発表年:1972年
ez的ジャンル:オンダ・ヌエヴァ
気分は... :ソフィスティケイテッド!
今回はベネズエラの偉大な音楽家Aldemaro Romeroが提唱した音楽スタイル"Onda Nueva"を代表する1枚、Aldemaro Romero And His Onda Nueva『Aldemaro Romero And His Onda Nueva』(1972年)です。
ベネズエラ、ヴァレンシア出身のプロデューサー/アレンジャー/コンポーザー/ピアニストAldemaro Romero(1928-2007年)の紹介は、Aldemaro Y Su Onda Nueva『El Fabuloso』(1971年)に続き2回目となります。
ボサノヴァ、ラテン・ポップス、フォルクローレ、ソフトロック、ジャズ、クラシックなどを融合させたイージー・リスニング的な音楽スタイル"Onda Nueva"を提唱したAldemaro Romeroですが、本作『Aldemaro Romero And His Onda Nueva』(1972年)は、N.Y.とハリウッドでレコーディングされた全曲英語のUSマーケットを意識した作品です。
本国ベネズエラでは『La Onda En Ingles』のタイトルでリリースされています。
セルメン系の男女コーラス入りブラジリアン・ソフト・ロック/ボッサ・グルーヴがお好きな人であれば、間違いなく気に入るソフィスティケイテッド・ポップ作品です。
1枚だと思います。
とりあえず「It's Impossible (Somos Novios)」、「And Still I Love Her (Carretera)」、「Bluesette」、「Sweet Madness (Folie Douce)」の4曲を聴けば、本作の素晴らしさを実感できるはずです。
"Onda Nueva"を堪能するという点では、素晴らしいヴォーカリーズを聴かせてくれる「Little Love Bird (Pajarillo In Onda Nueva)」の仕上がりも抜群です。
上記は再発CDのジャケですが、オリジナルLPのジャケがジャケ好きにはたまらないと思います。
※オリジナル・ジャケ
聴く者をハッピーにするAldemaro RomeroのOnda Nuevaワールドを存分に楽しみましょう。
全曲紹介しときやす。
「It's Impossible (Somos Novios)」
オススメその1。Armando Manzanero/Sid Wayne作。メキシコ人コンポーザーArmando Manzaneroの作品がオープニング。エレガントなオーケストレーションをバックに、美しい男女コーラスが軽やかに舞うメロディアスなソフト・ロック。
https://www.youtube.com/watch?v=6bwggGg8G2Q
「And Still I Love Her (Carretera)」
オススメその2。Aldemaro Romero/Sammy Cahn作。聴いているだけでハッピー・モードになる至極のブラジリアン・ソフト・ロック。サウンド、コーラス共に申し分なし!いつ聴いてもポジティブ&ラブリーなヴァイヴに溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=s7CtUadLu6I
「It Never Ends (Quinta Anauco)」
Aldemaro Romero/Sammy Cahn作。イージーリスニング的なバラードをしっとりと歌い上げます。。
https://www.youtube.com/watch?v=oFZLX_PIup4
「Little Love Bird (Pajarillo In Onda Nueva)」
Aldemaro Romero/Hermine Hilton作。バロック・スタイルの素晴らしいヴォーカリーズ・スタイルで聴かせます。Michel Legrandの実姉Christiane Legrandも在籍していたコーラス・グループThe Swingle Singersの影響らしいです。Onda Nuevaらしさという点では抜群の仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=5yoxEdc2fFE
「Someone (El Catire)」
オススメその3。Aldemaro Romero/Sammy Cahn作。ダバダバ・スキャットが冴え渡るキュート&スリリングなブラジリアン・ソフト・ロック。中盤はゆったりとしたテンポで雰囲気を変え、後半再びダバダバ・スキャットへ突入するドラマチックな展開も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=OfG9n95I2KQ
「Two (Chipoleando)」
オススメその4。Aldemaro Romero/Hermine Hilton作。素晴らしいコーラス・ワークと共にスピーディーに疾走します。グルーヴィーなオルガン・サウンドもグッド!
「Venezuela (Coplas A La Polaca)」
Aldemaro Romero/Sammy Cahn作。メロウネス漂うセルメン好きの人が気に入るであろうブラジリアン・・ソフト・ロック。
https://www.youtube.com/watch?v=Ao25ygf7AGM
「Bluesette」
オススメその5。Norman Gimbel/Toots Thielemans作。Toots Thielemansのジャズ・スタンダードをカヴァー。当ブログではQuincy Jonesのカヴァーも紹介済みです。また、ポーランドの女性ジャズ・シンガーUrszula Dudziakのカヴァー・ヴァージョン(アルバム『Midnight Rain』収録)もクラブ・クラシックとして再評価が高いですね。本ヴァージョンもUrszula Dudziakに負けない魅力を持った至極のブラジリアン・メロウ・ジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=0Spr3iIXE8k
Urszula Dudziak「Bluesette」
https://www.youtube.com/watch?v=3-6xw7vIrik
「Sweet Madness (Folie Douce)」
オススメその6。Franck Pourcel/Hermine Hilton作。軽快なリズムと共にキュートな女性ヴォーカルが躍動する至極のボッサ・グルーヴ
「Sunrise, Sunset」
Jerry Bock/Sheldon Harnick作。ミュージカル『Fiddler on the Roof(邦題:屋根の上のバイオリン弾き)』の主題歌をカヴァー。哀愁モードのヴォーカルを品良く聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hhVWe_Y8Yso
「Never Can Say Goodbye」
オススメその7。Clifton Davis作。Jackson 5、1971年の大ヒット曲をカヴァー。お馴染みの人気曲をボッサなソフト・ロックで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9S-hC67v5dw
Aldemaro Romeroの他作品もチェックを!
Monna Bell & Aldemaro Romero『La Onda Nueva En Mexico』(1970年)
Aldemaro Y Su Onda Nueva『El Fabuloso』(1971年)
Aldemaro Romero Y Su Onda Nueva『La Onda Maxima』(1972年)
Aldemaro Romero Y Su Onda Nueva『Toma Lo Que Te Ofreci』(1974年)
Aldemaro Romero『Istituto Italo-Latino Americano/Roma』(1976年)