
発表年:1967年
ez的ジャンル:トロピカリズモ前夜MPB
気分は... :君の名は・・・
今回はMPBを代表する大物アーティストGilberto Gilのデビュー・アルバムGilberto Gil『Louvacao』(1967年)です。
Caetano Velosoと並ぶブラジル音楽界の牽引者Gilberto Gilについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の4枚。
『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)
『Gilberto Gill(邦題:セレブロ・エレトローニコ)』(1969年)
『Gilberto Gil(邦題:イン・ロンドン)』(1971年)
『Realce』(1979年)
デビュー・アルバムとなる本作『Louvacao』はトロピカリズモ前夜の1枚であり、「Louvacao」、「Roda」、「Procissao」といったGilの代表曲が収録されており、彼の原点を確認できる1枚に仕上がっています。
Dory Caymmi、Carlos Monteiro、Soiza、Bruno Farreiraの4名がアレンジを手掛けています。彼らのアレンジの妙も本作の聴きどころです。
個人的には前述の3曲以外に「Mancada」、「Minha Senhora」(ボーナス・トラック)、「Beira Mar」といったボッサな仕上がりの曲がオススメです。
英米のロック/サイケを取り入れたトロピカリズモなGilもいいですが、トロピカリズモ前夜の本作の方がGilのプリミティブな魅力に触れることができると思います。
全曲紹介しときやす。
「Louvacao」
Gilberto Gil/Torquato Neto作。オープニングを飾るタイトル曲はElis Regina & Jair Rodriguesのヒットでも知られ、 Gilに本作レコーディングのチャンスをもたらした名曲です。軽やかなサンバのリズムが心地好い爽快アコースティック・チューン。ホーンやフルートがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=DgkC2GoAHYc
「Beira Mar」
Caetano Veloso/Gilberto Gil作。オーケストレーションを配したボッサ・チューン。ノスタルジックな郷愁感がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=29UaZBejVdc
「Lunik 9」
Gilberto Gil作。1曲の中でさまざまな表情を見せるドラマティックな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=NNbWF8bMuZE
「Ensaio Geral」
Gilberto Gil作。爽やかなアコースティック・チューンでスタートしますが、中盤からリズミックナサンバ・モードへ突入します。
https://www.youtube.com/watch?v=BBXiaoeKJEM
「Maria (Me Perdoe Maria) 」
Gilberto Gil作。美しいオーケストレーションを配したロマンティックな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=e4agBwJdoB8
「A Rua」
Gilberto Gil/Torquato Neto作。室内楽的な美しさを持つ1曲。緩急によるアクセントも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=CCQfbRaJoMw
「Roda」
Gilberto Gil/Joao Augusto作。Gilを代表する人気曲。Elis Regina、Sergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンでもお馴染みですね。軽快なサンバはいつ聴いても名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=hopOrS6ohYE
本曲に関して、当ブログでは有名なElis Regina、Sergio Mendes & Brasil'66ヴァージョンをはじめ、Gimmicks、Conjunto 3Dのカヴァー・ヴァージョンも紹介済みです。
「Rancho Da Rosa Encarnada」
Geraldo Vandre/Gilberto Gil/Torquato Neto作。ノスタルジック・モードのマルシャです。
https://www.youtube.com/watch?v=xMT9mo-SgfM
「Viramundo」
J. C. Capinan/Gilberto Gil作。当ブログではSergio Mendes & Brasil '66のカヴァーも紹介済みです。アコーディオンがいいアクセントになっている開放的な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=PEafez223Vk
「Mancada」
Gilberto Gil作。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。爽快アコースティックな疾走感が実にいいですね。50年以上前の演奏とは思えないフレッシュ感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=r_9KReDb650
「Agua De Meninos」
J. C. Capinan/Gilberto Gil作。しっとりとしたアコースティック・チューンと軽快なサンバによる緩急が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=mk8VB5A-1p8
「Procissao」
Gilberto Gil作。2nd『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』(1968年)にも収録されていた名曲。『Gilberto Gil(邦題:日曜日の公園で)』ヴァージョンはサイケ・ロックな仕上がりでしたが、本ヴァージョンはバイーアの風を感じる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=mDXG7WHyLA4
ここから2曲はCDボーナス・トラック。
「Minha Senhora」
Gilberto Gil/Torquato Neto作。Caetano Veloso & Gal Costaによる名盤『Domingo』(1967年)にも収録されています。美しいオーケストレーションをバックに配したボッサ・チューンはかなり僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=AJThpPRNjlk
「A Moreninha」
Tom Ze作。オーケストレーションを配したドラマティックなアレンジが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=21l4XTbZK-0
他のGilberto Gil作品もチェックを!
『Gilberto Gil(1968)』(1968年)

『Gilberto Gill(1969)』(1969年)

『Gilberto Gil(1971)』(1971年)

『Expresso 2222』(1972年)

Caetano Veloso e Gilberto Gil『Barra 69 - Caetano e Gil Ao Vivo na Bahia』(1972年)

『Gilberto Gil Ao Vivo』(1974年)

『Refazenda』(1975年)

Gilberto Gil & Jorge Ben『Gil & Jorge - Ogum - Xango』(1975年)

『Refavela』(1977年)

Gilberto Gil & Rita Lee『Refestanca』(1977年)

『Gilberto Gil Ao Vivo Em Montreux』(1978年)

『Realce』(1979年)

『Nightingale』(1979年)
