2017年09月06日

Willie Bobo『Uno Dos Tres 1-2-3』

N.Y.スパニッシュ・ハーレムらしいブーガルー/ラテン・ジャズ☆Willie Bobo『Uno Dos Tres 1-2-3』
Uno Dos Tres & Spanish Grease
発表年:1966年
ez的ジャンル:N.Y.ブーガルー/ラテン・ジャズ
気分は... :W杯最終予選、今晩は少し余裕で!

今回はラテン・パーカッション/ティンバレス奏者Willie Boboが1966年にリリースした『Uno Dos Tres 1-2-3』です。

N.Y.スパニッシュ・ハーレム出身のニューヨリカンWillie Bobo(本名:William Correa)(1934-1983年)の紹介は、『Juicy』(1967年)、『Bobo Motion』(1967年)に続き3回目となります。

厳密には上記ジャケにリンクしているのは、『Spanish Grease』(1965年)との2in1CDです。僕が保有しているのもこの2in1です。『Uno Dos Tres 1-2-3』単品でのCD化はされていないと思います。

本作は以前に紹介した2枚と同様に、Boboがノリに乗っていた60年代後半のVerveでのレコーディングです。プロデュースはCreed Taylor

レコーディング・メンバーはWillie Bobo(timbales)以下、Mel Lastie(cornet)、Bobby Brown(as、ts)、Sonny Henry(g)、Jon Hart(b)、Bobby Rodriguez(b)、Oswald Martinez(bongos、guiro)、Carlos Valdes(congas)、Jose Mangual(per)、Victor Pantoja(per)。

アルバム全体としては、N.Y.スパニッシュ・ハーレムのストリート感覚を楽しめるファンキー&グルーヴィーなブーガルー/ラテン・ジャズに仕上がっています。

アッパーなブーガルー/ラテン・グルーヴでいえば、「One, Two, Three (Uno, Dos, Tres) 」「Boogaloo in Room 802」「Rescue Me」「No Matter What Shape (Your Stomach's In)」「Ol' Man River」「The Breeze and I」あたりがオススメ。

テンポを落とした「Fried Neck Bones and Some Homefries」「Goin' Out of My Head」「I Remember Clifford」も僕好み。

この時期のBoboの勢いのあるサウンドを楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Boogaloo in Room 802」
Jon Hart/Melvin Lastie作。軽快で開放的なブーガルーがオープニング。ストリート感覚のラテン・グルーヴを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=uJaJgPlXzLA

「Come a Little Bit Closer」
Tommy Boyce/Wes Farrell/Bobby Hart作。Jay & The Americans、1964年のヒット曲をカヴァー。何の予備知識もなく聴いたとき、Ritchie Valens「La Bamba」のカヴァーだと思いました(笑)。「La Bamba」とマッシュアップしたらジャスト・フィットだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=mrRejBhRRIQ

「Goin' Out of My Head」
Teddy Randazzo/Bob Weinstein作。 Little Anthony & the Imperials、1964年のR&Bヒットをカヴァー。ゆったりとしたテンポながらも、気の利いたラテン・ジャズは魅力的です。
https://www.youtube.com/watch?v=givmPi-L7qQ

「I Remember Clifford」
天才トランぺッターClifford Brownに捧げられたBenny Golson作品をカヴァー。Donald Byrd/Gigi Gryceヴァージョンが初レコーディングですが、当ブログでも紹介したLee Morganのカヴァーが印象的ですね。ゆったりとしたラテン・リズムで聴く「I Remember Clifford」も悪くありません。
https://www.youtube.com/watch?v=OZe-PzPw3c8

「Rescue Me」
女性R&BシンガーFontella Bass、1965年の大ヒット曲をカヴァー(Raynard Miner/Carl Smith作)。アッパーなストレート感覚が魅力の1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gBUGNAt4Mvc

「Michelle」
Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。オリジナルは『Rubber Soul』に収録されています。情熱的なラテン・グルーヴとなった「Michelle」もなかなかの珍味です。
https://www.youtube.com/watch?v=RRc1YifQXA4

「No Matter What Shape (Your Stomach's In)」
USロック・バンドThe T-Bones 、1965年のシングルをカヴァー(Granville Burland作)。 スリリングに疾走するラテン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=_49ujR0etow

「Fried Neck Bones and Some Homefries」
Willie Bobo/Melvin Lastie作。今日的にはタイトル曲と並ぶハイライトかもしれませんね。抑えたトーンが格好良いビターなラテン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=VjLRkdVihJw

当ブログで紹介したCoke Escovedoヴァージョンをはじめ、Santana、Giants、Yeska等がカヴァーしています。また、Styles of Beyond「Survival Tactics」、Delinquent Habits feat. Michelle「Boulevard Star」のサンプリング・ソースとなっています。
Santana「Fried Neckbones」
 https://www.youtube.com/watch?v=dke84YMCFs0
Coke Escovedo「Fried Neckbones」
 https://www.youtube.com/watch?v=7NBksJWXfi0
Giants「Fried Neck Bones and Some Home Fries」
 https://www.youtube.com/watch?v=N5siaDUhHaU
Yeska「Fried Neck Bones and Some Home Fries」
 https://www.youtube.com/watch?v=xRfcdSoEd4A
Styles of Beyond「Survival Tactics」
 https://www.youtube.com/watch?v=coF-KsSb4iU
Delinquent Habits feat. Michelle「Boulevard Star」
 https://www.youtube.com/watch?v=9r5d8yCiVCY

「Ol' Man River」
Oscar Hammerstein II/Jerome Kern作のスタンダードをカヴァー。ラテン・ジャズ〜ブーガルーでいえば、当ブログで紹介したJimmy Castorによるカヴァーもあります。スピード感という点ではアルバム随一のの仕上がり。Boboのティンバレスも存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=3lk89RQpWis

「One, Two, Three (Uno, Dos, Tres) 」
タイトル曲はブルーアイド・ソウル・シンガーLen Barry、1965年の大ヒット曲「1 - 2 - 3」をカヴァー(John Medora/David White/Len Barry作)。この曲自体、The Supremes「Ask Any Girl」(Holland-Dozier-Holland作)のリワークという位置づけです。N.Y.ブーガルーの魅力を存分に伝えてくれる本作のハイライトなのでは?演奏全体にストリートな男の色気があるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kCnHikW6BNQ

「Night Song」
1964年のミュージカル『Golden Boy』の挿入歌をカヴァー(Lee Adams/Charles Strouse作)。エレガントな古き良きラテン・ムードが漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=hRKOphUBKTw

「The Breeze and I」
キューバ人コンポーザーErnesto Lecuona作、Al Stillmanが英詞をつけたスタンダードをカヴァー。「Ol' Man River」と並ぶスピード感でスタンダードをスリリングも聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bPOlsRFq3HA

Willie Boboの他作品もチェックを!

『Bobo's Beat』(1963年)
ボボズ・ビート

『Bobo! Do That Thing/Guajira』(1963年)
Do That Thing

『Let's Go Bobo!』(1964年)
レッツ・ゴー・ボボ

『Bobo Motion』(1967年)
Bobo Motion (Dig)

『Juicy』(1967年)
Juicy

『A New Dimension』(1968年)
New Dimension (Special Packaging)

Willie Bobo & The Bo-Gents『Do What You Want To Do, Tomorrow Is Here』(1971年)
Do What You Want to Do

『Tomorrow Is Here』(1977年)
トゥモロー・イズ・ヒア

『Bobo』(1979年)
ボボ【完全生産限定盤】
posted by ez at 00:09| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする