2017年10月20日

Roy Ayers『You Send Me』

Carla Vaughnをフィーチャーしたアーバン・メロウ作品☆Roy Ayers『You Send Me』
You Send Me (Dig)
発表年:1978年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系アーバン・メロウ
気分は... :歌で頑張りマス!

今回は人気ヴァイヴ奏者Roy Ayers『You Send Me』(1978年)です。

これまで当ブログで紹介したRoy Ayers作品(Roy Ayers Ubiquity名義を含む)は以下の9枚(発売順)。

 『Stoned Soul Picinic』(1968年)
 『He's Coming』(1972年)
 『Virgo Red』(1973年)
 『Change Up The Groove』(1974年)
 『Mystic Voyage』(1975年)
 『Vibrations』(1976年)
 『Lifeline』(1977年)
 『Africa, Center Of The World』(1981年)
 『Lots Of Love』(1983年)

本作『You Send Me』(1978年)では、Carla Vaughnの女性ヴォーカルが全面にフィーチャーされ、Roy Ayersと共にプロデューサーにもクレジットされています。

Carla Vaughn以外に、Roy Ayers本人やMerry ClaytonBruce FisherStanley Richardsonのヴォーカルもフィーチャーされています。

レコーディングにはPhilip Woo(el-p、syn)、Kerry Turman(b、vo)、William Allen(b)、Dennis Davis(ds)、Steve Cobb(ds)、Chano Oferral(congas)、Harry Whitaker(p)、Justo Almario(ts、vo)、John Mosley(tp)といったRoy Ayers Ubiquityメンバーをはじめ、Bernard "Pretty" Purdy(ds)、Howard King(ds)、James Mason(g)、Jose Ortiz(ds)、John Sussewell(ds)等のミュージシャンが参加しています。

アルバム全体はCarla VaughnとAyers本人のヴォーカルが大きくフィーチャーされたアーバン・メロウ作品に仕上がっています。

レア・グルーヴ好きの人にとっては、レア・グルーヴ・クラシックの人気曲「Can't You See Me?」、ディスコ・ブギーな「Get On Up, Get On Down」あたりがハイライトかもしれません。

しかしながら、アルバム全体としてはSam Cookeの名曲カヴァー「You Send Me」、Ayers自身のメロウ・エレピが印象的な「I Wanna Touch You Baby」、サンプリング・ソースにもなっている「Everytime I See You」個人的にかなり気に入っている「And Don't You Say No」といったCarla VaughnとAyers本人のデュエットによるアーバン・メロウなバラードの印象が強いですね。

その意味では、ジャズ・ヴァイヴ奏者としてのRoy Ayersを楽しむというより、Carla VaughnとAyersのデュエット・アルバムとして聴いた方が楽しめると思います。

Roy Ayersのメロウ・ワールドを満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「You Send Me」
オープニングはSam Cookeの名曲カヴァー。この名曲をAyersとCarla Vaughnのデュエットで聴かせるアーバンなメロウ・バラード。Carlaの透明感のある伸びやかなヴォーカルを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=X7qVPFEaFX8

The Pharcyde「The Hustle」、DJ Rashad「Send Me」のサンプリング・ソースとなっています。
The Pharcyde「The Hustle」
 https://www.youtube.com/watch?v=sg1Mo_ONWJ0
DJ Rashad「Send Me」
 https://www.youtube.com/watch?v=G887SMSRKiQ

「I Wanna Touch You Baby」
Roy Ayers作。Roy Ayersらしい雰囲気のメロウ・ミディアム。この曲もAyersとCarla Vaughnのデュエット。Ayers自身の奏でるエレピのメロウな音色が心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=lmhr2DgS5LI

「Can't You See Me?」
Edwin Birdsong/Roy Ayers作。レア・グルーヴ・クラシックとして人気の本作ハイライト。軽やかなアーバン・フィーリングが心地好いメロウ・グルーヴです。煌びやかなダンス・サウンドにAyersのヴァイヴが似合います。
https://www.youtube.com/watch?v=bK2mPZ5FbAk

「Get On Up, Get On Down」
Bruce Fisher/Roy Ayers/Stanley Richardson作。パーカッシヴに疾走するディスコ・ブギーは「Can't You See Me?」と並ぶ人気曲なのでは?作者3名がリード・ヴォーカルを務めています。
https://www.youtube.com/watch?v=JaWdnKij4e4

Roy Ayers自身をフィーチャーしたMasters at Work「Our Time Is Coming」のサンプリング・ソースにもなっています。
Masters at Work feat. Roy Ayers「Our Time Is Coming」
 https://www.youtube.com/watch?v=m77kUKz_o4g

「Everytime I See You」
Onaje Allan Gumbs作。オリジナルはアルバム『Rosewood』(1978年)収録のWoody Shawヴァージョンです。メロウ・ヴァイヴが栄える素敵なバラード。Ayers自身がリード・ヴォーカル、Carla VaughnとMerry Claytonがバック・コーラスを務めます。
https://www.youtube.com/watch?v=mR2EabLGpng

Darryl Reeves feat. Gwen Bunnのヴァージョンは本ヴァージョンを意識したカヴァーに仕上がっています。また、Kwame「I No Game」、Extra Prolific feat. Del the Funky Homosapien「Critics」、Jigmastas「Iz You Dee」等のサンプリング・ソースとなっています。
Darryl Reeves feat. Gwen Bunn「Get On Up, Get On Down」
 https://www.youtube.com/watch?v=WcOOZDLOlTo
Extra Prolific feat. Del the Funky Homosapien「Critics (Oh My!)」
 https://www.youtube.com/watch?v=t37cq5Pv1kk
Jigmastas「Iz You Dee」
 https://www.youtube.com/watch?v=aEsG_w1HBRQ

「Rhythm」
Roy Ayers作。Bernard Purdyのドラムが牽引するファンキー・メロウ。ホーン隊やHarry Whitakerのピアノが盛り上げてくれます。開放的な雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=De8MCp9fkFQ

「And Don't You Say No」
Carla Vaughn/Roy Ayers作。AyersとCarla Vaughnのデュエットによるメロウ・バラード。Merry Claytonのバック・コーラスも加わり、2人の女性シンガーの素敵な歌声に魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=KgjApOIcayM

「It Ain't Your Sign, It's Your Mind」
Roy Ayers作。ラストは『Everybody Loves The Sunshine』(1976年)にも収録されていた楽曲の再演。サマー・モードの仕上がりだった『Everybody Loves The Sunshine』ヴァージョンに対して、本ヴァージョンは陽気でアーバンなファンキー・メロウに仕上がっています。本ヴァージョンはThe Eighth「They Are Beautiful」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mlWO4X1Trrw

「It Ain't Your Sign, It's Your Mind」(From 『Everybody Loves The Sunshine』
 https://www.youtube.com/watch?v=1EqIEEaKC_Y

Roy Ayersの過去記事もご参照下さい。

『Stoned Soul Picinic』(1968年)
ストーンド・ソウル・ピクニック

『He's Coming』(1972年)
He's Coming

『Virgo Red』(1973年)
ヴァーゴ・レッド

『Change Up The Groove』(1974年)
CHANGE UP THE GROOVE

『Mystic Voyage』(1975年)
ミスティック・ヴォヤッジ

『Vibrations』(1976年)
Ubiquity Vibrationsr

『Lifeline』(1977年)
Lifeline by Roy Ayers Ubiquity (2007-10-09) 【並行輸入品】

『Africa, Center Of The World』(1981年)
アフリカ,センター・オブ・ザ・ワールド (帯ライナー付国内仕様直輸入盤)

『Lots Of Love』(1983年)
Lots of Love
posted by ez at 18:27| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月19日

Tarrus Riley『Parables』

現代屈指の男性レゲエ・シンガーの代表作☆Tarrus Riley『Parables』
Parables
発表年:2006年
ez的ジャンル:男性レゲエ・シンガー
気分は... :モダンなレゲエ・フィーリング・・・

今回はレゲエ・アルバムTarrus Riley『Parables』(2006年)です。

レゲエ・シンガーJimmy Rileyの息子でもある1979年N.Y.生まれ、ジャマイカ育ちの男性レゲエ・シンガーTarrus Riley(本名:Omar Riley)の紹介は、『Love Situation』(2014年)に続き2回目となります。

モダンでメロウなロックステディ作品『Love Situation』(2014年)は『ezが選ぶ2014年の10枚』にセレクトするほどお気に入りの1枚でした。

そんなTarrus Rileyの代表作といえば、本作『Parables』(2006年)になるのかもしれませんね。本作からは「She's Royal」「Stay With You」「Lion Paw」といったヒットが生まれました。

僕の場合、頻繁にレゲエ作品を聴いているわけではありませんが、そんな僕でもすんなり聴けるレゲエ・アルバムが本作『Parables』です。正統派のルーツ・レゲエ、素敵なラヴァーズ、感動的なビューティフル・ソング、レゲエの枠に縛られない楽曲等がバランス良く配されているので、飽きが来ないのかもしれません。

プロデュースはDean Fraser。父Jimmy Rileyとも親交のあったSly & Robbie(Sly Dunbar/Robbie Shakespeare)もレコーディングに参加しています。

前述の3曲のシングル曲以外に、アーバン・メロウな「Pick Up The Pieces」、Duane Stephensonとの素敵なデュエット「Let Love Live」、Beres Hammond 「Groovy Little Thing」のリメイク・トラック使用の「Something Strong」、Max Romeo「Three Blind Mice」のリメイク・トラック使用の「Parables」、軽くダビーな「Beware」が僕のオススメです。

まぁ、とりあえず「She's Royal」「Stay With You」「Lion Paw」の3曲を聴けば、本作の魅力が分かると思いますが・・・

色々な意味で総合力のあるレゲエ・アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「System Set (Willie Lynch Syndrome)」
Luciano「Give Praise」(2004年)と同じトラックを使用しています。力強いトラックをバックに、Tarrusのヴォーカルにも強い決意のようなものを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=GLzZc6cCXw4

Luciano「Give Praise」
 https://www.youtube.com/watch?v=Wt0OS5k8r20

「Haunt You」
正統派レゲエですが、Mitchum 'Khan' Chinのファンキー・ギターをはじめ洗練されたバッキングがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=SzxnZcqPDww

「Beware」
オススメその1。Half Pint「Political Fiction」のリメイク・トラックを使用しています。軽くダビーな感じがグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=xbJX-j3ALyM

「Micro Chip」
ホーン・セクションも含めて、ソウル・フィーリングのキャッチーさがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=3R-7DphEJnM

「One Two Order」
Sly & Robbie(Sly Dunbar/Robbie Shakespeare)がバックを務めます。Prince Alla「Stone」(1977年)のリメイク・トラックを使用しています。レゲエらしい哀愁サウンドにグッとくる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=WL9J8gMMf3U

「Stay With You」
オススメその2。John Legendのヒット・アルバム『Get Lifted』(2004年)収録のビューティフル・バラードをカヴァー。シングルにもなりました。今聴くと、オリジナルよりも素敵なラヴァーズに仕上がった本ヴァージョンの方が僕にはフィットするかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=6VJFjEDzHgY

「She's Royal」
オススメその3。アルバムからのヒット・シングル。Delroy Wilson「Money Love」(1969年)のリメイク・トラックを使用しています。Sly & Robbieのリズム・セクションを務めます。リラックスしたサウンドとTarrusのヴォーカルが実に心地好いですね。寛ぎモードにフィットする仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=qGuLqe-NMKg

「Something Strong」
オススメその4。Beres Hammond 「Groovy Little Thing」(1985年)のリメイク・トラックを使用しています。 Nikki Burt、Althea Hamiltonの女性コーラスとのヴォーカル・ワークがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=A-EnnXEGPmM

「Lion Paw」
オススメその5。女性コーラス隊を従えたビューティフル・ソング。シングルにもなりました。サンセット・モードにフィットしそうな素敵な1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=MjgEOJBAwKo ※ライブ音源

「Parables」
オススメその6。タイトル曲はMax Romeo「Three Blind Mice」(1975年)のリメイク・トラックを使用しています。レゲエらしいグルーヴを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=3R-7DphEJnM

「Africa Awaits」
Jah Cure「True Reflection」(2006年)と同じトラックを使用しています。Tarrusの願いが伝わってくる感動的なビューティフル・ソングです。
https://www.youtube.com/watch?v=maI4ITlVAnc

Jah Cure「True Reflection」
 https://www.youtube.com/watch?v=OMouFnbr7iU

「Pick Up The Pieces」
オススメその7。都会的なメロウ・フィーリングにグッとくるアーバン・レゲエ。AOR/アーバンな楽曲とセットで聴いてもフィットしそうです。Dean Fraserのサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=s-OBDEslfg0

「Let Love Live」
オススメその8。Duane Stephensonをフィーチャー。Duane StephensonはDean Fraserプロデュースでデビュー・アルバム『From August Town』(2007年)をリリースした男性レゲエ・シンガーです。同じFraser門下生の2人が愛を歌い上げる素敵な1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jq95MMQRj5o

「Family」
ジャマイカ出身の女性シンガーDella Manleyをフィーチャー。ファンキー・フィーリングのサウンドをバックに、素敵な男女デュエットを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hWQIeog-86g

「My Baby (Cyan Sleep)」
Mitchum 'Khan' Chinのアコースティックをギターをバックに、子供のために優しく語り掛ける1曲で本編は幕を閉じます。
https://www.youtube.com/watch?v=aa_htk_QeJA

僕の所有する国内盤CDには「She's Royal(De Royal Vibes Mix)」「Lion Paw Live」の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

ご興味がある方はTarrus Rileyの他作品もチェックを!

『Challenges』(2004年)
Challenges

『Contagious』(2009年)
Contagious

『Mecoustic』(2012年)
Mecoustic

『Love Situation』(2014年)
Love Situation
posted by ez at 05:02| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月17日

Manfredo Fest Trio『Alma Brasileira』

ジャズ・サンバ・トリオの名作☆Manfredo Fest Trio『Alma Brasileira』
アルマ・ブラジレイラ(BOM1904)
発表年:1966年
ez的ジャンル:ジャズ・サンバ系ピアノ・トリオ
気分は... :マリアづくし・・

今回は60年代ジャズ・サンバのピアノ・トリオ作品からManfredo Fest Trio『Alma Brasileira』(1966年)です。

Manfredo Fest Trioは、Manfredo Fest(p)、Mathias Mattos(b)、Heitor Guy(ds)によるジャズ・サンバのピアノ・トリオ。

盲目のピアニストManfredo Festについては、彼がリーダーを務めたSergio Mendes & Brasil '66の弟分グループBossa Rioの作品や70年代のソロ作を紹介済みです。

 Bossa Rio『Bossa Rio』(1970年)
 Bossa Rio『Alegria!』(1970年)
 Manfredo Fest『Brazilian Dorian Dream』(1976年)
 Manfredo Fest『Manifestations』(1979年)

Manfredo Fest Trio名義では、『Manfredo Fest Trio』(1965年)、『Alma Brasileira』(1966年)という2枚のアルバムをリリースしています。

ジャズ・サンバ・トリオの名作の誉れ高いのが2ndとなる本作『Alma Brasileira』(1966年)です。

ジャズ・サンバ・トリオらしい快活さと同時に、どの演奏にもエレガントさを兼ね備えているのがいいですね。Manfredo Festの繊細なタッチにはBill Evansからの影響もあるみたいですね。

こうした特徴を満喫できる「Alma Brasileira」「Amanha」「Sonho de um Carnaval」「Joga a Tristeza no Mar」あたりがオススメです。アフロ・ブラジリアンな「Canto de Ossanha」、ショーロ+クラシックな「Contracanto」あたりも僕の好みです。

ジャズ・サンバ系ピアノ・トリオ好きの方は、ぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Pot-Pourri de Marias」
オープニングは「Maria」 (Ary Barroso/Luiz Peixoto作)、「Manias de Maria」 (Luiz Bonfa/Maria Helena Toledo作)、「Maria Ninguem」 (Carlos Lyra作)、「Eu sem Maria」 (Dorival Caymmi作)、「Sonho de Maria」 (Marcos Valle/Paulo Sergio Valle作)、「Tres Marias」 (Betinho/Nelson Figueiredo作)というMariasソングのメドレー。小気味良くメリハリのあるメドレーでマリアづくしを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=3fkmTmtv_D4

上記6曲のうち、「Manias de Maria」については、La Nueva Banda De Santistebanヴァージョン、「Maria Ninguem」については、Paul Winter With Carlos Lyraヴァージョン、「Sonho de Maria」については、Conjunto 3DElis Reginaヴァージョンを当ブログで紹介済みです。

「Contracanto」
Paulinho Nogueira作。ショーロ+クラシックといった趣の哀愁グルーヴ。エレガントなピアノの美しくも切ないフィーリングがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=SRuJ6LB2fJA

「Joga a Tristeza no Mar」
Manfredo Fest/Lili Festo作。躍動するピアノとドラムのリムショットが織り成す、美しいジャズ・サンバ・ワールドに魅了されます。

「Amanha」
Walter Santos/Tereza Souza作。当ブログではLuciana Souzaヴァージョンも紹介しています。緩急つけた快活かつ品のあるジャズ・サンバに仕上がっています。Manfredoの小粋なピアノが実にいいですね。Mathias Mattosもベース・ソロで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=t6D1K4_Qeeg

「Canto de Ossanha」
Baden Powell/Vinicius De Moraes作。明暗のコントラストを含むこの曲の持つアフロ・ブラジリアンは雰囲気をピアノ・トリオで見事に表現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=eEA1RN4ageU

本曲に関して、当ブログでは作者Baden E ViniciusヴァージョンやTamba 4Quarteto Em CyLill LindforsElis ReginaToots Thielemans & Elis ReginaAgustin Pereyra LucenaRosalia De SouzaChristiane LegrandThe Girls from BahiaWalter WanderleyDorothy Ashbyのカヴァーを紹介済みです。ご興味がある方はご参照下さい。

「Alma Brasileira」
Villa Lobos作。クラシック的な演奏でじっくり聴かせますが、中盤のドラマティックな展開がいいアクセントになっています。

「Definitivamente」
Edu Lobo作。僕の一番のお気に入り。このトリオのセンスの良さを実感できるスリリングかつエレガントなジャズ・サンバに仕上がっています。

「Um Abracinho」
Zezinho Alves作。ジャズ・ピアノ作品としても楽しめる美しい仕上がり。Manfredo Festの繊細なタッチにうっとりします。

「Sonho de um Carnaval」
Chico Buarqueの名曲をカヴァー。当ブログではPaulinho Da ViolaLenita Brunoのカヴァーを紹介済みです。ジャズ・サンバ好きの人であれば魅了されるであろう躍動感とこのトリオならではのエレガントさのバランスが絶妙です。

「Luz Serena」
Mathias Mattos/Newton S. Campos作。ドラムのMathias Mattosの作品ですが、ピアノ・トリオらしい品のある美しい演奏で魅了します。

「Diza」
Johnny Alf作。ラストはエレガントに疾走する素敵なジャズ・サンバで締め括ってくれます。

Manfredo Fest Trioの1stアルバム『Manfredo Fest Trio』(1965年)やManfredo Festの他作品もチェックを!

Manfredo Fest Trio『Manfredo Fest Trio』(1965年)
Manfredo Fest Trio

『Bossa Nova, Nova Bossa』(1963年)
Bossa Nova Nova Bossa

『After Hours』(1972年)
アフター・アワーズ [紙ジャケット仕様]

『Brazilian Dorian Dream』(1976年)
ブラジリアン・ドリアン・ドリーム [紙ジャケット仕様]

『Manifestations』(1979年)
マニフェステイションズ [紙ジャケット仕様]

『Braziliana』(1987年)
Braziliana

『Jungle Cat』(1989年)
Jungle Cat

『Comecar De Novo』(1995年)
Comecar De Novo

『Fascinating Rhythm』(1996年)
Fascinating Rhythm

『Amazonas』(1997年)
Amazonas

『Just Jobim』(1998年)
Just Jobim (Hybr)
posted by ez at 00:48| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月16日

Rusty Bryant『Friday Night Funk For Saturday Night』

グルーヴィーなジャズ・ファンク作品☆Rusty Bryant『Friday Night Funk For Saturday Night』
フライデイ・ナイト・ファンク・フォー・サタデイ・ナイト・ブラザーズ
発表年:1972年
ez的ジャンル:Prestige系グルーヴィー・ジャズ・ファンク
気分は... :もらい酒みなと旅・・・

今回は70年代ジャズ・ファンクからRusty Bryant『Friday Night Funk For Saturday Night』(1972年)です。

Rusty Bryant(1929–1991年)はウェストバージニア州出身のジャズ・サックス奏者。AORファンにも人気だった黒人男性シンガーStevie Woodsは彼の息子です。

50年代後半からリーダー作をリリースし、60年代後半から70年代前半にかけて名門Prestigeで数多くのレコーディングを行っています。

今日、最も再評価が高いのはタイトル曲が定番ドラム・ブレイクとしても人気の『Fire Eater』(1971年)でしょう。その『Fire Eater』と並んで再評価が高いのが本作『Friday Night Funk For Saturday Night』(1972年)です。

レコーディング・メンバーはRusty Bryant(as、ta)、Khalid (Kenneth Moss)(el-p、org)、Eddie Brookshire(el-b)、Fred Masey(ds)、Harold Young(g)、Norman Jones(per、congas)。プロデュースはOzzie Cadena

タイトル曲「Friday Night Funk For Saturday Night Brothers」Joe Zawinulの名曲カヴァー「Mercy, Mercy, Mercy」という2曲のグルーヴィー・ジャズ・ファンクが本作のハイライトです。個人的にはブルースの「Blues For A Brother」も気に入っています。

レア・グルーヴ好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Friday Night Funk For Saturday Night Brothers」
Kenneth Moss作。このタイトル曲が本作のハイライト。疾走感が格好良いグルーヴィーなジャズ・ファンクです。作者Kenneth Mossのエレピもいい感じです。レア・グルーヴ好きであれば、間違いなく気に入る音だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=jqWOkodGNnU

「Down By The Cuyahoga」
Fred Masey作。ブルージー&アーシーなミディアム。ビターな味わいはいいですね。

「Have You Seen Her?」
The Chi-Lites、1971年の大ヒット曲をカヴァー(Barbara Acklin/Eugene Record作)。お馴染みのヒット曲をジャズ・カヴァーで楽しむことができます。

「Mercy, Mercy, Mercy」
Joe Zawinul作の名曲カヴァー。オリジナルは当ブログで紹介したCannonball Adderley『Mercy, Mercy, Mercy!』(1968年)に収録されています。「Friday Night Funk For Saturday Night Brothers」と並ぶ本作のハイライト。この名曲を躍動するダンシング・ジャズとして聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CQlvoPuBy-k

「Blues For A Brother」
Rusty Bryant作。ラストはタイトル通りのブルースでシブく締め括ってくれます。主役Rustyのサックス、Harold Youngのギター、Kenneth Mossのオルガンの各ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zMLa_XbyYJM

ご興味がある方は、もう1枚の代表作である『Fire Eater』(1971年)もチェックを!

『Fire Eater』(1971年)
ファイアー・イーター
posted by ez at 01:08| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

Musiq Soulchild『Feel The Real』

人気男性R&Bシンガーの最新作はCD2枚組☆Musiq Soulchild『Feel The Real』
Feel the Real
発表年:2017年
ez的ジャンル:人気男性R&Bシンガー
気分は... :それでも僕はMusiq Soulchildが好き!

今回は人気男性R&BシンガーMusiq Soulchildの最新作『Feel The Real』です。

これまで当ブログで紹介したMusiq Soulchild作品は以下の6枚(発売順)。

 『Juslisen』(2002年)
 『Soulstar』(2003年)
 『Luvanmusiq』(2007年)
 『Onmyradio』(2008年)
 『Musiqinthemagiq』(2011年)
 『Life On Earth』(2016年)

本作『Feel The Real』は前作と同じくインディ最大手eOneとのパートナーシップによるリリースです。

前作に続くデニム・ジャケが印象的ですね。

基本的には前作『Life On Earth』と同じく、メジャーの呪縛から解放され、普遍的なMusiq Soulchildらしさと、ここ数年で切り拓いた新境地と上手く折り合いをつけた内容に仕上がっています。

Musiq Soulchild本人以外に、来日公演の音楽ディレクターも務めたJonathan TroyDoobie PowellPhilip CornishGMJRBLAQSMURPHJ'RellNeedlzDavid LukeChris TheoryAlexander PlummerElijah Y. Whittinghamといった多彩なプロデューサーが起用されています。

こうした新進プロデューサーとの交流で刺激を受けたのか、アルバムはCD2枚組の全24曲というボリュームです。

アルバムには元FloetryMarsha Ambrosius、前作でもフィーチャーされていたWillie HynBLAQGxLDChris Theoryがフィーチャーされています。さらに自身の変名であるThe Huselをフィーチャーした曲もあります。

また、Jonathan Troy(b)、Roderick Harris(g)Geremy Wimbush(ds)といった来日公演メンバーもレコーディングに参加しています。

CD2枚組というボリュームも災いしたのか、チャート・アクションは彼のキャリアの中でも最低の結果となりました。

それも含めて、都落ちの印象をさらに強めた本作に対する評価には厳しいもの多いかもしれませんね。

個人的には大好きなアーティストであり、今の彼の路線を支持したいですが、構成に少し難があるかもしれませんね。

アッパーなダンス・チューンがなくミディアム中心の構成のため、同タイプの曲が続き、派手さがないと同時に、アルバムとしてメリハリが欠ける印象を持つかもしれません。その意味では2枚組というボリュームは少し多かったのかも?

それでも1曲毎の出来栄えは悪くないので、Musiq Soulchildファンであれば、それなりに楽しめると思います。

僕の場合、気に入った12曲をセレクトしたプレイリストを作成し、1枚組のボリュームで楽しんでいます。

全曲紹介しときやす。

Disc1

「Feel The Real」
Marsha Ambrosiusをフィーチャリング。Doobie Powellプロデュース。エフェクトのかかったヴォーカルでジワジワと盛り上げていくミディアム・バラードがオープニング。Marshaは終盤に艶やかな歌声を聴かせてくれます。メジャー時代には無かったタイプの曲かもしれませんが、僕は結構好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=0A5JKZ4NQ-s

「Benefits」
Jonathan Troyプロデュース。今の彼のスタイルを貫きつつ、以前からのMusiq Soulchildらしいメロディ、歌い回しも聴こえてくるアーバンなミディアム・グルーヴ。聴き重ねるほどに気に入っています。

「Serendipity」
前作にも参加していたWillie Hynのラップをフィーチャー。Musiq Soulchild/Jonathan Troy/Philip Cornishプロデュース。エフェクトのかかったヴォーカルにはフィットするエレクトロ・トラックがよく似合うダンサブルな哀愁ミディアム・グルーヴ。

「Sooner Or Later」
Jonathan Troyプロデュース。ライブ感のあるダイナミックなサウンドで疾走します。緩急を効かせている点も含めて、他の曲と少し異なる印象を受けます。
https://www.youtube.com/watch?v=Yu2RydWsnf0

「My Bad」
再びWillie Hynのラップをフィーチャー。GMJRプロデュース。昨今のR&Bらしい哀愁グルーヴ。このスタイルの曲としては嫌いではありません。

「Start Over」
BLAQSMURPHプロデュース。シングルにもなったアルバムのリード曲。昔と今の彼が同居しているようなバラードに仕上がっています。派手さはありませんが、ジワジワきます。
https://www.youtube.com/watch?v=cfN58r9zBGE

「Hard Liquor」
J'Rellプロデュース。エフェクトのかかったヴォーカルがフィットする哀愁ミディアム。悪くはありませんが、このタイプの曲が多いので少し不利かも?

「Shudawudacuda」
Jonathan Troyプロデュース。Musiq Soulchildらしいタイトルですね。切ない雰囲気の中でヴォーカルが揺らめく哀愁ミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=z4Kn0gxjbTo

「Broken Hearts」
J'Rellプロデュース。ライブ感のあるバッキングでメリハリをつけた哀愁ミディアム。

「Love Me Back」
BLAQSMURPHプロデュース。本作で多く聴かれるパターンの哀愁ミディアムですが、個人的にはなかなか良い出来栄えだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=A6U0wFb_LOI

「I'm Good」
Jonathan Troyプロデュース。ギターをはじめジャジー・フィーリングの効いたメロウな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=YENpT-CPca4

「Jussa Lil Bih」
BLAQGxLDのラップをフィーチャー。Needlz/BLAQSMURPHプロデュース。美しくも切ない哀愁ミディアムです。

Disc2

「Humble Pie」
GMJRプロデュース。Disc1には無かったタイプのミディアムでDisc2はスタートします。
https://www.youtube.com/watch?v=7sdIYm4lD2o

「Party Life」
BLAQSMURPHプロデュース。昨今のR&Bらしいミディアム・グルーヴ。聴き重ねるうちに、気に入ってきました。

「One More Time」
The Husel(Musiq Soulchildの変名)とWillie Hynのラップをフィーチャー。David Lukeプロデュース。悪くはありませんが、同タイプの曲が多いので少しワンパターン感があるかも?

「Let Go」
Musiq Soulchildプロデュース。彼らしいメロディ&歌い回しを楽しめるミディアム・バラード。女性コーラスを含めたヴォーカル・ワークもグッド!

「Test Drive」
J'Rellプロデュース。メリハリの効いたバッキングで盛り上がるミディアム・グルーヴ。

「Like The Weather」
Chris Theoryプロデュース。ピアノをバックに歌い上げるメロディアスなビューティフル・バラード。Disc1にもこのタイプの曲があれば・・・

「Fact Of Love」
Musiq Soulchild/Jonathan Troyプロデュース。前曲の流れがいいビューティフルなミディアム・バラード。

「Heaven Only Knows」
J'Rellプロデュース。透明感のあるミディアム・バラード。

「The Moon」
GMJR/Alexander Plummerプロデュース。アメリカの天体物理学者Neil deGrasse Tysonのナレーションと共に始まります。メロディアスを大切にしたビューティフル・バラードからは優しさが伝わってきます。

「We Go Together Now」
GMJR/Elijah Y. Whittinghamプロデュース。ジェントルな雰囲気のミディアム・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=GNRVdrkOXSc

「Sunrise Serenade」
BLAQGxLD、Chris Theoryをフィーチャー。Chris Theoryプロデュース。自然の神秘を感じる美しいミディアム・バラード。この曲にラップはフィットしない気がするなぁ・・・

「Simple Things」
Jonathan Troyプロデュース。ラストはシングルにもなったミディアム・バラードで締め括ってくれます。さり気ないですが、彼らしいメロディ&歌い回しを満喫できる素敵な1曲に仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=pTRkNNDDqM8

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『Musiqinthemagiq』(2011年)
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Musiq Soulchild & Syleena Johnson『9ine』(2013年)
9ine by Musiq Soulchild & Syleena Johnson (2013-09-24) 【並行輸入品】

『Life On Earth』(2016年)
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posted by ez at 03:23| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする