック・コメディは僕の大好きなカルト・ムービーです。

話を本作に戻すと、レコーディング。メンバーはGeoff Muldaur(vo、g、p)、Maria Muldaur(vo)以下、Amos Garrett(g)、Bill Keith(pedal steel)、Billy Mundi(ds)、Rick Marcus(ds)、Hal Grossman(horns)、Peter Ecklund(tp、whistling)、Betsy Siggins(vo)。

特に、コンビ解散後もGeoffとMariaの活動に深く関わることになり、Maria Muldaur「Midnight at the Oasis」でも見事なギターを聴かせてくれたギタリストAmos Garrettの貢献が目立ちます。

プロデュースはFairport Convention等を手掛けたJoe Boyd

一般的なハイライトは、「Brazil」「Georgia On My Mind」あたりだと思いますが、「Me And My Chauffeur Blues」「Catch It」「Trials, Troubles, Tribulations」も僕のオススメです。

フォーク/カントリーに収まらない魅力に溢れた1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Catch It」
リヴァイヴァル・フォークの牽引者Eric Von Schmidtのカヴァー。GeoffがEric Von Schmidtのレコーディングに数多く参加しており、そういった縁でのセレクトでしょう。少しテンポを落としたユルめのブルース・フィーリングの演奏がグッド!ホーン・サウンドも含めてアレンジが絶妙です。

「I'll Be Your Baby Tonight」
Bob Dylan作品のカヴァー。Dylanのオリジナルは『John Wesley Harding』(1967年)に収録されています。Jim Kweskin & The Jug Band名義でもシングル・リリースしていた本曲を再び取り上げているのが興味深いですね。Mariaのソロ作にも通じるコケティッシュなカントリー・タッチがいい感じです。

「New Orleans Hopscop Blues」
1920〜30年代に活躍したクラリネット奏者/シンガーGeorge Thomasの作品をカヴァー。タイトルの通り、ジャズ/R&Bのエッセンスを取り入れたニューオリンズ・フィーリングの仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=edAcv7oJ9fE

「Trials, Troubles, Tribulations」
トラディショナル・ソングをMariaがアレンジ。淡々としていますが不思議な味わいに惹かれてしまいます。Mariaのヴォーカルに寄り添うBetsy Sigginsの歌声もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=3XHuS6HZ5sE

「Prairie Lullabye」
カントリー歌手Jimmie Rodgersヴァージョン(1932年)で知られるBilly Hill作品をカヴァー。Geoffがしみじみと歌い上げます。

「Guide Me, O Great Jehovah」
トラディショナル・ソングをMariaがア・カペラで歌い上げます。

「Me And My Chauffeur Blues」
女性ブルース・シンガー/ギタリストMemphis Minnieの作品をカヴァー。南部フィーリングの黒い音のバッキングを従え、Mariaが味のあるヴォーカルで魅了します。Amos Garrettのギターにもグッときます。個人的には「Brazil」と並ぶ本作のハイライト。

「Brazil」
偉大なブラジル人コンポーザーAry Barroso作の名曲「ブラジルの水彩画(Aquarela Do Brasil)」をカヴァー。前述のように、映画『未来世紀ブラジル』(1985年)のテーマ曲にもなりました。Geoffの少しわざとらしいヴォーカルとPeter Ecklundの口笛の組み合わせがいい感じです。僕の場合、映画と本ヴァージョンがセットで刷り込まれているので、曲を聴いていると映画も観たくなります。サイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=urN7Pdzw5Cs

本曲に関して、前述の『未来世紀ブラジル』サントラ以外に、当ブログではElis ReginaSonzeiraGal Costaヴァージョンも紹介済みです。

「Georgia On My Mind」
Ray Charlesヴァージョンでお馴染み、ジョージア州歌にもなったスタンダードをカヴァー(Hoagy Carmichael/Stuart Gorrell作)。Ray Charlesヴァージョンがデフォルトで刷り込まれているので、Mariaの脱力ヴォーカルに癒される本ヴァージョンは新鮮です。Amos Garrettのギター・ソロにもグッときます。

「Death Letter Blues」
ラストはミシシッピー・デルタ・ブルースの偉大なギタリスト/シンガーSon Houseのカヴァーでブルージーに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=_7tAGF6HYwY

ご興味がある方は、2nd『Sweet Potatoes』(1972年)やMaria Muldaur作品もチェックを!

『Sweet Potatoes』(1972年)
スウィート・ポテト

Maria Muldaur『Maria Muldaur』(1973年)
Maria Muldaur

Maria Muldaur『Open Your Eyes』(1979年)
Open Your Eyes
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2017年05月07日

Wayne Snow『Freedom TV』

ナイジェリア出身、ベルリン在住の男性R&Bシンガーのデビュー作☆Wayne Snow『Freedom TV』
Freedom TV
発表年:2017年
ez的ジャンル:ベルリン産新世代男性R&B
気分は... :自由と創造性・・・

今回は新作アルバムからベルリン産の新世代R&B作品Wayne Snow『Freedom TV』です。

Wayne Snow(本名:Kesiena Ukochovbara)はナイジェリア出身で現在ベルリン在住の黒人男性シンガー・ソングライター。

これまで「Red Runner」(2014年)、「Rosie」(2015年)という2枚の12"シングルをリリースしています。

本作『Freedom TV』は、彼のデビュー・アルバムとなります。

メイン・プロデューサーは「Red Runner」、「Rosie」をプロデュースしたベルリンを拠点とするDJ/プロデューサーMax Graef。それ以外にNeue GrafikNu Guineaもプロデューサーとして参加しています。

R&Bとハウス、Hip-Hopブロークンビーツ、アフロ、ビートミュージック等を独自の感性で融合させた音世界は、実に自由で刺激的です。また、儚く甘美な楽曲はオルタナティブR&Bとしても楽しめます。

1枚の中にダンス・ミュージックとオルタナティブR&Bがバランス良く配されているのがアルバムの魅力です。

新世代ミュージシャンらしい多彩なビート感覚は、今ジャズ的な視点からも楽しめるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Cooler」
儚く甘美な空気が漂うオープニング。ゆったりとした音世界の中にジワジワと引き込まれていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=skqMIHj9tk4

「Still In The Shell」
Wayneの繊細なヴォーカルや孤高の佇まいには、D'Angeloに通じる魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=1pTIYPzE0Ws

「Drunk」
新世代ミュージシャンらしいビート感覚を楽しめる1曲。セクシーな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=XdYidu1Dn8Q

「Red Runner」
Wayne Snow流のダンス・ミュージックを楽しめます。流行のディスコ/ブギーとベルリンらしいハウス・フィーリングを融合させているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=pYM6RfHWZf8

「The Rhythm」
僕の一番のお気に入り。タイトルの通り、リズムの洪水で聴く者を陶酔させます。中毒性のあるダークなダンス。ミュージックです。
https://www.youtube.com/watch?v=x_2M0Mi83mQ

「Rosie」
甘美なセクシーR&B。Wayneのヴォーカルやサウンドに色気が漂います。WayneとMax Graefのセンスを感じる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=mYLPgfuyB4k

「Fall」
オルタナティブR&B的な魅力を感じる1曲。美しくも儚く落ちていきます。後半のビートミュージック的な展開も面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ART28uWYCiI

「Nothing Wrong」
トライバルなリズムが印象的なソウルフル・ハウス調の仕上がり。本作のダンス・アルバムとしての魅力を実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7aMdg4kdT7A

「Freedom R.I.P.」
人権解放運動に尽力したジンバブエの女性詩人Freedom Nyamubaya(1958-2015年)の詩を引用した1曲。ダンサブル・サウンドにのって自由へのメッセージを歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=8g7U-vg2_zU

「Nothing But The Best」
本編ラストは変則ビートが印象的なオルタナティブR&Bで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=MX3U_OitFy8

国内盤CDには「Rosie (Hubert Daviz Remix)」「Red Runner (Glenn Astro & Imyrmind Remix)」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ご興味がある方は、本作に大きく貢献しているプロデューサーMax Graefの作品をチェックするのも楽しいのでは?ハウス好きにオススメです。

Max Graef & Glenn Astro『The Yard Work Simulator』 (2016年)
The Yard Work Simulator [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN227)
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2017年05月06日

Dee Dee Bridgewater『Afro Blue』

スピリチュアルな名曲「Afro Blue」収録☆Dee Dee Bridgewater『Afro Blue』
アフロ・ブルー 【紙ジャケット仕様】
発表年:1974年
ez的ジャンル:実力派女性ジャズ・シンガー
気分は... :スペシャルな1曲!

人気女性ジャズ・シンガーDee Dee Bridgewaterのデビュー・アルバム『Afro Blue』(1974年)です。

Dee Dee Bridgewaterは1950年テネシー州メンフィス出身の女性ジャズ・シンガー。

トランペット奏者Cecil Bridgewaterと結婚し、N.Y.に拠点を移してからジャズ・シンガーとしての活動を活発化させ、1974年に1stアルバム『Afro Blue』をリリースしています。

その後はシンガーと同時にミュージカル女優としても活躍しています。シンガーとしては『Dear Ella』(1997年)でグラミーのBest Jazz Vocal Performanceを受賞しています。

デビュー・アルバムとなる本作『Afro Blue』(1974年)は、Dee Dee BridgewaterがThad Jones-Mel Lewis Jazz Orchestraのメンバーの一人として来日したとき、東京AOI Studiosでレコーディングし、日本のレーベルTrioからリリースされました。

レコーディング・メンバーはDee Dee Bridgewater(vo)、Cecil Bridgewater(tp、kalimba)、Ron Bridgewater(ts、per)、Roland Hanna (p、el-p)、George Mraz(b)、日野 元彦(ds、per)。Thad Jones-Mel Lewis Jazz Orchestraの来日メンバーに加え、当時日本人期待の若手ドラマーであった日野 元彦氏が抜擢されています。

プロデュースはプロモーターでもあった石塚貴夫氏。

随所でDee Deeが最高の女性ジャズ・シンガーであることを実感できます。透明感のある歌声が心の奥まですっと入り込んできます。

ハイライトは何と言っても、スピリチュアルな名演で知られる人気曲「Afro Blue」ですね。このスペシャルな1曲のために本作をゲットしたと言っても過言ではありません。

それ以外にRoy Ayers Ubiquity『Virgo Red』(1973年)やNorman Connors『Love From The Sun』(1974年)でもDee Deeが歌っていた名曲「Love From The Sun」Bobby Hutchersonの人気曲カヴァー「Little B's Poem」、The Stylisticsのソウル名曲をジャジー・フィーリングで聴かせる「People Make The World Go Round」あたりが僕のオススメです。

日本産のジャズ名盤をご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Afro Blue」
Mongo Santamaria作の人気アフロ・キューバン・クラシックをカヴァー(作詞はOscar Brown Jr.)。本作をジャズ名盤たらしめるスピリチュアルな名演であり、Dee Dee Bridgewaterの代名詞と呼べる1曲です。Dee Deeのヴォーカルとバッキングが一体となって"Afro Blue"な音世界を奏でます。序盤の静と本編の動のコントラストもいいですね。日野 元彦氏もドラム・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zpArofkoVfA

当ブログではCal TjaderRobert Glasper Experiment feat. Erykah BaduTwo Banks Of Fourのカヴァーを紹介済みです。また、当ブログでも紹介したSlum Village feat. Pete Rock「Once Upon a Time」でサンプリングされています。
Robert Glasper Experiment feat. Erykah Badu「Afro Blue」
 https://www.youtube.com/watch?v=3-0JZlrk4xA
Two Banks Of Four「Afro Blue」
 https://www.youtube.com/watch?v=jLWYeetHVG4
Slum Village feat. Pete Rock「Once Upon a Time」
 https://www.youtube.com/watch?v=pcwyiXEM53U

「Love Vibrations」
Horace Silver作品をカヴァー。オリジナルは『That Healin' Feelin' (The United States Of Mind / Phase 1) 』(1970年)に収録されています。夫のCecilがかつてHorace Silverのグループにいたことが影響しているセレクトかもしれませんね。寛いだ雰囲気のバッキングを従えて、Dee Deeがしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=CBjVTV-ncmw

「Blues Medley (Everyday I Have The Blues/Stormy Monday Blues)」
トラディショナル・ブルースのメドレー。リラックスした雰囲気な中でブルージーな演奏を展開します。

「Little B's Poem」
Bobby Hutcherson作の人気曲をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Components』(1965年)に収録されています。当ヴァージョンは1970年のDoug Carnヴァージョン(アルバム『Infant Eyes』収録)を手本にしているものと思われます。Doug Carnヴァージョンほどブラック・ジャズ寄りではありませんが・・・Dee Deeのヴォーカリストとしての実力を存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=kUfine0GAdE

「Raindrops Keep Fallin' On My Head」
映画『明日に向って撃て!』の挿入歌としてお馴染みB.J.Thomasによる全米No.1ヒット「雨にぬれても」のカヴァー(Hal David/Burt Bacharach作)。お馴染みのポップ・ソングを、グッとテンポを落としたリリカルなバラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=k_ybp9SiKAw

「Love From The Sun」
Carl Clay/Richard Clay/Wayne Garfield作。当ブログでも紹介したRoy Ayers Ubiquity『Virgo Red』(1973年)やNorman Connors『Love From The Sun』(1974年)に収録されたヴァージョンでもDee Deeがリード・ヴォーカルをとっており、「Afro Blue」と並びDee Deeを印象付ける1曲かもしれませんね。僕の場合、グルーヴィーなRoy Ayersヴァージョンを聴くことが最も多いのですが、スピリチュアルで荘厳な本ヴァージョンも魅力的だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=J3tFiyNdNuU

当ブログではJose JamesをフィーチャーしたNicola Conteヴァージョンを紹介済みです。
Roy Ayers Ubiquity「Love From The Sun」
 https://www.youtube.com/watch?v=dMh4b9HzI9Q
Norman Connors「Love From The Sun」
 https://www.youtube.com/watch?v=FOHg5SyLqGc
Nicola Conte「Love From The Sun」
 https://www.youtube.com/watch?v=K5npQOv5AIg

「People Make The World Go Round」
The Stylistics、1971年のヒット曲をカヴァー(Linda Creed/Thom Bell作)。ソウル名曲を小粋なジャジー・アレンジで聴かせてくれます。Dee Deeの透明感のあるヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=a-0pgG76QVo

Dextrous「Sunny Smiles...(People)」のサンプリング・ソースとなっています。
Dextrous「Sunny Smiles...(People)」
 https://www.youtube.com/watch?v=aKOe0izOOuQ

Dee Dee Bridgewaterの他の初期作品もチェックを!

『Dee Dee Bridgewater』(1976年)
私の肖像

『Just Family』(1978年)
ジャスト・ファミリー<FUSION 1000>

『Bad For Me』(1979年)
涙より美しく<FUSION 1000>
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2017年05月05日

Oddlocgik『Modern Authenticity』

Gretchen Parlatoが全面参加したN.Y.ジャズ・ユニット作品☆Oddlocgik『Modern Authenticity』
モダン・オーセンティシティ
発表年:2007年
ez的ジャンル:N.Y.ジャズ・ファンク・ユニット
気分は... :Gretchenファンは要チェック!

都会的でメリハリのあるジャズ・サウンドが聴きたい気分・・・

セレクトしたのはN.Y.ジャズ作品Oddlocgik『Modern Authenticity』(2007年)です。

Oddlocgikは、Dion Tucker(tb)、Kevin Lewis(tp)、Gretchen Parlato(vo)、Bernie Pelsmajer(key、g)、Ameen Saleem(b)、Jason Brown(ds)というN.Y.で活躍する(当時の)若手ジャズ・ミュージシャンによるスペシャル・ユニット。

そんなOddlocgik名義の唯一のアルバムが本作『Modern Authenticity』(2007年)です。

上記ジャケは2009年リリースの国内盤ですが、2007年リリースの輸入盤はジャケが異なるのでご留意ください。

Oddlocgik『Modern Authenticity』 ※輸入盤
Modern Authenticity

"今ジャズ"を代表する女性ヴォーカリストGretchen Parlatoが全面参加している作品にも関わらず、あまり話題にならず埋もれてしまっている1枚ですね。

それ以外にも期待のホーン・チームDion TuckerKevin Lewis、人気ドラマーJason Brownなどが参加した強力布陣がN.Y.フレイヴァーのハイブリッド・ジャズで楽しませてくれます。

アルバム全体は都会的かつハツラツとしたジャズ・ファンクといった印象です。

Gretchen Parlatoのウィスパー・ヴォーカルと相性抜群!Bernie Pelsmajerのメロウ・エレピ、センス抜群のDion TuckerとKevin Lewisのホーン・アンサンブル、Ameen SaleemとJason Brownのリズム隊が生み出すダイナミックなグルーヴが融合し、お互いの個性を尊重しつつ、全体が見事に調和した都会的ジャズ・ファンクに魅了されます。

Gretchen Parlatoはメンバーの一人に徹していますが、彼女のソロに通じる曲もあり、Gretchenファンも十分楽しめるはずです。

全曲紹介しときやす。

「Dr. Kuntry Funk」
メロウ・エレピとGretchenのヴォーカルによるイントロに続き、洗練されたN.Y.ジャズ・ファンクが展開されます。一体感のあるアンサンブルがグッド!特にDion TuckerとKevin Lewisのホーン隊が格好良いですね。

「Feelings」
このユニットの自由でモダンなフィーリングが伝わってくるメリハリのある演奏です。各プレイヤーが余裕を持って存在感を示しているのがいいですね。

「If Blue Is Me」
Gretchen好きの人は気に入るであろうメロウなN.Y.ジャズを楽しめます。Kevin Lewisのトランペット・ソロも素敵です。

「Don't Shoot」
緩急つけた演奏をGretchenのスキャットが先導します。全体を統率するJason Brownのドラミングもいいですね。

「Let's Make When Right Now」
Ameen SaleemとJason Brownのリズム隊が生み出すグルーヴと、Gretchenのウィスパー・ヴォーカルがよくマッチした都会的な演奏が実に心地好いです。

「Dollar Van Bump」
Bernie Pelsmajerのファンキーなカッティング・ギターが印象的です。Dion TuckerとKevin Lewisのホーン隊もファンキーに弾けているのがいいですね。

「Grown Folks Music」
メロウ・バラード。Dion TuckerとKevin Lewisのホーン隊のリリカルなアンサンブルが素晴らしいです。

「Can You Feel Me」
Gretchenがしっとりと歌い上げる哀愁メロウ・バラード。途中レゲエ調の演奏でアクセントをつけています。Gretchen好きの人は楽しめるはず!

「Why Don't You Understand」
この演奏もGretchen好きにオススメ!Bernie Pelsmajerのメロウ・エレピをバックに、Gretchenの切ないヴォーカルが栄えるメロウ・チューン。Dion TuckerとKevin Lewisのホーン隊も気の利いた演奏でGretchenのヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=-Wk9bHrYCCI

「Outro」
ラストはハツラツとした都会的ジャズ・ファンクで締め括ってくれます。

Gretchen Parlatoの過去記事もチェックを!

Gretchen Parlato『Gretchen Parlato』(2005年)
グレッチェン・パーラト

Gretchen Parlato『In a Dream』(2009年)
In a Dream

Gretchen Parlato『The Lost And Found』(2011年)
Lost & Found

Gretchen Parlato『The Gretchen Parlato Supreme Collection』(2015年)
※日本独自企画コンピ
ザ・グレッチェン・パーラト シュプリーム・コレクション
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