2017年11月07日

Colin Blunstone『One Year』

元Zombiesのヴォーカリスト、人気の1stソロ☆Colin Blunstone『One Year』
一年間
発表年:1971年
ez的ジャンル:流麗ストリングス系男性シンガー
気分は... :幻想的な一年間・・・

今回は元Zombiesのリード・ヴォーカリストColin Blunstoneの1stアルバム『One Year』(1971年)です。

「She's Not There」「Tell Her No」「Time of the Season」といったヒット曲で知られるUKのロック・バンドZombies

しかしながら、評価の高かった2ndアルバム『Odessey And Oracle』(1968年)のリリース後にバンドは空中分解し、結局グループは解散します。皮肉なことに、解散後の1969年に『Odessey And Oracle』からのシングル「Time of the Season」が全米チャート第3位、100万枚を超える大ヒットとなりました。

グループ解散後、一時は音楽業界から離れていたColinでしたが、「Time of the Season」の大ヒットが追い風となり、Neil MacArthur名義でカムバックし、数枚のシングルをリリースします。

そして、Colin Blunstone名義で制作した初ソロ・アルバムが本作『One Year』(1971年)です。今日では名盤として評価の高い1枚です。

アルバムのタイトルの通り、ソロ・アルバムをリリースするまでの自身の一年間を振り返った内容の作品に仕上がっています。

プロデュースはRod ArgentChris Whiteという元Zombiesメンバーの2名が務めています。

レコーディングではRod Argent(key)以下、Russ Ballard(g)、Jim Rodford(b)、Robert Henrit(ds)という、Rod ArgentがZombies解散後に結成したバンドArgentのメンバーがバックを務めています。

また、ストリングスが大々的に取り入れた楽曲が多いのも本作の特徴です。

Rod ArgentとChris WhiteがColin脱退後にZombies名義でレコーディングしていた「She Loves the Way They Love Her」「Smokey Day」という2曲を、Colinのヴォーカル入りで再録しているのが興味深いですね。Mike d'Abo(元Manfred Mann)のカヴァー「Mary Won't You Warm My Bed」ではArgentメンバーの好バッキングを得てColinのヴォーカルが躍動します。

さらに、フリーソウル人気曲「Caroline Goodbye」Jess Rodenヴァージョンでも知られるTim Hardinの名曲カヴァー「Misty Roses」、シングル・ヒットしたストリングス・ポップ「Say You Don't Mind」(Denny Laineのカヴァー)にも注目です。

流麗なストリングスを伴うビューティフルな1枚です。

全曲紹介しときやす。

「She Loves the Way They Love Her」
Rod Argent/Chris White作。Colin脱退後にZombies名義(ヴォーカルはRod Argent)でレコーディングしたこともある楽曲がオープニング。軽快な中にもメロディアスな魅力があるオープニング。Zombies好きの人は歓喜する1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=8lo-r0bw1Hw

「Misty Roses」
Tim Hardin作品のカヴァー。当ブログでも紹介したUKホワイト・ソウル・シンガーJess Rodenのヴァージョンでも知られる楽曲です。Alan Crosthwaiteのギターをバックに、Colinがソフトリーなヴォーカルを聴かせる前半のアコースティック・メロウはボッサ好きの人は気に入るはず!中盤以降のストリングスを交えたパートは個人的には余計かな・・・
https://www.youtube.com/watch?v=6Z1_omga1NQ

「Smokey Day」
Rod Argent/Chris White作。「She Loves the Way They Love Her」同様、Colin脱退後にZombies名義でレコーディングしたことがある楽曲です。『Odessey And Oracle』の雰囲気を受け継いだミステリアス&ドリーミーな仕上がりです。やはり、Rod Argent/Chris WhiteはColinのヴォーカルでレコーディングしていなかったことが心残りだったのかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=IrAuEQ-5lmQ

「Caroline Goodbye」
Colin Blunstone作。フリーソウルのコンピにも収録された人気曲。切ない雰囲気にグッとくるSSWな1曲に仕上がっています。ここでのストリングスは効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=G7Pq9bcJgvw

「Though You Are Far Away」
Colin Blunstone作。美しくも切ないバラードを切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=eeh-AlUzCiU

「Mary Won't You Warm My Bed」
Manfred MannのメンバーMike d'Aboの作品をカヴァー。オリジナル(「Mary, Warm My Bed」)は『D'Abo』(1970年)に収録されています。ColinのヴォーカルとArgentのバッキングが噛み合ったポップなビューティフル・ソングに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=NBVGIGtJbxw

「Her Song」
Rod Argent/Chris White作。ストリングをバックに、しっとりと歌い上げます。切ないColinのヴォーカルにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=mfvLPFTOvHc

「I Can't Live Without You」
Colin Blunstone作。ストリングスとColinのヴォーカルを巧みに組み合わせた1曲。僕はこのタイプの曲は得意ではありませんが、本曲はいい感じです。

「Let Me Come Closer to You」
Colin Blunstone作。SSWな肌ざわりが心地好い1曲。実に静かですが、ジワジワと心に沁みてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=2fbe8xA1-_4

「Say You Don't Mind」
ラストは元Paul McCartney & Wingsのメンバーとしてもお馴染みDenny Laineの作品をカヴァー。オリジナルは1967年にElectric String Bandと共にレコーディングしたシングル曲です。ここではストリングスを巧みに使ったビューティフル・ソングに仕上がっています。シングルとしてUKチャート第15位となっています。
https://www.youtube.com/watch?v=rP8nVoRfUIw

Colin Blunstoneの他作品もチェックを!

『Ennismore』(1972年)
エニスモア(紙ジャケット仕様)

『Journey』(1974年)
ジャーニー(紙ジャケット仕様)

『Planes/Never Even Thought』(1976/1978年)
PLANES / NEVER EVEN THOUGHT
posted by ez at 17:32| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月06日

Gilberto Gil『Louvacao』

「Louvacao」、「Roda」等名曲揃いのデビュー・アルバム☆Gilberto Gil『Louvacao』
ロウヴァサォン
発表年:1967年
ez的ジャンル:トロピカリズモ前夜MPB
気分は... :君の名は・・・

今回はMPBを代表する大物アーティストGilberto Gilのデビュー・アルバムGilberto Gil『Louvacao』(1967年)です。

Caetano Velosoと並ぶブラジル音楽界の牽引者Gilberto Gilについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の4枚。

 『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)
 『Gilberto Gill(邦題:セレブロ・エレトローニコ)』(1969年)
 『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』(1971年)
 『Realce』(1979年)

デビュー・アルバムとなる本作『Louvacao』はトロピカリズモ前夜の1枚であり、「Louvacao」「Roda」「Procissao」といったGilの代表曲が収録されており、彼の原点を確認できる1枚に仕上がっています。

Dory CaymmiCarlos MonteiroSoizaBruno Farreiraの4名がアレンジを手掛けています。彼らのアレンジの妙も本作の聴きどころです。

個人的には前述の3曲以外に「Mancada」「Minha Senhora」(ボーナス・トラック)、「Beira Mar」といったボッサな仕上がりの曲がオススメです。

英米のロック/サイケを取り入れたトロピカリズモなGilもいいですが、トロピカリズモ前夜の本作の方がGilのプリミティブな魅力に触れることができると思います。

全曲紹介しときやす。

「Louvacao」
Gilberto Gil/Torquato Neto作。オープニングを飾るタイトル曲はElis Regina & Jair Rodriguesのヒットでも知られ、 Gilに本作レコーディングのチャンスをもたらした名曲です。軽やかなサンバのリズムが心地好い爽快アコースティック・チューン。ホーンやフルートがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DgkC2GoAHYc

「Beira Mar」
Caetano Veloso/Gilberto Gil作。オーケストレーションを配したボッサ・チューン。ノスタルジックな郷愁感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=29UaZBejVdc

「Lunik 9」
Gilberto Gil作。1曲の中でさまざまな表情を見せるドラマティックな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=NNbWF8bMuZE

「Ensaio Geral」
Gilberto Gil作。爽やかなアコースティック・チューンでスタートしますが、中盤からリズミックナサンバ・モードへ突入します。
https://www.youtube.com/watch?v=BBXiaoeKJEM

「Maria (Me Perdoe Maria) 」
Gilberto Gil作。美しいオーケストレーションを配したロマンティックな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=e4agBwJdoB8

「A Rua」
Gilberto Gil/Torquato Neto作。室内楽的な美しさを持つ1曲。緩急によるアクセントも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=CCQfbRaJoMw

「Roda」
Gilberto Gil/Joao Augusto作。Gilを代表する人気曲。Elis ReginaSergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンでもお馴染みですね。軽快なサンバはいつ聴いても名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=hopOrS6ohYE

本曲に関して、当ブログでは有名なElis ReginaSergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンをはじめ、GimmicksConjunto 3Dのカヴァー・ヴァージョンも紹介済みです。

「Rancho Da Rosa Encarnada」
Geraldo Vandre/Gilberto Gil/Torquato Neto作。ノスタルジック・モードのマルシャです。
https://www.youtube.com/watch?v=xMT9mo-SgfM

「Viramundo」
J. C. Capinan/Gilberto Gil作。当ブログではSergio Mendes & Brasil '66のカヴァーも紹介済みです。アコーディオンがいいアクセントになっている開放的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=PEafez223Vk

「Mancada」
Gilberto Gil作。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。爽快アコースティックな疾走感が実にいいですね。50年以上前の演奏とは思えないフレッシュ感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=r_9KReDb650

「Agua De Meninos」
J. C. Capinan/Gilberto Gil作。しっとりとしたアコースティック・チューンと軽快なサンバによる緩急が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=mk8VB5A-1p8

「Procissao」
Gilberto Gil作。2nd『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)にも収録されていた名曲。『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』ヴァージョンはサイケ・ロックな仕上がりでしたが、本ヴァージョンはバイーアの風を感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mDXG7WHyLA4

ここから2曲はCDボーナス・トラック。

「Minha Senhora」
Gilberto Gil/Torquato Neto作。Caetano Veloso & Gal Costaによる名盤『Domingo』(1967年)にも収録されています。美しいオーケストレーションをバックに配したボッサ・チューンはかなり僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=AJThpPRNjlk

「A Moreninha」
Tom Ze作。オーケストレーションを配したドラマティックなアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=21l4XTbZK-0

他のGilberto Gil作品もチェックを!

『Gilberto Gil(1968)』(1968年)
Gilberto Gil 1968

『Gilberto Gill(1969)』(1969年)
Gilberto Gil

『Gilberto Gil(1971)』(1971年)
Gilberto Gil

『Expresso 2222』(1972年)
Expresso 2222

Caetano Veloso e Gilberto Gil『Barra 69 - Caetano e Gil Ao Vivo na Bahia』(1972年)
Barra 69

『Gilberto Gil Ao Vivo』(1974年)
Ao Vivo

『Refazenda』(1975年)
Refazenda

Gilberto Gil & Jorge Ben『Gil & Jorge - Ogum - Xango』(1975年)
Gil & Jorge

『Refavela』(1977年)
Refavela

Gilberto Gil & Rita Lee『Refestanca』(1977年)
Refestanca - Ao Vivo

『Gilberto Gil Ao Vivo Em Montreux』(1978年)
Ao Vivo Em Montreux

『Realce』(1979年)
Realce

『Nightingale』(1979年)
Nightingale
posted by ez at 01:22| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月05日

Aron Ottignon『Team Aquatic』

次世代ジャズ・ピアニストによるユニークな今ジャズ☆Aron Ottignon『Team Aquatic』
Team Aquatic
発表年:2017年
ez的ジャンル:NZ出身次世代ジャズ・ピアニスト
気分は... :スティール・パンが効いています!

今回は新作ジャズ作品からAron Ottignon『Team Aquatic』です。

Aron Ottignonはニュージーランド出身のジャズ・ピアニスト。

祖母や父がミュージシャンであった影響で幼少期からジャズに親しみ、父の人脈で実力派ジャズ・ピアニストAndrew Hillの手ほどきを受けたこともあるようです。

2000年に自身のジャズ・ユニットAronasを結成し、2006年にはアルバム『Culture Tunnels』をリリースしています。

現在はパリとベルリンを活動拠点とし、2015年には「Starfish EP」「Waves」、2017年には「Nile」といったEPをリリースしています。そして、Blue Note Franceからリリースしたソロ名義の初アルバムが本作『Team Aquatic』です。

プロデュースはAron Ottignon自身とRodi Kirk

レコーディングにはAron Ottignon(p、beats & electronics、per)、Rodi Kirk(beats & electronics、per)、Samuel Dubois(steel pan、per)、Kersley Sham(per)、Aziz Sahmaoui(per)といったミュージシャンが参加しています。

特にスティール・パンの音色が随所で聴こえてくるのが印象的です。また、生音とプログラミング&エレクトロニクスのバランス感覚が新世代ジャズ・ピアニストですね。こうしたスティール・パン、プログラミング&エレクトロニクスを駆使した独自の今ジャズを満喫できる内容となっています。

さらにフロアライクな曲もあり、今ジャズ好きのみならずクラブジャズ好きの人も楽しめるはずです。

USの今ジャズ作品とは異なる風合いの今ジャズ・サウンドはかなり新鮮だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Starfish」
スティール・パンの音色が印象的なオープニング。生音のスティール・パン&パーカッションとエレクトリック・サウンドをバックに、Aronのピアノが疾走するスリリングな演奏です。

「Waterfalls」
Rodi Kirkによるビーツ&エレクトロニクスに、Aronのピアノが絡む今ジャズらしい1曲。USの今ジャズとは異なるフィーリングの進行形ジャズを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=Q1peHz4fsUg

「Waves」
EP「Waves」(2015年)収録曲。
再びスティール・パンを取り入れたトロピカル感覚の今ジャズ。生音とエレクトロニクスのメリハリが絶妙な独自のジャズ・ワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=ulX0sA6fxRM

「The Jungle」
EP「Waves」(2015年)収録曲。ピアノ&エレクトロニクスによるダーク&ミニマルな演奏が印象的です。

「Ocean」
生音とプログラミングを融合させた今ジャズらしいジャズ・ピアノを楽しめる1曲。ゆったりとした中に大海の神秘のようなものを感じるサウンドです。

「Team Aquatic」
タイトル曲はエレクトロニクス、スティール・パンを効果的に駆使したダイナミックなサウンドが魅力です。

「Hot Tub」
ジャズ・ピアニストらしいAronのピアノ・タッチとスリリングなビートが織り成すフロアライクな仕上がりはクラブジャズ好きの人もグッとくるのでは?

「Rivers」
ピアノとスティール・パンが織り成すトロピカルな今ジャズにグッときます。ワールド・ジャズ好きの人も楽しめるのでは?

「Stonefish」
フロアライクなサウンドで疾走します。アンダーグラウンドなハウス・サウンドが好きな方も気に入るのでは?

「The Nile」
Aron Ottignonの世界観がよく分かるサウンドは、ナイル河のように壮大です。それでもしっかりジャズしているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=phEP1t2dHCE

「Rothesay Bay」
ラストはピアノ・ソロによる美しい演奏で締め括っています。

ご興味がある方はAronas時代の『Culture Tunnels』(2006年)もチェックを!

Aronas『Culture Tunnels』(2006年)
Culture Tunnels
posted by ez at 00:21| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月04日

Collage『Collage』

テキサス産ソフト・ロック☆Collage『Collage』
コラージュ(紙ジャケット仕様)
発表年:1971年
ez的ジャンル:テキサス産ソフト・ロック
気分は... :Collage違いにご注意を!

今回は70年代ソフト・ロック作品からCollage『Collage』(1971年)です。

Collageという名の音楽グループは数多く存在しますが、このCollageはテキサス州オースティンで大学の音楽教師であったDarrell Holtが教え子4名と結成したソフト・ロック・グループです。

メンバーはDarrell Holt(p、vo、tp)、Chris Brandesky(vo)、Liz Brandesky(vo)、Phil Walker(b)、Dan Prado(ds)。

グループ唯一のアルバムが本作『Collage』(1971年)です。

"ブラジリアン・ソフト・ロックの名盤"との評価もありますが、少し大袈裟な感じがします。それでもソフト・ロック好きの人であれば、十分楽しめる1枚です。

アルバム全体としては、Brandesky姉妹の品のあるヴォーカルを生かした品のあるソフト・ロック作品に仕上がっています。パンチに欠けますが、エレガントな美しさがあります。

Jobimの名曲カヴァー「Wave」、セルメンもカヴァーしていた「You Stepped Out Of A Dream」The Holliesのヒット曲カヴァー「He Ain't Heavy」、スタンダード・カヴァー「There'll Never Be Another You」あたりが僕のオススメです。

ソフト・ロック好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Wave」
Antonio Carlos Jobimの名曲をカヴァー。Brandesky姉妹の品のあるヴォーカルが栄える落ち着いた雰囲気の「Wave」に仕上がっています。

「You Stepped Out Of A Dream」
Gus Kahn作詞、Nacio Herb Brown作曲によるスタンダード。当ブログではSonny RollinsSergio Mendes & Brasil '66DardanellesThe Kenny Clarke-Francy Boland Big Bandのカヴァーも紹介済みです。ここではセルメン・ヴァージョンをお手本としたブラジリアン・フレイヴァーな仕上がりで聴かせます。

「You've Got A Friend」
Carole Kingの名曲をカヴァー。美しいハーモニーで名曲をしっとりと歌い上げます。

「1-2-3」
Len Barry、1965年の大ヒット曲をカヴァー(David White/John Madara/Leonard Borisoff作)。ビートの効いた躍動感のある仕上がりです。

「He Ain't Heavy」
The Holliesのヒット曲「He Ain't Heavy.... He's My Brother」(Bob Russell/Bobby Scott作)をカヴァー。清らかなヴォーカルが美しいメロディとマッチした好カヴァーに仕上がっています。

「Poinciana」
Nat Simon/Buddy Bernier作のスタンダードをカヴァー。当ブログではLos Brasiliosのカヴァーも紹介済みです。エキゾチック&ムーディーな仕上がりです。

「Day Tripper」
a href="http://eastzono.seesaa.net/article/114028856.html">Beatlesの人気曲をカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。オリジナルの雰囲気を生かしたオーソドックスなカヴァーに仕上がっています。

「Satin Doll」
Billy Strayhorn, Duke Ellington, Johnny Mercer作のスタンダードをカヴァー。寛いだジャジー・ムードが心地好い1曲に仕上がっています。

「A Day In The Life Of A Fool」
Antonio Maria/Luiz Bonfa作の名曲「カーニバルの朝」(原題「Manha De Carnaval」)をカヴァー。テンポを落とし、哀愁モードを強調した仕上がりです。

本曲について、当ブログではDexter GordonGerry MulliganBalancoAstrud GilbertoJack Marshall & Shelly ManneSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmOscar PetersonAkua AllrichClaude Ciari, Bernard Gerard And The Batucada's SevenDiana PantonCountry ComfortIsabelle AubretO QuartetoQuarteto FormaLaurindo Almeidaのカヴァーも紹介済みです。ご興味がある方はチェックを!

「There'll Never Be Another You」
Harry Warren/Mack Gordon作のスタンダードをカヴァー。Brandesky姉妹の品のあるヴォーカルが栄えるエレガントな仕上がり。

ご興味がある方は同名異グループのCollageの作品をチェックするのも楽しいのでは?
※下記のCollageもそれぞれ同名異グループ

The Collage『The Collage』(1967年)
Collage

Collage『Collage』(1971年)
コラージュ(生産限定紙ジャケット仕様)
posted by ez at 02:43| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月03日

Michael Speaks『No Equal』

ゴスペルの影響も感じる濃厚な男性R&B作品☆Michael Speaks『No Equal』
michael speaks no equal.jpg
発表年:1995年
ez的ジャンル:濃厚系男性R&B
気分は... :Mike Tyson最強!

今回は90年代男性R&B作品からMichael Speaks『No Equal』(1995年)です。

Michael Speaksは1977年ミシガン州ベントン・ハーバー出身の男性R&Bシンガー。

「Freak Like Me」の大ヒットで知られる女性R&BシンガーAdina Howardのデビュー・アルバム『Do You Wanna Ride?』(1995年)収録の 「You Don't Have To Cry」でフィーチャリングされ、デビューを果たします。

Adina Howard feat. Michael Speaks 「You Don't Have To Cry」
 https://www.youtube.com/watch?v=wkjTo7KiyXs

自身の名義では本作『No Equal』(1995年)と『Praise at Your Own Risk』(2000年)という2枚のアルバムをリリースしています。当ブログで紹介した作品でいえば、Sa-Deuce『Sa-Deuce』(1996年)でMichaelがフィーチャリングされています。

さて、今回する1stアルバム『No Equal』(1995年)は、ボクサー姿のMichaelが写るジャケのように、男気のある濃厚なR&B作品に仕上がっています。シャウトするMichaelのヴォーカルはなかなか魅力的です。

その一方で、後半はコンテンポラリー・ゴスペル調の楽曲も交え、ヴォーカルワークに重点を置いた楽曲が目立ちます。Michaelの原点がゴスペルであることを強く感じます。

前半ならば、「Heartbreaker」「I Specialize」「Out Of My Mind」、後半ならば、「Whatever You Need」「Nothin' I Wouldn't To Do For」あたりが僕のオススメです。

派手さはありませんが、安定した内容の男性R&B作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Undisputed (Tribute To Mike Tyson)」
アルバムのイントロ。ボクシングのトレーニングをイメージさせます。当時、誰もが認める(Undisputed)"最強"のボクシング世界ヘビー級チャンピオンであったMike Tysonに捧げられたものです。The Mecca Don Bros.プロデュース。

「I'll Make It Alright」
Carl Roland/Charles Jordan/Al Fouseプロデュース。熱狂するボクシングの試合会場の効果音と共に始まるファンク・チューン。重心の低いグルーヴ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=lJh76oq9-Tw

「Is It Still Good」
Carl Roland/Charles Jordan/Al Fouseプロデュース。この時期の男性R&Bらしいメロディアスなミディアム・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=e-FhsZw_4JA

「Out Of My Mind」
Carl Roland/Livio Harrisプロデュース。僕好みの美メロ・バラード。Michaelと女性バック・ヴォーカルとの絡みがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=RMeyMSen8Eg

「I Specialize」
Darin Whittingtonプロデュース。Skull Snaps「It's a New Day」をサンプリングしたビートがいい感じのダンサブルなミディアム・グルーヴ。90年代R&Bグルーヴ好きの人は気に入る1曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=7x34KGufM2Q

「Heartbreaker」
Jorge Corante/Livio Harrisプロデュース。個人的にはアルバムのハイライト。Al Johnson & Jean Carne「I'm Back for More」をサンプリングしたキャッチーなR&Bグルーヴ。男気のあるMichaelのヴォーカルが栄える1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LEv02VdNOUQ

「From The Back」
Michael Speaks/T-Westプロデュース。Michaelがシャウトしまくる90年代男性R&Bらしい濃厚なスロウ・ジャムで迫ります。
https://www.youtube.com/watch?v=3yyRFmi8COA

「I'm Sorry」
Kiyamma Griffin プロデュース。コンテンポラリー・ゴスペル調の仕上がり。アルバム前半とは異なるMichael Speaksの魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=RogFEJJ9Qls

「If Only For One Night」
The Mecca Don Bros.プロデュース。男臭いミディアム。この濃厚さがこの人の魅力なんでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=RogFEJJ9Qls

「Whatever You Need」
Carl Roland/Livio Harrisプロデュース。素敵なヴォーカルワークが栄えるビューティフル・バラード。オーセンティックな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=QV8UMQlyLoQ

「Nothin' I Wouldn't To Do For」
John Howcott/Emanuel Officer/Donald Parksプロデュース。「Whatever You Need」と同系統のオーセンティックなバラード。ヴォーカルワークで魅せます。
https://www.youtube.com/watch?v=9hrfoJxVX2I

「Jesus Is Real」
Michael Speaks/The Mecca Don Bros.プロデュース。TGE Choirをフィーチャー。この時期流行ったコンテンポラリー・ゴスペルな仕上がりです。New Life Community Choir feat. John P. Keeのカヴァーです。
https://www.youtube.com/watch?v=QWnR3ZjNhBw

「You Don't Have To Cry (Remix)」
CDボーナス・トラック。Michaelのデビュー・シングルAdina Howard「You Don't Have To Cry」のリミックス。
https://www.youtube.com/watch?v=Z1v5rEEjExE

ご興味がある方は2nd『Praise at Your Own Risk』(2000年)や「You Don't Have To Cry」のオリジナル収録のAdina Howard『Do You Wanna Ride?』(1995年)あたりもチェックしてみては?

『Praise at Your Own Risk』(2000年)
プレイズ・アット・ユア・オウン・リスク

Adina Howard『Do You Wanna Ride?』(1995年)
Do You Wanna Ride
posted by ez at 15:07| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする