
録音年:1967年
ez的ジャンル:闘うフリー・ジャズ
気分は... :花柄のドクロ・・・
今回は“闘う”テナー・サックス奏者Archie Sheppの『The Magic Of Ju-Ju』(1967年)です。
1937年フロリダ州生まれのテナー・サックス奏者Archie Sheppは再評価の高い人気作『Attica Blues』(1972年)に続き、2回目となります。
アフリカの呪術をイメージさせるタイトルや花柄のドクロが写るジャケからも想像できるように、アフリカ回帰のタイトル曲が印象的なアルバムです。
レコーディング・メンバーはArchie Shepp(ts)以下、Martin Banks(tp、flh)、Mike Zwerin(tb)、Reggie Workman(b)、Norman Connors(ds)、Beaver Harris(ds)、Frank Charles(talking drum)、Dennis Charles(per)、Ed Blackwell(per)。
John Coltraneから大きな影響を受けていたArchie Sheppですが、本作のレコーディングの3カ月後に師と仰ぐColtraneが逝去してしまいます。
本作におけるSheppのプレイはColtrane魂を継承すると同時に、人種差別との闘いを音に託す自身のアグレッシブな音楽スタイルを提示しています。
アフリカの呪術がSheppにパワーを与えたかのようなエキサイティングなプレイの連続です。フリー・ジャズ系はあまり得意ではありませんが、プリミティブなジャズの衝動が伝わってくる本作に惹かれてしまいます。
全曲Sheppのオリジナルです。
ジャケも含めてインパクト大の1枚です。
全曲紹介しときやす。
「The Magic of Ju-Ju」
パーカッションによるアフリカン・リズムをバックに、テナー・サックスがひたすらブロウする様は、人種差別と闘い、解放を訴えるSheppの姿勢そのものですね。John Coltraneからジャズ魂をバトンタッチされたようなSheppのプレイにプリミティブな凄みを感じます。正にジャケのイメージそのものの黒魔術的トランスにヤラれてしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=4MjoR4Rq9s0
「You're What This Day Is All About」
超大作タイトル曲の次は2分にも満たない演奏です。短いですが、なかなか見事なアンサンブルです。
https://www.youtube.com/watch?v=sUq3Wwu_kcg
「Shazam!」
最初と最後のみ帳尻を合わせ、間はえいやっ!ノリ一発!みたいな感じがエキサイティングです。周囲がSheppを煽り、それに呼応してSheppがあらにギアを一段上げる感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SEOUT-jDbYA
「Sorry 'Bout That」
Reggie Workmanのベースが牽引するハイ・テンションの演奏を楽しめます。倒れても起き上がりファイティング・ポーズをとるかのような、“闘う”テナー・サックス奏者らしいSheppのプレイを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=zpj5UyLHhSg
Impulse!時代のArchie Sheppの他作品もチェックを!
『Four for Trane』(1964年)

『Fire Music』(1965年)

『On This Night』(1965年)

John Coltrane & Archie Shepp『New Thing at Newport』(1965年)

『Mama Too Tight』(1966年)

『Archie Shepp Live in San Francisco』(1966年)

『The Way Ahead』(1968年)

『For Losers/Kwanza』(1968/1969年)

『Things Have Got To Change/The Cry of My People』(1971/1972年)

『Attica Blues』(1972年)
