2017年06月12日

Hilton Felton『A Man For All Reasons』

ブレイクビーツ・ジャズ・ファンク「Bee Bop Boogie」収録のレア・グルーヴ人気作☆Hilton Felton『A Man For All Reasons』
ア・マン・フォー・オール・リーズンズ
発表年:1980年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ローカル・ジャズ・ファンク
気分は... :キメキメのブレイク!

今回はレア・グルーヴ人気作Hilton Felton『A Man For All Reasons』(1980年)です。

Hilton Felton(1947-2007年)はヴァージニア州ノーフォーク出身の鍵盤奏者。

幼少期よりピアノを習い、1965年にワシントンD.C.へ移住後に教会でオルガンを弾くようになります。その後、70年代初めに
Chuck Brown率いるThe Soul Searchersのメンバーを経て、自身のレーベルHilton's Concept, Inc.を設立し、同レーベルから数多くの作品をリリースしています。

そんなHilton Feltonが1990年代前半に再評価されるきっかけとなった曲がLuv N' Haightのコンピ『What It Is!』(1993年)に収録されたブレイクビーツ・ジャズ・ファンク「Bee Bop Boogie」

そして、「Bee Bop Boogie」収録のオリジナル・アルバムである『A Man For All Reasons』(1980年)がHiltonの代表作として注目を浴びるようになります。

そんなレア・グルーヴ人気作が2012年に国内CD化され、入手しやすくなりました。

レコーディングにはThe BlackbyrdsJoe Hall(b)とOrville J. Saunders(g)、The 3 PiecesLincoln Ross(tb)、自らのレーベルから数多くの作品をリリースしているAndrew White(b)等も参加しています。

ハイライトは前述のレア・グルーヴ人気曲であるブレイクビーツ・ジャズ・ファンク「Bee Bop Boogie」ですが、メロウ・エレピによる爽快ジャズ・ダンサー「A Man For All Reasons」、グルーヴィーなオルガン・ジャズ・ファンク「Tell Her Love Has Felt The Need」もオススメです。

レア・グルーヴ好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「A Man For All Reasons」
タイトル曲はメロウなエレピ・ソロとコンガの軽快な響きが心地好いパーカッシヴな爽快ジャズ・ダンサー。エレピ好きの人にはオススメです。

「Blues For A Weary Man」
タイトルの通り、ブルージーなジャズ・チューン。ここでのHiltonはヴァイヴも披露してくれます。

「Tell Her Love Has Felt The Need」
グルーヴィーなハモンド・オルガンが栄えるジャズ・ファンク。オルガン奏者としてのHiltonのプレイを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=fouaQJLd630

「Bee Bop Boogie」
前述のレア・グルーヴ・クラシック。格好良いブレイクと共に始まるラテン・フレイヴァーのジャズ・ファンクです。タイトなドラム・ブレイクをはじめ、どこを切り取っても格好良いクラシックの風格漂う名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=Q5Pfmn1AiY8

「Loves' Losers」
ヴォーカル入りのメロウ・バラード。トランペットがメロウ・ムードを盛り上げてくれますが、少し退屈かも?

「The Light Of Mankind」
ラストはシンセ・サウンドによるメロウ・グルーヴで締め括ってくれます。少しイージー・リスニングっぽいですが・・・

ご興味がある方は70年代初期の作品の再発CD『Family And Friends』(2012年)もチェックを!再評価の高いジャズ・ファンク「Spreading Fever」が収録されています。

『Family And Friends』.(2012年)
ファミリー・アンド・フレンズ
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2017年06月11日

Christian Scott aTunde Adjuah『Ruler Rebel』

現在ジャズを牽引するトランぺッターの意欲作☆Christian Scott aTunde Adjuah『Ruler Rebel』
Ruler Rebel [日本語解説つき]
発表年:2017年
ez的ジャンル:今ジャズ系トランぺッター
気分は... :ジャズ生誕100年!

今回は新作ジャズから現在ジャズを牽引するトランぺッターChristian Scott aTunde Adjuah『Ruler Rebel』です。

1983年ニューオリンズ生まれ。サックス奏者のDonald Harrisonを叔父に持つChristian Scott(Christian Scott aTunde Adjuah)の紹介は、『Stretch Music』(2015年)に続き2回目となります。

『Stretch Music』(2015年)は、当ブログ恒例の『ezが選ぶ2015年の10枚』にも選んだお気に入り1枚であり、"今ジャズ"の魅力を余すことなく伝えてくれる1枚でした。

最新作『Ruler Rebel』は、ジャズ生誕100年を記念してリリースされる三部作"The Centennial Trilogy"の第1弾と位置付けられるアルバムです。

全8曲で36分という尺は、アルバムとしては少々物足りない気もしますが、中身は現在ジャズの牽引者らしい1枚に仕上がっています。

レコーディング・メンバーはChristian Scott aTunde Adjuah(tp、flh、sirenette、SPD-SX、sampler)、Elena Pinderhughes(fl)、Lawrence Fields(p、el-p)、Luques Curtis(b)、Kris Funn(b)、Joshua Crumbly(b)、Cliff Hines(g)、Corey Fonville(ds、SPD-SX)、Joe Dyson Jr.(pan african ds、SPD-SX)、Weedie Braimah(djembe, bata, congas)、Chief Shaka Shaka(dununba、sangban、kenikeni)。さらにゲスト・ヴォーカルとしてSarah Elizabeth Charlesが参加しています。

プロデュースはChristian Scott aTunde AdjuahChris Dunn

前作『Stretch Music』の路線をさらに推し進め、生音とサンプリングパッド、プログラミングを有機的に融合させたビートづくりにさらに磨きがかかっています。これにはChristian自身に加え、Butcher Brown等でも活動するCorey FonvilleJoe Dyson Jr.というドラマー陣が大きく貢献しています。

勿論、主役のChristianのトランペット/フリューゲルホーンや前作に続きフィーチャリングされているElena Pinderhughesのフルートも素晴らしいですが、刺激的なリズム/ビートについつい耳が行ってしまいます。

その意味では「Encryption」「The Coronation of X. aTunde Adjuah」「The Reckoning」という後半3曲が特に刺激的です。

ジャズ・リスナー以外に聴いて欲しい"今ジャズ"作品です。

全曲紹介しときやす。

「Ruler Rebel」
Christian Scott作。美しくも悲しげな音世界に壮大なスケールを感じるオープニング。厳しい社会情勢を描いたドキュメンタリーのテーマ音楽とか似合いそうですね。Christianの演奏は悲しみ、怒り、慈しみ等さまざまな感情が入り混じっているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=5TUHc4WkEGg

「New Orleanian Love Song」
Christian Scott作。故郷であり、ジャズ発祥の地であるニューオリンズをタイトルに冠しています。アフリカン・ドラムも交えた呪術的なビートにのって、Christianのトランペットが雄弁に語ります。Lawrence Fieldsの美しいピアノの旋律も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KbnBbZ6J0co

「New Orleanian Love Song II」
Christian Scott作。「New Orleanian Love Song」のパート2(というよりリミックス)。本作ならではの生音と電子音が融合したビートが刺激的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Ocpr_ivGghc

「Phases」
Christian Scott/Sarah Elizabeth Charles作。Sarah Elizabeth Charlesのヴォーカルをフィーチャー。幻想的な音世界の中でChristianのソロの音色にSarahのヴォーカルが溶け込んでいく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=86jv5s9Hp6w

ご興味がある方はChristian ScottがプロデュースしたSarah Elizabeth Charlesのアルバム『Inner Dialogue』もチェックしてみて下さい。
『Inner Dialogue』(2015年)
Inner Dialogue

「Rise Again」
Christian Scott/Allan Cole作。前作『Stretch Music』に収録されていた「Sunrise In Bejing」のパート2といった感じです。「Sunrise In Bejing」を気に入っていた僕としてはグッと心惹かれました。ここでも生音とプログラミングを融合させたビートが効果的に使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=Owngsa_mwo0

「Sunrise In Bejing」(From 『Stretch Music』
 https://www.youtube.com/watch?v=L1JnHCqqu64

「Encryption」
Christian Scott作。Elena Pinderhughesのフルートをフィーチャー。前作でもフィーチャーされたElenaの演奏を再び楽しめます。ハンドクラップ調を交えた今ジャズらしいビートをバックに、ChristianのフリューゲルホーンとElenaのフルートが舞います。
https://www.youtube.com/watch?v=vF31YfbSJxk

「The Coronation of X. aTunde Adjuah」
Christian Scott作。この曲でもElena Pinderhughesのフルートをフィーチャー。ビートメイカー的なビートにElenaやChristianのソロが絡む様は、Hip-Hop経由の現在ジャズを強く意識させられるJazz The New Chapter的な仕上がりです。個人的にも一番好きな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=5QY138isnzI

「The Reckoning」
Christian Scott作。ラストも本作らしい有機的かつ刺激的なビートがChristianの演奏をナビゲートします。ドラムパッドによるスクラッチ調の音が印象的です。「The Coronation of X. aTunde Adjuah」と並ぶお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=orZ6com0jCI

Christian Scottの他作品もチェックを!

『Rewind That』(2006年)
Rewind That

『Anthem』(2007年)
Anthem

『Live At Newport』(2008年)
Live at the Newport Jazz Festival (W/Dvd) (Dig)

『Yesterday You Said Tomorrow』(2010年)
Yesterday You Said Tomorrow

Stefon Harris/David Sánchez/Christian Scott『Ninety Miles』(2011年)
ナインティ・マイルズ

『Christian Atunde Adjuah』(2012年)
Christian Atunde Adjuah

Next Collective『Cover Art』(2013年)
Cover Art

『Stretch Music』(2015年)
Stretch Music [日本語解説付き]
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2017年06月10日

Kate & Anna McGarrigle『Kate & Anna McGarrigle』

「Heart Like a Wheel」のセルフ・カヴァー収録☆Kate & Anna McGarrigle『Kate & Anna McGarrigle』
ケイト&アンナ・マッガリグル・ファースト
発表年:1976年
ez的ジャンル:姉妹系カナディアン・フォーキー
気分は... :ケルトなフィーリング・・・

今回はカナダの姉妹デュオKate & Anna McGarrigleの1stアルバム『Kate & Anna McGarrigle』(1976年)です。

Kate & Anna McGarrigleはカナダ、モントリオール出身のKate McGarrigle(1946年生まれ)、Anna McGarrigle(1944年生まれ)によるフレンチ・カナディアン姉妹デュオ。

70年代からシンガー・ソングライターとして活動し始め、Maria MuldaurLinda RonstadtEmmylou HarrisBilly BraggJudy Collins等数多くのアーティストが彼女達の楽曲を取り上げています。

また、本作『Kate & Anna McGarrigle』(1976年)を皮切りに、姉妹名義で10枚以上のアルバムをリリースしています。

2010年に妹Kateの逝去により、姉妹による活動にピリオドが打たれます。

なお、KateとUSフォーク・シンガーLoudon Wainwright IIIの間に生まれたのが男性シンガー・ソングライターRufus Wainwrightです。

姉妹のデビュー・アルバムとなる本作『Kate & Anna McGarrigle』(1976年)は、ノスタルジック・フィーリングのグッドタイム・ミュージックが詰まったフォーク作品です。彼女達のルーツであるケルト音楽のエッセンスも随所で聴くことができます。

こういうトラッド色の強い作品って本来苦手なのですが、本作に限ってはすんなり聴けてしまいます。多分、姉妹のヴォーカル&ハーモニーの素晴らしさと、巧みなバッキングが生み出す個性的な音世界に魅了されるのだと思います。

プロデュースはJoe BoydGreg Prestopino

レコーディングにはAnna McGarrigle(vo、key、banjo、button accordion)、Kate McGarrigle(vo、p、g)以下、Tony Levin(b)、Red Callender(b)、Steve Gadd(ds)、Russ Kunkel(ds)、Jay Ungar(fiddle)、Floyd Gilbeau(fiddle)、Lowell George(g)、David Spinozza(g)、Greg Prestopino(g)、Hugh McCracken(g)、Tony Rice(g)、Amos Garrett(g)、Andrew Gold(g)、Chaim Tannenbaum(g)、David Grisman(mandolin)、Peter Weldon(banjo、back vo)、Joel Tepp(harmonica、clarinet)、Bobby Keys(ts)、Plas Johnson(as、clarinet)、Janie McGarrigle-Dow(org)、Nick DeCaro(accordion)、Dane Lanken(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

Linda Ronstadtヴァージョンでお馴染みの「Heart Like a Wheel」のセルフ・カヴァーをはじめ、豪華なバック陣を従えた「Kiss and Say Goodbye」、ノスタルジック・フォーキー「My Town」、クラリネットがいい味を出している「Blues in D」、後にLinda Ronstadtも取り上げた「(Talk to Me of) Mendocino」、シンプル・イズ・ベストな「Go Leave」Lowell Georgeのギターが彩るトロピカルな「Travellin' on for Jesus」あたりが僕のオススメです。

単なる姉妹フォーク作品には収まらない独特の感性に満ちた1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Kiss and Say Goodbye」
Kate McGarrigle作。Lowell George、David Spinozza、Greg Prestopino、Hugh McCrackenという豪華なギター陣を従えたオープニング。それらギター陣とSteve Gaddのドラム、Tony Levinのベース、Kateのピアノが織り成す小粋なサウンドと姉妹の素晴らしいハーモニーが。Bobby Keysのサックスも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=J3m9qY35xG0

「My Town」
Anna McGarrigle作。マンドリンやハーモニカの音色が印象的なノスタルジック・フォーキー。しみじみとしたヴォーカルに和みます。
https://www.youtube.com/watch?v=EMiVsQ2KtLM

「Blues in D」
Kate McGarrigle作。オールド・ジャズなクラリネットの音色とブルース・フィリーングが融合した味わい深い仕上がり。

「Heart Like a Wheel」
Anna McGarrigle作。Linda Ronstadtのカヴァー(アルバム『Heart Like a Wheel』収録)でお馴染みの名曲のセルフ・カヴァー。初レコーディングは1972年のMcKendree Springヴァージョン(アルバム『3』収録)です。ギター、バンジョー、オルガンのみのシンプルなバックによる演奏は、 お馴染みのLinda Ronstadtヴァージョンからプリミティブなエッセンスを抽出したような感じです。素晴らしいハーモニーが神聖な雰囲気を醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=N8cQFdFezXc

Linda Ronstadtヴァージョンもチェックを!
Linda Ronstadt「Heart Like a Wheel」
 https://www.youtube.com/watch?v=1OABmOJdMoU

「Foolish You」
カナダ人フォーク・シンガーWade Hemsworthの作品をカヴァー。アコーディオン、バンジョー、フィドルが織り成すケルト調の仕上がり。

「(Talk to Me of) Mendocino」
Kate McGarrigle作。この曲もLinda Ronstadtがカヴァー(アルバム『Get Closer』収録)しています。ピアノとオーケストレーションをバックに、しみじみと歌い上げるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=V7KsDv1K8-k

「Complainte pour Ste-Catherine」
Anna McGarrigle/Philippe Tatartcheff作。1989年にUKポップ・シンガーKirsty MacCollがカヴァーしています。フランス語で歌われる独特の雰囲気のフォーキー・ポップに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=aXL7hUHaJaY

「Tell My Sister」
Kate McGarrigle作。クラリネットのノスタルジックな音色が印象的なスタンス調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=LXj2sjIdo2o

「Swimming Song」
当時Kateの旦那であったLoudon Wainwright III(2人は1977年に離婚)の作品をカヴァー。オリジナルはアルバム『Attempted Mustache』(1973年)に収録されています。アコーディオン、バンジョー、フィドルによるケルト調の仕上がり。僕が少し苦手なタイプです。
https://www.youtube.com/watch?v=r4ZrBxJHxo0

「Jigsaw Puzzle of Life」
Anna McGarrigle作。この姉妹らしいトラッド・フィーリングとハーモニーを楽しめる1曲。

「Go Leave」
Kate McGarrigle作。Kateによるギター弾き語り。シンプルなのに心惹かれるのは楽曲とヴォーカルの素晴らしさでしょうね。2001年にスウェーデン人女性オペラ歌手Anne Sofie Von OtterがElvis Costelloとのデュエットでカヴァーしています(アルバム『For The Stars』収録)。
https://www.youtube.com/watch?v=63dIZ4ylfac

「Travellin' on for Jesus」
ラストはバハマの宗教歌のカヴァー。ほのぼのとしたノスタルジックなトロピカル感が印象的です。Lowell Georgeのギターが活躍します。

Kate & Anna McGarrigleの他作品もチェックを!

『Dancer with Bruised Knees』(1977年)
ダンサー・ウィズ・ブルーズド・ニーズ

『Pronto Monto』(1978年)
PRONTO MONTO

『Entre la jeunesse et la sagesse』(1980年)
French Record

『Love Over & Over』(1982年)
Love Over & Over

『Heartbeats Accelerating』(1990年)
Heartbeats Accelerating

『Matapedia』(1996年)
Matapedia

『The McGarrigle Hour』(1998年)
マクギャリグル・アワー
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2017年06月09日

Marcos Suzano『Sambatown』

パンデイロが生み出す驚愕グルーヴ☆Marcos Suzano『Sambatown』
サンバタウン
発表年:1996年
ez的ジャンル:オルタナ系ブラジル音楽
気分は... :マツコの知らないパンデイロの世界

今回はブラジルのパンデイロ/パーカッション奏者Marcos Suzano『Sambatown』(1996年)です。

1963年リオ・デ・ジャネイロ生まれのパンデイロ/パーカッション奏者Marcos Suzanoの紹介は、Lenineとの共演作Lenine & Suzano『Olho De Peixe(邦題:魚眼)』(1993年)に続き2回目となります。

Lenine & Suzano名義の『Olho De Peixe(邦題:魚眼)』(1993年)で一躍注目の存在となったSuzanoが、初のソロ名義アルバムとしてリリースしたのが本作『Sambatown』(1996年)です。

『Olho De Peixe』でパンデイロという楽器の魅力と可能性を示してくれましたが、それを更に推し進め、パンデイロをメインに据えたアルバムが本作『Sambatown』です。アルバムは各方面で絶賛され、パンデイロ奏者Marcos Suzanoの地位を揺るぎないものにしました。

レコーディングには恩師Paulo Moura(clarinet)やLenine(vo)をはじめ、Alex Meirelles(key)、Carlos Malta(sax、ocarina)、Eduardo Neves(fl、sax)等のミュージシャンが参加しています。

アフロ・サンバのグルーヴが好きな僕としては、パンデイロのみでこんなグルーヴが生まれるなんて驚愕です。

Suzanoが生み出した新感覚パンデイロ・サウンドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Pandemonium - Parte 1」
Marcos Suzano作。アルバムはSuzanoのパンデイロ・ソロでスタートします。

「Pandemonium - Parte 2」
Carlos Malta/Alex Meirelles/Eduardo Neves/Marcos Suzano作。Parte 2ではサックス、キーボードも加わり、フリーキーなジャズ・フィーリングのサウンドで楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=B7GuFEnAaGY

「Desentope Batucada」
Marcos Suzano作。ここではSuzanoがヴォーカルも披露してくれます。Lenineにも通じるオルタナなブラジル・サウンドがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=s1J3rzgqVrI

「Aira」
Carlos Negreiros作。ジャズ・フィーリングの仕上がり。"今ジャズ"好きの人が聴くと案外グッとくるのでは?

「Nosso Bumba」
Alex Meirelles/Marcos Suzano作。恩師Paulo Mouraのクラリネットが先導します。Suzanoのパンデイロが生み出すグルーヴに惹き込まれます。

「Assalto」
Alex Meirelles/Paulo Moura/Paulo Muylaert作。ジャズ・フィーリングのミステリアスな演奏です。

「Quem」
Itamar de Assumpcao/Alice Ruiz作。Suzanoのヴォーカル入りのゆったりとした哀愁グルーヴ。少しレゲエっぽいフィーリングもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=K877ikEDFhw

「Jungle Samba」
Marcos Suzano作。タイトルの通り、ジャングルを連想させるSuzanoのパンデイロ・ソロ。

「O Curupira Pirou」
Lenine/Marcos Suzano作。 『Olho De Peixe』再び!といった感じのLenineとの共演曲。キャッチー&グルーヴィーという点ではアルバム随一です。

「Sereia do Leblon」
Alex Meirelles作。スムース・ジャズ+αといった感じのメロウな演奏です。

「Dialogos Para A Paz Mundial」
Alex Meirelles/Paulo Moura作。アフロ・サンバ調のパンデイロ・グルーヴにのってEduardo Nevesのフルート&サックスが舞います。
https://www.youtube.com/watch?v=56rLzWF302I

Marcos Suzanoの他作品もチェックを!

Lenine & Suzano『Olho De Peixe』(1993年)
魚眼

『Flash』(2000年)
FLASH

Victor Ramil & Marcos Suzano『Satolep Sambatown』(2008年)
Satolep Sambatown

『Atarashii』(2009年)
Atarashii
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2017年06月07日

Reel People『Second Guess』

西ロンドンの人気ユニットのデビュー作☆Reel People『Second Guess』
Second Guess
発表年:2003年
ez的ジャンル:西ロンドン系クラブ・ミュージック
気分は... :オリジナル盤 or Defected盤?

西ロンドンのクラブ・ミュージックを牽引してきたユニットの1つ、Reel Peopleのデビュー・アルバム『Second Guess』(2003年)です。

Oli LazarusMike Pattoが結成した西ロンドンのユニットReel Peopleの紹介は『Seven Ways To Wonder』(2007年)、『Reel People Presents Golden Lady』(2011年)に続き3回目となっています。

ずっと前から紹介したかったアルバムですが、紹介しづらい理由がありました。

その理由は2003年にPapa Recordsからリリースされたオリジナル盤を紹介するか、Sharlene Hectorをフィーチャーした人気曲「The Rain」等を加えて再構築されたDefectedからの新装盤(2005年)を紹介するか迷ったためです。

それ以外にも2004年にオリジナル12曲+リミックス8曲の2枚組としてリリースされた国内再発CDもあり、少しややこしいのでご注意を!

『Second Guess』 ※Defected盤CD
Second Guess

『Second Guess』 ※国内再発CD
セカンド・ゲス

僕の場合、オリジナル盤とDefected盤の両方を所有していますが、やはりオリジナル重視ということでPapa Records盤を取り上げることにしました。

アルバムにはAngela JohnsonDyanna FearonJagDynasVanessa FreemanPeter NelsonKrimといったヴォーカリストがフィーチャーされています。

また、音作りにはPhil AsherBugz In The AtticSeijiAfronaughtNathan Hainesといった西ロンドンの気鋭アーティストやDJ Spinnaも関与しています。

僕のお気に入りは「The Light」「Second Guess」「Butterflies」の3曲。実はすべてPhil Asherがプログラミングを手掛けています。結局、僕はPhil Asher/restless soul的な音が好きなのかもしれませんね。

それ以外であれば、Angela Johnsonをフィーチャーした「Can't Stop」、DJ Spinnaがプログラミングに参加した「Back 2 Base」あたりがオススメです。DJ Spinnaが関与した曲は西ロンドン好きの人が聴くと、賛否両論あるかもしれません。

「The Rain」の評判が先行して、Defected盤を推す声が強いかもしれませんが、Papa Records盤にはDefected盤では聴けない「The Light」のオリジナルが聴ける魅力があります。

反対にDefected盤には「The Rain」に加えて、大好きなAngela Johnsonをフィーチャーした「In The Sun」「You Used To Hold Me So Tight」の2曲が追加されていることに後ろ髪を引かれます。

結局、自分と同様に両方ゲットせよ!というのは僕の結論なのですが・・・

全曲紹介しときやす。

「Can't Stop」
Angela Johnsonをフィーチャー。Angela Johnsonのチャーミングなヴォーカルが栄えるクロスオーヴァー・ソウル。爽快なダンサブル感がいいですね。Seijiがプログラミングで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=b2jqRresR1g

「Second Guess」
Jagをフィーチャー。Phil Asherがプログラミングに参加したクラブジャズ・フィーリングのダンサブル・チューン。Nathan Hainesがサックス・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=s92Bo1d_-V0

「Back 2 Base」
Dyanna Fearonをフィーチャー。DJ Spinnaがプログラミングに参加したソウル・フィーリングの仕上がり。軽やかなのにファンキーなのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UfU6PtB9Vpc

「Positive Over Negative」
Dynasをフィーチャー。この曲もDJ Spinnaが関与しています。この曲は完全にHip-Hopしています。正直、コレはReel Peopleらしくはないですね。

「The Light」
Vanessa Freemanをフィーチャー。Vanessa Freemanの魅力とシンクロするブロークンビーツ×ソウル×ジャズなReel Peopleらしいダンス・チューン。アルバムで一番のお気に入りです。Phil Asherがプログラミングを手掛けています。僕がDefected盤ではなく、オリジナルを推す理由の1つはこの曲がDefected盤ではオミットされているからです。
https://www.youtube.com/watch?v=hbyLNnceF7I

「Runaway」
Dyanna Fearonをフィーチャー。エレクトロニクス色を強調したエレクトリック・ソウル。ロッキンなスパイスも効いています。

「Second Guess - The Journey」
インタールード的なインスト。

「Washing Away」
Dyanna Fearonをフィーチャー。Afronaughtがプログラミングを手掛けたクラブジャズ風の近未来ワルツといった趣の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=SPK7pAwydfI

「Steppin'」
Dyanna Fearon & Krimをフィーチャー。DJ Spinnaが関与したHip-Hopと西ロンドンの融合といった雰囲気の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=Kzk9i83tBoM

「Feel Free」
Peter Nelsonをフィーチャー。ダビーなレゲエ調の仕上がり。本作ならではの曲調かもしれませんね。

「Butterflies」
Dyanna Fearonをフィーチャー。まさに蝶のようにDyannaが舞う爽快ダンス・チューン。Phil Asherがプログラミングを手掛け、Nathan Hainesがフルートで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=5phLwG4tVUs

「Second Guess - The Destination」
Jagをフィーチャー。ラストは「Second Guess」のPart.2といった感じで締め括ってくれます。

ご興味がある方はDefected盤もチェックを!

『Second Guess』 ※Defected盤CD
前述のDefected盤。「The Rain」が欲しい方にはオススメ!但し、オリジナル12曲から4曲がカットされているのでご注意を!
Second Guess
Reel People feat. Sharlene Hector「The Rain」
※アルバム収録verよりも約1分長いOriginal Mix
 https://www.youtube.com/watch?v=Km3mARxPw-w
Reel People feat. Angela Johnson「You Used To Hold Me So Tight」
 https://www.youtube.com/watch?v=3Y0RIaSVbkU

Reel Peopleの過去記事もご参照下さい。

『Seven Ways To Wonder』(2007年)
Seven Ways To Wonder

『Reel People Presents Golden Lady』(2011年)
GOLDEN LADY
posted by ez at 04:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする