2017年10月14日

King Britt Presents Sylk 130『When The Funk Hits The Fan』

70年代ソウル/ファンク/ジャズへのオマージュ☆King Britt Presents Sylk 130『When The Funk Hits The Fan』
When the Funk Hits the Fan
発表年:1998年
ez的ジャンル:DJ/プロデューサー系ブラック・ミュージック
気分は... :あの頃は・・・

今回は人気DJ/プロデューサーKing BrittSylk 130名義でリリースしたKing Britt Presents Sylk 130『When The Funk Hits The Fan』(1998年)です。

King Brittは1968年フィラデルフィア生まれのDJ/プロデューサー。

Hip-HopグループDigable Planetsの客演DJとして、グラミー賞をゲットしたデビューアルバム『Reachin'』(1993年)に大きく貢献したことで注目される存在となります。

その後は様々な名義、プロジェクトで活動する人気DJ/プロデューサーKing Brittですが、Sylk 130名義ではソウル/ファンク/ジャズといったブラック・ミュージックへのオマージュ色の強い作品をリリースしています。

その第1弾となる『When The Funk Hits The Fan』(1998年)のコンセプトは「1977年頃のフィリーを舞台にした映画のようなストーリー仕立てのサウンドトラック」。

アルバムにはディスコ/ファンク、メロウ・ソウル、ジャズHip-Hop、ジャズ・ファンク、クラブジャズといったブラックミュージックのエッセンスが詰まっており、Ursula RuckerAlison CrockettTanja Dixon & Alma HortonAntoine Green等のヴォーカル/ポエトリーリーディングがフィーチャーされています。

また、レコーディングにはJamaaladeen Tacuma(b)、Darryl Burgee(ds)、James Poyser(key)、Monnette Sudler(g)等のミュージシャンも参加しています。

アルバム全体の流れも良いし、個々の楽曲も充実しています。

特に、Boz Scaggs「Lowdown」ネタのメロウ・グルーヴ「The Reason」、UFOがコンパイルしたコンピ『Brownswood Workshop - Multidirection 2』収録の人気曲「Season's Change」、Indeepのダンス・クラシック・カヴァー「Last Night A DJ Saved My Life」Chic調のディスコ・ファンク「When The Funk Hits The Fan」Marvin Gaye「I Want You」を引用したHip-Hopフィーリングのメロウ・ソウル「Gettin Into It」あたりがオススメです。

King Brittのブラックミュージック愛に溢れた充実の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Narration」
アルバムの舞台となる1977年のフィラデルフィアを回想するオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=IAw8sNk8-Dc

「Jimmy Leans Back」
心地好いワウワウ・ギターと軽やかなホーン・サウンドが織り成すファンク・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=148b15SgY8Y

「City (5-6 Theme)」
Tom Scott & The L.A. Express「Refried」をサンプリングしたクール&メロウなトラックをバックに、Antoine Greenのポエトリー・リーディングをフィーチャーしています。艶やかな女性コーラスもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=a8-Dtn0BUaI

「The Reason」
オススメその1。本作のハイライトの1つ。Ursula Ruckerの女性ヴォーカルをフィーチャーし、Boz Scaggs「Lowdown」をサンプリングしたメロウ・グルーヴ。Ursula Ruckerの透明感のあるヴォーカルが実にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BqSUcAFnjbI

「E.R.A.」
前曲のリード・ヴォーカルを務めたUrsula Ruckerの作品。ジャジー&トライバルな雰囲気のインタールード的ポエトリー・リーディングです。

「Gettin Into It」
オススメその2。Alison Crockettの女性ヴォーカルをフィーチャー。Marvin Gaye「I Want You」を引用したメロウ・ソウル。Bar-Kays「Fightin' Fire With Fire」やJames Brown「Get Up, Get Into It, Get Involved」の声ネタをサンプリングしたHip-Hopフィーリングもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=dyuMJEzyuok

「When The Funk Swings」
疑似ライブによるアーバンなジャジー・メロウ。中盤以降のハードボイルドなジャズ・フィーリングはクラブジャズ好きも魅了するのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=LSsDmvcO5t4

「Season's Change」
オススメその3。Alison Crockettの女性ヴォーカルをフィーチャー。United Future Organization がコンパイルした『Brownswood Workshop - Multidirection 2』にも収録されてい話題曲です。前曲に続く疑似ライブ仕立てです。The Lloyd McNeill Quartet「2504 Cliffbourne Pl.」をサンプリングした哀愁メロウ・グルーヴとAlison Crockettの艶やかなヴォーカルが良くマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=LSsDmvcO5t4

「13」
インタールード。

「Red Handed」
ジャズ・フィーリングに溢れたインタールード的な小曲。

「Taggin & Braggin」
Booker T. & The MG's「Hang 'Em High」のオルガン・リフを引用したジャズ・テイストのHip-Hopチューン。初期Jazzmatazzに通じるヴァイヴがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=phoT6lCu_EE

「Incident On The Couch」
フルートが妖しく響く、ジャジー&ダークな小曲。

「Gorgeous」
Alison Crockettの女性ヴォーカルをフィーチャー。CTIあたりの70年代クロスオーヴァーの香りが漂う、ミステリアス&メロウな仕上がり。

「A Day In The Life」
Herbie Hancock「Bubbles」をサンプリングしたトラックに、Ursula Ruckerのポエトリーリーディングが乗ります。淡々とした中にもメロウな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=AAAYOPlr1fE

「New Love」
クラブジャズ調のヴォーカル・チューン。本作らしいジャズ・テイストを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=6MEUODplPao

「Uptown」
女性ヴォーカルを配したアーバン・テイストのジャズ・ファンク。
https://www.youtube.com/watch?v=0Jvy_VwuWUo

「Last Night A DJ Saved My Life」
オススメその4。Indeep、1982年のダンス・クラシックをカヴァー。本曲をアルバムのハイライトに挙げる人も多いかもしれませんね。Tanja Dixon & Alma Hortonの女性ヴォーカルをフィーチャーし、。Nile Rodgers調のカッティング・ギターがさく裂するアーバン・ディスコは、昨今のディスコ/ブギー・ブームの流れにもフィットする1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JyWesewyAHk

「When The Funk Hits The Fan」
オススメその5。タイトル曲は、前曲の流れそのままにTanja Dixon & Alma Hortonの女性ヴォーカルをフィーチャーしたChic調のディスコ・ファンクはパーティー・モードにピッタリ!
https://www.youtube.com/watch?v=ZQ-bjsNONtw

「Next」
ネクスト・ステップを予感させるアナウンスと共に本編は幕を閉じます。

国内盤にはボーナス・トラックとして「City (Southwest Philly Main) Mix」が追加収録されています。

Sylk 130名義の他作品もチェックを!

『When The Funk Hits The Fan (The Remixes) 』(1999年)
When the Funk Hits... Remixes

『Re-Members Only』(2001年)
Re-Members Only
posted by ez at 15:11| Comment(2) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月13日

Robert Palmer『Sneakin' Sally Through The Alley』

The Meters、Lowell George、Steve Winwoodも参加したデビュー作☆Robert Palmer『Sneakin' Sally Through The Alley』
スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー(紙ジャケット・生産数限定)
発表年:1974年
ez的ジャンル:伊達男系ブルーアイド・ソウル
気分は... :俺にしかできない!

今は亡きUKロックの伊達男シンガーRobert Palmerのデビュー・アルバム『Sneakin' Sally Through The Alley』(1974年)です。

Robert Palmer(1949-2003年)の紹介は、4thアルバム『Double Fun』(1978年)、2ndアルバム『Pressure Drop』(1975年)に続き、3回目となります。

UKの白人男性シンガーながら、ニューオリンズ色の強いブルーアイド・ソウルとして評価の高いデビュー作です。

プロデュースはSteve Smith

レコーディングにはArt Neville(key)、Leo Nocentelli(g)、George Porter Jr.(b)、Joseph "Zigaboo" Modeliste(ds)というThe Metersの面々をはじめ、Lowell GeorgeLittle Feat)(g)、Cornell Dupree(g)、Richard Tee(p)、Gordon Edwards(b)、Bernard Purdie(ds)、Simon Phillips(ds)、Steve Winwood(p)、Jim Mullen(g)、Jody Linscott(harmonica)、Vicki Brown(back vo)、Mongezi Feza(flageolet、horns)等のミュージシャンが参加しています。

どうしてもThe Metersがバッキングを務めた「Sneakin' Sally Through the Alley」「Sailing Shoes」「How Much Fun」あたりのニューオリンズ・ファンクが目立ちますが、Stuff勢とBernard Purdieらのバッキングを務めた「Get Outside」「Blackmail」「Through It All There's You」あたりの小粋なブルーアイド・ソウルにもグッときます。

久々にアルバム通しで聴きましたが、改めてRobert Palmerの魅力を再認識できました。やはり、彼の場合、70年代の初期作品に惹かれますね。

全曲紹介しときやす。

「Sailing Shoes」
Little Featのカヴァー(Lowell George作)。Little Featのオリジナルは『Sailin' Shoes』に収録されています。The Metersによる骨太なニューオリンズ・ファンク・サウンドをバックに、Palmerがブルーアイド・ソウルなヴォーカルを聴かせてくれます。正直、Little Featのオリジナルより断然聴きやすく、格好良さがダイレクトに伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=bg0H8qRLPbw

「Hey Julia」
Robert Palmer作。Stuff勢とBernard Purdieらのバッキングを従え、Palmerの少しハスキーなソウルフル・ヴォーカルが栄えます。
https://www.youtube.com/watch?v=wfz16OCp9hU

「Sneakin' Sally Through the Alley」
Lee Dorsey、1971年のシングルをカヴァー(Allen Toussaint作)。タイトル曲はThe MetersLowell George、Simon Phillipsらがバックを務める格好良いファンキー・グルーヴ。この圧倒的グルーヴの虜になる方も多いのでは?少し格好つけたPalmerの歌い回しが伊達男らしいですね。Lowell Georgeのスライド・ギターやJody Linscottのハーモニカもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=gsLz2pvO5N0

「Get Outside」
Robert Palmer作。シングルにもなったソウル・バラード。一聴すると地味ですが、なかなか気の利いたブルーアイド・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=AHo1AEeeLfA

「Blackmail」
Robert Palmer/Lowell George作。都会的に洗練されたLittle Featといった趣の仕上がりです。

「How Much Fun」
Robert Palmer作。The MetersLowell Georgeによるモロにニューオリンズなバッキング。開放的なファンキー・サウンドの中にPalmerとThe Metersの相性の良さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=RzxOLyPN0Sk

「From a Whisper to a Scream」
Allen Toussaint作品のカヴァー。Esther Phillips等も取り上げている楽曲です。Allen Toussaintのオリジナルは『Toussaint』(1970年)に収録されています。夜明け前のバラードといった趣です。ここでのThe Metersは抑えた演奏で、Palmerのヴォーカルを引き立てています。
https://www.youtube.com/watch?v=cpzxqyCqLyk

「Through It All There's You」
Robert Palmer作。ラストは12分を超える大作。Stuff勢とBernard Purdieらの小粋なセンスのバッキングが格好良い都会的なファンキー・グルーヴ。Steve Winwoodもピアノで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=PW21wyPMh2I

ご興味がある方は初期Robert Palmerの他作品もチェックを!

『Pressure Drop』(1975年)
Pressure Drop

『Some People Can Do What They Like』(1976年)
サム・ピープル(紙ジャケット・生産数限定)

『Double Fun』(1978年)
ダブル・ファン(紙ジャケット・生産数限定)

『Secrets』(1979年)
シークレッツ(紙ジャケット・生産数限定)

『Secrets/Clues/Maybe It's Live 』(1979/1980/1982年)※3in1CD
Secrets & Clues & Maybe It's Live
posted by ez at 01:14| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月12日

Bilal『A Love Surreal』

独自のR&Bを歩む男性R&B/ネオソウル☆Bilal『A Love Surreal』
ア・ラヴ・サーリアル
発表年:2013年
ez的ジャンル:アート系男性R&B/ネオソウル
気分は... :シュルレアリズム!

今回は独自の道を歩む男性R&B/ネオソウル・シンガーBilalの3rdアルバム『A Love Surreal』(2013年)です。

1979年フィラデルフィア生まれの男性R&BシンガーBilalの紹介は、『Airtight's Revenge』(2010年)、『1st Born Second』(2001年)に続き3回目です。

3rdアルバムとなる本作は『A Love Surreal』(2013年)は、カタルーニャが生んだ偉大な画家サルヴァドール・ダリのシュルレアリズムからインスパイアを受けた作品。そのあたりはジャケにも反映されていますね。eOneからのリリースです。

レコーディングの中心メンバーはConley "Tone" Whitfield(b)、Steve McKie(ds)、Mike Severson(g)、 Corey Bernhard(key)。

プロデュースもBilal自身と上記4名で殆どの楽曲を手掛けています。

それ以外にShafiq HusaynSa-Ra (Sa-Ra Creative Partners))、Paris StrotherKINGBen O'Neilがプロデュースに関与している楽曲もあります。

さらにレコーディングには、Bilalとはニュースクール大学時代からの盟友Robert Glasper(p、key)、そのGlasperのRobert Glasper Experiment(RGE)の仲間Derrick Hodge(b)、注目の新時代女性R&BユニットKING(back vo)、海外で評価の高いキーボード奏者BIGYUKI(平野雅之)(syn)等も参加しています。

最初は少し取っつきにくいアルバムに感じるかもしれませんが、聴き重ねるほどにBilalの美学が貫かれたアートなR&Bワールドに惹かれていきます。

その意味では個々の楽曲の良し悪し云々よりも、アルバム全体の世界観を楽しむ1枚かもしれません。

ダリ作品の画像でも眺めながら聴くと良いのでは?

全曲紹介しときやす。

「Intro」
チャーミングなイントロ。

「West Side Girl」
Shafiq Husaynプロデュース。Sa-Ra好きの人であれば少しフューチャリスティックなトラックにグッとくるはず!Bilalのヴォーカル・スタイルともフィットしています。「Back To Love」に続くシングルにもなりました。
https://www.youtube.com/watch?v=LfiXWFWuZnw

「Back To Love」
Bilal/Conley "Tone" Whitfield/Steve McKie/Mike Severson/Corey Bernhardプロデュース。アルバムからのリード・シングル。プロデュースも務める4名の臨場感のあるバッキングとBilalのヴォーカルが一体化した心地好いヴァイヴが魅力のR&Bグルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=LTDvFF1FNtE

「Winning Hand」
Bilal/Conley "Tone" Whitfield/Steve McKie/Mike Severson/Corey Bernhardプロデュース。シュルレアリズムからインスパイアされたという本作らしいBilal独自の美学が貫かれたアートな1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6OKUjcBie9M

「Climbing」
Conley "Tone" Whitfield/Steve McKieプロデュース。ミステリアスな哀愁モードが印象的な仕上がり。心の叫びのようなBilalの不安げなヴォーカルが印象的です。

「Longing And Waiting」
Bilal/Conley "Tone" Whitfield/Steve McKie/Mike Severson/Corey Bernhardプロデュース。切なる願いを込めたBilalの情感溢れたヴォーカルが印象的な哀愁チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=AfeWU12a_EQ

「Right At The Core」
Bilal/Paris Strotherプロデュース。注目の新時代女性R&BユニットKINGがバック・コーラスを務め、その中心メンバーParisが共同プロデュースしています。さらにRGEDerrick Hodgeがベースで参加しています。KINGのドリーミーな音世界とBilalとの相性は抜群です!
https://www.youtube.com/watch?v=bsfT7QhnGj8

「Slipping Away」
Bilal/Conley "Tone" Whitfield/Steve McKie/Mike Severson/Corey Bernhardプロデュース。愁いを帯びたBilalのヴォーカルが切々と伝わってくる哀愁バラード。アルバムの中でもドラマチックな雰囲気のある仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=tX2r63p1qAE

「Lost For Now」
Ben O'Neil/Steve McKieプロデュース。ネオソウル作品にも数多く参加している白人ギタリスト/SSW Ben O'Neilをプロデューサーに迎えたアコースティック・ソウル。フォーキーな雰囲気でアルバムのいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=6OKUjcBie9M

「Astray」
Bilal/Conley "Tone" Whitfield/Steve McKie/Mike Severson/Corey Bernhardプロデュース。プロデュースも務める4名による息の合ったバッキングを伴い、Bilalがファルセットも駆使しながら独自のR&Bワールドを展開するビューティフル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=DukMF2fFmBY

「Never Be The Same」
Conley "Tone" Whitfieldプロデュース。BIGYUKI参加曲。70年代ソウル調の少しイナたいバラード。BIGYUKIの効果的なシンセが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QJmCJY5Sw_0

「Butterfly」
Bilalプロデュース。盟友Robert Glasper(p)をフィーチャー。BIGYUKIも前曲に続き参加しています。Glasperの美しいピアノをバックに、Bilalが丁寧に歌い上げるバラード。GlasperのピアノとBilalのヴォーカルがシンクロし、さらにBIGYUKIのムーグがアートな雰囲気を演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=XgTLvMqqweg

「The Flow」
Bilal/Conley "Tone" Whitfield/Steve McKie/Mike Severson/Corey Bernhardプロデュース。Robert Glasperが引き続き参加しています。なかなか刺激的なミディアム!Prince好きの人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=2mkUJ-gVM40

「Outro」
イントロと同パターンのアウトロ。

Bilalの他作品もチェックを!

『1st Born Second』(2001年)
1st ボーン・セカンド

『Airtight's Revenge』(2010年)
Airtight's Revenge

『In Another Life』(2015年)
In Another Life
posted by ez at 17:55| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

Yesterdays New Quintet『Stevie』

人気Hip-Hopアーティストの別プロジェクトはStevieカヴァー集☆Yesterdays New Quintet『Stevie』
Stevie: Instrumental Tribute to Stevie Wonder
発表年:2004年
ez的ジャンル:Hip-Hop系ジャズ・プロジェクト
気分は... :揺るぎないコア・バリュー!

今回は人気Hip-HopアーティストMadlibのプロジェクトの1つYesterdays New Quintet名義の『Stevie』(2004年)です。

Madlib(本名:Otis Jackson Jr.)に関して、当ブログでは以下の5作品を紹介済みです。

 Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
 Jaylib『Champion Sound』(2003年)
 Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
 Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
 Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)

様々な名義、プロジェクトで活動するMadlibですが、Yesterdays New Quintetはジャズ色の強いプロジェクトであり、人気レーベルStones Throw Recordsから『Angles Without Edges』(2001年)、『Stevie Volume 1』(2002年)という2枚のアルバムをリリースしています。

今回紹介する『Stevie』(2004年)は、2ndアルバム『Stevie Volume 1』のジャケを一新し、収録曲を一部差し替えた新装盤です。
タイトルの通り、Stevie Wonderのインスト・カヴァー集です。個人的にはStevie『Innervisions』(1973年)のジャケを模した当初のジャケの方が断然好きですが・・・

プロデュースはMadlib本人。レコーディング・メンバーとして、Otis Jackson Jr.(ds)、Joe McDuphre(key)、Monk Hughes(b)、Malik Flavors(per)、Ahmad Miller(vibes)の名がクレジットされ、一応カルテット編成になっていますが、実体はMadlib一人ですべて演奏しています。

単なるStevieのインスト・カヴァー集に止まらない、トラックメイカーらしいセンスの詰まったサウンドがいいですね。

異才Hip-HopアーティストがStevieの名曲たちを、どのように調理するのか楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Prelude」
アルバムのイントロ。

「Superstition」
アルバム『Talking Book』(1972年)収録の全米No.1ヒットをカヴァー。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、Sergio Mendes & Brasil '77「Promise of a Fisherman (Promessa De Pescador)」のリズムをサンプリングし、トラックメイカーらしい「Superstition」に仕上がっています。このセンスがフィットするか否かで本作の好き/嫌いが分かれるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=mrNv9iV29rU

「Visions」
アルバム『Innervisions』(1973年)収録曲のカヴァー。オリジナルのテイストとは異なるボッサ・フィーリングのカヴァーに仕上がっています。アングラ・ジャジーHip-Hopやクラブジャズ好きの人が気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=d5bNWWcMzxg

「Superwoman/Where Were You Last Winter」
アルバム『Music of My Mind』(1972年)収録曲のカヴァー。疑似ライブ風のメロウなジャズ・グルーヴに仕上がっています。元々二部構成の曲ですが、オリジナルと前半と後半が逆になっているのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GzfYP4GdsQ4

「Rocket Love Pt. 1」
アルバム『Hotter Than July』(1980年)収録曲のカヴァー。オリジナルは哀愁バラードでしたが、ここではドラミングを強調した哀愁メロウ・グルーヴで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dh7fq8252vc

「You've Got It Bad Girl」
アルバム『Talking Book』(1972年)収録のYvonne Wright作品をカヴァー。オリジナルの雰囲気に疾走感が加味された魅力的なカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=CIwMaM8rPeo

「Send One Your Love」
アルバム『Journey Through the Secret Life of Plants』(1979年)収録曲のカヴァー。オリジナルは素敵なビューティフル・バラード。でしたが、ここでは小粋なジャズ・フィーリング全開のサウンドを聴かせてくれます。そんな中にもトラックメイカーならではのエッセンスがきちんと散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=neTaYO11t4Y

「Too High」
アルバム『Innervisions』(1973年)収録曲のカヴァー。Al Kooper「The Landlord」のドラム・ブレイク・ネタを織り交ぜつつ、オリジナルの雰囲気をさらに膨らませています。
https://www.youtube.com/watch?v=nqrA2rEav-o

「I Am Singing」
アルバム『Songs In The Key Of Life』(1976年)収録曲のカヴァー。オリジナルの優しくチャーミングな雰囲気を上手く活かしたグッド・カヴァー。途中からは同じく『Songs In The Key Of Life』収録の「As」のカヴァーへ移行します。
https://www.youtube.com/watch?v=3gXxYvGxYNY

「Golden Lady」
アルバム『Innervisions』(1973年)収録曲のカヴァー。Black Oak Arkansas「Hot and Nasty」のリズムのサンプリングを交えたHip-Hop調カヴァーに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=OFfePxuHPmU

「That Girl」
アルバム『Stevie Wonder's Original Musiquarium I』(1982年)からのシングル曲をカヴァー。異才トラックメイカーらしいアブストラクト感覚のカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zQoyjwy5QRA

Yesterdays New Quintetの1st『Angles Without Edges』(2001年)やMadlib関連の過去記事もチェックを!

Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
Angles Without Edges

Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Shades of Blue

Jaylib『Champion Sound』(2003年)
Champion Sound

Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Liberation

Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
Sujinho

Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)
Yessir Whatever
posted by ez at 03:30| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月09日

Caetano Veloso『Joia』

実験的ながらも穏やかな音世界☆Caetano Veloso『Joia』
ジョイア+2
発表年:1975年
ez的ジャンル:ミニマルMPB
気分は... :一糸まとわぬ姿・・・

ブラジル音楽界の牽引者Caetano Velosoが1975年にリリースした『Joia』です。

これまで紹介したCaetano Veloso関連作品は以下の8枚。

 『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
 『Caetano Veloso』(1969年)
 『Caetano Veloso』(1971年)
 『Qualquer Coisa』(1975年)
 『Outras Palavras』(1981年)
 『Cores, Nomes』(1982年)
 『Caetano Veloso (1986)』(1986年)
 『Caetano』(1987年)

本作は以前に紹介した『Qualquer Coisa』(1975年)と同時期にレコーディングされた作品であり、両者は兄弟アルバムと位置づけられます。

The Beatles『Let It Be』のジャケを模した『Qualquer Coisa』に対して、本作のジャケは自身と妻Dede、息子Moreno(現在、ブラジル新世代アーティストとして活躍するMoreno Veloso)という家族の一糸まとわぬ姿をCaetano自らが描いたものです。ただし、検閲に引っ掛かり、Caetanoの股間は鳥で隠されることになりましたが。

この家族ジャケに象徴されるように、穏やかなアコースティック・サウンドが印象的な1枚です。その一方で、実験的&ミニマルなアプローチも多く一筋縄ではいかぬ、独特の雰囲気を持ったアルバムだと思います。

レコーディングにはGilberto Gil(g)、Quarteto Em Cy(vo)、BendegoAntonio Adolfo(org)、Perinho Albuquerque(g、per)、 Djalma Correa(per)、 Bira Da Silva(per)、 Eneas Costa(per)、
Moacyr Albuquerque(b)、 Eneas Costa(ds)、 Perna Froes(p)、 Tuze Abreu(p)、 As Gatas(vo)、 Tuty Moreno(ds)、 Cream Crackers(per)等が参加しています。

Quarteto Em Cy参加の「Gua」、フルート・アンサンブルが印象的な「Pelos Olhos」Gal Costa『Cantar』提供曲のセルフ・カヴァー「Lua, Lua, Lua, Lua」、フォーキー・グループBendegoをフィーチャーした「Canto De Povo De Um Lugar」、透明感のある「Na Asa Do Vento」、As Gatasをフィーチャーしたサンバ・グルーヴ「Escapulario」あたりがオススメです。

アルバム全体に貫かれたミニマルな美学を楽しみましょう!

全曲紹介しときやす。

「Minha Mulher」
Caetano Veloso作。盟友Gilberto Gilが参加しているオープニング。妻Dedeに捧げた穏やかなアコースティック・チューンですが、コード進行のせいか不思議な空気感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=ULCXhxAinTQ

「Gua」
Perinho Albuquerque/Caetano Veloso作。Quarteto Em Cyが参加。素朴なトライバルなサウンドをバックに、CaetanoとQuarteto Em Cyが素敵なヴォーカル・ワークを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=F7R3XK4bz_Y

「Pelos Olhos」
Caetano Veloso作。複数のフルートを配したアンサンブルが不思議な音世界を生み出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=iWSlOowQwaY

「Asa, Asa」
Caetano Veloso作。Djalma Correaのパーカッションとヴォーカルのみのデモ・テープのような素朴な仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=hZxTCmWtDpQ

「Lua, Lua, Lua, Lua」
Caetano Veloso作。Gal Costa『Cantar』提供曲のセルフ・カヴァー。ここではAntonio Adolfoのオルガンをバックに、ソフトリーに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=tLCCzTPJ0-g

「Canto De Povo De Um Lugar」
Caetano Veloso作。ブラジルのフォーキー・グループBendegoをフィーチャー。ゆったりと時が流れていく牧歌的フォーキー・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Uj-kQGdK1q8

「Pipoca Moderna」
Sebastiao Biano/Caetano Veloso作。美しいストリングスと素敵なヴォーカル・ワークが織り成すビューティフルな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=YRYxYAl724k

「Joia」
Caetano Veloso作。タイトル曲はトライバルな小曲。
https://www.youtube.com/watch?v=AP81yfUemzk

「Help」
Beatlesの名曲カヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。シンプルなアコースティック・バラードですが、なかなか味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZeySOG1QQZc

「Gravidade」
Caetano Veloso作。本作らしい不思議な音世界が展開されます。余計なものをそぎ落とした独特の味わいがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=Q3osMDYfUzU

「Tudo Tudo Tudo」
Caetano Veloso作。息子Morenoへの子守歌をヴォーカル&ハンドクラップのみで聴かせてください。
https://www.youtube.com/watch?v=ZeIgQrFbH3U

「Na Asa Do Vento」
Luiz Vieira/Joao do Vale作。シンプルな弾き語りですが、透明感のあるヴォーカル&ギターが心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=vT1grr5ecZk

「Escapulario」
Oswald de Andrade/Caetano Veloso作。ラストはAs Gatasのヴォーカルをフィーチャーしたサンバ・グルーヴで華やかなに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wWMam99r4J4

最近の国内盤CDには「Let It Bleed」The Rolling Stonesのライブ・カヴァー)、「Encantado (Nature Boy)」(Eden Ahbez/Caetano Veloso作)の2曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

Caetano Velosoの過去記事もご参照下さい。

『Tropicalia:Ou Panis Et Circencis』(1968年)
Ou Panis Et Circensis

『Caetano Veloso』(1969年)
Caetano Veloso (Irene)

『Caetano Veloso』(1971年)
Caetano Veloso (A Little More Blue)

『Qualquer Coisa』(1975年)
Qualquer Coisa

『Outras Palavras』(1981年)
Outras Palavras

『Cores, Nomes』(1982年)
Cores & Nomes

『Caetano Veloso (1986)』(1986年)
Caetano Veloso

『Caetano』(1987年)
Caetano (Jose)
posted by ez at 02:44| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする