2017年09月25日

George Clinton『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』

時代の音を積極的に取り入れた意欲作☆George Clinton『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』
You Shouldn't
発表年:1983年
ez的ジャンル:本家P-Funk
気分は... :お楽しみ満載!

今回はP-Funk軍団の総帥George Clintonの2ndソロ・アルバム『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』(1983年)です。

Funkadelic/ParliamentをはじめとするP-Funk軍団の総帥George Clintonの紹介は、1stソロ・アルバム『Computer Games』(1982年)に続き2回目となります。

契約上のトラブル等で活動が滞っていたものの、起死回生の1stソロ『Computer Games』(1982年)から「Atomic Dog」が全米R&BチャートNo.1となり、健在ぶりを示したGeorge Clinton。

その『Computer Games』に続く2ndソロ・アルバムが『You Shouldn't-Nuf Bit Fish』(1983年)です。

『Computer Games』(1982年)の陰で、あまり話題になることが少ないアルバムかもしれませんね。実際、『Computer Games』ほどのチャート・アクションはありませんでした。

僕も『Computer Games』の次は、Prince殿下のPaisley Park Recordsからリリースされた『The Cinderella Theory』(1989年)、『Hey Man, Smell My Finger』(1993年)のイメージが強いですね。

そんな存在感の薄いアルバムですが、聴いてみるとその充実ぶりにビックリ!長年スルーしていたことを反省した次第です。

レコーディングにはJunie Morrison(key、g、vo)、Bootsy Collins(b、ds、g)、Garry Shider(g、vo)、Michael Hampton(g)、Eddie Hazel(g)、Andre Foxxe(g)、DeWayne "Blackbyrd" McKnight(g、key)、 Lige Curry,(b)、Michael Payne (b、key、vo)、Bernie Worrell(key)、David Spradley(key)、Doug Duffy(key)、Ron Cron(key)、Larry Fratangelo(per)、Maruga Booker(per)、Maceo Parker(sax)、Fred Wesley(tb)、Larry Hatcher(tp)、Richard Griffith(tp)、Darryl Clinton(vo)等のP-Funk軍団お馴染みのメンバーが勢揃いしています。

プロデュースはGeorge Clinton自身。さらにJunie MorrisonGarry Shiderが共同プロデュースしている曲もあります。

アルバム全体としては、本作と同じ1983年に大ヒットしたDavid Bowie「Let's Dance」を意識した(パロった)エレクトリック・ブギー「Last Dance」、ラップを取り入れたエレクトロ・ファンク「Nubian Nut」、1983年の話題曲となったHerbie Hancock「Rockit」を意識したかのようなスクラッチ音が聴こえる「You Shouldn't-Nuf Bit Fish"」など時代の音を積極的に取り入れようとするスタンスが感じられます。

それ以外に格好良いギター・サウンドのファンク・チューン「Quickie」Heatwave「Boogie Nights」のフレーズを拝借したブギー・ファンク「Silly Millameter」あたりも楽しめるはずです。

改めて聴き直すと、色々と聴き所、お楽しみが多く個人的に再評価が高い1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Nubian Nut」
George Clinton/David Spradley/Lane Strickland/Fela Kuti作。シングルにもなったオープニング。ラップを取り入れたエレクトロ・ファンク。この時期にHip-Hopのエッセンスを取り入れる先見性がGeorge Clintonのセンスなのかもしれませんね。作者にアフロビートの創始者Fela Kutiが含まれているのも興味深いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5wAxVgmmkRc

「Quickie」
Andre Williams/Ron Ford/Janice Evans/Stephanie Linn作。Junie Morrisonとの共同プロデュースです。格好良いギター・サウンドが印象的なダンサブルなファンク・チューン。Funkadelic/Parliamentよりもスマートなキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=wiPizq1OEG8

Knucklehedz「All She Wanted」のサンプリング・ソースになっています。
Knucklehedz「All She Wanted」
 https://www.youtube.com/watch?v=8gLB4rf8H8g

「Last Dance」
Bootsy Collins/Robert Johnson/Stephanie Linn作。前述のように、David Bowie「Let's Dance」を意識したエレクトリック・ブギーに仕上がっています。コーラスはモロに「Let's Dance」です(笑)。Kanye Westの先を行く早回し高音ヴォーカル等の遊び心も含めてP-Funk総帥らしい1曲に仕上がっているのでは?>、
https://www.youtube.com/watch?v=ps9SYLw7if8

Erick Sermon「Hittin' Switches」のサンプリング・ソースになっています。
Erick Sermon「Hittin' Switches」
 https://www.youtube.com/watch?v=CqMDF5NLi_M

「Silly Millameter」
Bob Bishop/Lushawn Clinton/Doug Duffy作。Heatwave「Boogie Nights」のフレーズを拝借したブギー・ファンク。軽やかなホーン・サウンドやラテン/ブラジリアンなパーカッションもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=yyE_9MZEZDQ

「Stingy」
Michael Hampton/Lige Curry/Gary Cooper/Stephanie Linn作。儚いエレポップ調サウンドが印象的なエレクトロ・ファンク。ある意味80年代前半らしい音かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=DD-89IryjMo

「You Shouldn't-Nuf Bit Fish"」
Michael Payne/Robert Johnson/Stephanie Linn作。タイトル曲はスペイシーなエレクトロ・ファンク。スクラッチ音を織り交ぜているあたりは、本作と同じ1983年にヒットしたHerbie Hancock「Rockit」を意識したものでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=8U8Zo-KG2sY

George Clintonの他作品もチェックを!

『Computer Games』(1982年)
コンピューター・ゲームス

『Some of My Best Jokes Are Friends』(1985年)
george clinton some of my best jokes are friends.jpg

『R&B Skeletons in the Closet』(1986年)
R & B Skeletons in the Clos

『The Cinderella Theory』(1989年)
The Cinderella Theory

『Hey Man...Smell My Finger』(1993年)
Hey Man Smell My Finger

『T.A.P.O.A.F.O.M』(1996年)
Tapoafom
posted by ez at 02:17| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする