2017年12月29日

Millie Jackson『Still Caught Up』

ヒットした『Caught Up』の続編アルバム☆Millie Jackson『Still Caught Up』
Still Caught Up
発表年:1975年
ez的ジャンル:愛の修羅場系レディ・ソウル
気分は... :愛のとりこの結末は・・・

今回は姉御ソウル・シンガーとして支持されるMillie Jacksonの代表作『Caught Up』(1974年)の続編アルバム『Still Caught Up』(1975年)です。

Millie Jacksonは1944年ジョージア州生まれの女性ソウル・シンガー。

1969年にMGM Recordsと契約し、1970年にシングル「A Little Bit of Something」でデビュー。
その後、大手Polydor傘下のSpring Recordsとの契約に成功し、「Ask Me What You Want」「My Man, A Sweet Man」「It Hurts So Good」といったヒットを放ちます。

そして、4thアルバムとなる『Caught Up』(1974年)がゴールド・ディスクを獲得し、人気女性ソウル・シンガーとしての地位を確立します。

『Caught Up』(1974年)
Caught Up

『Caught Up』は夫、妻、愛人の三角関係をテーマに、オリジナルLPのA面が愛人、B面が妻の立場を歌うという愛憎劇アルバムでした。続編となる本作『Still Caught Up』(1975年)も同じく、不倫による三角関係を取り上げています。ただし、『Still Caught Up』ではA面が妻、B面が愛人の立場となっています。

本来ならば、先に『Caught Up』を取り上げるべきなのでしょうが、ユニークなアルバム・コンセプトのインパクトが強い『Caught Up』よりも、もう少し落ち着いて聴ける気がする『Still Caught Up』をセレクトしてしまいました。

プロデュースは前作『Caught Up』と同じくBrad ShapiroMillie Jackson

レコーディングにはJimmy Johnson(g)、Pete Carr(g)、Barry Beckett(key)、David Hood(b)、Roger Hawkins(ds)、Tom Roady(per)、Sandy Rhodes(back vo)、Donna Rhodes(back vo)、Charles Chalmers(back vo)、Sandra Chalmers(back vo)といったマッスル・ショールズの名うてのミュージシャン達が参加しています。

マッスル・ショールズらしいファンキー・サウンドを楽しむのであれば、「You Can't Stand the Thought of Another Me」やシングル・カットもされた「Leftovers」がオススメです。

また、妻サイドの「Loving Arms」「Making the Best of a Bad Situation」「The Memory of a Wife」「Tell Her It's Over」の味わい深さも格別です。

『Caught Up』同様に、Millie Jacksonというシンガーの魅力が凝縮された1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Loving Arms」
Kris Kristofferson & Rita Coolidgeのデュエット曲として知られるTom Jans作品をカヴァー。Elvis Presley、Dobie Gray、Etta James、The Dixie Chicks等もカヴァーしている曲です。南部らしいテイストのバラードをMillieが堂々と歌い上げます。妻の意地のようなものを感じる迫力ヴォーカルです。
https://www.youtube.com/watch?v=2xbpCvV9dAs

「Making the Best of a Bad Situation」
Richard Kerr/Gary Osborne作。修羅場を感じるタイトルですね(笑)。音自体はMillieのソウル・シンガーとしての才を感じる素晴らしいバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LWuB1DOEJQw

「The Memory of a Wife」
Millie Jackson/King Sterling作。ドープなミディアム。Millieのエモーショナルなヴォーカルを存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=7KALTsJCnUU

「Tell Her It's Over」
Millie Jackson/King Sterling作。さり気ないですが、素敵なバッキング&バック・コーラスがMillieのヴォーカルを引き立てます。妻サイドの4曲の中ではマッスルショールズらしいコレが一番好きですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zGegbtsWUZI

Poor Righteous Teachers「So Many Teachers」のサンプリング・ソースとなっています。
Poor Righteous Teachers「So Many Teachers」
 https://www.youtube.com/watch?v=6Zf9ypwIBZw

「Do What Makes You Satisfied」
Millie Jackson/King Sterling作。様々な感情が渦巻きながらも、自制しているような切ない女心をMillieが見事に歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=3g4KR98hO3w

「You Can't Stand the Thought of Another Me」
Phillip Mitchell作。僕の一番のお気に入り曲。前曲で抑えていたものを一気に発散させるかのようなファンキー・ソウル。さすがPhillip Mitchellは良い曲書きますね。
https://www.youtube.com/watch?v=s0poOOrbQKM

「Leftovers」
シングルにもった本曲もPhillip Mitchell作。愛の終焉を歌ったこの曲もいいですね。このあたりの歌いっぷりはMillieならではですね。マッスルショールズらしいファンキー・サウンドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=IHrxgq9VtPI

Logilo「Do You Feel」 のサンプリング・ソースとなっています。
Logilo「Do You Feel」
 https://www.youtube.com/watch?v=EarObfGEDlw

「I Still Love You (You Still Love Me)」
Mac Davis/Mark James作。ラストは哀愁バラードを情感たっぷりに歌い上げます。このあたりの感情移入はさすがですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PTfCciJZfF8

Finale「Brothers Keeper」のサンプリング・ソースとなっています。
Finale「Brothers Keeper」
 https://www.youtube.com/watch?v=FTLGdDFZGCQ

Millie Jacksonの他の初期アルバムもチェックを!

『Millie Jackson』(1972年)
Millie Jackson

『It Hurts So Good』(1973年)
It Hurts So Good

『I Got To Try It One Time』(1974年)
I GOT TO TRY IT ONE TIME

『Caught Up』(1974年)
Caught Up

『Free and in Love』(1976年)
FREE & IN LOVE

『Lovingly Yours』(1976年)
Lovingly Yours

『Feelin' Bitchy』(1977年)
Feeling Bitchy (Reis) (Exp)

『Get It Out'cha System』(1978年)
Get It Out 'Cha System

『A Moment's Pleasure』(1979年)
Moment's Pleasure
posted by ez at 01:41| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする