2017年11月19日

Stacey Kent『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』

オーケストラと共演した最新作☆Stacey Kent『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』
アイ・ノウ・アイ・ドリーム
発表年:2017年
ez的ジャンル:ロマンティック系女性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :Happy Madness・・・

今回は新作アルバムから女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kentの最新作『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』です。

キュートな歌声の女性ジャズ・ヴォーカリストStacey Kentに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の4枚。

 『Breakfast On The Morning Tram』(2007年)
 『Raconte Moi』 (2010年)
 『The Changing Lights』(2013年)
 『Tenderly』(2015年)

最新作『I Know I Dream:The Orchestral Sessions』は、タイトルの通り、オーケストラと共演した作品です。Stacey本人がオーケストラとの共演を強く望んでいたみたいですね。

プロデュースは公私のパートナーであるJim Tomlinson。アレンジはJim TomlinsonとTommy LaurenceJesse Sadoc

レコーディングには、Stacey Kent(vo)、Jim Tomlinson (sax、alto fl、per)、Graham Harvey(p、el-p)、John Parricelli (g)、Jeremy Brown(b)、Joshua Morrison(ds)、Curtis Schwartz(el-b)等が参加しています。

個人的にはメロウ・ボッサなStacey Kentが好きなので、オーケストラとの共演と聞いて、僕の好きなStaceyに会えるか少し心配でしたが・・・

CDショップで試聴し、そんな心配が杞憂であったことがわかり、購入した次第です。

冒頭の「Double Rainbow」「Photograph」といったAntonio Carlos Jobimのカヴァー2曲に本作のオーケストレーションな魅力が凝縮されていると思います。

個人的には軽快ボッサ「Make It Up」、哀愁フレンチ・ボッサ「La Rua Madureira」、ドリーミーなビューティフル・バラード「I Know I Dream」、スタンダードのビューティフル・カヴァー「That's All」あたりもオススメです。

また、先日ノーベル文学賞の受賞が決まった日系英国人作家Kazuo Ishiguro氏が作詞している楽曲が2曲収録されている点にも注目です。

これからの時期にフィットする素敵な女性ジャズ・ヴォーカル作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Double Rainbow」
Antonio Carlos Jobim/Gene Lees作。Jobimの「Chovendo Na Roseira」をカヴァー。当ブログではOsmar MilitoSergio Mendes & Brasil '77Steen Rasmussen Feat. Josefine Cronholmヴァージョンを紹介済みです。本作らしい美しくドリーミーなオーケストレーションをバックに、Staceyらしいコケティッシュなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=epv-4FZk4wc

「Photograph」
Antonio Carlos Jobim/Ray Gilbert作。2曲目もJobimの「Fotografia」のカヴァー。当ブログではNara Leao(アルバム『Dez Anos Depois』および『Os Meus Amigos Sao Um Barato』)、Adam DunningElis ReginaDaniela Basso/Ernesto Salgueiroのカヴァーも紹介済みです。今の季節らしい落ち着いた雰囲気の中で、Staceyがしっとりと歌い上げます。オーケストラとの共演らしい素敵な仕上がりです。John Parricellのギターもグッド!

「Les Amours Perdues」
Serge Gainsbourg作。哀愁メロディをフランス語ヴォーカルで歌い上げるアンニュイなStaceyもいいですね。夫Jim Tomlinsonのサックスも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=2EaJDa8QU3o

「Bullet Train」
Jim Tomlinson/Kazuo Ishiguro作。先日ノーベル文学賞の受賞が決まったKazuo Ishiguro氏が作詞を務めた新曲。日本の新幹線がテーマであり、名古屋駅でのアナウンスも流れます。Staceyの透明感のあるヴォーカルが栄える1曲に仕上がっています。

「To Say Goodbye」
Edu Lobo/Lani Hall/Torquato Neto作。人気曲「Pra Dizer Adeus」をカヴァー。美しいオーケストレーションと切ないStaceyのヴォーカルがフィットした素敵な仕上がりです。ここでも夫Jim Tomlinsonのムーディーなサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=SaFquyw2I7U

本曲に関して、当ブログではEdu Lobo & Maria Bethaniaのヴァージョンをはじめ、Luciana SouzaMaria BethaniaSebastiao Tapajos/Maria Nazareth/Arnaldo HenriquesAgustin Pereyra LucenaElis Reginaヴァージョンも紹介済みです。

「Make It Up」
Cliff Goldmacher/Jim Tomlinson作。ボッサなStaceyを聴きたい方には、この曲が一番オススメです。軽快なボッサ・グルーヴにのって、Staceyのヴォーカルがキュートに躍動します。

「Avec Le Temps」
Leo Ferre作のシャンソン名曲をカヴァー。哀愁のメロディをフランス語で情感たっぷりに歌い上げます。

「I Know I Dream」
Cliff Goldmacher/Jim Tomlinson作。タイトル曲はその名の通りドリーミーなビューティフル・バラードです。Staceyの清らかなヴォーカルが美しい夢の世界へ誘ってくれます。

「La Rua Madureira」
Nino Ferrari/Paule Zambernadi作。Nino Ferrer、1969年のヒット曲をカヴァー。フルートが先導する哀愁フレンチ・ボッサ。フランス語の響きがボッサ・サウンドにフィットします。

「Mais Uma Ves」
Antonio Ladeira/Jim Tomlinson作。切々と歌われる哀愁バラード。本作らしいオーケストレーションを配したボッサ・サウンドを楽しめます。

「That's All」
Alan Brandt/Bob Haymes作。 Nat King Cole等でお馴染みのスタンダードをカヴァー。Jim Tomlinsonの素敵なサックスと共に始まるビューティフル・バラードは、Staceyの清らかなヴォーカルに相応しいスタンダードですね。

「The Changing Lights」
Jim Tomlinson/Kazuo Ishiguro作。『The Changing Lights』のタイトル曲をカヴァー。この曲もノーベル賞作家Kazuo Ishiguro氏の作詞であることを再認識できました。大好きなこの曲を美しいオーケストレーションと共に楽しむことができます。

他のStacey Kent作品もチェックを!

『Close Your Eyes』(1997年)
Close Your Eyes

『Love Is...The Tender Trap』(1998年)
Love Is...The Tender Trap

『Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire』(2000年)
Let Yourself Go: Celebrating Fred Astaire

『Dreamsville』(2000年)
Dreamsville

『In Love Again: The Music of Richard Rodgers 』(2002年)
In Love Again

『The Boy Next Door』(2003年)
The Boy Next Door

Jim Tomlinson Feat. Stacey Kent『The Lyric』(2005年)
The Lyric featuring Stacey Kent

『Breakfast On The Morning Tram』 (2007年)
Breakfast on the Morning Tram

『Raconte Moi』 (2010年)
パリの詩

『Dreamer in Concert』(2011年)
Dreamer in Concert

『The Changing Lights』(2013年)
Changing Light

Marcos Valle & Stacey Kent『Ao vivo』(2014年)
Marcos Valleとの共演ライブ
マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ~マルコス・ヴァーリ・デビュー50周年記念

『Tenderly』(2015年)
Tenderly
posted by ez at 01:37| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月18日

Ohio Players『Skin Tight』

Mercury第1弾アルバム!黄金期のスタート☆Ohio Players『Skin Tight』
スキン・タイト
発表年:1974年
ez的ジャンル:オハイオFunk
気分は... :反省・・・

70年代を代表するFunkグループOhio Playersのヒット・アルバム『Skin Tight』(1974年)です。

これまで当ブログで紹介したOhio Players作品は以下の4枚(発売順)

 『Fire』(1974年)
 『Honey』(1975年)
 『Angel』(1977年)
 『Jass-Ay-Lay-Dee』(1978年)

WestboundからMercury移籍第1弾となった本作『Skin Tight』(1974年)は全米R&Bアルバム・チャート第1位を獲得し、グループは成功を収めます。

以降、『Fire』(1974年)、『Honey』(1975年)、『Contradiction』(1976年)といったアルバムも全米R&Bアルバム・チャート第1位に輝き、栄光のMercury時代を迎えることとなります。

本作におけるグループのラインナップは、Leroy "Sugarfoot" Bonner(g、per、vo)、
Clarence "Satch" Satchell(sax、fl、per、vo)、Marshall "Rock" Jones(b)、Ralph "Pee Wee" Middlebrooks(tp、tb、vo)、James "Diamond" Williams(ds、per、vo)、Billy Beck(key、per、vo)、Mervin Pierce(tp、tb、flh、vo)という7名。

主要メンバーの一人であったWalter "Junie" Morrison(key)等が脱退し、後にZapp/Rogerとの関わりでも知られるBilly Beck等が新たに加入しています。そして、Sugarfootが中心メンバーとしてグループを牽引しています。

全米R&Bチャート第2位のヒットとなったファンク・クラシック「Skin Tight」、同じくシングル・カットされた粘り腰のミディアム・ファンク「Jive Turkey」、素敵なスロウ「Heaven Must Be Like This」あたりがオススメです。

プロデュースはグループ自身。

外せないOhio Players作品の1つですね。

全曲紹介しときやす。

「Skin Tight」
シングル・カットされ、全米チャート第13位、全米R&Bチャート第2位のヒットとなったファンク・クラシック。クセのあるSugarfootのヴォーカルと女性コーラス隊が織り成すナスティなファンク・ワールドがたまりません!新加入のBilly Beckの鍵盤の音色もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=oBG3qpYj5DU

Young MC「I Let 'Em Know」および「Know How」、Geto Boys「Talkin' Loud Ain't Saying Nothin'」、Information Society「Mirrorshades」、WC & the Maad Circle feat. J-Dee & MC Eih「You Don't Work, U Don't Eat」、Underground Rebellion「Dead Presidents」、Method Man feat. Redman「Big Dogs」、Nationwide Rip Ridaz II「Take It Personal」等のサンプリング・ソースとなっています。また、Michael Cooper、Anton、Jeff Golubがカヴァーしています。
Young MC「I Let 'Em Know」
 https://www.youtube.com/watch?v=cN-n8nlQnUc
Geto Boys「Talkin' Loud Ain't Saying Nothin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=HJ193-fy5KQ
Information Society「Mirrorshades」
 https://www.youtube.com/watch?v=G6L0xG4KltE
Method Man feat. Redman「Big Dogs」
 https://www.youtube.com/watch?v=0qfR4ZWxfqg
Anton「Skin Tight」
 https://www.youtube.com/watch?v=glsfbXswT6U

「Streakin' Cheek to Cheek」
クロスオーヴァーな魅力も感じるファンク・チューン。グループのインストゥルメンタルな魅力を満喫できる爽快ファンキー・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=BWLLfusDlRI

「It's Your Night/Words of Love」
Ohio Playersのもう1つの魅力がスロウ。Sugarfootの妖しくも愛に満ちたヴォーカルに惹かれるスロウ・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=78X1Utu9s6U

「Jive Turkey」
「Jive Turkey (Part 1)」としてシングル・カットされ、全米チャート第47位、全米R&Bチャート第6位となりました。Sugarfootのヴォーカルがフィットする粘り腰のミディム・ファンクでグイグイきます。
https://www.youtube.com/watch?v=dNZ5zVW76uo

「Heaven Must Be Like This」
ファンの期待に応えてくれる素敵なスロウ。まさにヘブンな気分・・・です。『Fire』収録の「I Want To Be Free」、『Honey』収録の「Sweet Sticky Thing」を予感させる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=j72GS7aRIcU

L.V.、D'AngeloYesterdays New Quintetのカヴァーも要チェックです。
L.V.「Heaven Must Be Like This」
 https://www.youtube.com/watch?v=qhof7mIJJM0
D'Angelo「Heaven Must Be Like This」
 https://www.youtube.com/watch?v=KKB0HsSVONU

「Is Anybody Gonna Be Saved?」
ラストはハンドクラップも入ったゴスペル・フィーリングのファンク・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=iuiFc9dXzAQ

Ohio Players作品の過去記事もご参照下さい。

『Fire』(1974年)
Fire

『Honey』(1975年)
Honey

『Angel』(1977年)
Angel

『Jass-Ay-Lay-Dee』(1978年)
Jass Ay La Dee
posted by ez at 17:17| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月16日

Bobby Timmons『Sweet and Soulful Sounds』

聴きやすく小粋なジャズ・ピアノ・トリオ作品☆Bobby Timmons『Sweet and Soulful Sounds』
スウィート・アンド・ソウルフル・サウンズ
録音年:1962年
ez的ジャンル:ソウルフル・ジャズ・ピアノ・トリオ
気分は... :甘すぎないのポイント・・・

今回は60年代ジャズからピアノ・トリオ作品Bobby Timmons『Sweet and Soulful Sounds』(1962年)です。

Bobby Timmons(1935-1974年)はフィラデルフィア出身のジャズ・ピアニスト。

Art Blakey & The Jazz MessengersやCannonball Adderley等のグループで頭角を現すようになります。Art Blakey & The Jazz Messengersでお馴染み、ファンキー・ジャズを代表する名曲「Moanin'」はTimmonsの作品です。

60年代に入り、RiversidePrestigeMilestone等で数多くのリーダー作をレコーディングしています。

Riversideからリリースされた本作は、Bobby Timmons(p)、Sam Jones(b)、Roy McCurdy(ds)という編成によるピアノ・トリオ作品です。

聴きやすいピアノ・トリオ作品ですが、だからといって甘すぎない感じがポイント高いです。タイトルに関連づければ、スウィートよりもソウルフルな印象が強いですね。

バラードでもスウィンギーでもTimmonsの鮮やかなピアノ・タッチを満喫できます。

スウィンギーに疾走する「You'd Be So Nice to Come Home To」「Why Was I Born?」、エレガントかつ端正な「The Sweetest Sounds」、感動的なピアノ・ソロ「God Bless the Child」あたりが僕のお気に入りです。

僕好みの小粋なジャズ・ピアノ・トリオです。

全曲を紹介しときやす。

「The Sweetest Sounds」
Richard Rodgers作。オリジナルはミュージカル『Strings』(1962年)のために書かれたものです。当ブログではElsie Bianchi Trioのカヴァーを紹介済みです。タイトルはエレガントさのある端正なピアノ・トリオ演奏を楽しめます。甘くなりすぎないビター・スウィート位の塩梅がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=IEyhbZA3wZ8

「Turn Left」
Bobby Timmons作。ソウルフルな魅力に溢れたブルージーな演奏です。

「God Bless the Child」
Arthur Herzog/Jr. Billie Holiday作。Billie Holidayのレパートリーとしてお馴染みの曲ですね。最近で当ブログでも紹介したJose James『Yesterday I Had The Blues』(2015年)ヴァージョンが個人的なお気に入りです。ここではピアノ・ソロで美しく感動的な「God Bless the Child」を聴かせてくれます。

「You'd Be So Nice to Come Home To」
Cole Porter作。オリジナルは映画『Something to Shout About』(1943年)のために書かれたものです。当ブログではAnita O'Dayヴァージョンも紹介済みです。スウィンギーな疾走感とTimmonsの鮮やかなタッチに魅了されます。
https://www.youtube.com/watch?v=L6EGffFLJA8

「Another Live One」
Bobby Timmons作。メンバー三人の息の合った演奏を満喫できる小粋な仕上がり。

「Alone Together」
Howard Dietz/Arthur Schwartz作。1932年のミユージカル『Flying Colors』の挿入歌であったスタンダードです。当ブログではDinah WashingtonStanley TurrentineKenny DorhamLincoln Brineyのカヴァーを紹介済みです。しっとりとした哀愁バラードですが、ヴィヴィッドなタッチがいいですね。

「Spring Can Really Hang You up the Most」
Fran Landesman/Tommy Wolf作のスタンダード。当ブログではBobbi Boyle & The Trioのカヴァーを紹介済みです。 ピアノ・ソロ演奏でTimmonsの小粋な鍵盤さばきを存分に堪能できます。

「Why Was I Born?」
Oscar Hammerstein II/Jerome Kern作。舞台『Sweet Adeline』(1930年)のために書かれた曲です。当ブログではKenny Burrell & John Coltraneのカヴァーを紹介済みです。ラストは軽快にスウィングするピアノ・トリオらしい演奏で締め括ってくれます。

Bobby Timmonsの他作品もチェックを!

『Jenkins, Jordan and Timmons』(1957年)
ジェンキンス、ジョーダン&ティモンズ

『This Here Is Bobby Timmons』(1960年)
This Here Is Bobby Timmons

『Soul Time』(1960年)
Soul Time

『Easy Does It』(1960年)
Easy Does It

『In Person』(1961年)
ボビー・ティモンズ・トリオ・イン・パーソン+2

『Born to Be Blue!』(1963年)
ボーン・トゥ・ビー・ブルー!

『From the Bottom』(1964年)
フロム・ザ・ボトム

『Little Barefoot Soul』(1964年)
リトル・ベアフット・ソウル

『Chun-King』(1964年)
チャンキング (紙ジャケット仕様)

『The Soul Man!』(1966年)
ザ・ソウル・マン!
posted by ez at 00:24| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月15日

Fredi Grace And Rhinstone『Get On Your Mark』

隠れた逸品!80年代ファンク作品☆Fredi Grace And Rhinstone『Get On Your Mark』
GET ON YOUR MARK
発表年:1982年
ez的ジャンル:80年代レア・ファンク
気分は... :無惨アズーリ・・・

今回は80'モダン・ソウル/ファンク作品からFredi Grace And Rhinstone『Get On Your Mark』(1982年)です。

Fredi Grace And Rhinstoneは、Fredi Grace(vo)、Keith Rawls(key、vo)、Rosalind Sweeper(vo)の3名が結成したソウル/ファンク・ユニット。

メンバーのFredi Graceは、アルバム『Diamonds in the Raw』(1989年)でThe S.O.S. Bandのメンバーにもなっていた女性ヴォーカリストです。ちなみにFrediとRosalind Sweeperの2人はThe S.O.S. Band『Too』(1981年)にバック・ヴォーカルで参加しています。

また、Keith Rawlsは80年代後半から90年代初めに活動していた男性R&BデュオJammのメンバーKeechoと同一人物です。

Fredi Grace And Rhinstoneとしては、『Get On Your Mark』(1982年)、『Tight』(1983年)という2枚のアルバムをリリースしています。

どちらのアルバムも、その後再評価が高まり、2枚共に輸入盤でCD化も実現しています。

1stとなる本作『Get On Your Mark』(1982年)のプロデュースはEd Howard

レコーディングにはCameoAnthony Lockett(g)、Yogi Horton (ds)、Ronnie Harville (b)等のミュージシャンが参加しています。さらにはPeabo Brysonがソングライティング&バック・ヴォーカルで参加しています。

シングルにもなった「Help (...Save This Frantic Heart Of Mine)」「Love Thang」といったファンク・チューン、シルキーなモダン・ソウル「Won't Cha Give It To Me」、Peabo Bryson参加のバラード「Tell Me What's On Your Mind」あたりが僕のオススメです。

80年代の隠れた逸品をぜひチェックを!

全曲を紹介しときやす。

「Help (...Save This Frantic Heart Of Mine)」
80年代らしいシンセ・サウンドが彩るファンク・チューンがオープニング。シングルにもなりました。Fredi Graceのヴォーカルも躍動しています。
https://www.youtube.com/watch?v=0oU8TnZYT2U

「Won't Cha Give It To Me」
シルキーなブラコン・サウンドを楽しめるシャッフルしたミディアム・チューン。Fredi Graceのヴォーカルの魅力を満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=WLK2zx52GGQ

「Perfect Lover」
シングルにもなったバラード。しっとりと歌い上げるオーセンティックなバラードですが、少し面白味に欠けるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=HfSw7yv_8nQ

「Sassy Fool」
軽快なダンサブル・チューン。ラテン・フレイヴァーの効いたダンサブル・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=S8SPIPE0LWA

「Tell Me What's On Your Mind」
Peabo Bryson参加曲。ソングライティングも彼です。オーセンティックなバラードですが、「Perfect Lover」よりもコチラの方が断然好きですね。Fredi Graceのヴォーカルが輝きます。Ron Doverによるサックス・ソロもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=RTH3nGNKlc8

「Go, Get On Your Mark」
躍動感のあるダンサブル・チューン。ただし、イントロが残念ですが(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=gHrDuy2lZKk

「Love Thang」
ラストはヴォコーダー入りのロボット・ファンクで締め括ってくれます。シングルにもなりました。昨今のファンク/ブギー・ブームとも符合する1曲なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=buDaETvtJ2g

CDにはボーナス・トラックとして、「Help (...Save This Frantic Heart Of Mine) (Instrumental)」「Help (...Save This Frantic Heart Of Mine) (7")」「Love Thang (Long Version)」「Love Thang (7")」「Tell Me What's On Your Mind (7")」「Won't Cha Give It To Me (7")」「Perfect Lover (7")」「Sassy Fool (7")」の8曲が追加収録されています。

2ndアルバム『Tight』(1983年)もセットでどうぞ!

『Tight』(1983年)
TIGHT / EXPANDED EDITI
posted by ez at 02:34| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月14日

Nico Gomez & His Orchestra『Bossa Nova』

ラウンジ・ボッサな魅力に溢れた1枚☆Nico Gomez & His Orchestra『Bossa Nova』
ボサ・ノヴァ[紙ジャケット仕様/限定生産/リマスター]
発表年:1970年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ラウンジ・ボッサ
気分は... :フェイク・ボッサな魅力!

今回はレア・グルーヴ好きにはお馴染みの1枚、Nico Gomez & His Orchestra『Bossa Nova』(1970年)です。

オランダ、アムステルダム出身のコンポーザー兼ベーシストNico Gomez(1925-1992年)の紹介は、Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』(1971年)に続き2回目となります。

本作『Bossa Nova』(1970年)は、『Ritual』(1971年)と並び、レア・グルーヴ方面での再評価が高いNico Gomez作品です。

アフロ・キューバンな魅力がある『Ritual』に対して、本作『Bossa Nova』はタイトル通り、ボサノヴァにアプローチした作品であり、ラウンジ・ボッサな魅力に溢れています。

アルバムにはAntonio Carlos Jobim等のボサノヴァ名曲カヴァーが目立ちますが、Nico Gomezらのオリジナル曲もなかなか魅力的です。

個人的には、各種コンピにも収録された人気曲「Rio」、哀愁グルーヴ「Aquarela」、少しモンドなボッサ・グルーヴ「Agua」、メロウなラウンジ・ボッサ「Voce E Eu」、セルメン・タイプの「Din! Din! Din!」といったオリジナルがオススメ!

カヴァーであれば、Jobim作の「Samba De Uma Nota So」や名曲「O Barqhuinho(邦題:小舟)」あたりが僕好み!

ブラジリアン・グルーヴ好き、ラウンジ好きの方はぜひチェックを!

全曲を紹介しときやす。

「Aquarela」
Nico Gomez作。女性ヴォーカル入りのリズミックなオープニング。クラブジャズ好きの人も気に入りそうな哀愁ブラジリアン・グルーヴです。
https://www.youtube.com/watch?v=iVyxs7SMkQI

「Tristeza」
Nico Gomez作。Sergio Mendes & Brasil'66Elis ReginaLill LindforsBirgit Lystagerヴァージョン等でお馴染みのHaroldo Lobo/Niltinho作品と同タイトルですが、同名異曲のオリジナルです。ギターとストリングスが織り成すサウダージな哀愁ボッサ。
https://www.youtube.com/watch?v=umbyOcQXTmI

「Desafinado」
Newton Mendonca/Antonio Carlos Jobim作のボサノヴァ名曲をカヴァー。サックスやヴァイヴが心地好い華のあるラウンジ・ボッサに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EmhqDYuQIKI

本曲に関して、当ブログではこれまでNara LeaoRoberto MenescalGary McFarlandTania MariaOs 3 MoraisO QuartetoGal CostaJoao Gilbertoのヴァージョンも紹介済みです。

「Agua」
Nico Gomez作。ラウンジ・ボッサならでは妖しげな雰囲気を醸し出す、少しモンドなボッサ・グルーヴ。こういうの大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=F53b237U8_4

「Manha De Carnaval」
Antonio Maria/Luiz Bonfa作の名曲「カーニバルの朝」をカヴァー。名曲を愁いを帯びたギター&フルートの響きがたまらない哀愁ボッサで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=EBbA_Lzgpkg

本曲について、当ブログではDexter GordonGerry MulliganBalancoAstrud GilbertoJack Marshall & Shelly ManneSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmOscar PetersonAkua AllrichClaude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's SevenDiana PantonCountry ComfortIsabelle AubretO QuartetoQuarteto FormaLaurindo AlmeidaCollageのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!

「Garota De Ipanema」
Antonio Carlos Jobim/Vinicius De Moraes作の名曲「イパネマの娘」をカヴァー。ムーディーながらも軽快なリズムが響く、ラウンジ・ボッサらしい仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=0eFlQU_yGQ0

本曲について、当ブログではTamba TrioAgustin Pereyra LucenaDiane Denoir/Eduardo MateoRoberto MenescalBossacucanova & Roberto MenescalSheila Landis/Rick MatlePapikTrio 3DFreddie McCoyLaurindo Almeidaのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!

「Samba De Uma Nota So」
Newton Mendonca/Antonio Carlos Jobim作。ヴァイヴの音色が軽やかに響く、リズミックなジャズ・サンバ・グルーヴはモロに僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=2KNwoewyyt4

本曲について、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66以外にもNara Leao、、Trio 3DChris MontezNico Gomez & His Afro Percussion Inc.Stacey KentWanda de Sah featuring The Sergio Mendes TrioTamba Trioのカヴァーも紹介済みです。

「Saudade Do Rio」
Nico Gomez作。男女ヴォーカル入りのムード・ボッサで独特のムードを醸し出します。
https://www.youtube.com/watch?v=UUJUa7FmP2w

「Rio」
Raymond Lolandson作。各種コンピにも収録されたボッサ・グルーヴ。キュートな女性スキャットとフェイク・ボッサならではの疾走感がいいですね。Nicola Conteの初期作品などSchema系クラブジャズ好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=S96y7rWFImc

「O Barqhuinho」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作の名曲「小舟」をカヴァー。素敵なオーケストレーションや女性スキャット入りのムーディーなラウンジ・ボッサ・サウンドは、この曲によくフィットしていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=9_Z0XGq8-xU

本曲について、当ブログではElis Regina『Elis, Como e Porque(Como & Porque)』『Elis Regina in London』『Aquarela Do Brasil』収録の3ヴァージョンやO QuartetoStacey KentTamba TrioHerbie Mann & Tamiko JonesMaysaのカヴァーを紹介済みです。

「Voce E Eu」
M. Mortier作。男女スキャット入りのラウンジ・ムード満点のメロウ・ボッサ。フルートの音色もいい感じ!
https://www.youtube.com/watch?v=brESelagDWA

「Din! Din! Din!」
Nico Gomez作。ラストは男女スキャット入りの華やかなフェイク・ボッサで締め括ってくれます。セルメン好きの人は気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=l4Z-K_JJ2A8

Nico Gomezの他作品もチェックを!

Nico Gomez & His Afro Percussion Inc.『Ritual』(1971年)
リチュアル[紙ジャケット仕様/限定生産/リマスター]

Chakachas『Jungle Fever』(1972年)
Jungle Fever

Nico Gomez & His Orchestra『Nico Gomez & His Orchestra』(1972年)
ニコ・ゴメス・アンド・ヒズ・オーケストラ
posted by ez at 18:56| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする