録音年:1964年
ez的ジャンル:グルーヴィー・オルガン with ビッグ・バンド
気分は... :Twiggy Twiggy!
今回はジャズ・オルガンの神様Jimmy Smith(1925-2005年)の大ヒット・アルバム『The Cat』(1964年)です。
てっきり当ブログで紹介済みだと思っていたのですが、僕の思い込みでした。
これまで当ブログで紹介したJimmy Smith作品は以下の4枚。
『Crazy! Baby』(1960年)
『Midnight Special』(1960年)
『Back at the Chicken Shack』(1960年)
『Root Down』(1972年)
Verveからリリースされた本作はJimmy Smith最大のヒット・アルバムであり、全米アルバム・チャート第12位というジャズ・アルバムとしては異例の大ヒットを記録した作品です。
本作の特徴は『Music From Mission: Impossible』(1967年)等で知られるサントラの巨匠Lalo Schifrinが指揮するビッグ・バンドとの共演です。
レコーディングにはJimmy Smith(org)、Lalo Schifrin(arr、conductor)、Kenny Burrell(g)George Duvivier(b)、Grady Tate(ds)、Phil Kraus(per)、Thad Jones(tp)等が参加しています。プロデュースはCreed Taylor。
ビッグ・バンドとジャズ・オルガンの組み合わせってフィットするのかな?という感じもしますが、さすがはLalo Schifrinという仕事ぶりで、ビッグ・バンドがSmithのオルガンを引き立てています。
Pizzicato Five「Twiggy Twiggy」のサンプリング・ソースとしてもお馴染みのタイトル曲「The Cat」に本作の魅力が凝縮されています。それ以外にもLalo Schifrinらしい手腕を楽しめる「Theme from Joy House」、個人的には「The Cat」と並ぶハイライト「St. Louis Blues」、ダイナミック&スリリングな「Main Title from The Carpetbaggers」あたりが僕のオススメです。
Jimmy Smith好きの人も、Lalo Schifrin好きの人も楽しめるジャズ・アルバムです。
全曲紹介しときやす。
「Theme from Joy House」
Lalo Schifrin作。Jane Fonda、Alain Delonが主演した映画『Joy House(邦題:危険がいっぱい』(1964年)テーマ曲です。Lalo Schifrinのアレンジ・センスとSmithのハモンドの音色が見事に調和したドラマチックなオープニングです。特に中盤以降のスリリングな展開にグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=hl9OBx0t_Jc
「The Cat」
タイトル曲はJimmy Smithを代表する1曲。この曲も映画『危険がいっぱい』の挿入曲です(Lalo Schifrin/Rick Ward作)。 SmithのオルガンとBurrellのギターの軽やかな掛け合いが心地好いモッド・グルーヴィー・ジャズ。オルガン・ジャズのグルーヴィーな格好良さを存分に楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=PaKLB71QE4k
渋谷系好きの人にとってはPizzicato Five「Twiggy Twiggy」のサンプリング・ソースとしてもお馴染みですね。
Pizzicato Five「Twiggy Twiggy」
https://www.youtube.com/watch?v=z22nzBVLCto
「Basin Street Blues」
Spencer Williams作。Jimmy Smithらしいブルージーなオルガン・サウンドを楽しめます。ビッグ・バンドならではの盛り上げ方で演奏にメリハリをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=Y_rKRjqhTp0
「Main Title from The Carpetbaggers」
映画『大いなる野望』のテーマ曲をカヴァー(Elmer Bernstein/Ray Colcord作)。サントラの巨匠Lalo Schifrinらしいアレンジ・センスを楽しめます。グルーヴィー・オルガンとパーカッシヴ・リズムにホーン隊が絡むダイナミック&スリリングなサウンドが魅力です。
https://www.youtube.com/watch?v=QNcUnfvFAFI
「Chicago Serenade」
Eddie Harris作品をカヴァー。オリジナルは『Cool Sax Warm Heart』(1964年)に収録されています。Burrellのギターが先導する哀愁モードの演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=1Dbt_e2J0po
「St. Louis Blues」
W.C. Handy作のブルースなジャズ・スタンダードをカヴァー。個人的には「The Cat」と並ぶハイライト。クラブジャズ好きの人であれば気に入るであろうスピーディーな疾走感がたまらないオルガン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=mgYUzk_16kk
「Delon's Blues」
Jimmy Smithのオリジナル。親交の深いAlain Delonのために書いた曲です。リラックスしたブルージー・オルガン・サウンドにSchifrinが小粋なスパイスを効かせています。
https://www.youtube.com/watch?v=H32yi7r7aoQ
「Blues in the Night」
Harold Arlen/Johnny Mercer作のブルースをカヴァー。ラストもブルージー・オルガン・サウンドです。ダイナミックなビッグ・バンド・サウンドによるメリハリがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=L9c0fjfhN14
Jimmy Smithの過去記事もご参照下さい。
『Crazy! Baby』(1960年)
『Midnight Special』(1960年)
『Back at the Chicken Shack』(1960年)
『Root Down』(1972年)