発表年:1973年
ez的ジャンル:ミューズ系MPB
気分は... :悩殺ジャケ・・・
MPBの歌姫Gal Costaが1979年にリリースした『India』(1973年)です。
これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の9枚。
『Gal Costa』(1969年)
『Gal』(1969年)
『Cantar』(1974年)
『Gal Canta Caymmi』(1976年)
『Gal Tropical』(1979年)
『Aquarela Do Brasil』(1980年)
『Fantasia』(1981年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
本作『India』(1973年)は、『Legal』(1970年)以来、約3年ぶりとなるスタジオ・アルバムとなります。その間、当時のブラジル軍事政権から反体制分子と見なされ、ロンドンへの亡命を余儀なくされたトロピカリズモの盟友Caetano Veloso、Gilberto Gilが母国へ戻り、トロピカリズモから一歩先へ踏み出した活動へ進んでいます。
そんなトロピカリズモの盟友に呼応するように、Galも新たなステージに突入することになります。そんなGal Costa第2ステージのスタートと位置づけられるのが本作『India』(1973年)です。
何といっても、Gal本人を大胆な構図で切り取った赤パン・ジャケのインパクトが大ですね。僕の場合、本作は3〜4枚目位に購入したGal Costa作品でしたが、正直ジャケ買いでした(笑)
同じく1973年にリリースされたCaetano Veloso『Araca Azul』も赤パン・ジャケですね。その意味で、この2枚には兄妹アルバムというイメージがあります。わが家のCD棚では、この2枚を並べて整理しています。『Araca Azul』も、そのうち紹介したいと思います。
Caetano Veloso『Araca Azul』(1973年)
Gilberto Gilが音楽ディレクターを務め、アレンジにはArthur Verocaiの名もクレジットされています。
レコーディングの主要メンバーはGilberto Gil(g)以下、Dominguinhos(accordion)、Toninho Horta(g)、Luiz Alves(contrabass)、Roberto Silva(ds)、Chico Batera(per、special effects)。
さらにTenorio Jr.(p)、Wagner Tiso(org)、Roberto Menescal(g)、Chacal(per)がゲスト参加しています。
また、Caetano Velosoが2曲を楽曲提供しています。
良くも悪くも多様なサウンドが楽しめるアルバムです。個人的にはブラジリアン・フォーキー「Presente Cotidiano」、Tenorio Jr.のピアノをバックに歌う「Volta」、アヴァンギャルドな「Relance」、ファンキー&ミステリアス・グルーヴ「Pontos de Luz」、Jobimのボサノヴァ名曲カヴァー「Desafinado」あたりがオススメです。
このジャケに悩殺された方は、ぜひサウンドもチェックを(笑)
全曲紹介しときやす。
「India」
Jose Asuncion Flores/Manuel O. Guerrero/Jose Fortuna作。ウルグアイの名曲カヴァーがオープニング。ストリングを配したノスタルジックな雰囲気に意表を突かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rjdjZ-fi3k0
「Milho Verde」
パラグアイのフォルクローレをカヴァー。トライバルなパーカッションの音色が印象的なフォルクローレです。この変化球な前半2曲に戸惑う人も多いかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=wlndfJO7RLg
「Presente Cotidiano」
Luiz Melodia作。本曲はArthur Verocaiがアレンジを担当。Galの歌声が優しく包み込んでくれるブラジリアン・フォーキーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=eFtIh3viCaU
「Volta」
Lupicinio Rodrigues作。Tenorio Jr.の素晴らしいピアノをバックに、しっとりと歌い上げる感動バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=dZvECKc-uPQ
「Relance」
Caetano Veloso/Pedro Novis作。反復するリズムの中にアヴァンギャルドなテイストも感じる仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=VweK7N67CN0
「Da Maior Importancia」
Caetano Veloso作。シンプルながらもレイジーなサウンドをバックに、Galが艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RU7sUofnbTc
「Passarinho」
Tuze de Abreu作。秘境のようなミステリアス感が漂う本作らしい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=_i8C7n-EDXc
「Pontos de Luz」
Jards Macale/Waly Salomao作。ファンキー&ミステリアスなグルーヴ感がグッドな1曲。サウンド的には一番キャッチーなのでは?と思ったら、Arthur Verocaiのアレンジでした。
https://www.youtube.com/watch?v=__3OJdgizqA
「Desafinado」
Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作。ラストはJobim作のボサノヴァ名曲カヴァーで締め括ってくれます。Roberto Menescalの素敵なギターをバックに、Galがソフトリーなヴォーカルで輝きます。
https://www.youtube.com/watch?v=6IZ3yVsjzIY
本曲に関して、当ブログではこれまでNara Leao、Roberto Menescal、Gary McFarland、Tania Maria、Os 3 Morais、O Quartetoのヴァージョンを紹介済みです。
Gal Costaの過去記事もご参照下さい。
『Gal Costa』(1969年)
『Gal』(1969年)
『Cantar』(1974年)
『Gal Canta Caymmi』(1976年)
『Gal Tropical』(1979年)
『Aquarela Do Brasil』(1980年)
『Fantasia』(1981年)
『Minha Voz』(1982年)
『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)