2017年09月30日

Melba Moore『Melba』

Van McCoyプロデュースによるダンサブル・レディ・ソウル☆Melba Moore『Melba』
Melba
発表年:1976年
ez的ジャンル:Buddah系ダンサブル・レディ・ソウル
気分は... :去る人、来る人・・・

女性R&BシンガーMelba Mooreが1976年にリリースした『Melba』です。

1945年N.Y.生まれの女性R&BシンガーMelba Mooreについて、当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Peach Melba』(1975年)
 『A Portrait of Melba』(1977年)
 『Closer』(1980年)

本作『Melba』(1976年)は、『Peach Melba』(1975年)、『This Is It』(1976年)に続くBuddahでの第3弾アルバムです。

Van McCoyがプロデュースした『This Is It』からタイトル曲「This Is It」がダンス・ヒットした流れを汲んだダンス/ディスコ色の強い1枚に仕上がっています。

プロデュースはVan McCoyCharles Kipps

レコーディングにはGordon Edwards(b)、Eric Gale(g)、Richard Tee(key)、Steve Gadd(ds)、Chris Parker(ds)というStuffの面々をはじめ、Hugh McCracken(g)、Leon Pendarvis(key)、Crusher Bennett(congas、per)等のミュージシャンが参加しています。

個人的には本作らしいダンサブル・サウンドを楽しめる「The Way You Make Me Feel」「Good Love Makes Everything Alright」「Ain't No Love Lost」「The Greatest Feeling」「(I Need) Someone」あたりがオススメです。

前作で自信をつけたVan McCoyがMelba Mooreの魅力を上手く引き出している1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「The Way You Make Me Feel」
オススメその1。Charles Kipps作。シングルにもなったダンス・トラックがオープニング。エレガントなダンサブル・サウンドとMelbaのキュート・ヴォーカルがマッチした爽快な高揚感がいいですね。個人的にも一番のお気に入り曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=r1ubrFTIlsg

「Good Love Makes Everything Alright」
オススメその2。Richard Harris/Van McCoy作。この曲もシングルになりました。素敵なコーラス隊と共にMelbaのキュート・ヴォーカルが躍動します。7分半を超える長尺ですが、重厚なサウンドで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=xPoGpvT99OA

「The Long and Winding Road」
Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。ミュージカル出身のMelbaにフィットする1曲ですが、アルバムの構成上は少し違和感があるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=hh0AHQ9Bhx8

「Ain't No Love Lost」
オススメその3。Curtis Mayfield作品のカヴァー。オリジナルは1972年にリリースされたPatti Joヴァージョンです。Curtis自身のヴァージョンはアルバム『Got to Find a Way』(1974年)に収録されています。本ヴァージョンはPatti Joヴァージョンをよりダンサブルにした印象を受けます。
https://www.youtube.com/watch?v=AEGO4b_TmRc

Patti Jo「Ain't No Love Lost」
 https://www.youtube.com/watch?v=G_hYEXMbLJs
Curtis Mayfield「Ain't No Love Lost」
 https://www.youtube.com/watch?v=hiI-l7kxW7M

「The Greatest Feeling」
オススメその4。Richard Harris/Van McCoy作。壮大なオーケストレーションを配したフィラデルフィア・サウンド的なダンス・トラックです。
https://www.youtube.com/watch?v=g1ZQsA4Z7Do

「Mighty Clouds of Joy」
Buddy Buie/Robert Nix作。B.J. Thomas、1971年のヒット曲をカヴァー。ゴスペル・フィーリングのビューティフル・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=icQjK-uMBKo

「(I Need) Someone」
オススメその5。Charles Kipps作。エレガントなオーケストレーション&コーラス隊を配した軽快なダンサブル・チューン。Melbaの透明感のあるヴォーカルが栄えます。

「So Many Mountains」
Joe Cobb/Van McCoy作。Melbaのキュート・ヴォーカルとバック・コーラスにおるヴォーカル・アレンジにグッとくる少しイナたいダンサブル・チューンで締め括ってくれます。

他のMelba Moore作品もチェックを!

『Peach Melba』(1975年)
Peach Melba

『This Is It』(1976年)
THIS IS IT (EXPANDED EDITION)

『A Portrait of Melba』(1977年)
Portrait of Melba

『Melba '78』(1978年)
Melba

『Closer』(1980年)
CLOSER

『What a Woman Needs』(1981年)
WHAT A WOMAN NEEDS(EXPANDED)

『The Other Side of the Rainbow』(1982年)
OTHER SIDE OF THE RAINBOW

『Never Say Never』(1982年)
NEVER SAY NEVER(PLUS BONUS)

『Read My Lips』(1985年)
READ MY LIPS (EXPANDED)

『A Lot of Love』(1986年)
A LOT OF LOVE (EXPANDED)
posted by ez at 06:08| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月29日

Ali『Crucial』

UK男性R&Bシンガーのソウル魂!☆Ali『Crucial』
Crucial
発表年:1998年
ez的ジャンル:UK男性R&Bシンガー
気分は... :コレってUS産じゃないの!

今回は90年代R&B作品からUK男性R&BシンガーAl『Crucial』(1998年)です。当時から評価の高かった男性R&B/ソウル・アルバムです。

AlことAlistair Tennantは、1973年ロンドン生まれの男性R&Bシンガー

Wayne HectorらとのユニットRhythm-N-Bassとして90年代前半にシングルを数枚リリースしています。その後、Wayne HectorとはAliwayというユニットでも活動しています。

そのAlistair Tennantがソロ・シンガーとしてリリースしたアルバムが本作『Crucial』(1998年)です。本国UKではアルバム・タイトルが『Bitter Honey』の盤もあります。

このアルバム1枚のみでシーンから消えてしまい、あの人は今・・・というアーティストになっていましたが、今年に入って突如Ali Tennant名義でアルバム『Get Loved』をリリースしています。

Ali Tennant『Get Loved』(2017年)
Get Loved

アルバム『Crucial』に話を戻すと、UK男性R&Bシンガーとは思えない、70年代サザン・ソウル調のソウル・チューンが印象的です。90年代後半にこの路線で勝負しようとする心意気も本作の支持が高い理由なのでは?

The Family StandThe Characters(Charles Farrar/Troy Taylor)Salaam RemiといったUS R&Bシーンでお馴染みのアーティスト/プロデューサーがプロデュースを手掛けています。それ以外にBob Brockman/Roger RussellGlen SunDexter Simmonsがプロデューサーとして名を連ねます。また、Aliwayの盟友Wayne Hectorもヴォーカル・アレンジ&バック・ヴォーカル等でアルバムに大きく貢献しています。

前述のようなソウル・モードのAliを満喫したいのであれば、シングルになった「Love Letters」をはじめ、「So In Love」「Crucial」「Tomorrow」あたりがオススメです。

キャッチーさでいえば、大ネタKeni Burke「Risin' To The Top」をサンプリングしたSalaam Remiプロデュースの「Feelin' You」Smif-N-Wessun「Bucktown」をサンプリングしたThe Charactersプロデュース曲「In And Out Of My Life」Steve Parks「Movin' In The Right Direction」をサンプリングした「Bitter Honey」、William Bell「I Forgot To Be Your Lover」をサンプリングした「Whatever You Want」あたりもオススメです。

ソウルフルですが、キャッチーさも忘れていないバランス感覚が絶妙の1枚です。

僕が所有するのはUS輸入盤ですが、盤によって多少収録曲が異なるのでご注意ください。

全曲紹介しときやす。 ※US盤仕様

「Love Letters」
The Family Standプロデュース。アルバムに先駆けてシングルにもなりました。70年代USサザン・ソウルの香り漂うキャッチーなミディアム。伸びやかなAliのソウルフル・ヴォーカルを満喫できます。

「Tomorrow」
Bob Brockman/Roger Russellプロデュース。Aliのソウル魂を満喫できるオーセンティックなミディアム・バラード。しみじみと伝わってくる正攻法のバラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=rMPagzPPRJo

「In And Out Of My Life」
The Charactersプロデュース。Smif-N-Wessun「Bucktown」をサンプリングしたダンサブルなミディアム・グルーヴ。男性R&Bグループ調のヴォーカル・ワークがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=an0v3qZbW1Y

「Whatever You Want」
Glen Sunプロデュース。William Bell「I Forgot To Be Your Lover」をサンプリングした少しイナたいミディアム・グルーヴ。Wayne HectorとAliのAliwayコンビによるヴォーカル・アレンジが冴えます。
https://www.youtube.com/watch?v=xS2zwp_qVi0

「Sure」
Bob Brockman/Roger Russell作。これもイナたいサザン・ソウル調の仕上がり。予備知識がなければUKソウルだとは思わないでしょう。

「Wish You Better」
The Family Standプロデュース。ポジティブなヴァイヴのミディアム。一歩前へ進む後押しをしてくれそうな1曲です。

「Crucial」
The Family Standプロデュース。タイトル曲はオーセンティックなソウルフル・バラード。Aliの自信に満ちた歌いっぷりがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bhMs5oyCJMc

「Since Loving You Is Crucial (Reprise)」
The Family Standプロデュース。「Crucial」の余韻に浸るリプライズ。

「It Only Takes A Minute」
本作では裏方に徹していたAliwayの盟友Wayne Hectorをフィーチャー。ソウル調のバラードとは雰囲気が異なるR&B系美メロ・バラードに仕上がっています。The Family Standプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=G6Rj4_kD1c0

「Crazy Don't」
The Family Standプロデュース。都会的なミディアムR&B。Aliのセクシーな側面を満喫できます。

「Bitter Honey」
Dexter Simmonsプロデュース。Steve Parks「Movin' In The Right Direction」をサンプリングしたミディアム・グルーヴ。Steve Parks「Movin' In The Right Direction」大好きな僕としては嬉しい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=UcAe5vjhi6c

「So In Love」
Bob Brockman/Roger Russellプロデュース。再びソウル・モードで歌い上げるビューティフル・バラード。このバラードをイチオシする人も多いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=LdNjFPcPRuo

「Feelin' You」
Salaam Remiプロデュース。Keni Burke「Risin' To The Top」をサンプリングしたキャッチーなアーバン・ミディアム。シングルにもなりました。さすがはSalaam Remiという仕事ぶりです。
https://www.youtube.com/watch?v=eKuWYoKW_kM

「Maybe Today」
The Family Standプロデュース。ラストは伸びやかに歌い上げるミディアムで爽やかに締め括ってくれます。

ちなみに国内盤にはStevie Wonder「Lately」のカヴァーがボーナス・トラックとして追加収録されています。

Ali『Crucial』(1998年) ※国内盤
クルーシャル
posted by ez at 03:39| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月28日

Joao Gilberto『Joao Voz E Violao』

熟成のボサノヴァ・ワールド☆Joao Gilberto『Joao Voz E Violao』
JOAO VOZ E VIOLAO
録音年:2000年
ez的ジャンル:ボサノヴァ・パイオニア
気分は... :セピア色の音楽・・・

今日の僕はセピア色の音楽が聴きたい気分・・・

セレクトしたのはボサノヴァ創成の功労者の一人であるシンガー/ギタリストJoao Gilberto『Joao Voz E Violao』(2000年)です。

Joao Gilbertoの紹介は、『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)に続き2回目の紹介となります。

僕の場合、Joao Gilbertoのアルバムって何枚か持っている割には、それ程熱心に聴き込んでいるわけではありません。

そんなJoao Gilbertoの作品群の中で、今の僕に一番フィットするのが本作『Joao Voz E Violao』(2000年)かもしれません。いい枯れ具合のJoaoの囁きヴォーカルとシンプルな弾き語りによる飾り気のないサウンドが、スッと心の中に溶け込んでいきます。老練ならではの味わい深さがたまりません。

プロデュースはCaetano Veloso

アルバム・タイトルの通り、Joaoの声とギターのみの老練なボサノヴァ・ワールドを存分に楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Desde que o Samba e Samba」
Caetano Veloso作品のカヴァー。当ブログではSpinetti/Dadi/Ceccarelli/PetreniDaniela Basso/Ernesto Salgueiroのカヴァーを紹介済みです。Joaoの囁きヴォーカルとCaetano作品の相性の良さを感じる素敵なオープニング。体の何処にも無駄な力が入っていない感じがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=_AfRLW7qMWs

「Voce Vai Ver」
Antonio Carlos Jobim作品のカヴァー。Joao Gilbertoらしいボサノヴァを楽しめます。サラッとした感じが逆にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aldLqSUEUEo

「Eclipse」
キューバの偉大な音楽家Ernesto Lecuonaの作品。『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)でも歌っていた楽曲の再演です。年輪を重ねてきたJoaoのヴォーカルの味わい深さがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=8qm7LefX8Vk

「Nao Vou Pra Casa」
Antonio de Almeida/Roberto Roberti作。円熟したメロウネスにグッとくるシンプル・イズ・ベストな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=yDAYO4MQ3qk

「Desafinado」
Antonio Carlos Jobim/Newton Mendonca作のボサノヴァ名曲カヴァー。『Chega De Saudade』(1959年)、『Getz/Gilberto』(1964年)等でも歌っていた楽曲の再演です。お馴染みの楽曲の老練ヴァージョンといったところでしょうか。

本曲に関して、当ブログではこれまでNara LeaoRoberto MenescalGary McFarlandTania MariaOs 3 MoraisO QuartetoGal Costaのヴァージョンも紹介済みです。

「Eu Vim da Bahia」
Gilberto Gil作品のカヴァー。『Joao Gilberto(邦題:三月の水)』(1973年)でも歌っていた楽曲の再演です。実に小気味いい演奏で楽しませてくれます。本曲に関して、当ブログではDaniela Basso/Ernesto Salgueiroのカヴァーも紹介済みです。

「Coracao Vagabundo」
Caetano Veloso作品のカヴァー。当ブログではCaetano Veloso自身の再録ヴァージョンやLeila Pinheiroのカヴァーを紹介済みです。哀愁のメロディをJoaoの囁きヴォーカルが歌い上げると、何とも言えぬ熟成を感じます。

「Da Cor do Pecado」
Bororo作。シンプルながらも小粋なセンスを感じる1曲。Joaoの美学が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=LYSO1GMewqI

「Segredo」
Herivelto Martins/Marino Pinto作。この老練な味わいはJoao Gilbertoにしか出せない味わいかもしれませんね。セピア色が似合うボサノヴァです。

「Chega de Saudade」
Vinicius De Moraes/Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲カヴァー。『Chega De Saudade』(1959年)でも歌っていた楽曲の再演です。40年以上の歳月が流れても、Joao Gilbertoのボサノヴァ・ワールドの鮮度が落ちていないことを証明するかのような1曲でアルバムは幕を閉じます。

本曲に関して、当ブログではこれまでTania MariaDaniela Basso/Ernesto SalgueiroJon HendricksGretchen Parlatoのカヴァーも紹介済みです。

Joao Gilbertoの他作品もチェックを!

『Chega De Saudade』(1959年)
Chega De Saudade (import)

『O Amor, O Sorriso E A Flor』(1961年)
O AMOR O SORRISO E A FLOR

『Joao Gilberto』(1962年)
JOAO GILBERTO

『Ela E Carioca(En Mexico)』(1970年)
Ela E' Carioca

『Joao Gilberto(邦題:三月の水)』(1973年)
三月の水

『Amoroso』(1977年)
AMOROSO (イマージュの部屋)

『Brasil』(1981年)
Brasil

『Joao』(1991年)
Joao  (I Really Samba)
posted by ez at 03:21| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月26日

Shakti With John McLaughlin『Natural Elements』

McLaughlinがインド人ミュージシャンと組んだユニット☆Shakti With John McLaughlin『Natural Elements』
Natural Elements
発表年:1977年
ez的ジャンル:インド音楽系アコースティック・フュージョン
気分は... :民族フュージョンの妖しい魅力・・・

エレクトリック・マイルス作品への参加や、Mahavishnu Orchestraで知られる超絶技巧派ギタリストJohn McLaughlinがインド人ミュージシャンと結成したアコースティック・ユニットShakti『Natural Elements』(1977年)です。

Shaktiは、McLaughlinがL. Shankar(Lakshminarayana Shankar)(violin)、Zakir Hussain(tabla、per)、Vikku Vinayakram(ghatam、mridangam)、Ramnad Raghavan(mridangam)という4名のインド人ミュージシャンと共に1975年結成。

Mahavishnu Orchestraとの大きな違いは、McLaughlinがエレクトリック・ギター主体のサウンドからアコースティックなサウンドに全面移行した点です。

Shakti結成に伴い、McLaughlinは『Inner Worlds』(1976年)でMahavishnu Orchestraとしての活動に終止符を打ちます。

Shakti名義としては、『Shakti With John McLaughlin』(1976年)、『A Handful of Beauty』(1977年)、『Natural Elements』という3枚のアルバムを短期間に集中リリースし、活動に区切りをつけています。

その後McLaughlinは1999年にRemember Shakti名義でShaktiを再結成しています。再結成といってもMcLaughlin、Zakir Hussain以外は新メンバーですが。

さて、本作『Natural Elements』(1977年)はShakti名義のラスト作ですが、3枚のアルバムの中では最も聴きやすいかもしれません。ShaktiというユニットでMcLaughlinがやりたかったアコースティックな民族フュージョン・サウンドが本作で結実しているのでは?

本作のメンバーは上記の結成メンバーからRamnad Raghavanを除いた4名。

プロデュースはJohn McLaughlin。楽曲はすべてJohn McLaughlinおよびL. Shankarによるオリジナルです。

僕の場合、タブラの妖しげな響きが放つグルーヴが大好きなのですが、そういった人にはかなりフィットする1枚だと思います。また、民族フォーキーとでも呼びたくなるインド・テイストのフォーキー・グルーヴも魅力的です。

独創的な民族フュージョンは今聴いても新鮮です。

全曲紹介しときやす。

「Mind Ecology」
McLaughlinのアコースティック・ギター、タブラを始めとする打楽器のパーカッシヴ・リズム、L. Shankarのコズミックな弦の響きが一体化した強烈なグルーヴに圧倒されるオープニング。つかみはO.K.です。
https://www.youtube.com/watch?v=s6O-Z_x_-Pk

「Face to Face」
McLaughlinのアコギの美しい響きに、打楽器やヴァイオリンの音色が折り重なる民族フォーキーな仕上がり。秋の季節が似合いそうな民族フォーキー・サウンドなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=eUy9SXBQZNM

「Come On Baby Dance with Me」
作者であるL. Shankarのヴァイオリンが主役の1曲。2分にも満たない演奏ですが、実に小気味良く聴き応え十分です。
https://www.youtube.com/watch?v=2Wj_R3yjNfo

「The Daffodil and the Eagle」
緩急をつけたメリハリのある演奏で、アコースティック・ギター、ヴァイオリン、インド打楽器という編成の面白さを存分に伝えてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Dcpdjwn3DEU

「Happiness Is Being Together」
開放的なアコースティック・グルーヴは、タイトルの通り幸福感に満ちたサウンドです。ラテンな隠し味も効いており、インド音楽+ラテンな民族フュージョンを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=oda9LF00pFw

「Bridge of Sighs」
ミステリアスな雰囲気が支配する民族フォーキー。ロード・ムーヴィーのBGMとかにフィットしそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=bDfMFPle3ac

「Get Down and Sruti」
タブラが妖しく響くインド的なサウンドですが、モロにインド音楽ではなくMcLaughlinらしいフュージョン・サウンドに仕上がっています。McLaughlinのギターとL. Shankarのヴァイオリンの応酬も聴き応えがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=XG7kHV_Fw-M

「Peace of Mind」
タイトルの通り、美しいピースフル・サウンドでShaktiの歴史が幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=j2AZ_OBhJWY

Shaktiの他作品やRemember Shaktiの作品もチェックを!

『Shakti With John McLaughlin』(1976年)
Shakti / John Mclaughlin

『A Handful of Beauty』(1977年)
Handful of Beauty

Remember Shakti『Remember Shakti』(1999年)
Remember Shakti

Remember Shakti『The Believer』(2000年)
The Believer

Remember Shakti『Saturday Night in Bombay』(2001年)
Saturday Night in Bombay
posted by ez at 02:29| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月25日

George Clinton『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』

時代の音を積極的に取り入れた意欲作☆George Clinton『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』
You Shouldn't
発表年:1983年
ez的ジャンル:本家P-Funk
気分は... :お楽しみ満載!

今回はP-Funk軍団の総帥George Clintonの2ndソロ・アルバム『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』(1983年)です。

Funkadelic/ParliamentをはじめとするP-Funk軍団の総帥George Clintonの紹介は、1stソロ・アルバム『Computer Games』(1982年)に続き2回目となります。

契約上のトラブル等で活動が滞っていたものの、起死回生の1stソロ『Computer Games』(1982年)から「Atomic Dog」が全米R&BチャートNo.1となり、健在ぶりを示したGeorge Clinton。

その『Computer Games』に続く2ndソロ・アルバムが『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』(1983年)です。

『Computer Games』(1982年)の陰で、あまり話題になることが少ないアルバムかもしれませんね。実際、『Computer Games』ほどのチャート・アクションはありませんでした。

僕も『Computer Games』の次は、Prince殿下のPaisley Park Recordsからリリースされた『The Cinderella Theory』(1989年)、『Hey Man, Smell My Finger』(1993年)のイメージが強いですね。

そんな存在感の薄いアルバムですが、聴いてみるとその充実ぶりにビックリ!長年スルーしていたことを反省した次第です。

レコーディングにはJunie Morrison(key、g、vo)、Bootsy Collins(b、ds、g)、Garry Shider(g、vo)、Michael Hampton(g)、Eddie Hazel(g)、Andre Foxxe(g)、DeWayne "Blackbyrd" McKnight(g、key)、 Lige Curry,(b)、Michael Payne (b、key、vo)、Bernie Worrell(key)、David Spradley(key)、Doug Duffy(key)、Ron Cron(key)、Larry Fratangelo(per)、Maruga Booker(per)、Maceo Parker(sax)、Fred Wesley(tb)、Larry Hatcher(tp)、Richard Griffith(tp)、Darryl Clinton(vo)等のP-Funk軍団お馴染みのメンバーが勢揃いしています。

プロデュースはGeorge Clinton自身。さらにJunie MorrisonGarry Shiderが共同プロデュースしている曲もあります。

アルバム全体としては、本作と同じ1983年に大ヒットしたDavid Bowie「Let's Dance」を意識した(パロった)エレクトリック・ブギー「Last Dance」、ラップを取り入れたエレクトロ・ファンク「Nubian Nut」、1983年の話題曲となったHerbie Hancock「Rockit」を意識したかのようなスクラッチ音が聴こえる「You Shouldn't-Nuf Bit Fish"」など時代の音を積極的に取り入れようとするスタンスが感じられます。

それ以外に格好良いギター・サウンドのファンク・チューン「Quickie」Heatwave「Boogie Nights」のフレーズを拝借したブギー・ファンク「Silly Millameter」あたりも楽しめるはずです。

改めて聴き直すと、色々と聴き所、お楽しみが多く個人的に再評価が高い1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Nubian Nut」
George Clinton/David Spradley/Lane Strickland/Fela Kuti作。シングルにもなったオープニング。ラップを取り入れたエレクトロ・ファンク。この時期にHip-Hopのエッセンスを取り入れる先見性がGeorge Clintonのセンスなのかもしれませんね。作者にアフロビートの創始者Fela Kutiが含まれているのも興味深いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5wAxVgmmkRc

「Quickie」
Andre Williams/Ron Ford/Janice Evans/Stephanie Linn作。Junie Morrisonとの共同プロデュースです。格好良いギター・サウンドが印象的なダンサブルなファンク・チューン。Funkadelic/Parliamentよりもスマートなキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=wiPizq1OEG8

Knucklehedz「All She Wanted」のサンプリング・ソースになっています。
Knucklehedz「All She Wanted」
 https://www.youtube.com/watch?v=8gLB4rf8H8g

「Last Dance」
Bootsy Collins/Robert Johnson/Stephanie Linn作。前述のように、David Bowie「Let's Dance」を意識したエレクトリック・ブギーに仕上がっています。コーラスはモロに「Let's Dance」です(笑)。Kanye Westの先を行く早回し高音ヴォーカル等の遊び心も含めてP-Funk総帥らしい1曲に仕上がっているのでは?>、
https://www.youtube.com/watch?v=ps9SYLw7if8

Erick Sermon「Hittin' Switches」のサンプリング・ソースになっています。
Erick Sermon「Hittin' Switches」
 https://www.youtube.com/watch?v=CqMDF5NLi_M

「Silly Millameter」
Bob Bishop/Lushawn Clinton/Doug Duffy作。Heatwave「Boogie Nights」のフレーズを拝借したブギー・ファンク。軽やかなホーン・サウンドやラテン/ブラジリアンなパーカッションもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=yyE_9MZEZDQ

「Stingy」
Michael Hampton/Lige Curry/Gary Cooper/Stephanie Linn作。儚いエレポップ調サウンドが印象的なエレクトロ・ファンク。ある意味80年代前半らしい音かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=DD-89IryjMo

「You Shouldn't-Nuf Bit Fish"」
Michael Payne/Robert Johnson/Stephanie Linn作。タイトル曲はスペイシーなエレクトロ・ファンク。スクラッチ音を織り交ぜているあたりは、本作と同じ1983年にヒットしたHerbie Hancock「Rockit」を意識したものでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=8U8Zo-KG2sY

George Clintonの他作品もチェックを!

『Computer Games』(1982年)
コンピューター・ゲームス

『Some of My Best Jokes Are Friends』(1985年)
george clinton some of my best jokes are friends.jpg

『R&B Skeletons in the Closet』(1986年)
R & B Skeletons in the Clos

『The Cinderella Theory』(1989年)
The Cinderella Theory

『Hey Man...Smell My Finger』(1993年)
Hey Man Smell My Finger

『T.A.P.O.A.F.O.M』(1996年)
Tapoafom
posted by ez at 02:17| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする