発表年:2004年
ez的ジャンル:Hip-Hop系ジャズ・プロジェクト
気分は... :揺るぎないコア・バリュー!
今回は人気Hip-HopアーティストMadlibのプロジェクトの1つYesterdays New Quintet名義の『Stevie』(2004年)です。
Madlib(本名:Otis Jackson Jr.)に関して、当ブログでは以下の5作品を紹介済みです。
Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Jaylib『Champion Sound』(2003年)
Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)
様々な名義、プロジェクトで活動するMadlibですが、Yesterdays New Quintetはジャズ色の強いプロジェクトであり、人気レーベルStones Throw Recordsから『Angles Without Edges』(2001年)、『Stevie Volume 1』(2002年)という2枚のアルバムをリリースしています。
今回紹介する『Stevie』(2004年)は、2ndアルバム『Stevie Volume 1』のジャケを一新し、収録曲を一部差し替えた新装盤です。
タイトルの通り、Stevie Wonderのインスト・カヴァー集です。個人的にはStevie『Innervisions』(1973年)のジャケを模した当初のジャケの方が断然好きですが・・・
プロデュースはMadlib本人。レコーディング・メンバーとして、Otis Jackson Jr.(ds)、Joe McDuphre(key)、Monk Hughes(b)、Malik Flavors(per)、Ahmad Miller(vibes)の名がクレジットされ、一応カルテット編成になっていますが、実体はMadlib一人ですべて演奏しています。
単なるStevieのインスト・カヴァー集に止まらない、トラックメイカーらしいセンスの詰まったサウンドがいいですね。
異才Hip-HopアーティストがStevieの名曲たちを、どのように調理するのか楽しみましょう!
全曲紹介しときやす。
「Prelude」
アルバムのイントロ。
「Superstition」
アルバム『Talking Book』(1972年)収録の全米No.1ヒットをカヴァー。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、Sergio Mendes & Brasil '77「Promise of a Fisherman (Promessa De Pescador)」のリズムをサンプリングし、トラックメイカーらしい「Superstition」に仕上がっています。このセンスがフィットするか否かで本作の好き/嫌いが分かれるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=mrNv9iV29rU
「Visions」
アルバム『Innervisions』(1973年)収録曲のカヴァー。オリジナルのテイストとは異なるボッサ・フィーリングのカヴァーに仕上がっています。アングラ・ジャジーHip-Hopやクラブジャズ好きの人が気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=d5bNWWcMzxg
「Superwoman/Where Were You Last Winter」
アルバム『Music of My Mind』(1972年)収録曲のカヴァー。疑似ライブ風のメロウなジャズ・グルーヴに仕上がっています。元々二部構成の曲ですが、オリジナルと前半と後半が逆になっているのが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GzfYP4GdsQ4
「Rocket Love Pt. 1」
アルバム『Hotter Than July』(1980年)収録曲のカヴァー。オリジナルは哀愁バラードでしたが、ここではドラミングを強調した哀愁メロウ・グルーヴで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=dh7fq8252vc
「You've Got It Bad Girl」
アルバム『Talking Book』(1972年)収録のYvonne Wright作品をカヴァー。オリジナルの雰囲気に疾走感が加味された魅力的なカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=CIwMaM8rPeo
「Send One Your Love」
アルバム『Journey Through the Secret Life of Plants』(1979年)収録曲のカヴァー。オリジナルは素敵なビューティフル・バラード。でしたが、ここでは小粋なジャズ・フィーリング全開のサウンドを聴かせてくれます。そんな中にもトラックメイカーならではのエッセンスがきちんと散りばめられています。
https://www.youtube.com/watch?v=neTaYO11t4Y
「Too High」
アルバム『Innervisions』(1973年)収録曲のカヴァー。Al Kooper「The Landlord」のドラム・ブレイク・ネタを織り交ぜつつ、オリジナルの雰囲気をさらに膨らませています。
https://www.youtube.com/watch?v=nqrA2rEav-o
「I Am Singing」
アルバム『Songs In The Key Of Life』(1976年)収録曲のカヴァー。オリジナルの優しくチャーミングな雰囲気を上手く活かしたグッド・カヴァー。途中からは同じく『Songs In The Key Of Life』収録の「As」のカヴァーへ移行します。
https://www.youtube.com/watch?v=3gXxYvGxYNY
「Golden Lady」
アルバム『Innervisions』(1973年)収録曲のカヴァー。Black Oak Arkansas「Hot and Nasty」のリズムのサンプリングを交えたHip-Hop調カヴァーに仕上がっています。。
https://www.youtube.com/watch?v=OFfePxuHPmU
「That Girl」
アルバム『Stevie Wonder's Original Musiquarium I』(1982年)からのシングル曲をカヴァー。異才トラックメイカーらしいアブストラクト感覚のカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=zQoyjwy5QRA
Yesterdays New Quintetの1st『Angles Without Edges』(2001年)やMadlib関連の過去記事もチェックを!
Yesterdays New Quintet『Angles Without Edges』(2001年)
Madlib『Shades Of Blue』(2003年)
Jaylib『Champion Sound』(2003年)
Talib Kweli & Madlib『Liberation』(2007年)
Jackson Conti『Sunjinho』(2008年)
Quasimoto『Yessir, Whatever』(2013年)