2017年10月08日

Jordan Rakei『Wallflower』

R&B方面からも注目される男性SSWのナイーヴな2nd☆Jordan Rakei『Wallflower』
Wallflower [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN245)
発表年:2017年
ez的ジャンル:新世代男性シンガー・ソングライター
気分は... :底知れぬポテンシャル!

新作アルバムから注目の男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiの2ndアルバム『Wallflower』です。

オーストラリア、ブリスベン出身、現在はロンドンを拠点とする男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiの紹介は、1stアルバム『Cloak』(2016年)に続き2回目となります。

1stアルバム『Cloak』(2016年)は、新世代ネオソウル作品として各方面で高い評価を得ました。
さらにはUK敏腕ドラマーRichard Spavenがフィーチャリングされていたため、『Jazz The New Chapter 4』で取り上げられることに(笑)

最近でも前述のRichard Spavenの最新作『The Self』、NZ出身、ベルリンを拠点にする新世代R&Bシンガーのデビュー作Noah Slee『Otherland』といった話題作への参加で期待度が高まる中、最新作『Wallflower』が届けられました。

新世代ネオソウルの旗手のような期待が寄せられるJordan Rakeiですが、UKの名門Ninja Tuneからリリースされた本作『Wallflower』は、新世代ネオソウルというよりも、ナイーヴな歌声が似合うUKシンガー・ソングライター作品という印象を受けます。ジャンルの枠が似合わないアーティストなので、ジャンル云々は気にせず、先入観なしに聴くのがいいかもしれませんね。

特に本作はパーソナルな内面にフォーカスした、繊細な魅力に満ちたアルバムです。ナイーヴなヴォーカルにフィットした楽曲の良さ、サウンド・センスの良さが全編に貫かれています。

派手さはありませんが、アーティストとしての底知れぬポテンシャルを示した地に足のついた1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Eye To Eye」
柔らかい陽ざしが差し込んでくるようにスタートするオープニング。しかしながら一転して、夢の中の迷い人のような展開に・・・終盤は格好良いクロスオーヴァー・サウンドで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OYPFazJKzHY

「May」
時計の機械音を模したリズムを配した哀愁チューン。この愁いを帯びた哀愁メロディはUKの音ですね。ライナーノーツにRakeiはPink Floydのファンであると書かれていましたが、本曲には時計の機械音を含めてFloydの名作『Dark Side Of The Moon』のエッセンスを感じることができます。

「Sorceress」
アルバムから先行シングル。パーソナルな内面を歌うナイーヴかつ幻想的な仕上がり。Jordan Rakeiのシンガー・ソングライターとしての魅力に触れることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=oPsi5COuy70

「Nerve」
「Sorceress」に続くシングル。The InvisibleのDave Okumuがギターで参加しています。ダンサブルな中にも温かみを感じるミディアム・ソウル・グルーヴ。アルバムの中でも最もキャッチーな仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=XC6orLP0mEg

「Goodbyes」
AOR好きの人も気に入りそうな哀愁モードのアーバン・サウンドが印象的なミディアム・チューン。Rakeiのサウンド・センスの良さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Py1YlFOpX78

「Clues Blues」
United VibrationsのAhmad Dayes(tb)、Wayne Francis(sax)が参加。レゲエ/スカ調サウンドにジャズ・フィーリングのホーン隊が加わったダビー・クロスオーヴァー。Fat Freddy's Dropあたりが好きな人は気に入るのでは?

「Chemical Coincidence」
ナイーヴなRakeiのヴォーカルがフィットするミディアム・バラード。蠢くベースラインが牽引する終盤の盛り上がりもいい感じです。

「Carnation」
幻想的な哀愁ミディアム・バラード。ロンドンの曇り空が似合いそうな仕上がりです。

「Lucid」
フォーキーな味わいの哀愁チューン。軽くスパニッシュ風のフィーリングも効いてメリハリがあります。

「Hiding Place」
哀愁メロディに胸を打たれるビューティフル・バラード。心の中の叫びが聴こえてきます。RakeiはRadioheadも好きなようですが、そんな影響を感じる仕上がりです。

「Wallflower」
タイトル曲はロンドンの新進女性シンガー・ソングライターKaya Thomas-Dykeをフィーチャーしたフォーキー・チューンです。

Kaya Thomas-DykeはJ Dillaの影響を感じるロンドンの新世代ジャズ・アーティストのデビュー作Alfa Mist『Antiphon』にも参加していますね。
Alfa Mist『Antiphon』(2017年)
Antiphon [日本限定盤/ボーナストラックのダウンロード・コードつき]

未聴の方は、1stアルバム『Cloak』(2016年)もぜひチェックを!
『Cloak』(2016年)
クローク
posted by ez at 01:37| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月07日

Teena Marie『Naked To The World』

全米R&Bチャート第1位「Ooo La La La」収録☆Teena Marie『Naked To The World』
ネイキッド・トゥ・ザ・ワールド(紙ジャケット仕様)
発表年:1988年
ez的ジャンル:最強女性ブルー・アイド・ソウル・シンガー
気分は... :受け止め方次第・・・

今回は女性ブルー・アイド・ソウル・シンガーTeena Marie『Naked To The World』(1988年)です。

Rick Jamesに見出されたカリフォルニア、サンタクララ出身の女性ブルー・アイド・ソウル・シンガーTeena Marie(1956-2010年)の紹介は、R&Bチャート第3位となったダンス・クラシック「Square Biz」収録の『It Must Be Magic』(1981年)に続き2回目となります。

『Starchild 』(1984年)からのヒット・シングル「Lovergirl」(全米チャート第4位、同R&Bチャート第8位)に代表されるように、女性版Princeのイメージが強まっていたTeena Marieでしたが、同路線をさらに推し進めた次作『Emerald City』(1986年)では少しコケた感がありました。ポップ・マーケットを意識しすぎたのが裏目に出たのかもしれません。

そこでR&Bマーケットを意識して軌道修正したアルバムが本作『Naked To The World』(1988年)です。本作からは「Ooo La La La」という全米R&Bチャート第1位シングルも生まれています。

プロデュース、アレンジもTeena Marie自身。
楽曲もすべてTeena Marieのオリジナルです(共作含む)。

良くも悪くも「Ooo La La La」の素晴らしさが際立つ1枚ですかね。特にダンサブルなアップ・チューンは、今聴くと好き/嫌いが分かれるかもしれません。

「Ooo La La La」以外であれば、全米R&Bチャート第10位となった「Work It」、恩師Rick Jamesとデュエットした「Call Me (I Got Yo Number)」「The Once and Future Dream」あたりも聴き所です。

そうは言っても、まずは「Ooo La La La」をチェックしてみてください。

全曲紹介しときやす。

「Trick Bag」
ダンサブルなオープニング。前作と同路線にも聴こえますが、過度にポップになり過ぎていないのが本作らしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=bvoXKQ_UhWg

「Call Me (I Got Yo Number)」
恩師Rick Jamesとのデュエット1曲目。Allen McGrierとの共作です。妖しく誘うセクシーなミディアム・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=bICDORidP6w

「Ooo La La La」
Allen McGrierとの共作。前述のように全米R&Bチャート第1位となった素敵なメロウ・バラード。彼女のキャリアを代表する1曲です。ジャケットのように妖艶なオトナの魅力で、切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=JRFBZpRZGq4

Attica Bluesがカヴァーしています。また、有名なFugees「Fu-Gee-La」をはじめ、Grand Puba「Fat Rat」、Redman feat. Erick Sermon「Whateva Man」、Donell Jones feat. Alja Kamillion「Closer I Get to You」、Raekwon「Ooh La La La」、J Stalin「When It's Real」、C.O.S.「I Got Problem'z」 、Mobb Deep feat. 50 Cent & Mary J. Blige「It's Alright」、Trey Songz「Na Na」等数多くの楽曲で引用・サンプリングされています。
Attica Blues 「Ooo La La La」
 https://www.youtube.com/watch?v=_S5pK1UR5yM
Fugees「Fu-Gee-La」
 https://www.youtube.com/watch?v=MPlb9HoOCxs
Raekwon「Ooh La La La」
 https://www.youtube.com/watch?v=Cxahm-03sJc
J Stalin「When It's Real」
 https://www.youtube.com/watch?v=Zu01qcMw0sE
C.O.S.「I Got Problem'z」
 https://www.youtube.com/watch?v=aRBc9tp8jZE
Trey Songz「Na Na」
 https://www.youtube.com/watch?v=v0Gu_Yh_keE

「Crocodile Tears」
80年代後半らしいダンサブル・チューンですが、今聴くと少しビミョーかも?
https://www.youtube.com/watch?v=ZAytbdlrHJI

「Opus III: The Second Movement」
インタールード的な小曲。

「Surrealistic Pillow」
アッパーなダンサブル・チューン。このあたりは女Prince路線を引きずっていますがキャッチーな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=41bD5NERz7w

「The Once and Future Dream」
Rick Jamesとのデュエット2曲目。正統派バラードを2人で感動的に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=ci-mIloNdm0

「Work It」
Penny "P.J." Johnsonとの共作。「Ooo La La La」に続く2ndシングルとして全米R&Bチャート第10位のヒットとなっています。ダンサブルながらもアーバンな魅力もあるミディアム・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=9WghNnlxjhM

「The Ball」
アッパーなダンス・チューンの中ではコレが一番好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=wBsVEtasIEg

「Naked to the World」
ラストもバラードでしっとりと締め括ってくれます。切々と歌い上げるTeenaのヴォーカルにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=cpNaHEEYp_M

Teena Marieの他作品もチェックを!

『Wild and Peaceful』(1979年)
Wild & Peaceful

『Lady T』(1980年)
Lady T

『Irons in the Fire』(1980年)
Irons in the Fire

『It Must Be Magic』(1981年)
イット・マスト・ビー・マジック

『Robbery』(1983年)
Robbery - Expanded Edition

『Starchild 』(1984年)
Starchild

『Emerald City』(1986年)
Emerald City - Expanded Edition , from UK)

『Ivory』(1990年)
Ivory

『La Dona』(2004年)
Dona
posted by ez at 17:50| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月06日

Jimmy Smith『The Cat』

ジャズとしては異例の大ヒットを記録したアルバム☆Jimmy Smith『The Cat』
ザ・キャット
録音年:1964年
ez的ジャンル:グルーヴィー・オルガン with ビッグ・バンド
気分は... :Twiggy Twiggy!

今回はジャズ・オルガンの神様Jimmy Smith(1925-2005年)の大ヒット・アルバム『The Cat』(1964年)です。

てっきり当ブログで紹介済みだと思っていたのですが、僕の思い込みでした。

これまで当ブログで紹介したJimmy Smith作品は以下の4枚。

 『Crazy! Baby』(1960年)
 『Midnight Special』(1960年)
 『Back at the Chicken Shack』(1960年)
 『Root Down』(1972年)

Verveからリリースされた本作はJimmy Smith最大のヒット・アルバムであり、全米アルバム・チャート第12位というジャズ・アルバムとしては異例の大ヒットを記録した作品です。

本作の特徴は『Music From Mission: Impossible』(1967年)等で知られるサントラの巨匠Lalo Schifrinが指揮するビッグ・バンドとの共演です。

レコーディングにはJimmy Smith(org)、Lalo Schifrin(arr、conductor)、Kenny Burrell(g)George Duvivier(b)、Grady Tate(ds)、Phil Kraus(per)、Thad Jones(tp)等が参加しています。プロデュースはCreed Taylor

ビッグ・バンドとジャズ・オルガンの組み合わせってフィットするのかな?という感じもしますが、さすがはLalo Schifrinという仕事ぶりで、ビッグ・バンドがSmithのオルガンを引き立てています。

Pizzicato Five「Twiggy Twiggy」のサンプリング・ソースとしてもお馴染みのタイトル曲「The Cat」に本作の魅力が凝縮されています。それ以外にもLalo Schifrinらしい手腕を楽しめる「Theme from Joy House」、個人的には「The Cat」と並ぶハイライト「St. Louis Blues」、ダイナミック&スリリングな「Main Title from The Carpetbaggers」あたりが僕のオススメです。

Jimmy Smith好きの人も、Lalo Schifrin好きの人も楽しめるジャズ・アルバムです。

全曲紹介しときやす。

「Theme from Joy House」
Lalo Schifrin作。Jane Fonda、Alain Delonが主演した映画『Joy House(邦題:危険がいっぱい』(1964年)テーマ曲です。Lalo Schifrinのアレンジ・センスとSmithのハモンドの音色が見事に調和したドラマチックなオープニングです。特に中盤以降のスリリングな展開にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=hl9OBx0t_Jc

「The Cat」
タイトル曲はJimmy Smithを代表する1曲。この曲も映画『危険がいっぱい』の挿入曲です(Lalo Schifrin/Rick Ward作)。 SmithのオルガンとBurrellのギターの軽やかな掛け合いが心地好いモッド・グルーヴィー・ジャズ。オルガン・ジャズのグルーヴィーな格好良さを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=PaKLB71QE4k

渋谷系好きの人にとってはPizzicato Five「Twiggy Twiggy」のサンプリング・ソースとしてもお馴染みですね。
Pizzicato Five「Twiggy Twiggy」
 https://www.youtube.com/watch?v=z22nzBVLCto

「Basin Street Blues」
Spencer Williams作。Jimmy Smithらしいブルージーなオルガン・サウンドを楽しめます。ビッグ・バンドならではの盛り上げ方で演奏にメリハリをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=Y_rKRjqhTp0

「Main Title from The Carpetbaggers」
映画『大いなる野望』のテーマ曲をカヴァー(Elmer Bernstein/Ray Colcord作)。サントラの巨匠Lalo Schifrinらしいアレンジ・センスを楽しめます。グルーヴィー・オルガンとパーカッシヴ・リズムにホーン隊が絡むダイナミック&スリリングなサウンドが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=QNcUnfvFAFI

「Chicago Serenade」
Eddie Harris作品をカヴァー。オリジナルは『Cool Sax Warm Heart』(1964年)に収録されています。Burrellのギターが先導する哀愁モードの演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=1Dbt_e2J0po

「St. Louis Blues」
W.C. Handy作のブルースなジャズ・スタンダードをカヴァー。個人的には「The Cat」と並ぶハイライト。クラブジャズ好きの人であれば気に入るであろうスピーディーな疾走感がたまらないオルガン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=mgYUzk_16kk

「Delon's Blues」
Jimmy Smithのオリジナル。親交の深いAlain Delonのために書いた曲です。リラックスしたブルージー・オルガン・サウンドにSchifrinが小粋なスパイスを効かせています。
https://www.youtube.com/watch?v=H32yi7r7aoQ

「Blues in the Night」
Harold Arlen/Johnny Mercer作のブルースをカヴァー。ラストもブルージー・オルガン・サウンドです。ダイナミックなビッグ・バンド・サウンドによるメリハリがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=L9c0fjfhN14

Jimmy Smithの過去記事もご参照下さい。

『Crazy! Baby』(1960年)
クレイジー・ベイビー

『Midnight Special』(1960年)
ミッドナイト・スペシャル

『Back at the Chicken Shack』(1960年)
Back at the Chicken Shack

『Root Down』(1972年)
ルート・ダウン
posted by ez at 03:04| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月05日

『R.I.P. Tom Petty』

Tom Petty(1950-2017年)が急逝しました。

ロック色の薄い最近の当ブログの傾向からは想像できないかもしれませんが、僕にとってTom Petty & The HeartbreakersBruce SpringsteenJackson Browneと並ぶ、思春期の僕の3大アメリカン・ロック・ヒーローでした。

僕がリアルタイムでハマったのは『Damn The Torpedoes』(1979年)、『Hard Promises』(1981年)、『Long After Dark』(1982年)という中学・高校時代に聴いた3枚です。僕に限らずこの3枚に愛着があるロック・ファンは多いのでは?

今回は追悼の意味で、この愛聴盤3枚から10曲をセレクトしました。

「Change of Heart」
From 『Long After Dark』(1982年)
https://www.youtube.com/watch?v=pIexKj-bWQ4
Long After Dark

「Don't Do Me Like That」
From 『Damn The Torpedoes』(1979年)
https://www.youtube.com/watch?v=yJuuqh57qC4
Damn the Torpedoes

「Refugee」
From 『Damn The Torpedoes』(1979年)
https://www.youtube.com/watch?v=fFnOfpIJL0M
Damn the Torpedoes

「Waiting」
From 『Hard Promises』(1981年)
https://www.youtube.com/watch?v=uMyCa35_mOg
Hard Promises

「You Got Lucky」
From 『Long After Dark』(1982年)
https://www.youtube.com/watch?v=mtLpZWNyM0I
Long After Dark

「Letting You Go」
From 『Hard Promises』(1981年)
https://www.youtube.com/watch?v=UzIG1KYBTDs
Hard Promises

「Straight into Darkness」
From 『Long After Dark』(1982年)
https://www.youtube.com/watch?v=A7HDuVj5RwE
Long After Dark

「Shadow of a Doubt (A Complex Kid) 」
From 『Damn The Torpedoes』(1979年)
https://www.youtube.com/watch?v=Oekf-RdUS2E
Damn the Torpedoes

「Deliver Me」
From 『Long After Dark』(1982年)
https://www.youtube.com/watch?v=k_VZ72bz65g
Long After Dark

「Insider」
From 『Hard Promises』(1981年)
https://www.youtube.com/watch?v=x7bjXWzms5I
Hard Promises

心よりご冥福をお祈り致します。
posted by ez at 12:55| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月04日

Pete Rock『Soul Survivor II』

豪華ゲストを迎えた『Soul Survivor』の続編☆Pete Rock『Soul Survivor II』
SOUL SURVIVOR 2
発表年:2004年
ez的ジャンル:レジェンドHip-Hop
気分は... :この顔に歴史アリ!

今回は人気Hip-HopアーティストPete Rock『Soul Survivor II』(2004年)です。

1970年N.Y.ブロンクス生まれのHip-HopアーティストPete Rockに関しては、人気Hip-HopユニットであったPete Rock & C.L. Smooth『Mecca & The Soul Brother』(1992年)、『The Main Ingredient』(1994年)を紹介済みです。

惜しまれつつPete Rock & C.L. Smoothを解散し、Pete Rockの実弟Grap LuvaらとのユニットINIに力を入れようとしたものの、レコード会社との折り合いがつかず、頓挫してしまいました。その後INIの音源は『Lost and Found: Hip Hop Underground Soul Classics』(2003年)で日の目を見ることになりますが・・・

その後、ソロ名義の第1作『Soul Survivor』(1998年)でようやく新たな一歩を踏み出すことができたPete Rock『Soul Survivor』は豪華ゲストも手伝ってPete Rock健在を印象づけてくれました。

その後もコンスタントに活動していたものの、何となく僕の中ではフェードアウトな存在になっていたPete Rockですが、改めてその存在感を示してくれたのが本作『Soul Survivor II』(2004年)です。

『Soul Survivor』同様に本作にも多彩なアーティストがゲスト参加しています。Pete Rock & C.L. Smoothの盟友C.L. Smoothをはじめ、Talib KweliSlum VillageJ DillaRZAGZALittle BrotherPharoahe MonchDead PrezBlack IceKardinal OffishallPostaboyDenoshSkillzKrumbsnatchaといったアーティストが客演しています。なかなか豪華な顔ぶれですよね。

こうした豪華メンバーに対して、ソウルフルでキャッチーなトラックでPete Rockが応えてくれます。個人的にはPete Rockのトラック・センスが冴える「We Good」C.L. Smoothとの共演「It's A Love Thing」Little Brotherとの共演「Give It To Ya」J Dilla「Niggaz Know」Leela Jamesを迎えた「No Tears」あたりがオススメです。

Pete Rock & C.L. Smoothで止まっている方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Truth Is」
Black Iceをフィーチャー。Cane & Able「Girl You Move Me」の妖しげなイントロをサンプリングしたオープニング。呪術的ファンキー・グルーヴをBlack Iceの力強いポエトリー・リーディングが切り裂きます。
https://www.youtube.com/watch?v=kSq88YokLS0

「We Good」
カナダ人ラッパーKardinal Offishallをフィーチャー。Mandrill「Mango Meat」ネタのギター・ループが印象的なトラック。購入して間もない頃はこのトラックが一番印象的でしたね。Pete Rock自身も本作が一番のお気に入りみたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=FPzfcscacS8

「Just Do It」
N.Y.クイーンズ出身のラッパーPharoahe Monchをフィーチャー。タイトルはPete Rockのモットーを言い表したものらしいです。Pharoahe Monchのフロウを引き立てつつ、Pete Rockらしいビートを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=InsBMyR37lI

「Give It To Ya」
Phonte、Big Pooh、9th Wonderを擁した強力Hip-HopユニットLittle Brotherをフィーチャー。Gladys Knight & the Pips「The Makings of You」、Baby Huey「Running」、The Moments「I Believe in You」をサンプリングしたメロウ&ソウルフルな仕上がりです。後の活動を予感させるPhonteのソウルフル・ヴォーカルも聴けます。
https://www.youtube.com/watch?v=qQeQOdPD0xw

「It's The Postaboy」
新人Postaboyをフィーチャー。エスニック&マジカルなヴァイブのダンサブル・トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=9WoDZSPTN9Q

「It's A Love Thing」
Pete Rock & C.L. Smoothの盟友C.L. Smoothと女性シンガーDenoshをフィーチャー。The Natural Four「Try Love Again」ネタのソウルフルなアーバン・メロウ・トラックにPete Rock & C.L. Smooth好きの人は歓喜するのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ZYShRJqpb10

「One MC, One DJ」
Skillzをフィーチャー。Flaming Ember「Gotta Get Away」、Bill Doggett「Honky Tonk Popcorn」をサンプリングしたトラックをバックにSkillzのラップが扇動します。
https://www.youtube.com/watch?v=Jz1nxCQDYog

「Beef」
Krumbsnatchaをフィーチャー。哀愁モードのメロウ・トラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=njhJCcfQeGs

「No Tears」
ソウル・ディーヴァLeela Jamesをフィーチャー。Coleridge-Taylor Perkinson feat. Leon Ware「The Junkies」ネタのウワモノとThe Rimshots「Coastin' and Crashin' Part 1」のドラム・ネタを合わせた哀愁トラックをバックに、Leela Jamesが堂に入ったダイナマイト・ヴォーカルで聴く者を圧倒します。
https://www.youtube.com/watch?v=93CG7Bxvc40

「Head Rush」
RZA、GZAというWu-Tang Clanの2人をフィーチャー。Mavis Staples「What Happened to the Real Me」をサンプリングした不穏なトラックはRZA、GZAのイメージにピッタリなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=DHIm9h1RznI

「Fly Till I Die」
Talib Kweli/C.L. Smoothをフィーチャー。ハープの響きが美しいドリーミー・トラックでTalib Kweli/C.L. Smoothの共演を盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=pzBKu9nc2Zg

「Warzone」
Stic.ManとM-1によるHip-HopユニットDead Prezをフィーチャー。Dead Prezに相応しい扇動的トラックがStic.ManとM-1のフロウと相まった怒れる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=jpsyI4rAVok

「Da Villa」
J Dillaを擁したHip-HopユニットSlum Villageをフィーチャー。Otis Clay「Holding on to a Dying Love」をサンプリングしたソウルフル・トラックが格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GYJiqYOUuPA

「Niggaz Know」
J Dillaをフィーチャー。War「Heartbeat」をリズムをサンプリングしたトラックにグッときます。Pete RockがJ Dilla風のトラックを作っているのが興味深いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5dUJq2edLzs

「Appreciate」
ラストはC.L. Smoothをフィーチャー。The Jackson 5「2-4-6-8」をサンプリングしたポップなトラックをバックに、C.L. Smoothはスムースなラップを披露してアルバムを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zTg62eP9JJk

Pete Rock & C.L. Smoothの過去記事やPete Rockのソロ作品等もチェックを!

Pete Rock & C.L. Smooth『Mecca & The Soul Brother』(1992年)
Mecca & The Soul Brother

Pete Rock & C.L. Smooth『The Main Ingredient』(1994年)
Main Ingredient

『Soul Survivor』(1998年)
Soul Survivor

『Petestrumentals』(2001年)
Petestrumentals

『Lost and Found: Hip Hop Underground Soul Classics』(2003年)
Lost & Found Hip Hop Underground Soul Classics

『The Surviving Elements (From Soul Survivor II Sessions)』(2005年)
Surviving Elements: From Soul Survivor II Sessions

『NY's Finest』(2008年)
Ny's Finest

Pete Rock/Smif-N-Wessun『Monumental』(2011年)
MONUMENTAL

『Petestrumentals 2』(2015年)
Petestrumentals 2

Smoke DZA x Pete Rock『Don't Smoke Rock』(2016年)
DON'T SMOKE ROCK (ドント・スモーク・ロック) (直輸入盤 帯/日本語解説付き国内仕様)
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