2017年08月13日

Harriet Brown『Contact』

L.A.発ロマンティック・ファンク!☆Harriet Brown『Contact』
CONTACT (コンタクト)
発表年:2017年
ez的ジャンル:西海岸ロマンティック・ファンク
気分は... :ダーク・パープルな音世界!

今回は新作R&Bから、L.A.を拠点に活動する男性R&BアーティストHarriet Brownのデビュー・アルバム『Contact』です。

Harriet BrownことAaron Valenzuelaはベイ・エリア出身のシンガー/プロデューサー/ソングライター/パフォーマー。フィリピン系アメリカ人で現在27歳。

Harriet Brown名義での活動を開始後、2014年にはカナダの注目グループBadBadNotGoodの作品等をリリースしているL.A.のレーベルInnovative Leisureとの契約に成功し、拠点をオークランドからL.A.へ移しました。

こうして制作されたデビュー・アルバムが『Contact』です。

自らのサウンドを"ロマンティック・ファンク"と称し、80年代エレクトリック・ファンクやNJSのエッセンスを取り入れたモダン・ファンクで楽しませてくれます。Prince殿下の影響も相当感じます。

個人的にはDam-Funk等のL.A.ファンク+NJS+Prince殿下といった印象ですかね。

まだまだ散漫な印象を受けるアルバムですが、独自の音世界を持ったアーティストとしての可能性は十分感じます。

NJSフィーリングな「Paralyzed」、正にロマンティック・ファンクな「Cryptid」Prince調の「Esp」「Cybernetiplegia」、ダーク・パープルな哀愁ミディアム「Obsession」あたりがオススメです。

先物買いしたい人はチェックしておくと楽しみが増えるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Intro」
ロマンティック・ファンクのお披露目といった感じのイントロダクション。

「Esp」
L.A.モダン・ファンクとPrince調ヴォーカルが融合した妖しげな雰囲気がクセになります。

「Paralyzed」
NJSのエッセンスを巧みに取り入れたダンサブルなミディアム・グルーヴ。NJS好きの心をくすぐるメロディ・ライン、サウンドがサイコーです。

「Cybernetiplegia」
Prince調のファルセット・ヴォーカルがハマる1曲。この少し変態チックな雰囲気にグッときます。

「Contact」
タイトル曲はインタールード的なつなぎの1曲。

「Mother」
Prince殿下に通じる魅力を持った哀愁バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=k78KxrtvJcA

「Obsession」
ジャケのようなダーク・パープルが似合いそうな哀愁ミディアム。真夜中に電気を暗くして聴きたいサウンドです。

「Cryptid」
この曲もNJSのエッセンスが効いています!彼が自らのサウンドを"ロマンティック・ファンク"と称するのが良く分かるセクシー&ドリーミーな仕上がり。

「Atlantis」
妖しげな夢の中を彷徨うようかのような音世界が展開されます。

「Outro (Athanasi)」
NJSなフィーリングを満喫しながら、最初のエンディングへ・・・

「In My Head (Alternate Ending)」
夢の中のセクシー&ビューティフル・バラードでもう1つのエンディングへ・・・妖しげな夜の子守歌って感じですね(笑)

世陸男子400Mリレー&ゴルフ全米プロのせいで今日も朝まで起きているパターンですね。
posted by ez at 00:47| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月12日

Freddie Hubbard『A Soul Experiment』

ファンク/ソウル・ジャズなHubbardを楽しめる1枚☆Freddie Hubbard『A Soul Experiment』
ア・ソウル・エクスペリメント<SHM-CD>
録音年:1968,69年
ez的ジャンル:超絶技巧トランぺッター系ファンク/ソウル・ジャズ
気分は... :ソウルの実験?

今回は名トランぺッターFreddie Hubbard『A Soul Experiment』(1969年)です。

これまで当ブログで紹介したFreddie Hubbard(1938-2008年)作品は以下の5枚。

 『Hub Tones』(1962年)
 『Breaking Point』(1964年)
 『Backlash』(1966年)
 『The Black Angel』(1969年)
 『Red Clay』(1970年)

本作『A Soul Experiment』Atlanticからの第3弾アルバムであり、"ソウルの実験"というアルバム・タイトルの通り、ファンク/ソウル・ジャズ路線の作品に仕上がっています。

ただし、"実験"と称するほど小難しい音ではなく、キャッチーで格好良いファンク/ソウル・ジャズを楽しむことができます。また、すべての演奏がエレクトリック・ギター&ベースで貫かれ、電化ジャズな布陣での演奏も特徴的です。。

レコーディング・メンバーはFreddie Hubbard(tp)以下、Carlos Garnett(ts)、Kenny Barron(el-p)、Gary Illingworth(org)、Eric Gale(g)、Billy Butler (g)、Jerry Jemmott(el-b)、Grady Tate(ds)、Bernard Purdie(ds)。

プロデュースはGil FullerJoel Dorn

本作らしい格好良いファンク/ソウル・ジャズを満喫できる「Clap Your Hands」「South Street Stroll」「Hang 'Em Up」「Soul Turn Around」「A Soul Experiment」、素晴らしいバラードの「Wichita Lineman」「Lonely Soul」などアルバム全体の充実度に興奮しまくる1枚です。

再評価が高まるAtlantic時代のHubbard作品。
本作はそれを象徴する1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Clap Your Hands」
Don Pickett作。エキサイティングな電化ソウル・ジャズがオープニング。Bernard PurdieとJerry Jemmottのリズム隊、Eric Galeのギター、そして主役Hubbardのトランペット、どれをとっても格好良ぎます。
https://www.youtube.com/watch?v=jD1BqTzQ1eI

「Wichita Lineman」
Glen Campbellのヒットで知られるJim Webb作品をカヴァー。ビューティフルなバラードは実に黄昏モードです。
https://www.youtube.com/watch?v=8YwGP5XZfXg

「South Street Stroll」
Kenny Barron作。格好良いブレイクと共に始まるファンキー・グルーヴ。グルーヴィーな鍵盤の音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GlfhIzPh-HQ

Del the Funky Homosapien feat. A-Plus, Casual & Snupe「No More Worries」等のサンプリング・ソースとなっています。
Del the Funky Homosapien feat. A-Plus, Casual & Snupe「No More Worries」
 https://www.youtube.com/watch?v=vwJFJp0dH5U

「Lonely Soul」
Freddie Hubbard作。正にロンリー・モードの哀愁バラード。Hubbardのプレイが冴えるハードボイルドな男臭さがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=P_NO-7d5818

The Wiseguys「The Real Vibes」、Delinquent Habits「Good Times」、Richie Cunning「Last Stop」のサンプリング・ソースとなっています。
Richie Cunning「Last Stop」
 https://www.youtube.com/watch?v=Fl5OqTRt-Q4

「No Time to Lose」
Carlos Garnett作。ダンサブルなソウル・グルーヴ。開放的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=X0cV5zmDyF0

「Hang 'Em Up」
Carlos Garnett作。「Clap Your Hands」と並ぶ格好良さを持つグルーヴィーな演奏です。エキサイティングなHubbardのソロ、Eric Galeのソリッドなギター、グルーヴィーなGary Illingworthのオルガンすべてがサイコーです。最後は少しあっけないのだけが唯一残念。
https://www.youtube.com/watch?v=obIMwrFLmyI

「Good Humor Man」
Don Pickett作。作者Pickettが参加したBlue Mitchell『Heads Up!』(1968年)でも演奏されていた楽曲です。オルガン・サウンドの栄える哀愁モードのソウル・ジャズです。ラテンな隠し味もいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=gXfnznaoVbE

「Midnite Soul」
Freddie Hubbard作。スローなブルースはハードボイルドな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=jLqVIzJyfN4

「Soul Turn Around」
Walter Bishop, Jr.作。セクシーな格好良さを持ったファンキー・グルーヴ。勢いのあるリズム隊をバックに、Hubbard、Garnettの二菅が絶好調のプレイで盛り上げてくれます。作者Walter Bishop Jr.自身のヴァージョンはアルバム‎『Coral Keys』(1971年)に収録されています。また、Blue Mitchell‎『The Last Tango=Blues』(1973年)でもカヴァーされています。さらにMadvillain「Money Folder」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=9iPbVx45uPI

「A Soul Experiment」
Freddie Hubbard作。ラストはファンキーなソウル・ジャズで締め括ってくれます。Eric Galeのカッティング・ギターに先導され、Hubbardがソウルフルなソロでキメてくれます。Hubbardに続くGaleのソロも格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=Fn3fF7tZhkc

Freddie Hubbardの過去記事もご参照下さい。

『Hub Tones』(1962年)
ハブ・トーンズ

『Breaking Point』(1964年)
Breaking Point

『Backlash』(1966年)
バックラッシュ

『The Black Angel』(1969年)
ブラック・エンジェル

『Red Clay』(1970年)
レッド・クレイ
posted by ez at 00:06| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月11日

Felix Cavaliere『Castles In The Air』

爽快AORな魅力を楽しめる1枚☆Felix Cavaliere『Castles In The Air』
キャッスル・イン・ジ・エアー(期間生産限定盤)
発表年:1979年
ez的ジャンル:元祖ブルーアイド・ソウル系AOR
気分は... :山の日だけど海気分!

今回はThe RascalsYoung Rascals)の元メンバーFelix Cavaliereの3rdソロ・アルバム『Castles In The Air』(1979年)です。

1943年N.Y.生まれのイタリア系白人シンガーFelix Cavaliereの紹介は、1stソロ・アルバム『Felix Cavaliere』(1974年)に続き2回目となります。

本作『Castles In The Air』はThe Rascals解散後、3枚目のソロ・アルバムですが、厳密には2ndアルバム『Destiny』(1975年)と本作の間に、Vinnie VincentRick LairdJack Scarangella と組んだバンドTreasure名義のアルバム『Treasure』(1977年)をリリースしています。

前回紹介した1stソロ『Felix Cavaliere』(1974年)は、Todd Rundgrenを共同プロデューサーに迎え、The Rascals(Young Rascals)の流れを汲むブルーアイド・ソウル作品でした。

それと比較して、本作『Castles In The Air』(1979年)は、ブルーアイド・ソウル作品というよりは爽快かつ都会的なAOR作品と呼べる1枚に仕上がっています。

プロデュースはFelix CavaliereCengiz Yaltkaya

レコーディングにはFelix Cavaliere(key、vo)以下、Hiram Bullock(g)、Steve Khan(g)、Vinnie Cusano(g)、Buzzy Feiten(g)、Will Lee(b)、Neil Jason(b)、Gene Santini(b)、Marcus Miller(b)、Steve Jordan(ds)、Steve Ferrone(ds)、Ed Walsh(syn)、Raphael Cruz(per)、Barry Rogers(tb)、Randy Brecker(tp)、Marvin Stamm(tp)、Ronnie Cuber(sax)、George Young(horns)、Seldon Powell(horns)、Luther Vandross(back vo)、The Rascals(Young Rascals)時代の同僚Eddie Brigati(back vo)とDavid Brigati(back vo)のBrigat兄弟、Arnold McCuller(back vo)、Diva Gray(back vo)といったメンバーが参加しています。

個人的には夏モードの爽快メロウ・サウンドを期待している作品なので、そういった面では「Good To Have Love Back」「Only A Lonely Heart Breaks」「Love Is The First Day Of Spring」「Outside Your Window」「You Turned Me Around」あたりがフィットします。

それ以外では、素敵なソウル・ダンサー「Dancin' The Night Away」を本作のハイライトに推す人も多いかもしれませんね。都会的なメロウ・バラードのタイトル曲「Castles In The Air」もAOR的な魅力があります。

The Rascals(Young Rascals)のイメージで聴かない方が楽しめる都会的なAOR作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Good To Have Love Back」
Felix Cavaliere作。本作を象徴するAOR/フリーソウル好きが喜びそうな爽快メロウ・グルーヴ。突き抜けるように伸びやかなCavaliereのヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=n3kKDA3p2uA

「Only A Lonely Heart Breaks」
Felix Cavaliere作。シングル・ヒットしたメロウ・ミディアム。ポップ・ソウルな魅力のあるメロディアスな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=jrKP49GjVjk

「All Or Nothing」
Felix Cavaliere作。夏モードにフィットする軽快な仕上がり。ホーン隊やギター・ソロなど本作ならではの開放的なサウンドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=_Fu6mDChfXY

「Castles In The Air」
Felix Cavaliere作。タイトル曲は都会的なメロウ・バラード。AOR的な魅力を満喫できる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0IBp8vtzeps

「People Got To Be Free」
Felix Cavaliere/Eddie Brigati作。The Rascals、1968年の全米No.1ヒットの再演です。ここではロック・フィーリングを強調したサウンドで自身の名曲を甦らせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CZNXjq1lsac

「Dancin' The Night Away」
Felix Cavaliere作。タイトルの通り、ダンサブルな爽快ソウル・ダンサーに仕上がっています。本作の中では最もソウル度の高い仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=_7lihEftz8o

「Love Is The First Day Of Spring」
Felix Cavaliere/Eddie Brigati作。 かつての盟友Eddie Brigatiとの共作による都会的なメロウ・ミディアム。ソウルフルなコーラス・ワークもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=2YbmOMYIrZ0

「Outside Your Window」
Felix Cavaliere/Dan Beck/Willie Young作。爽快な疾走感が心地好い1曲。ここでもソウルフルなコーラス・ワークが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QjOcOfdCAkc

「Don't Hold Back Your Love」
Felix Cavaliere/Dan Beck作。ポップ・ロックな哀愁ミディアムなバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=IzdC64ocvT0

「You Turned Me Around」
Felix Cavaliere作。ラストはサマー・モードで締め括ってくれます。爽快メロウなグルーヴ感が夏にフィットします。
https://www.youtube.com/watch?v=SyfDEHDdnaE

他のFelix Cavaliere作品もチェックを!

『Felix Cavaliere』(1974年)
Felix Cavaliere

『Destiny』(1975年)
Destiny

Treasure『Treasure』(1977年)
Treasure

『Dreams in Motion』(1994年)、
Dreams in Motion

Steve Cropper & Felix Cavaliere『Nudge it up a Notch』(2008年)
Nudge It Up a Notch

Steve Cropper & Felix Cavaliere『Midnight Flyer』(2010年)、
Midnight Flyer
posted by ez at 06:53| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月10日

Ely Bruna『Remember the Time』

Papik作品でお馴染みの女性シンガーの1stソロ☆Ely Bruna『Remember the Time』
Remember the Time
発表年:2010年
ez的ジャンル:イタリアン・ポップ・ジャズ
気分は... :1986年、あの頃の僕は・・・

今回はイタリアを拠点に活動する女性シンガーEly Brunaの1stアルバム『Remember the Time』(2010年)です。

イタリアの人気ポップ・ジャズ・プロジェクトPapikの諸作でフィーチャリングされたことで注目を浴びた女性シンガーEly Brunaの紹介は、2ndアルバム『Synesthesia』(2015年)に続き2回目となります。

彼女に関して、一点、僕の事実誤認があったので訂正を。
てっきりイタリア出身だと思っていましたが、メキシコ生まれ、USA育ち、その後イタリアへ移住というバイオグラフィのようです。

さて、1stソロ・アルバムとなる本作『Remember the Time』(2010年)は、PapikことNerio Poggiがアレンジを担当し、Papik一派らしいポップ・ジャズ・ワールドを展開しています。

1曲を除きカヴァー曲ですが、主に80年代ダンス・ヒットがセレクトされています。このセレクト・センスがイタリアっぽくて面白いですね。有名曲も多いのでオリジナルと聴き比べるのも楽しいと思います。オリジナルから相当変貌しているカヴァーもあります。

個人的には、夏らしいボッサ/メロウ・グルーヴな楽曲に惹かれます。その意味ではCoronaのカヴァー「The Rhythm of the Night」、Rick Astleyのカヴァー「Never Gonna Give You Up」、The RAH Bandのカヴァー「Clouds Across the Moon」、Nu Shoozのカヴァー「I Can't Wait」、Aquaのカヴァー「Barbie Girl」、オリジナルの「1986」、Whitney Houstonのカヴァー「I'm Your Baby Tonight」が僕のオススメです。

Irma Recordsからのリリースです。

夏のバカンス・モードにフィットする1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Rhythm of the Night」
オススメその1。イタリアのダンス系ユニットCorona、1993年のデビュー・ヒットをカヴァー。Papikらしい涼しげなボッサ・アレンジをバックに、Elyの雰囲気のいい艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NZMrvbRtewY

「Take on Me」
ノルウェーの人気グループa-ha、1985年の世界的大ヒットをカヴァー。お馴染みのヒット曲をしっとりとしたバラードで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-_OeutKklWE

「Dolce Vita」
Ryan Paris、1983年のイタロ・ディスコ・チューンをカヴァー。寛いだ雰囲気のオトナ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=yMYA13ERBGc

「Never Gonna Give You Up」
オススメその2。UKの人気男性シンガーRick Astley、1987年の世界的大ヒットをカヴァー。Papikらしいセンス全開の秀逸メロウ・カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=C0Aes_ZyN4M

「Material Girl」
Madonnaの1984年の大ヒットをカヴァー(Peter Brown/Robert Rans作)。ワルツ・ジャズ調の小粋なカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LWLo2iBltA4

「Clouds Across the Moon」
オススメその3。The RAH Band、1985年のシングル曲をカヴァー(Richard Hewson作)。ジャズ・サンバなブラジリアン・フィーリングで夏モードにしてくれるグッド・カヴァー。
https://www.youtube.com/watch?v=_RXen-Ll-n0

「I Like Chopin」
日本でも人気を博したGazebo、1983年の大ヒット曲をカヴァー。ミュート・トランペットが絡むしっとりとしたジャジー・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=dTuNRNF2jg0

「I Can't Wait」
オススメその4。USダンス系ユニットNu Shooz、1986年の大ヒット曲をカヴァー。アコースティックな質感が涼しげな僕好みのメロウ・ボッサ・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=NgfDIJvWe9k

「Tarzan Boy」
Baltimora、1985年のイタロ・ディスコ・ヒットをカヴァー。このクセのある楽曲はレゲエ調にカヴァーしています。

「Fresh」
Kool & The Gang、1984年の大ヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Emergency』(1984年)収録。オリジナルをイメージして聴くと、予想外な雰囲気のジャジー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6HqJMqoYMdk

「Barbie Girl」
オススメその5。Aqua、1997年のユーロポップ・ヒットをカヴァー。ギターの音色にグッとくる味わい深いアコースティック・バラード。Elyのヴォーカルが優しく包み込んでくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=TDhEbugQcQw

「Physical」
Olivia Newton-John、1981年の世界的大ヒットをカヴァー(Steve Kipner/Terry Shaddick作)。アノ有名曲をワルツ・ジャズへ変貌させています。
https://www.youtube.com/watch?v=csgOBXJ8Q4o

「State of the Nation」
N.Y.のシンセ・ポップ・バンドIndustry、イタリアで大ヒットした1983年のシングルをカヴァー。飾らない感じがグッドなアコースティック・カヴァーに仕上がっています。

「1986」
オススメその6。Elisa Barbosa/Nerio Poggi作。ラストはオリジナル作で締め括ってくれます。思い出に浸りたくなるボッサ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=W4vyvPhQ2bI

CDには以下の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「The Final Countdown」
スウェディッシュ・ロック・バンドEurope、1986年の世界的大ヒットをカヴァー。しっとりとしたバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Jk4aTc_D1mY

「I'm Your Baby Tonight」
オススメその7。今は亡き歌姫Whitney Houston、1990年の大ヒット曲をカヴァー(L.A. Reid/Babyface作)。ジャズ・フィーリングのダンサブル感が心地好いグッド・カヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_5eSSSw5Fbg

『Synesthesia』(2015年)
Synesthesia
posted by ez at 03:53| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月09日

Mos Def『The New Danger』

ロック、ブルースへのアプローチが印象的な賛否両論の2nd☆Mos Def『The New Danger』
New Danger
発表年:2004年
ez的ジャンル:ブラック・ロック×Hip-Hop
気分は... :ロックはブラックミュージック!

今回は知的リリシストとして人気を博すHip-HopアーティストMos Defの2ndアルバム『The New Danger』(2004年)です。

1973年N.Y.ブルックリン生まれのMos Def(本名:Dante Terrel Smith)の紹介は、Talib KweliとのユニットBlack Starのアルバム『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』(1998年)、ソロ第1弾アルバム『Black On Both Sides』(1999年)に続き3回目となります。

昨年、Yasiin Beyと改名し、年内での引退を表明していたMos Defですが、引退作になるとされていた『Negus In Natural Person』は発売されておらず、今後の動向が気になります。

さて、今日紹介する2ndアルバム『The New Danger』(2004年)は、全米アルバム・チャート第5位、同R&Bアルバム・チャート第2位となった大ヒット作ですが、ファンの間では賛否が分かれた1枚となりました。

『Black On Both Sides』収録の「Rock N Roll」で、♪ロックを始めたのは黒人であり、ロックはブラックミュージックだ♪と言い切ったMos Defのロック・アプローチが強調されている点がアルバム最大の特徴です。

そんなロック・アプローチの象徴が、当時Mos Defが主導していた黒人ロック・プロジェクトBlack Jack Johnsonの参加です。メンバーはBad BrainsDr. Know(g)、P-Funkの重鎮Bernie WorrellLiving ColourDoug Wimbish(b)とWill Calhoun(ds)。Bad BrainsとLiving Colourというブラック・ロックの2大バンドのメンバー参加が興味深いですね。

ロック以外にもブルース、ソウルのエッセンスも積極的に取り入れたHip-Hopの枠に囚われない1枚に仕上がっています。しかしながら、こうしたアプローチに対して、コアなHip-Hopファンからは批判的な声も多く挙がりました。

個人的にはジャンルの枠に囚われない音が好きなので、こういったアプローチは大歓迎です。また、最近はめっきり一般的なロックを聴く機会が少なくなった僕にとって、黒人Hip-Hopアーティストによるブラック・ロック的アプローチというのは、案外すんなり聴ける音なのかもしれません。

アルバムではMos Def自身に加え、MinnesotaKanye WestPsycho LesThe Beatnuts)、Raphael SaadiqEasy Mo BeeWarryn CampbellMolecules88-Keysがプロデュースを務めています。

改めて聴き直しても、ブラック・ロック、ブルース、ソウルのエッセンスを巧み取り入れた格好良いサウンドだと思います。

正にデンジャーなMos Defワールドを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「The Boogie Man Song」
Mos Def/Raphael Saadiqプロデュース。Raphaelがギター、ベース、Mos Defがピアノ、ドラムを演奏しているオープニング。この曲だけは前作『Black On Both Sides』の名残りを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=SrifgzFrjN4

「Freaky Black Greetings」
Mos Defプロデュース。Black Jack Johnson参加の1曲目。ここからがブラック・ロック・アプローチのスタート!Mos Def流のブラック・ロックをお披露目してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WWh6Bhglg6I

「Ghetto Rock」
Minnesotaプロデュース。ロッキンなHip-Hopチューンには、ずっしりとした重量感があります。Doug E. Fresh & Slick Rick「La Di Da Di」、Trick Daddy「Shut Up」のフレーズを引用しています。
https://www.youtube.com/watch?v=lhvd4jPboyQ

「Zimzallabim」
Easy Mo Bee/Mos Defプロデュース。Black Jack Johnson参加の2曲目。ブラック・フィーリングの効いたロック・サウンドが格好良いですね。そんなブラック・ロックをバックに、Mos Defのフロウも快調です。
https://www.youtube.com/watch?v=u1n_QT0uZlM

「The Rape Over」
Kanye Westプロデュース。蟹江氏の師匠Jay-Z「Takeover」(蟹江プロデュース)を引用し、音楽業界を厳しく批判しています。「Takeover」と同じくThe Doors「Five to One」をサンプリングしています。
https://www.youtube.com/watch?v=QfqRipvk6WE

「Blue Black Jack」
Minnesotaプロデュース。Shuggie Otisをフィーチャー。偉大なブルース・ミュージシャンJohnny Otisを父に持ち、60年代半ばから活躍するギタリストShuggie Otisを招いたブルース演奏は興味深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=dMYg683-LtU

「Bedstuy Parade & Funeral March」
Mos Defプロデュース。ブルース・アーティストPaul Oscherをフィーチャー。この曲もブルース調です。それ以上にカタカナ日本語調で♪モット、モット、シテヨ♪ナイス!ナイス!ナイス♪のフレーズが脳裏から離れません。
https://www.youtube.com/watch?v=XfmnRQRAt3g

「Sex, Love & Money」
Warryn Campbellプロデュース。アルバムからの1stシングルにもなりました。ここではロック・アプローチは一休みして、シンバルが刻むビートと妖しげなフルートの音色が印象的なHip-Hopチューンに仕上がってきます。Mos Def feat. Q-Tip & Tash 「Body Rock」のフレーズも聴こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Qy55uD9BK0o

「Sunshine」
Kanye Westプロデュース。Melba Moore「The Flesh Failures (Let the Sunshine In) 」をサンプリングした当時の蟹江氏らしい早回しを楽しめます。コレは主役のMos Defより、蟹江氏の仕事を楽しむトラックかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=oKzd3QV8MZw

「Close Edge」
Minnesotaプロデュース。Kool & the Gang「Open Sesame」をサンプリングしたダークなトラックやタブラ・ビートが僕好み。純粋に格好良いHip-Hopトラックだと思います。Grandmaster Flash & The Furious Five feat. Grandmaster Melle Mel & Duke Bootee「The Message」のフレーズを引用しています。
https://www.youtube.com/watch?v=olAWW3upODI

「The Panties」
Minnesotaプロデュース。Tom Brock「I Love You More and More」をサンプリングしたソウルフルな仕上がり。後半にはThe Moments「Sexy Mama」のフレーズも聴こえてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=EWDhdXsNMG4

「War」
Mos Def/Psycho Lesプロデュース。Black Jack Johnson参加の3曲目。前作で「Rock N Roll」をプロデュースしたコンビがBlack Jack Johnsonを起用し、ブラックミュージックとしてのロックを聴かせてくれます。後半一気にギア全開となります。
https://www.youtube.com/watch?v=6XK_DBqAQcI

「Grown Man Business (Fresh Vintage Bottles)」
Minnesotaをフィーチャーし、Minnesota自身がプロデュースしています。The Cecil Holmes Soulful Sounds「I'm Gonna Love You Just a Little More Baby」をサンプリングしたHip-Hopらしいトラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=EG3BU_C2mY4

「Modern Marvel」
Minnesotaプロデュース。9分半近いMarvin Gayeへのオマージュです。名盤『What's Going On』収録の「Flyin' High (In the Friendly Sky) 」をサンプリングし、さらに「What's Going On」のフレーズを引用しています。Mos DefのMarvin愛が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=-14oz9jyBY8

「Life Is Real」
Moleculesプロデュース。Madelaine「Who Is She and What Is She to You」 のサンプリングに、Roy Ayers Ubiquity「Everybody Loves the Sunshine」のフレーズを重ねたブラックスプロイテーションのサントラ風の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=CZ7YLjyJkZg

「The Easy Spell」
Mos Defプロデュース。ここではすべての楽器をMos Def自身が演奏し、ロッキンなHip-Hopを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Wyt2y-n16B8

「The Beggar」
Mos Defプロデュース。Black Jack Johnson参加の4曲目。それまでの3曲とは異なり、哀愁モードのロック・サウンドを聴かせてくれます。Mos Defの憂いを帯びたヴォーカルも印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=jndrcIF0ock

「Champion Requiem」
88-Keysプロデュース。偉大な黒人達へのレクイエムでアルバムは幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=bCmdzvpm7bc

Mos Def関連の他作品もチェックを!

Black Star『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』(1998年)
Black Star

『Black On Both Sides』(1999年)
Black on Both Sides

『True Magic』(2006年)
True Magic

『Ecstatic』(2009年)
Ecstatic
posted by ez at 01:55| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする