2017年07月20日

Sounds Good『Midnight Music』

アングラ・ジャジーHop-Hopの逸品☆Sounds Good『Midnight Music』
MIDNIGHT MUS
発表年:2006年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHop-Hop
気分は... :ピンときちゃった!

今回は2000年代アングラHop-Hop作品からSounds Good『Midnight Music』(2006年)です。

Sounds Good『Midnight Music』Joe GoodMiles Bonnyがカンザスシティで結成したHip-Hopユニット。

『Sounds Good』(2002年)、『Biscuits & Gravy』(2005年)という2枚のオリジナル・アルバムをリリースしています。

本作を紹介するきっかけとなったのが、今年紹介した新作アルバムの1枚、Tall Black Guy『Let's Take A Trip』です。同作にMiles Bonnyがフィーチャーされており、久々に彼らの存在を思い出しました。

ちなみにMiles Bonnyは、当ブログで紹介したアーティストでいえば、Freddie JoachimRaashan AhmadShawn Leeの作品でもフィーチャリングされています。

本作『Midnight Music』(2006年)は、日本の良質なHip-HopレーベルであったSubcontact監修の日本限定アルバムです。

Subcontactといえば、当ブログでもChoice37『Diligence』(2007年)、Freddie Joachim『In With Time』(2008年)といったアルバムを紹介しています。どちらも大好きなジャジー&メロウHip-Hop作品でした。

『Midnight Music』の実態は、前年リリースされた『Biscuits & Gravy』とほぼ同じ構成ですが、一部曲を差し替え、曲順も変わり、ジャケを新装した日本独自アルバムです。

当時頻繁に聴いていたジャジーHip-Hopアルバムです。当ブログでも紹介したいと思っていたのですが、Amazonでの扱いが無かったので断念した記憶があります(当ブログは基本的にAmazonで扱いのあるアルバムを紹介しています)。

久々に通しで聴きましたが、新たな発見もあり、楽しく聴くことができました。

大好きだった「Basic」のYouTube音源がなかったのが残念ですが、ジャジーHip-Hopらしい「Everything」、哀愁モードの「World Wide」Marvin Gayeへのオマージュ「Marvin」あたりを聴くと、本作の魅力が伝わると思います。

全曲紹介しときやす。

「Take Ya Time」
オススメその1。アーバンな疾走感が心地好いオープニング。ジャジー・ギターのメロウな音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Kg3WjpwaUE0

「Basic」
オススメその2。ジャズ・フィーリングで躍動する小粋なメロウ・トラックにグッときます。当時はコレが一番好きだったかも!

「Listen」
ゆったりと流れる美しいストリングスをバックに、フロウを畳み掛けます。ソウルフルな女性コーラスがグッド!

「Everything」
オススメその3。アーバンなジャジー・トラックがMidnight Musicって感じでいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SdUaVIIORkI

「Back To The Breez」
少しミステリスな雰囲気のトラックと2人のフロウの一体感がいい感じです。

「World Wide」
オススメその4。Joc Maxをフィーチャー。少し哀愁モードのクール・トラックをバックに、力強いフロウを刻みます。
https://www.youtube.com/watch?v=isGGmEW9oqY

「I Know」
Miles Bonnyをフィーチャー。ダークなジャジー・トラックは実に都会的サウンド・スケープ的です。

「Fresh」
Gunn Jackをフィーチャー。オールド・スクール風の仕上がりです。

「Pacin'」
Asa Barnesをフィーチャー。トラック&ラップがリズミックに疾走します。

「Gotta Get Up」
オススメその5。このトラックは実にキャッチー!女性コーラスとの絡みがセクシーです。

「Saturday」
オススメその6。Gunn Jackをフィーチャー。畳み掛けるフロウが実にリズミックでパンチが効いています。ブロークン・ビーツ的なUKクラブミュージックとの相性もいいかも?

「Money」
Asa Barnesをフィーチャー。ジャジーHip-Hopらしい哀愁モードの仕上がりです。哀愁ギターがいい味出しています。

「S.Goodlude」
ジャジーなインタールード。

「Dreams」
ヴァイヴの音色が心地好いジャジー・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=Hf36c2pswds

「Livin Life」
オススメその6。アルバムで唯一『Sounds Good』収録曲からのセレクトです。このユニットの原点を感じられるジャジーHip-Hopチューンです。

「Marvin」
オススメその7。Asa Barnesをフィーチャー。タイトルの通り、名曲「Inner City Blues」を引用したMarvin Gayeへのオマージュです。ある意味、アルバムで一番キャッチーかも?

「Ms.Brown」
Ms. Sandra Brownをフィーチャー。ラストは小粋なピアノが印象的なジャジーHip-Hopで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=4S5bvduEuAU

ご興味がある方は、本作と同じSubcontactからリリースされたChoice37『Diligence』(2007年)、Freddie Joachim『In With Time』(2008年)あたりも再チェックしてみては?どちらも良質なジャジー&メロウHop-Hop作品だと思います。

Choice37『Diligence』(2007年)
ディリジェンス

Freddie Joachim『In With Time』(2008年)
イン・ウィズ・タイム
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2017年07月19日

Brother Jack McDuff & David Newman『Double Barrelled Soul』

格好良すぎるソウル・ジャズ!☆Brother Jack McDuff & David Newman『Double Barrelled Soul』
ダブル・バレルド・ソウル
録音年:1967年
ez的ジャンル:ファンキー・ソウル・ジャズ
気分は... :ヒップな格好良さ!

今回は60年代ソウル・ジャズからオルガン奏者Brother Jack McDuffとサックス奏者David Newmanの共演アルバムBrother Jack McDuff & David Newman『Double Barrelled Soul』(1967年)です。

ファンキーなジャズ・オルガン奏者Brother Jack McDuffの紹介は、『Live!』(1963年)、『Moon Rappin'』(1969年)に続き3回目となります。

本作はMcDuffがAtlantic在籍>時代に、当時Atlanticに欠かせないサックス奏者であったDavid Newmanと共演したアルバムです。

レコーディング・メンバーはBrother Jack McDuff(org)、David Newman(as、ts、fl)、Melvin Sparks(g)、Abe Blasingame(ds)、Danny Turner(sa)、Leo Johnson (ts、fl)。主役の2人以外にMelvin Sparksが参加している点にも注目です。

プロデュースはLew FuttermanJoel Dorn

アルバムのハイライトは何と言っても「Duffin' 'Round」。現行ジャズ・ファンクにも引けを取らない格好良さに一発でKOされるはずです。オープニングの「But It's Alright」にも同様の魅力があります。

それ以外にBobby Hebbのヒット曲「Sunny」のキャッチーなカヴァー、メロウな「Esperanto」、アーシーなブルース「Untitled Blues」もオススメです。

分かりやすい格好良さが魅力のソウル・ジャズ作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「But It's Alright」
J.J. Jackson/Pierre Tubbs作。オープニングはJ.J. Jacksonの人気曲をカヴァー。「Duffin' 'Round」と並ぶ僕のお気に入り!ファンク調のリズム隊をバックに、McDuffのグルーヴィーなオルガン・プレイを存分に堪能できます。こういうオルガン・ソウル・ジャズを聴きたかったんです!そんな絶好調のMcDuffに引っ張られるように、Newmanのサックスも快調です。
https://www.youtube.com/watch?v=dC5FL19rZ-k

「Sunny」
Bobby Hebbの1966年のヒット曲をカヴァー(Bobby Hebb作)。お馴染みのヒット曲を分かりやすいソウル・ジャズで聴かせてくれるのがグッド!涼しげなフルートを従えて、Newmanがソウルフルなサックス・ソロで魅了します。McDuffのアーシーなオルガンもよく馴染みます。
https://www.youtube.com/watch?v=NR0G8-EMux8

「Esperanto」
Jack McDuff/Billy Meshel作。爽快なフルート・アンサンブルと共に始まるメロウな仕上がり。Melvinのギターがさり気ないですが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=vqm3QDOvIEI

「Duffin' 'Round」
David Newman作。本作のハイライトはコレでしょう!ヒップな極上モッド・ジャズです。理屈は要りません。聴けば一発で格好良さがわかるはず!メンバーがノリノリで演奏しているのが伝わってくるもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=n8raoSSs3jw

「More Head」
David Newman作。軽やかなファンキー・ジャズ。McDuffのファンキーなオルガン・プレイを楽しめます。ただし、アルバムの中でも少し埋もれているかも?
https://www.youtube.com/watch?v=wUtgJZsepqo

「Untitled Blues」
Jack McDuff/David Newman作。ラストはタイトルの通りアーシーなブルースで締め括ってくれます。全体的に抑えた演奏が逆にいいですね。

Brother Jack McDuffの他作品もチャックを!

『The Honeydripper/Goodnight It's Time to Go』(1961年) ※2in1CD
Goodnight It's Time to Go + the Honeydripper

Sonny Stitt With Jack McDuff『Stitt Meets Brother Jack』(1962年)
Stitt Meets Brother Jack

Jack McDuff & Gene Ammons『Brother Jack Meets The Boss』(1962年)
Brother Jack Meets the Boss

『Live!』(1963年)
Live

『A Change Is Gonna Come』(1966年)
ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム

『Tobacco Road』(1967年)
タバコ・ロード

『Do It Now!』(1967年)
ドゥ・イット・ナウ

『Moon Rappin'』(1969年)
Moon Rappin

『Down Home Style』(1969年)
Down Home Style

『Who Knows What Tomorrow's Gonna Bring』(1971年)
Who Knows What Tomorrow's Gonna Bring
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2017年07月18日

El Coco『Let's Get It Together』

Rinder & Lewisによるモンド・ディスコ・プロジェクト☆El Coco『Let's Get It Together』
レッツ・ゲット・イット・トゥゲザー
発表年:1976年
ez的ジャンル:カルト系モンド・ディスコ
気分は... :カルトQ・・・

今回は70年代のモンド・ディスコ作品El Coco『Let's Get It Together』(1976年)です。

El Cocoは、ディスコ・プロデューサーLaurin RinderMichael Lewisによるユニット。この2人はEl Coco名義以外にもRinder & Lewis名義やTuxedo JunctionSaint Tropez等のユニットで70〜80年代に数多くのディスコ作品をリリースしています。

El Cocoとしては、『Mondo Disco』(1975年)、『Brazil』(1975年)、『Let's Get It Together』(1976年)、『Cocomotion』(1977年)、『Dancing In Paradise』(1978年)、『Revolucion』(1980年)、『El Coco』(1982年)、『Collectables』(1982年)といったアルバムをリリースしています。

1stアルバムのタイトル名のように、モンドなディスコ・サウンドがこのユニットの特徴です。そんな彼らの作品の中で再評価されているのが本作『Let's Get It Together』(1976年)です。

ディスコ・サウンドとモンドでエキゾチックなイージー・リスニングが融合した独自サウンドに、最初は少し戸惑うものの、慣れてくるとハマります。Dr. Buzzard's Original Savannah Bandあたりが好きな人にもフィットするかもしれません。

ディスコ・アルバムという点では、ガラージ・クラシックのタイトル曲「Let's Get It Together」、シングル・カットもされた「Just Be You」、シンセ・サウンドが栄えるミディアム・ブギー「Love Vaccine」あたりがオススメです。

エキゾチックなモンド・サウンドという点では、Les Baxterのカヴァー「Quiet Village」も要チェックです。

たまには、こういう変化球なアルバムも楽しいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Just Be You」
Merria Ross作。シングル・カットもされたオープニング。爽快ディスコ・サウンドとパンチの効いた女性ヴォーカルがいい感じです。ディスコ・チューンという意味ではコレが一番格好良いかも?
https://www.youtube.com/watch?v=pcJCW_WNN0c

「Quiet Village」
Les Baxter作。エキゾチック&モンドという点では、このカヴァーも注目です。ある意味、こういったサウンドこそがこのユニットの真骨頂かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=XeUn4OoEG1A

「Let's Get It Together」
Merria Ross作。タイトル曲はガラージ・クラシックとしても人気の1曲。シングル・カットもされました。エレガントな女性コーラスを配したディスコ・クラシックらしい仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=0ncHWLIIDHg

「Choka Ma Love」
Michael Lewis/Laurin Rinder作。エキゾチックでポップなのに実はエロいのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mwr7mDPpiT0

「Mr. Lucky」
Henry Manciniの名曲をカヴァー。イージー・リスニング的ディスコ・サウンドが冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=WZnfQsi5vdg

「Love Vaccine」
Pamela Phillips作。シンセ・サウンドが栄えるミディアム・ブギー!なかなか雰囲気のある仕上がりだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=FaAr4rug0UU

「Under Construction」
Mark Bryson Dulski/Michael Lewis/Laurin Rinder作。ハンド・クラップ入りのダンス・チューン。シンセ・サウンドを巧みに操っている感じがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=8HseYlekfdA

「Love Vibrations」
Merria Ross作。何処となくコミカルなディスコ・チューン。軽快なピアノ・ソロも印象的です。

「Fait Le Chat」
Michael Lewis/Laurin Rinder作。ディスコ・サウンドとイージー・リスニングが融合した仕上がり。もっと格好良くできるのに、あえてそうしないのがこの人たちのセンスかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ASx1_EeMe4Q

「Put On Your Jeans」
Michael Lewis/Laurin Rinder作。グルーヴィーなインスト・チューン。

「Gimme Some」
Merria Ross/Michael Lewis/Laurin Rinder作。近未来的シンセ・サウンドにホーン隊、女性コーラスが絡むアッパー・チューンで締め括ってくれます。

ご興味がある方はTuxedo JunctionSaint Tropezのアルバムもチェックしてみては?

Tuxedo Junction『Tuxedo Junction』(1977年)
Tuxedo Junction

Tuxedo Junction『Tuxedo Junction II Take The A Train』(1979年)
Take the

Saint Tropez『Je T'Aime』(1977年)
Je Taime

Saint Tropez『Belle De Jour』(1978年)
Belle De Jour (One More Minute)

Saint Tropez『Hot & Nasty』(1982年)
Hot & Nasty
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2017年07月17日

Terence Blanchard『The Heart Speaks』

Ivan Linsファン必聴のアルバム☆Terence Blanchard『The Heart Speaks』
Heart Speaks
発表年:1996年
ez的ジャンル:ジャズ・ミーツ・MPB
気分は... :真の主役は・・・

今回はジャズ・トランぺッターTerence Blanchardが稀代のメロディ・メイカーであるブラジル人男性シンガー・ソングライターIvan Linsと共にレコーディングしたアルバムTerence Blanchard『The Heart Speaks』(1996年)です。

Terence Blanchard単独名義のアルバムですが、楽曲はすべてIvan Lins作品であり、作者Ivan Lins本人が全面参加しているのですから、実質はIvan Linsとの共演アルバムと呼べるでしょう。アルバムはグラミーのBest Latin Jazz Albumにもノミネートされました。

1962年ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ、80年代から活躍するジャズ・トランぺッターTerence Blanchardについては、当ブログで紹介するのは初めてです。

一方、MPBを代表する男性シンガー・ソングライターIvan Linsについて、これまで当ブログで紹介したのは以下の5枚。

 『Modo Livre』(1974年)
 『Chama Acesa』(1975年)
 『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)
 『Nos Dias De Hoje』(1978年)
 『Novo Tempo』(1980年)

Terence Blanchardについては、Winton Marsalisを中心とした新伝承派ジャズ・ミュージシャンの一人として80〜90年代初めのころは注目していましたが、熱心に聴くまでには至りませんでした。

本作『The Heart Speaks』についても、Ivan Lins目当てというのが正直な感想です。

レコーディング・メンバーはTerence Blanchard(tp)、Ivan Lins(vo)、Oscar Castro-Neves(g)、Edward Simon(p)、David Pulphus(b)、Troy Davis(ds)、Paulinho Da Costa(per)、David Bohanovich(cello)、Fred Zlotkin(cello)。

プロデュースはMiles Goodman

個人的にはIvan Lins目当てなので、彼らしいメロディやヴォーカルが栄えるブラジル音楽寄りの演奏に惹かれてしまいます。その意味では、「Aparecida」「Antes Que Seja Tarde」「Meu Pais (My Country)」「Valsa Mineira」という前半の4曲や、Nana Caymmiに捧げられた「Just for Nana」、Zimbo Trioに捧げられた「Orizimbo and Rosicler」あたりがオススメです。

Ivan LinsとTerence Blanchardの共演という意味では、帝王Miles Davisとの縁も絡む「Congada Blues」が聴き所かもしれません。あとは「Love Dance/Comecar de Novo」も好きです。

Ivan Lins好きの人はぜひチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Aparecida」
Ivan Lins作。オープニングには人気アルバム『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)収録曲としてもお馴染みの楽曲です。ここではスモーキーなBlanchardのミュートの音色が栄えるメロウ・ボッサ調のサウンドで聴かせてくれます。Ivanの繊細なヴォーカルもサウンドとよくマッチしています。この曲に新たな魅力を吹き込んでいるのでは?

「Antes Que Seja Tarde」
Ivan Lins/Vitor Martins作。アルバム『A Noite』(1979年)収録曲のカヴァー。哀愁メロウ・ボッサ調で聴かせてくれます。Blanchardの哀愁トランペットの響きにグッときます。

「Meu Pais (My Country)」
Ivan Lins/Vitor Martins作。Ivanの稀代のメロディ・メイカーぶりを如何なく発揮してくれたビューティフル・バラード。その美メロに寄り添うBlanchardのトランペットが楽曲の素晴らしさを引き立てます。

「Valsa Mineira」
Ivan Lins作。この曲もIvanらしいメロディ・ラインを楽しめます。IvanのスキャットとBlanchardのトランペットのユニゾンがデュオ・アルバムらしくていいですね。全体的に抑えたトーンながらも品格のあるサウンドに好感が持てます。

「The Heart Speaks」
Ivan Lins作。タイトル曲は素敵なインスト・バラードです。二人の共演への思いがBlanchardが奏でる美しい音色に反映されています。

「Congada Blues」
Ivan Lins/Vitor Martins作。Ivan Linsとの共演を希望していた元々は故Miles Davisのために書かれた楽曲ですが、その共演が実現しないまま帝王Milesはこの世を去ってしまいました。そこでIvanがこの曲をBlanchardへプレゼントし、思いを託したようです。BlanchardがMilesに成り代わり、素晴らしい演奏でIvanに応えます。アフロ・ブラジリアン・フィーリングの効かせつつ、それまでの5曲と比べて、しっかりジャズ寄りの演奏になっています。

「Nocturna」
Ivan Lins/Vitor Martins作。Blanchardのロマンティックなソロを満喫できるバラード。

「Just for Nana」
Ivan Lins作。Ivanらしい雰囲気の哀愁バラードを抑えたトーンでしっとり聴かせます。タイトルは偉大なブラジル人女性シンガーNana Caymmiに捧げられたものです。

「Orizimbo and Rosicler」
Ivan Lins/Vitor Martins作。この曲は60年代からコンスタントに活躍していたブラジル人ピアノ・トリオZimbo Trioに捧げられたものです。軽快なジャズ・サンバ調の演奏で盛り上げてくれます。

「Chorus das Aguas」
Ivan Lins/Vitor Martins作。少しブルージーなバラードを落ち着いた雰囲気で聴かせてくれます。

「Love Dance/Comecar de Novo」
Ivan Lins/Gilson Peranzzetta/Paul Williams作。アルバム『Love Dance』(1989年)収録の2曲をメドレーで聴かせてくれます。BlanchardのミュートとIvanの憂いを帯びたヴォーカルの組み合わせが絶妙なバラードに仕上がっています。

「Menino」
Ivan Lins/Vitor Martins作。アルバム『Anjo De Mim』(1995年)収録曲を取り上げています。一気に弾けた開放的な演奏に驚かされます。ブラジリアン・モードのようで、しっかりジャズ・コンボらしい演奏になっています。

「Aparecida (Reprise)」
Ivan Lins作。「Aparecida」のリプライズでアルバムは幕を閉じます。

Ivan Linsの過去記事もチェックを!

『Modo Livre』(1974年)
Modo Livre

『Chama Acesa』(1975年)
シャーマ・アセーザ(期間生産限定盤)

『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)
今宵楽しく

『Nos Dias De Hoje』(1978年)
ノス・ヂアス・ヂ・オージェ

『Novo Tempo』(1980年)
ノーヴォ・テンポ
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2017年07月16日

Solomons Garden『Welcome to the Garden』

新世代のUKネオソウル・コレクティヴ☆Solomons Garden『Welcome to the Garden』
Welcome to the Garden
発表年:2017年
ez的ジャンル:新世代系UKネオソウル・コレクティヴ
気分は... :聖域なし!

今回は新作アルバムからUKの新世代ネオソウル・コレクティヴSolomons Garden『Welcome to the Garden』です。

Solomons Gardenはプロデューサー/ソングライター/マルチインストゥルメンタリストMKFWIことMakafui Adorkorbidjiが2015年に結成したコレクティヴ。メンバーはMKFWIの他にヴォーカル&鍵盤奏者Daniel 'The Whizz' Todd Erica TorresChanell Hemmingという女性ヴォーカル2人の4名。

フェイヴァリット・アーティストとして、ColdplayJ DillaLalah HathawaySnarky PuppyRobert GlasperHiatus Kaiyoteの名前を挙げるように、ネオソウル、Hip-Hop、ジャズ等を融合したジャンルに囚われないサウンドを志向する新世代のネオソウル・コレクティヴです。

2016年にSoundCloud上で「Sand Dunes」を発表し、BBCラジオでも紹介されたようです。2017年2月には6曲入りEP「Welcome to the Garden」をリリースしました。

本作『Welcome to the Garden』は、前述の6曲入りEP「Welcome to the Garden」に、新曲やリミックスを加えてアルバム仕様にした日本独自CDです。

ネオソウル、Hip-Hop、ジャズ等にアンビエントR&B/チルアウトなエッセンスも加味されている感じが新世代ネオソウル・コレクティヴらしくていいですね。

先に挙げたフェイヴァリット・アーティストがお好きな人であれば、先物買いしてみると面白いアーティストだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Love Feet High」
美しいピアノをバックに♪Welcome to the Garden〜♪と始まるオープニング。Robert Glasperなネオ・ソウルといった感じでしょうか。

「The One We Called Brother」
ジャジーHip-Hop+ネオ・ソウルな仕上がり。Ericaのコケティッシュ・ヴォーカルとChanellのクール・ヴォーカルの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=P3akf1Emhfo

「Ego」
鳥のさえずりと共に始まるジャジー&ドリーミーなネオソウル。J Dilla経由のグルーヴがいいですね。

「Speak」
新世代らしいハイブリッド・サウンドにグッとくるフューチャリスティックなアンビエントR&B。個人的にはこういったサウンドを追求して欲しいですね。

「The Waters」
美しくも切ない哀愁バラード。Robert Glasper的なジャズ・フィーリングとネオ・ソウルをうまく融合させています。

「Sand Dunes」
DanielとChanellがリード・ヴォーカルをとりますが、何処となくa href="http://eastzono.seesaa.net/article/201077098.html">Musiq Soulchild調なDanielのヴォーカルがいい感じのミディアム・バラード。

「Questions」
ネオソウルというより90年代UKソウル好きの人が気に入りそうなクールな仕上がり。どこまでのヒンヤリとした雰囲気がたまりません。終盤のヴォーカル・ワークにもグッときます。

「Butterflies」
オーガニックなメロウネスにグッとくるミディアム・グルーヴですが、少しチルアウトな雰囲気があるのもこのユニットらしいかも?

「Love Feet High (Acoustic)」
「Love Feet High」の別ヴァージョン。リラックスしたデモ・ヴァージョン的な面白さがあります。

「Speak (Acoustic)」
「Speak」の別ヴァージョン。ドラムンベースを予感させるようなスネア・ドラムが加わっており、オリジナルとは異なる面白さがあります。

「Questions (Acoustic)」
「Questions」の別ヴァージョン。これもデモ・ヴァージョンっぽいです。

「Ego (MKFWI Remix)」
「Ego」のリミックス。エレクトロ&アンビエントR&Bな仕上がりです。

3連休ですが、仕事漬けの3日間になりそう・・・
せめて音楽位は楽しもうっと!
posted by ez at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする