2017年06月11日

Christian Scott aTunde Adjuah『Ruler Rebel』

現在ジャズを牽引するトランぺッターの意欲作☆Christian Scott aTunde Adjuah『Ruler Rebel』
Ruler Rebel [日本語解説つき]
発表年:2017年
ez的ジャンル:今ジャズ系トランぺッター
気分は... :ジャズ生誕100年!

今回は新作ジャズから現在ジャズを牽引するトランぺッターChristian Scott aTunde Adjuah『Ruler Rebel』です。

1983年ニューオリンズ生まれ。サックス奏者のDonald Harrisonを叔父に持つChristian Scott(Christian Scott aTunde Adjuah)の紹介は、『Stretch Music』(2015年)に続き2回目となります。

『Stretch Music』(2015年)は、当ブログ恒例の『ezが選ぶ2015年の10枚』にも選んだお気に入り1枚であり、"今ジャズ"の魅力を余すことなく伝えてくれる1枚でした。

最新作『Ruler Rebel』は、ジャズ生誕100年を記念してリリースされる三部作"The Centennial Trilogy"の第1弾と位置付けられるアルバムです。

全8曲で36分という尺は、アルバムとしては少々物足りない気もしますが、中身は現在ジャズの牽引者らしい1枚に仕上がっています。

レコーディング・メンバーはChristian Scott aTunde Adjuah(tp、flh、sirenette、SPD-SX、sampler)、Elena Pinderhughes(fl)、Lawrence Fields(p、el-p)、Luques Curtis(b)、Kris Funn(b)、Joshua Crumbly(b)、Cliff Hines(g)、Corey Fonville(ds、SPD-SX)、Joe Dyson Jr.(pan african ds、SPD-SX)、Weedie Braimah(djembe, bata, congas)、Chief Shaka Shaka(dununba、sangban、kenikeni)。さらにゲスト・ヴォーカルとしてSarah Elizabeth Charlesが参加しています。

プロデュースはChristian Scott aTunde AdjuahChris Dunn

前作『Stretch Music』の路線をさらに推し進め、生音とサンプリングパッド、プログラミングを有機的に融合させたビートづくりにさらに磨きがかかっています。これにはChristian自身に加え、Butcher Brown等でも活動するCorey FonvilleJoe Dyson Jr.というドラマー陣が大きく貢献しています。

勿論、主役のChristianのトランペット/フリューゲルホーンや前作に続きフィーチャリングされているElena Pinderhughesのフルートも素晴らしいですが、刺激的なリズム/ビートについつい耳が行ってしまいます。

その意味では「Encryption」「The Coronation of X. aTunde Adjuah」「The Reckoning」という後半3曲が特に刺激的です。

ジャズ・リスナー以外に聴いて欲しい"今ジャズ"作品です。

全曲紹介しときやす。

「Ruler Rebel」
Christian Scott作。美しくも悲しげな音世界に壮大なスケールを感じるオープニング。厳しい社会情勢を描いたドキュメンタリーのテーマ音楽とか似合いそうですね。Christianの演奏は悲しみ、怒り、慈しみ等さまざまな感情が入り混じっているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=5TUHc4WkEGg

「New Orleanian Love Song」
Christian Scott作。故郷であり、ジャズ発祥の地であるニューオリンズをタイトルに冠しています。アフリカン・ドラムも交えた呪術的なビートにのって、Christianのトランペットが雄弁に語ります。Lawrence Fieldsの美しいピアノの旋律も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=KbnBbZ6J0co

「New Orleanian Love Song II」
Christian Scott作。「New Orleanian Love Song」のパート2(というよりリミックス)。本作ならではの生音と電子音が融合したビートが刺激的です。
https://www.youtube.com/watch?v=Ocpr_ivGghc

「Phases」
Christian Scott/Sarah Elizabeth Charles作。Sarah Elizabeth Charlesのヴォーカルをフィーチャー。幻想的な音世界の中でChristianのソロの音色にSarahのヴォーカルが溶け込んでいく感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=86jv5s9Hp6w

ご興味がある方はChristian ScottがプロデュースしたSarah Elizabeth Charlesのアルバム『Inner Dialogue』もチェックしてみて下さい。
『Inner Dialogue』(2015年)
Inner Dialogue

「Rise Again」
Christian Scott/Allan Cole作。前作『Stretch Music』に収録されていた「Sunrise In Bejing」のパート2といった感じです。「Sunrise In Bejing」を気に入っていた僕としてはグッと心惹かれました。ここでも生音とプログラミングを融合させたビートが効果的に使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=Owngsa_mwo0

「Sunrise In Bejing」(From 『Stretch Music』
 https://www.youtube.com/watch?v=L1JnHCqqu64

「Encryption」
Christian Scott作。Elena Pinderhughesのフルートをフィーチャー。前作でもフィーチャーされたElenaの演奏を再び楽しめます。ハンドクラップ調を交えた今ジャズらしいビートをバックに、ChristianのフリューゲルホーンとElenaのフルートが舞います。
https://www.youtube.com/watch?v=vF31YfbSJxk

「The Coronation of X. aTunde Adjuah」
Christian Scott作。この曲でもElena Pinderhughesのフルートをフィーチャー。ビートメイカー的なビートにElenaやChristianのソロが絡む様は、Hip-Hop経由の現在ジャズを強く意識させられるJazz The New Chapter的な仕上がりです。個人的にも一番好きな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=5QY138isnzI

「The Reckoning」
Christian Scott作。ラストも本作らしい有機的かつ刺激的なビートがChristianの演奏をナビゲートします。ドラムパッドによるスクラッチ調の音が印象的です。「The Coronation of X. aTunde Adjuah」と並ぶお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=orZ6com0jCI

Christian Scottの他作品もチェックを!

『Rewind That』(2006年)
Rewind That

『Anthem』(2007年)
Anthem

『Live At Newport』(2008年)
Live at the Newport Jazz Festival (W/Dvd) (Dig)

『Yesterday You Said Tomorrow』(2010年)
Yesterday You Said Tomorrow

Stefon Harris/David Sánchez/Christian Scott『Ninety Miles』(2011年)
ナインティ・マイルズ

『Christian Atunde Adjuah』(2012年)
Christian Atunde Adjuah

Next Collective『Cover Art』(2013年)
Cover Art

『Stretch Music』(2015年)
Stretch Music [日本語解説付き]
posted by ez at 02:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする