2017年07月15日

Sun『Wanna Make Love』

オハイオ産ファンクの名盤☆Sun『Wanna Make Love』
ワナ・メイク・ラヴ
発表年:1976年
ez的ジャンル:オハイオ産ファンク
気分は... :赤き情熱!

今回は70年代オハイオ産ファンクからSun『Wanna Make Love』(1976年)です。

Sunは、Ohio Playersをはじめとするファンクの名産地オハイオ州デイトンで1975年に結成されたファンク・バンド。

オリジナル・メンバーはByron Byrdを中心としたChris JonesJohn WagnerDean HummonsHollis MelsonKym YanceyShawn Sandridgeの7名。

オリジナル・メンバーでデビュー・アルバムとなる本作『Wanna Make Love』(1976年)をリリース。

その後、メンバー3名を増員して2ndアルバム『Sun Power』(1977年)をリリースしますが、Shawn Sandridge、Chris Jones、Dean Hummonsの3名が人気ファンク・グループとなるDaytonを結成するためにグループを脱退してしまいます。

メンバー・チェンジを余儀なくされたグループは新ラインナップで3rdアルバム『Sunburn』(1978年)をリリース。その後もメンバー・チェンジを繰り返しながら、『Destination Sun』(1979年)、『Sun Over the Universe』(1980年)、『Force of Nature』(1981年)、『Let There Be Sun』(1982年)、『Eclipse』(1984年)といったアルバムをリリースしています。

デビュー・アルバム『Wanna Make Love』(1976年)には、Byron Byrd(ts、fl、p、clavinet、syn、b、per、el-p、vo)、Chris Jones(tp、p、clavinet、syn、vibes、ds、per、vo)、John Wagner(tp、flh、tb、vo、per)、Dean Hummons (org、p、clavinet、el-p、syn)、Hollis Melson(b、vo、per)、Kym Yancey(ds、per、back vo)、Shawn Sandridge(g、back vo)というオリジナル・メンバー7名に加え、Zapp結成前のRoger Troutman(g、talk box)とLester Troutman(ds)、さらにはLinda Thornton(back vo)がレコーディングに参加しています。

プロデュースはByron ByrdBeau Ray Fleming

オハイオ・ファンクらしい「Live On, Dream On」「Tell The People」Roger Troutmanのトークボックスも聴けるタイトル曲「Wanna Make Love」、ラテン・フレイヴァーの効いた「They're Calling For Me」、サンプリング・ソースとしても人気の「My Woman」、Stevieの某曲を思い出す「It's Killing Me」、素敵なモダン・ソウル「Give Your Love To Me」など粒揃いの構成です。

楽曲はすべてメンバーらのオリジナルです。

オハイオ産ファンク好きの人はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Live On, Dream On」
無骨なギター・カッティングが逆に格好良い骨太ファンク・グルーヴがオープニング。中盤以降はスペイシーなシンセも飛び交います。
https://www.youtube.com/watch?v=fEHC22TUMOc

「Tell The People」
猥雑な格好良さにグッとくるファンク・チューン。ファンク・バンドとしての質の高さをできる1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=UQu2sNSKPCg

「My Woman」
前半はヴォーカル・ワークで聴かせる哀愁モードのスロウですが、後半は一転してファンキーな展開へ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=RhWuOtAjw4M

WC & the Maad Circle「A Soldiers Story」、UGK「Protect & Serve」、Bone Thugs-N-Harmony「Resurrection (Paper, Paper)」 、O.C.「Stronjay (Original Unreleased Version)」、STS「The Interview」のサンプリング・ソースとなっています。
WC & the Maad Circle「A Soldiers Story」
 https://www.youtube.com/watch?v=9tRs3tZoQ8Q
UGK「Protect & Serve」
 https://www.youtube.com/watch?v=tI6nucnfCbU
Bone Thugs-N-Harmony「Resurrection (Paper, Paper)」
 https://www.youtube.com/watch?v=7p14e18gGCM
O.C.「Stronjay (Original Unreleased Version)」
 https://www.youtube.com/watch?v=q0SUqRsiCEg

「They're Calling For Me」
ラテン・フレイヴァーの効いたファンク・チューン。パーカッシヴ・リズム、ラテンなピアノ、躍動するホーン・アンサンブルがグッド!EW&F好きの人にもフィットするキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=OnATFQdtGB8

「Wanna Make Love」
タイトル曲はRoger Troutman参加曲。シングルにもなりました。Roger Troutmanのトークボックスが栄える重量ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=5jTsGnbjmNY

「Love Is Never Sure」
アコギの音色が印象的なビューティフル・バラード。意外なサウンドですが、アルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=GODewNJ-R7o

「The Show Is Over」
しっとりとしたスロウ・チューン。悪くはないですが、他の曲に比べると少し印象が弱いかも・・・
https://www.youtube.com/watch?v=_9zkzWQEA3Q

「It's Killing Me」
Stevie Wonder「Don't You Worry 'Bout A Thing」とセットで聴きたくなる曲調です。溜めてから一気にファンキー・モードで弾ける感じがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=jNEztdtMKy4

「Give Your Love To Me」
ラストはソウル指数の高い素敵なモダン・ソウルで締め括っています。
https://www.youtube.com/watch?v=CpPUj4WfGX4

Large Professor「Love Wit U」のサンプリング・ソースとなっています。
Large Professor「Love Wit U」
 https://www.youtube.com/watch?v=O2CfSFqhupU

Sunの他作品もチェックを!

『Wanna Make Love/Sun Power/Sunburn』(1976/1977/1978年) ※3in2CD
Wanna Make Love / Sun--Power / Sunburn (3in2)

『Sunburn』(1978年)
サンバーン

『Destination Sun』(1979年)
Destination Sun
posted by ez at 02:41| Comment(3) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月13日

Freddie McGregor『Across The Border』

ルーツ・ロック、ラヴァーズがバランス良く配された1枚☆Freddie McGregor『Across The Border』
Across the Border
発表年:1984年
ez的ジャンル:四天王系男性レゲエ・シンガー
気分は... :炉端焼き!

ここ数日の暑さでレゲエを欲しています。

今回はレゲエ界の大物男性シンガーFreddie McGregorが1984年にリリースした『Across The Border』です。

1956年ジャマイカ、クラレンドン生まれで、Dennis BrownSugar MinottGregory Isaacsと並ぶ四天王レゲエ・シンガーの一人であるFreddie McGregorの紹介は、『Magic In The Air』(1995年)に続き2回目となります。

『Come On Over』(1983年)に続くRAS Recordsからの第2弾アルバムとなる本作『Across The Border』(1984年)は、ルーツ・ロックとラヴァーズ、さらにはディスコ調までバランス良く構成された充実の1枚です。

セルフ・プロデュースですが、数曲レコーディング・メンバーとの共同プロデュースとなっています。

レコーディングにはCleveland Browne(ds、per)、Earl "Bagga" Walker(b)、Pablo Black(p、org、syn)、Dalton Browne(g)、Everton Carrington(per)というFreddieのバック・バンドStudio One Bandをはじめ、Danny Browne (g)、Glen Browne(b)、Tyrone Downe(key)、Larry White(g)、Geoffery Chung(p)、Robbie Lyn(syn)、Mallory Williams(syn)、Pam Hall(back vo)、Anicia Banks(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

ソウルフルなラヴァーズ「Can't Get You Out Of My Mind」、サマー・モードにフィットする「Love Will Solve The Problems」、サンセットな「High Tension」、ルーツ・ロックな「Out Of The Valley」、Studio One Bandとのコンビネーションが絶妙な「War Mongers」が僕のオススメ。

多作なので、どこから聴いたらいいのか迷うアーティストですが、本作あたりは入門編としても聴きやすいのでは?

全曲紹介しときやす。

「Across The Border」
タイトル曲はルーツ・ロック調です。Bob Marleyの亡き後のレゲエ界を牽引しようとする気概を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ICL1ejmegkI

「Freddie」
自身の名を冠した本曲では、四天王の一人らしい貫禄のある歌いっぷりで魅了してくれます。

「Out Of The Valley」
オススメその1。雰囲気のある女性コーラス隊との掛け合いにグッとくるルーツ・ロック。Studio One Bandのバッキングもサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=KTqo_qfZWmc

「Work To Do Today」
ディスコ調のキャッチーなダンス・チューン・わかりやすいですが好き/嫌いが分かれるかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=JQ3GEdMyPmU

「Guantanamera」
The Sandpipers、1966年のヒットで知られる古典キューバン・ソングをカヴァー(Pete Seeger/Stephane Venne/Tony Roman作)。元々はルンバですがレゲエ・ヴァージョンでもフィットしますね。
https://www.youtube.com/watch?v=_pcXgmWO7Tg

「Can't Get You Out Of My Mind」
オススメその2。僕の一番のお気に入り。Freddieのソウルフル・ヴォーカルが栄えるブラコン調の素敵なラヴァーズ。レゲエ好き以外の人にもオススメしたい1曲です。Geoffery Chungがソングライティング&アレンジを手掛けています。
https://www.youtube.com/watch?v=QGXNr2DgzXc

「Love Will Solve The Problems」
オススメその3。「Can't Get You Out Of My Mind」と並ぶお気に入り。開放的なホーン・サウンドが心地好い、晴天のサマー・モードにピッタリな仕上がり。Freddieのリード・ヴォーカルとコーラス隊の掛け合いもグッド!ポジティヴ・ヴァイヴに溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=VUelEvLXeO4

「War Mongers」
オススメその4。実に雰囲気のいい仕上がり。Studio One Bandらの好バッキングにFreddieが素晴らしいヴォーカルで応えます。
https://www.youtube.com/watch?v=zA9JCxenLAU

「High Tension」
オススメその5。この曲も大好き!サンセット・モードのラヴァーズはモロに僕好み!Freddieのスウィートなヴォーカルが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9fzukEJbCZg

「Freedom, Justice & Equality」
曲タイトルはおそらくMalcolm Xの名言に因んだものなのでは?レゲエのゆったりとしたリズムに乗って自由、正義、平等を高らかに訴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=O4mv4m85KE0

Freddie McGregorの他作品もチェックを!

『Bobby Bobylon』(1979年)
Bobby Bobylon

『Mr. McGregor』(1979年)
Mr Mcgregor

『Lovers Rock (Showcase Jamaica Style)』(1981年)
Lovers Rock

『Big Ship』(1982年)
Big Ship by Freddie McGregor (2006-05-12) 【並行輸入品】

『Come on Over』(1983年)
Come on Over

『All in the Same Boat』(1986年)
All in the Same Boat

『Sing Jamaican Classics Vol.1』(1991年)
Sing Jamaican Classics (Dlx) (Bril)

『Jamaican Classics Vol.2』(1992年)
Vol. 2-Sings Jamaican Classics

『Hard To Get』(1993年)
Hard To Get By Freddie McGregor (2000-07-12)

『Carry Go Bring Come』(1993年)
Carry Go Bring Come

『Magic In The Air』(1995年)
マジック・イン・ジ・エアー
posted by ez at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月12日

Solid State『Point Of No Return』

ジャズ・フィーリングのUKドラムンベース☆Solid State『Point Of No Return』
Point of No Return
発表年:2000年
ez的ジャンル:UKドラムンベース
気分は... :ラスト1マイル・・・

今回はUKドラムンベース作品からSolid State『Point Of No Return』(2000年)です。

Solid StateErrol FrancisJon StewartPaul BrownによるUKドラムンベース・ユニット。

1996年の12"シングル「Journeys Of The Mind」を皮切りに作品をリリースしてきた彼らの唯一のアルバムが本作『Point Of No Return』(2000年)です。

今さらドラムンベースって感じもしますが、たまに無性に聴きたくなることがあります。でもドラムンベースってアルバム単位で聴くと、少し一本調子で最後まで聴くのが辛い作品があるのも事実です。

その意味で、本作は熱心なドラムンベース・ファンでもない僕が今聴いても十分楽しめる1枚になっています。

ドラムンベースにジャズ・フィーリングが加わり、スマートで爽快なドラムンベースに仕上がっているのが魅力だと思います。

女性ヴォーカルをフィーチャーした「Just A Vision」、ジャズ・フィーリングのドラムンベース「Continental Breakfast」、街角モードのドラムンベース「74th Avenue」「Bay Area Hustle」、クラブジャズな「Point Of No Return」あたりがオススメです。

注目されることが少ない作品ですが、侮れない1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Just A Vision」
Zoe Hの女性ヴォーカルをフィーチャー。メロディアスなイントロに続き、Zoe Hの透明なキュート・ヴォーカルが爽快なドラムンベース・サウンドと共に疾走します。ジャズ・フィーリングも含めてモロに僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=YChWvKt-CVE

「Life Of Riley」
Skriblahのラップをフィーチャー。生音の質感を効かせたアングラ・ジャジーHip-Hopフィーリングのエレクトロニカに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=rWg8rilXNUE

「Continental Breakfast」
キレのあるドラムンベース・サウンドに、サックスやヴァイヴによるジャズ・フィーリングが加えられたインスト。このセンス大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZoeFjcQ750c

「Point Of No Return」
クラブジャズ好きの人が聴いても気に入るであろうスウィンギーで小粋なグルーヴに魅了されます。

「Signing Off」
フューチャー・ジャズ+ドラムンベースなインスト。2000年前後はこういう音が好きでしたね。
https://www.youtube.com/watch?v=fLSbIOKMtVM

「Celestial Sphere」
アッパーに押していくドラムンベース。スペイシーで立体的なサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=MiJe5GT1OEU

「74th Avenue」
街角の会話と共に始まるオトナのドラムンベースといった趣が今の僕のフィーリングにフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=59_TfLdzZwo

「Bay Area Hustle」
「74th Avenue」の雰囲気を受け継ぐ、街角モードのドラムンベース。彼ららしいジャジー・メロウなアクセントが絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=57G8AQyI5RA

「Street Hustler」
緩急をつけたメリハリのある音作りで聴く者を飽きさせません。
https://www.youtube.com/watch?v=s2CqehOWrJE

「Tuning」
他の曲と比較するとプリミティブな衝動のあるドラムンベースに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0PbtMfDVtL0

「Just A Vision (Marcus Intalex & ST Files Remix)」
Marcus Intalex & ST Filesによる「Just A Vision」のリミックス。アッパーに突っ走ります。
https://www.youtube.com/watch?v=WbmfFuvAW5I

猛烈に忙しくなってきた。今夜も徹夜かなぁ・・・
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月11日

Alice Coltrane『World Galaxy』

銀河へ思いを馳せる独自のジャズ・ワールド☆Alice Coltrane『World Galaxy』
ワールド・ギャラクシー~至上の愛
発表年:1972年
ez的ジャンル:銀河系ストリングス・ジャズ
気分は... :銀河の歴史がまた1ページ・・・

70年代ジャズからAlice Coltrane『World Galaxy』(1972年)です。

John Coltraneの妻としても知られるハープ&鍵盤奏者Alice Coltrane(1937-2007年)の紹介は、『Journey In Satchidananda』(1970年)、『Eternity』(1976年)に続き3回目となります。

本作『World Galaxy』(1972年)は、正式にはAlice Coltrane With Strings名義であり、ストリングスを効果的に用いた1枚に仕上がっています。

プロデュースはAlice ColtraneEd Michel

Alice Coltrane(p、org、harp、per)、Frank Lowe(ts、ss、per)、Reggie Workman(b)、Ben Riley(ds)、Elayne Jones(timpani)、Swami Satchidananda(narrator)、LeRoy Jenkins(violin)、David Sackson(concertmaster)等がレコーディングに参加しています。

インドを旅した後にレコーディングされた『Journey In Satchidananda』(1970年)以降、東洋思想の影響を受けたスピリチュアル・ジャズに傾倒していったAliceですが、本作もそうした流れの中で制作されたものです。

印象的なのがアルバム全5曲の構成です。まずアルバムのオープニングとラストで、亡き亡き夫John Coltraneの代表的レパートリー「My Favorite Things」「A Love Supreme」をカヴァーしている点が興味深いですね。

それ以外の3曲はAliceのオリジナルですが、いずれもタイトルに"Galaxy"が含まれています。銀河をモチーフにした壮大なストリングス・ジャズが展開されるのはが本作の特徴です。

聴く前には、もっとスピリチュアル・ジャズな内容をイメージしていましたが、フリー・ジャズ、ジャズ・ロック的なエッセンスも取り込んだAliceならではのジャズ・ワールドを展開します。

本作ならではのストリングス・ジャズを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「My Favorite Things」
Richard Rodgers/Oscar Hammerstein II作。亡き夫John Coltraneの代表的レパートリーをカヴァー。かつてのJohnのサックスをなぞるかのようにAliceのオルガンが響きます。そこにドラマティックなストリングスが加わり、Aliceならではの「My Favorite Things」に仕上げています。Johnの死を乗り越えようとするAliceの強い意志が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=cckpRS9QkzY

「Galaxy Around Olodumare」
Alice Coltrane作。荘厳なストリングスを効果的に使い、様々な表情を見せる壮大な音世界は神の意思のようです。ここでのAliceはピアノをプレイし、Frank Loweのサックスがマッドに叫びます。

Cypress Hill「I Ain't Goin' Out Like That」のサンプリング・ソースとなっています。
Cypress Hill「I Ain't Goin' Out Like That」
 https://www.youtube.com/watch?v=q7p-ihYOG5s

「Galaxy In Turiya」
Alice Coltrane作。Aliceのハープとストリングスが織り成す音はまさに銀河のようなスピリチュアル・ジャズです。
https://www.youtube.com/watch?v=xJo9k-Y0Hzc

Flying Lotus「Aunties Harp」のサンプリング・ソースとなっています。
Flying Lotus「Aunties Harp」
 https://www.youtube.com/watch?v=CiaZNyIFUdY

「Galaxy In Satchidananda」
Alice Coltrane作。『Journey In Satchidananda』でもお馴染みのインド人のグルSwami Satchidanandaの名をタイトルに冠しています。ハープとストリングスによる銀河系ジャズにインドのエッセンスが加わり、独自のスピリチュアル・ジャズを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=QJekN_fCqPE

「A Love Supreme」
ラストはJohn Coltraneの名曲の「Part I - Acknowledgement」をカヴァー。Swami Satchidanandaのナレーションと共に始まります。本編はAliceのオルガン、LeRoy Jenkinsのヴァイオリンが印象的なジャズ・ロック的な演奏です。Coltraneの名曲をエレクトリック・マイルスような電化ジャズ的な演奏で聴かせるのが興味深いです。エンディングはハープによるビューティフルな音色で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lBGyfOh5-x8

The Beatnuts「Bum Rush」、Dead Prez「Behind Enemy Lines」、Algorhythms「Love Supreme」等のサンプリング・ソースとなっています。
The Beatnuts「Bum Rush」
 https://www.youtube.com/watch?v=l2DiXv7V-eY

他のAlice Coltrane作品もチェックを!
僕も未聴の作品が多いので地道にチェックし続けたいと思います。

『A Monastic Trio』(1968年)
ア・モナスティック・トリオ(紙ジャケット仕様)

『Huntington Ashram Monastery』(1969年)
ハンティントン・アシュラム・モナストリー(紙ジャケット仕様)

『Journey In Satchidananda』(1970年)
Journey in Satchidananda

『Ptah, the El Daoud』(1970年)
Ptah, the El Daoud

『Universal Consciousness』(1972年)
Universal Consciousness

『Lord of Lords』(1973年)
ロード・オブ・ローズ(紙ジャケット仕様)

『Illuminations 』(1974年) ※Carlos Santanaとのコラボ作
Illuminations

『The Elements』(1974年) ※Joe Hendersonとの共演
Elements

『Eternity』(1976年)
永遠なる愛

『Radha-Krisna Nama Sankirtana』(1976年)
Radha-Krsna Nama Sankirtana

『Transcendence』(1977年)
Transcendence

『Transfiguration』(1978年)
Transfiguration
posted by ez at 02:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月09日

Ruth Koleva『Confidence. Truth』

ブルガリア人女性シンガーによる新世代ネオソウル☆Ruth Koleva『Confidence. Truth』
コンフィデンス・トゥルース
発表年:2017年
ez的ジャンル:新世代ネオソウル系ブルガリア人女性シンガー
気分は... :アンラーン!

今回は新作からブルガリア人女性シンガーRuth Kolevaの最新作『Confidence. Truth』です。

1990年ブルガリア、ソフィア生まれの女性シンガーRuth Kolevaの紹介は、2ndアルバム『Ruth』(2014年)、『Ruth』のリミックス・アルバム『Rhythm Slave(Remix Album)』(2015年)に続き3回目となります。

『Ruth』は、年末恒例の『ezが選ぶ2014年の10枚』でセレクトしたお気に入り盤でした。

売れっ子のイギリス人ドラマーRichard Spavenが全面参加したクロスオーヴァー・ジャズ/ソウル作品は、『Jazz The New Chapter 2』掲載盤にもなり、進化形ジャズの方面からも注目された1枚でした。

さらに、そのリミックス・アルバム『Rhythm Slave(Remix Album)』(2015年)では、Kaidi TathamBugz In The Attic2000Black等)、Mark De Clive-LoweOpolopoEric LauPositive Flow(Jesse Reuben Wilson)がリミックスを手掛けたクラブミュージック好きを魅了する1枚でした。

そして、期待の新作アルバム『Confidence. Truth』ですが、L.A.を拠点に制作された作品となりました。Ruthはブルガリアで活動を開始する前にL.A.で音楽を学んでおり、L.A.での制作は彼女にとってはある意味自然な流れなのかもしれません。

プロデュースはRuthと同じくブルガリア出身でL.A.を拠点に活動するプロデューサー/ミュージシャンのGeorgi Linev(Gueorgui Linev)。Kan Wakan名義での活動でも知られる人です。

レコーディングには、今最も旬なアーティストAnderson Paakの作品にも参加しているRon Avant(key)、超絶ベーシストThundercatの弟であると同時に、注目のユニットThe InternetのメンバーであるJameel Bruner(key)、Flying Lotus『You're Dead!』にも参加していたGene Coye(ds)、さらにはCooper Appelt(b)、Amir Oosman(ds)、Bradford Tidwell(g)等のミュージシャンが参加しています。さらにSofia Philharmonic Ensembleがストリングスを担当しています。

ライナーノーツには、Kaidi TathamBugz In The Attic2000Black等)、Brandon Colemanの参加が記載されていますが、CDのクレジットを見る限りは、この2人の名前は見当たりませんでした。

正直、大好きだった『Ruth』のようなダンサブル感はありませんが、アーティストとして進化するRuthワールドに魅了されるアルバムに仕上がっています。

全体の印象としては、生音、プログラミング、ストリングスがバランス良く融合されたサウンドが、コケティッシュなRuthのヴォーカルと調和しているのがいいですね。このあたりはプロデューサーGeorgi Linevの手腕かもしれません。

ジャンルで語るのが難しい作品です。僕はこれまでRuth作品を某渋谷の大手CDショップで購入してきました。そのショップにおいて、『Ruth』『Rhythm Slave(Remix Album)』はジャズ・コーナーに陳列されていましたが、本作『Confidence. Truth』はインディR&Bコーナーにネオソウル作品として陳列されていました。

まぁ、ジャンルなど気にせず、Ruthの音やサウンドに耳を傾け、楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Oceans」
ダンサブルな哀愁ミディアム・グルーヴがオープニング。生音、プログラミング、ストリングスが織り成す重厚なサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=yeH0ggduXC0

「Run」
美しいミディアム・バラードを情感たっぷりに歌い上げます。ヴォーカル・ワークを重視した作りがいいですね。ここでもストリングスがドラマチック効果をアップさせています。
https://www.youtube.com/watch?v=xiYuaAbGIpk

「Tokyo」
日本人には興味深いタイトルですね。東京の持つ二面性を歌ったもののようです。プロデューサーGeorgi Linevの手腕が光るネオソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=ChMZLh6u9Ko

「A New Home」
深淵から響いてくる哀愁メロディと美しい歌声って感じがいいですね。ここでも生音、プログラミング、ストリングスのバランスの絶妙です。

「Basil」
Ruthのソウルな側面を楽しめる1曲。ソウルフルな味わいながらも、モロにレトロ・モードにならないところがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=dUYO77FszfU

「The Rain」
派手さはないものの、Gene Coyeのドラム、Ron Avant、Jameel Brunerのキーボードらの好サポートをバックに、Ruthのコケティッシュ・ヴォーカルの魅力を存分に楽しめる哀愁ジャジー・ソウルです。

「I Don't Know Why」
本作ならではのRuthワールドを楽しめる1曲です。アルバムで一番キャッチーかもしれませんね。生音、プログラミング、ストリングスが織り成す新世代サウンドが心地好く響きます。

「Wantchu」
エレクトリック色の濃い仕上がり。ダークなようで実はビューティフルは音作りにハマります。

「What You Say To A Girl?」
夢の中を彷徨うかのようなユラユラした美しさが印象的な仕上がり。Ruthのキュートな歌声が栄えるサウンドです。

「Didn't I?」
Ruthの歌とRon Avantのピアノ、バック・コーラスのみの感動的なバラードで締め括ってくれます。

『Future Sweet』(2012年) ※6曲入りEP
Future Sweet

『Ruth』(2014年)
ルス

『Rhythm Slave(Remix Album)』(2015年)
Ruth Rhythm Slave.jpg

ご興味がある方は、本作に大きく貢献したGeorgi LinevのユニットKan Wakanの作品もチェックしてみては?
Kan Wakan『Moving on』(2014年)
Moving on
posted by ez at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする