2017年10月08日

Jordan Rakei『Wallflower』

R&B方面からも注目される男性SSWのナイーヴな2nd☆Jordan Rakei『Wallflower』
Wallflower [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN245)
発表年:2017年
ez的ジャンル:新世代男性シンガー・ソングライター
気分は... :底知れぬポテンシャル!

新作アルバムから注目の男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiの2ndアルバム『Wallflower』です。

オーストラリア、ブリスベン出身、現在はロンドンを拠点とする男性シンガー・ソングライターJordan Rakeiの紹介は、1stアルバム『Cloak』(2016年)に続き2回目となります。

1stアルバム『Cloak』(2016年)は、新世代ネオソウル作品として各方面で高い評価を得ました。
さらにはUK敏腕ドラマーRichard Spavenがフィーチャリングされていたため、『Jazz The New Chapter 4』で取り上げられることに(笑)

最近でも前述のRichard Spavenの最新作『The Self』、NZ出身、ベルリンを拠点にする新世代R&Bシンガーのデビュー作Noah Slee『Otherland』といった話題作への参加で期待度が高まる中、最新作『Wallflower』が届けられました。

新世代ネオソウルの旗手のような期待が寄せられるJordan Rakeiですが、UKの名門Ninja Tuneからリリースされた本作『Wallflower』は、新世代ネオソウルというよりも、ナイーヴな歌声が似合うUKシンガー・ソングライター作品という印象を受けます。ジャンルの枠が似合わないアーティストなので、ジャンル云々は気にせず、先入観なしに聴くのがいいかもしれませんね。

特に本作はパーソナルな内面にフォーカスした、繊細な魅力に満ちたアルバムです。ナイーヴなヴォーカルにフィットした楽曲の良さ、サウンド・センスの良さが全編に貫かれています。

派手さはありませんが、アーティストとしての底知れぬポテンシャルを示した地に足のついた1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Eye To Eye」
柔らかい陽ざしが差し込んでくるようにスタートするオープニング。しかしながら一転して、夢の中の迷い人のような展開に・・・終盤は格好良いクロスオーヴァー・サウンドで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OYPFazJKzHY

「May」
時計の機械音を模したリズムを配した哀愁チューン。この愁いを帯びた哀愁メロディはUKの音ですね。ライナーノーツにRakeiはPink Floydのファンであると書かれていましたが、本曲には時計の機械音を含めてFloydの名作『Dark Side Of The Moon』のエッセンスを感じることができます。

「Sorceress」
アルバムから先行シングル。パーソナルな内面を歌うナイーヴかつ幻想的な仕上がり。Jordan Rakeiのシンガー・ソングライターとしての魅力に触れることができます。
https://www.youtube.com/watch?v=oPsi5COuy70

「Nerve」
「Sorceress」に続くシングル。The InvisibleのDave Okumuがギターで参加しています。ダンサブルな中にも温かみを感じるミディアム・ソウル・グルーヴ。アルバムの中でも最もキャッチーな仕上がりかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=XC6orLP0mEg

「Goodbyes」
AOR好きの人も気に入りそうな哀愁モードのアーバン・サウンドが印象的なミディアム・チューン。Rakeiのサウンド・センスの良さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=Py1YlFOpX78

「Clues Blues」
United VibrationsのAhmad Dayes(tb)、Wayne Francis(sax)が参加。レゲエ/スカ調サウンドにジャズ・フィーリングのホーン隊が加わったダビー・クロスオーヴァー。Fat Freddy's Dropあたりが好きな人は気に入るのでは?

「Chemical Coincidence」
ナイーヴなRakeiのヴォーカルがフィットするミディアム・バラード。蠢くベースラインが牽引する終盤の盛り上がりもいい感じです。

「Carnation」
幻想的な哀愁ミディアム・バラード。ロンドンの曇り空が似合いそうな仕上がりです。

「Lucid」
フォーキーな味わいの哀愁チューン。軽くスパニッシュ風のフィーリングも効いてメリハリがあります。

「Hiding Place」
哀愁メロディに胸を打たれるビューティフル・バラード。心の中の叫びが聴こえてきます。RakeiはRadioheadも好きなようですが、そんな影響を感じる仕上がりです。

「Wallflower」
タイトル曲はロンドンの新進女性シンガー・ソングライターKaya Thomas-Dykeをフィーチャーしたフォーキー・チューンです。

Kaya Thomas-DykeはJ Dillaの影響を感じるロンドンの新世代ジャズ・アーティストのデビュー作Alfa Mist『Antiphon』にも参加していますね。
Alfa Mist『Antiphon』(2017年)
Antiphon [日本限定盤/ボーナストラックのダウンロード・コードつき]

未聴の方は、1stアルバム『Cloak』(2016年)もぜひチェックを!
『Cloak』(2016年)
クローク
posted by ez at 01:37| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする