発表年:2017年
ez的ジャンル:ベイエリア・ジャジーHip-Hop
気分は... :守破離・・・
今回はカリフォルニア生まれの韓国系アメリカ人MC/プロデューサーKero OneがAzureと共同名義でリリースした最新アルバムKero & Azure『Jazzhop』です。
当ブログでこれまで紹介したKero One作品は以下の6枚。
『Windmills of the Soul』(2005年)
『Kero One Presents:Plug Label』(2007年) ※主宰するPlug Labelのコンピ
『Early Believers』(2009年)
『Kinetic World』(2010年)
『Color Theory』(2012年)
『Reflection Eternal』(2015年) ※Kero Uno名義
最新作はベイエリアのヒップホップ・クルーThe HBK Gangのラッパー/プロデューサーAzureとタッグを組み、デビュー・アルバム『Windmills of the Soul』(2005年)を思い出すような原点回帰のジャジーHip-Hopを聴かせてくれます。
Kero Uno名義の前作『Reflection Eternal』(2015年)を聴いたときには、もはや彼にとってHip-Hopというフィールドは狭すぎるのかとも思いましたが、本作ではしっかりHip-Hopのフィールド、しかも初期作品のようなジャズ・フィーリングを重視したトラックが多く収録されています。
おそらくKero Oneファンの中には"やはり1st『Windmills of the Soul』が最高だった"という人も多いと思うので、そういった人たちも満足できる1枚です。
オープニングの「Jazzhop」を聴き、歓喜する人も多いのでは?
全曲紹介しときやす。
「Jazzhop」
A Tribe Called Quest「Verses From the Abstract」の♪Comin' to The house of the jazz, of the funk♪のリリックに、Common「Resurrection '95」のサンプリングが絡むKero Oneらしいジャジー&メロウHip-Hop全開のオープニング。Kero Oneファンはずっとこういった音を待っていたのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=TYjTrtXKkpU
「Light It Up!」
澄み切ったジャジー&ソウルフルなフィーリングが心地好いトラックに仕上がっています。
「Real Ones」
涼しげなフルートが先導するジャジー&メロウ・チューン。クールな美学がたまりません。
「Let Me Show You」
ディスコ/ブギー調のダンサブル・チューン。途中、Ol' Dirty Bastard「Shimmy Shimmy Ya」のリリックを引用しています。
https://www.youtube.com/watch?v=tb_R2DfylH8
「Momma Said」
アーバンなソウル・フィーリングにグッときます。さり気ない中にもKero Oneならではのセンスを感じます。
「Rhodes Less Traveled」
70年代クロスオーヴァー/フュージョン風のエッセンスを散りばめたインスト。今ジャズ風のリズムもいい感じです。
「Winning」
ジャジーなトランペットとエッジーなギターのループをバックに、高速ラップで畳み掛けるクセになるトラック。ラガ風味が隠し味です。
「Pressure」
本編ラストはヴォコーダー入りのエレクトロ風味のトラックで締め括ってくれます。少し他のトラックとは異なる雰囲気です。
「Winning」
国内盤ボーナス・トラック。KANDYTOWNに所属する日本人ラッパー呂布をフィーチャーした「Winning」の別ヴァージョンです。日本語で聴くと、また別の魅力がありますね。
Kero One関連の過去記事もご参照下さい。
『Windmills of the Soul』(2005年)
Various Artists『Kero One Presents:Plug Label』(2007年)
『Early Believers』(2009年)
『Kinetic World』(2010年)
『Color Theory』(2012年)
『Reflection Eternal』(2015年)