2018年01月25日

Oran "Juice" Jones Featuring Stu Large『Player's Call』

あのWillie Mitchellがプロデュース!☆Oran "Juice" Jones Featuring Stu Large『Player's Call』
Players Call
発表年:1997年
ez的ジャンル:オトナのエロ系男性R&B
気分は... :華麗なる復活???

今回は80年代後半に人気を博した男性R&BシンガーOran "Juice" Jonesの4thアルバム『Player's Call』(1997年)です。

「The Rain」のヒットで知られる男性R&BシンガーOran "Juice" Jonesの紹介は、3rdアルバム『To Be Immortal』(1989年)に続き、2回目となります。

チャート・アクション的には1stアルバム『Juice』(1986年)、2ndアルバム『GTO: Gangsters Takin' Over』(1987年)が目立つ人ですが、個人的には3rd『To Be Immortal』(1989年)や4thアルバムとなる本作『Player's Call』(1997年)の方が気に入っています。

実際、本作『Player's Call』(1997年)は、さり気に再評価の高い1枚ではないかと思います。Tommy Boyからリリースされ、Hip-Hop的アプローチを用いつつ、往年のソウル/ファンク・フィーリングを上手く取り込んだオトナのエロR&B作品に仕上がっていると思います。

本作はOran "Juice" Jones Featuring Stu Large名義であり、Hip-Hop/R&BプロデューサーであるStu LargeIsaac Hayesばりの超低音ヴォーカルをフィーチャリングしています。

メイン・プロデューサーはAl GreenAnn Peebles等を手掛けた偉大なプロデューサーWillie Mitchell

レコーディングはN.Y.とメンフィスで行われ、70年代のHi Recordsのリズム・セクションを支えたLeroy Hodges(b)、元Isaac Hayes MovementLester Snell(g、key)、Willie Mitchellの弟James Mitchell(sax)、元The Memphis HornsのJack Hale(rb)、80年代からAl Green等のレコーディングに参加しているSteve Potts(ds)、レア・グルーヴ好きにはお馴染みのWeldon Irvine(key)、元ChangeVincent Henry(sax)、Eddison Sainsbury(prog)、Roc Isaac(prog)、Oran "Juice" JonesとはDef Jamでレーベル・メイトであった男性R&BシンガーTashan(vo)等が参加しています。

Ohio Players「Sweet Sticky Thing」のカヴァー「Sweet Juicy Thang」をはじめ、随所に往年のソウル/ファンク・フィーリングが散りばめられています。また、Hip-Hop的アプローチを用いつつも、サンプリングではなく生音グルーヴを重視している点も本作の魅力だと思います。

そういったサウンドの妙もあり、主役であるOran独特のヘナヘナ・ヴォーカルの魅力がよく引き出されていると思います。

商業的には結果を残せなかったため、忘れがちになる1枚ですが、充実の1枚ですのでぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「So Forth On」
Eddison Sainsbury/Willie Mitchellプロデュース。エロ・ファンキーなギターが印象的なオープニング。

「Underworld」
Oran "Juice" Jones/Willie Mitchellプロデュース。しっとりとしたミディアム・スロウ。メンフィス録音の効果を感じる地に足のついたオトナR&Bに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Nc0TUKbUodc

「Purse Comes First」
Eddison Sainsbury/Willie Mitchellプロデュース。Tashanがバック・コーラスで参加いています。ちなみにStu LargeはTashanの従兄弟であり、彼のロード・マネジャーも務めていました。90年代らしいグルーヴを生音で再現しているミディアム・グルーヴ。派手さはありませんが、ホーン・アンサンブルもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=w21mPUKN15I

「Cold Blooded」
Oran "Juice" Jones/Willie Mitchellプロデュース。Weldon Irvineがキーボードで参加しています。Isaac Hayes「Joy」を引用したリズム・セクションのグルーヴが格好良いミディアム・グルーヴ。サンプリングではなく生音なのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=crbnMJCW1vs

「Player's Call」
Lantz Mitchell/Willie Mitchellプロデュース。Eddie Kendricks「Intimate Friends」ネタのメロウ・サウンドが心地好いタイトル・トラック。アーバンな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=z43oQpHb1ts

「Poppin' That Fly...」
Lantz Mitchell/Willie Mitchellプロデュース。Slick Rick「It's A Boy (Remix)」をサンプリングした格好良いトラックに乗って、Oranらしい"ヘナヘナ"メロウ・ヴォーカルが浮遊します。
https://www.youtube.com/watch?v=HKB7W4P26Vk

「Love Jones For You」
Oran "Juice" Jones/Willie Mitchellプロデュース。Brighter Side Of Darkness「Love Jones」を引用したHip-Hop調のメロウ・グルーヴ。

「Gigolos Get Lonely Too」
Eddison Sainsbury/Willie Mitchellプロデュース。Oranらしいタイトルのバラード。雰囲気で聴かせるヴォーカル・スタイルのOranですが、その魅力が最大限引き出されていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=xXpg_FfRvrU

「Make Love To Your Mind」
Oran "Juice" Jones/Willie Mitchellプロデュース。Cameo「Hangin' Downtown」を引用したスロウ。Oranらしいエロ・オーラが漂う1曲に仕上がっています。こういう曲ではStu LargeのIsaac Hayesばりの超低音ヴォーカルが威力を発揮しますね。。
https://www.youtube.com/watch?v=lSFflmqoFYo

「Remember The Love」
Lantz Mitchell/Willie Mitchellプロデュース。僕好みのジャジー&メロウ・グルーヴ。適度にパーカッシヴなのがいいですね。80年代後半のハネハネ感を生音グルーヴで聴かせてくれるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=wfQ1HnPZbC8

「Sweet Juicy Thang」
Eddison Sainsbury/Willie Mitchellプロデュース。レア・グルーヴ/フリーソウルで大人気のクラシックOhio Players「Sweet Sticky Thing」のカヴァーです。本作のハイライトはコレかもしれませんね。タイトルからも想像できるように、エロ・モードですが、このクラシックをこういうかたちでカヴァーしてくれるのは嬉しいですね。「Sweet Sticky Thing」好きの人であれば、大満足するはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=No1mZHqaDiw

「Let's Stay Together」
Willie Mitchellプロデュース。Al Greenの大名曲「Let's Stay Together」を全面引用にした曲を、オリジナルと同じWillie Mitchellをプロデューサーに据えて収録するというのは出来すぎですね。ここでのOranは全く歌っておらず、「Let's Stay Together」の生演奏をバックに女性と会話しているだけなのですが、これがこれで雰囲気があります。

「From The Heart」
Willie Mitchellプロデュース。ラストはWillie Mitchellのピアノをバックに、OranとStu Largeが賛辞を述べてアルバムは幕を閉じます。

『Juice』(1986年)
Juice

『To Be Immortal』(1989年)
oran juice jones_to be immortal.jpg
posted by ez at 12:04| Comment(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月23日

One Way『Who's Foolin' Who』

人気曲「Cutie Pie」収録の代表作☆One Way『Who's Foolin' Who』
フーズ・フーリン・フー
発表年:1982年
ez的ジャンル:80年代ファンク/モダン・ソウル
気分は... :大雪の翌日は・・・

昨日の大雪は大変でしたね。僕も帰宅時に電車の大混雑に巻き込まれました。混雑を通り越した密集状態は少し異常でしたね。ホームからの転落事故が起きないかヒヤヒヤしていました・・・

今回は80年代ファンク/モダン・ソウルからOne Way『Who's Foolin' Who』(1982年)です。

Al Hudsonを中心としたデトロイト出身のファンク/ソウル・グループOne Wayの紹介は、『Fancy Dancer』(1981年)、『A New Beginning』(1988年)に続き3回目となります。

本作『Who's Foolin' Who』(1982年)は、全米R&Bチャート第4位とグループ最大のヒットとなった代表曲「Cutie Pie」が収録された作品です。

本作におけるメンバーは、Al Hudson(vo、per)、Dave Roberson(g、vo、key、vibes)、
Kevin McCord(b、vo、key)、Cortez Harris(g、vo)、Gregory Green(ds、per)、Jonathan "Corky" Meadows(key、syn)、Candye Edwards(vo)という7名。

プロデュースはAl Hudson、Dave Roberson、Kevin McCordというメンバー3名のユニットADKとOne Way作品ではお馴染みIrene Perkinsが務めています。

どうしてもファンク・クラシック「Cutie Pie」が目立つアルバムですが、アルバム全体としてはミディアム〜スロウな楽曲が目立つモダン・ソウル作品に仕上がっています。

「Cutie Pie」以外であれば、爽快モダン・ダンサー「Sweet Lady」、シングルにもなったミディアム・ソウル「Who's Foolin' Who」、ロマンティックなスロウ「You're So Very Special」あたりがオススメです。

まずは「Cutie Pie」ですが、モダン・ソウルな魅力も併せ持つ1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Cutie Pie」
前述のようにグループ最大のヒットとなったファンク・クラシック。Zapp「Mmore Bouce to The Ounce」あたりと一緒に聴きたくなりますね。腹まで響くシンセ・ベースが癖になりますね。
https://www.youtube.com/watch?v=PzqsLfxxnSk

本曲は定番サンプリング・ソースとしても大人気です。Hurt-M-Badd「N.B.A. (Rap)」、Young MC「I Let 'Em Know」、Twins of Spin「Can Ya Feel It」、Raheem the Dream feat. D.J. R.K.「Cutie Pie」、A Lighter Shade of Brown「Paquito Soul」、Rodney O and Joe Cooley「Say It Loud」、The Wild Boyz 「Q.T. Pie」、Seaside Posse「You Ain't No Cutie Pie」、Proper Dos「Mexican Power」、Above the Law「V.S.O.P.」、Watts Riot「Pink Panties」、Nakia「A Day in the Hood」、Black Hole Posse「Dope Game」、Monica「Skate」、Brandy feat. LL Cool J「Sittin' Up in My Room (Doug Rasheed Remix)」、Damu Ridas「Why Must I Be Like That」、Juvenile Style「Brewed in South Central」、Mr. Iroc feat. Big Dame, Swin Tha Hardcore & Deon「Already Knowin」、Mr. X feat. Chattabox「Puttin' in Work」、DJ Pooh feat. Charlie Wilson & Threat「Bump Yo Speakers」、Royal T「Cutie Pie」、Latino Velvet feat. Don Cisco「West Coast Radio」 、Danny Boy「Steppin'」 、Snoop Dogg「Cadillacs」、Lil Jon feat. T-Pain, Problem & Snoop Dogg「My Cutie Pie」、Chris Brown feat. Jhene Aiko & R. Kelly「Juicy Booty」等100近い楽曲のサンプリング・ソースとなっています。

僕のオススメ、「Cutie Pie」ネタ10曲をセレクトしておきます。
The Wild Boyz「Q.T. Pie」
 https://www.youtube.com/watch?v=3b7Q092PUAo
A Lighter Shade of Brown「Paquito Soul」
 https://www.youtube.com/watch?v=IyW1Heos45I
Seaside Posse「You Ain't No Cutie Pie」
 https://www.youtube.com/watch?v=PdBpriWLX6A
Above the Law「V.S.O.P.」
 https://www.youtube.com/watch?v=E_LM6qAZEds
Black Hole Posse「Dope Game」
 https://www.youtube.com/watch?v=ek9kmPgSzPw
Watts Riot「Pink Panties」
 https://www.youtube.com/watch?v=-9E0_bq5Z44
Damu Ridas「Why Must I Be Like That」
 https://www.youtube.com/watch?v=PQO9mEteKHw
Mr. Iroc feat. Big Dame, Swin Tha Hardcore & Deon「Already Knowin」
 https://www.youtube.com/watch?v=5VYeDbxdFXM
Mr. X feat. Chattabox「Puttin' in Work」
 https://www.youtube.com/watch?v=88Fi6-70A88
Danny Boy「Steppin'」
 https://www.youtube.com/watch?v=tTUL-g0Slo4

「Sweet Lady」
「Cutie Pie」と並ぶ僕のお気に入り。グループのモダン・ソウルな魅力を満喫できる爽快ダンサー。曲良し、ヴォーカル良し、サウンド良しの三拍子揃った逸品だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=cuy8BGvmx_8

「You」
少し愁いを帯びたバラードを切々と歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=SPZjGVxm-GQ

Consciencia Humana「LembrancAs」、South Park Mexican「In My Hood」、Freddie Gibbs「Talkin' Bout You」のサンプリング・ソースとなっています。
Freddie Gibbs「Talkin' Bout You」
 https://www.youtube.com/watch?v=YbzGpXByXc4

「You're So Very Special」
魅惑のスロウ。ロマンティックな雰囲気の中でシンガーAl Hudsonの魅力を堪能できるのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=aLCy8odicUM

「Who's Foolin' Who」
シングルにもなったタイトル曲。本作がファンクのみならずソウルな魅力も併せ持つことが実感できる素敵なミディアム・ソウル。Double Youがカバーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=14unaz--evo

「Age Ain't Nothing But A Number」
派手さはありませんが、温かみがあってジワジワと沁みてくるソウル・バラード。
https://www.youtube.com/watch?v=sCpDMjGarYQ

「Give Me One More Chance」
魅惑のシンセが漂うファンク・チューン。「Cutie Pie」ほどのインパクトはありませんが、ダンサブルな魅力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=jDMxaoYejDc

「Runnin' Away」
ラストはAl HudsonとCandye Edwardsのデュエットによるラブ・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LRQgnhQJGoU

国内盤CDには、『Fancy Dancer』(1981年)収録の「Pull Fancy Dancer/Pull」『Wrap Your Body』(1985年)収録の「Let's Talk」の2曲が追加収録されています。

One Wayの他作品もチェックを!。

『One Way featuring Al Hudson』(1979年)
One Way

『One Way featuring Al Hudson』(1980年)
ONE WAY FEATURING AL HUDSON

『Fancy Dancer』(1981年)
ファンシー・ダンサー

『Love Is... One Way』(1981年)
LOVE IS...

『Wild Night』(1982年)
ワイルド・ナイト

『Lady』(1984年)
レイデイ

『Wrap Your Body』(1985年)
Wrap Your Body

『A New Beginning』(1988年)
A New Beginning
posted by ez at 10:31| Comment(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月22日

Sidney Miller『Linguas de Fogo』

個性派ブラジリアン・ソフトサイケ作品☆Sidney Miller『Linguas de Fogo』
リンガス・ヂ・フォゴ
発表年:1974年
ez的ジャンル:個性派ブラジリアン・ソフトサイケ
気分は... :スーパーボウル出場チームは!

いよいよNFLはAFC、NFCのチャンピオンシップです。
先週の僕の予想は見事に大ハズレとなり、AFCは「ペイトリオッツ対ジャガーズ」、NFCは「イーグルス対バイキングス」という対戦になりました。

この4チームであれば、史上初のホームスタジアムでのスーパーボウル出場を目指すバイキングスを応援したいですね。AFCはドルフィンズ・ファンの僕はアンチ・ペイトリオッツなのでジャガーズを応援しますが、ペイトリオッツが1枚上ですかね。

今回はブラジル人男性シンガー・ソングライターSidney Miller『Linguas de Fogo』(1974年)です。

Sidney Millerは1945年リオデジャネイロ生まれ。

『Sidney Miller』(1967年)、『Brasil, Do Guarani Ao Guarana』(1968年)、『Linguas de Fogo』(1974年)、『Projeto Almirante』(1982年)という4枚のソロ・アルバムをリリースしています。

Sidney Millerの名前を有名にしたのは当ブログでも紹介したNara Leao『Vento De Maio』(1967年)です。同作でSidneyは5曲を楽曲提供し、それが契機となりElencoから初ソロ・アルバム『Sidney Miller』をリリースすることになりました。

それ以外にも、当ブログで紹介した作品でいえば、Terra Trio『Terra A Vista』(1969年)のプロデュースを手掛けています。

3rdアルバムとなる本作『Linguas de Fogo』(1974年)は、Som Livreからリリースされました。正式なレコーディング・メンバーは不明ですが、Toninho Horta等が参加している模様です。

アルバム全体としては、素敵なメロディを聴かせつつ、ファズギターが随所で鳴り響く個性的なソフトサイケ作品という印象です。

楽曲がすべてSidney Millerのオリジナルです。

Sidney Millerの個性的な音世界を楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Cicatrizes」
トロピカリズモの残像も感じるソフトサイケなオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=iCJT11UonL4

「Um Dia Qualquer」
後期Beatlesがお好きな人は気に入りそうな曲調、サウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=iCJT11UonL4

「Linguas De Fogo」
Sidneyのソングライターとしての才を感じるメロディアスな楽曲ですが、良くも悪くもファズ・ギターがかき回しています(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=0-jDwKqqHpQ

「Dos Anjos」
少しクセのあるサイケなドリーミー・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=SmSQV-dRh2c

「Alo」
Sidneyのポップ・センスを楽しめるソフトロック調の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=yNNSHr7_LMg

「Pala-Palavra」
独特のポップ感覚に魅せられる1曲。終盤の電脳感も刺激的です。
https://www.youtube.com/watch?v=zua_aDp24mo

「No Quarto Das Mocas」
これはクセが少なく、素直にメロディアスなSidney Millerワールドを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=X_6_b3GiuGE

「Sombrasileiro」
ミステリアスなフォーキー・チューンでスタートしますが、気づけばソフトサイケな音世界に・・・
https://www.youtube.com/watch?v=YyJ0WMTiDnU

「Espera」
フリーソウル好きの人も気に入りそうな幻想的なアコースティック・グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=kMDLtv6px9Y

「Alento」
哀愁のメロディを切々と歌い上げます。美しいギターの音色が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=61e9wmIhgw8

「Dois Toques」
ラストはファズ・ギターが唸るポップなロック・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=wzXsDyn4BkY

『Sidney Miller』(1967年)
Sidney Miller: Serie Elenco
posted by ez at 00:11| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月21日

Christian Scott aTunde Adjuah『The Emancipation Procrastination』

三部作"The Centennial Trilogy"の最終作☆Christian Scott aTunde Adjuah『The Emancipation Procrastination』
The Emancipation Procrastination
発表年:2017年
ez的ジャンル:今ジャズ系トランぺッター
気分は... :解放宣言!

今回は新作ジャズから現在ジャズを牽引するトランぺッターChristian Scott aTunde Adjuah『The Emancipation Procrastination』です。

1983年ニューオリンズ生まれ。サックス奏者のDonald Harrisonを叔父に持つChristian Scott(Christian Scott aTunde Adjuah)の紹介は、『Stretch Music』(2015年)、『Ruler Rebel』(2017年)に続き3回目となります。

最新作『The Emancipation Procrastination』は、ジャズ生誕100年を記念してリリースされる三部作"The Centennial Trilogy"の最終作と位置付けられるアルバムです。

これまで第1弾『Ruler Rebel』、第2弾『Diaspora』がリリースしています。

『Ruler Rebel』
Ruler Rebel [日本語解説つき]

『Diaspora』
Diaspora [日本語解説つき]

プロデュースはChristian Scott aTunde AdjuahChris Dunn

レコーディング・メンバーはChristian Scott aTunde Adjuah(tp、flh、sirenette、SPD-SX、sampler)以下、Elena Pinderhughes(fl)、Braxton Cook(as)、Stephen J. Gladney(ts)、Lawrence Fields(p、el-p)、Kris Funn(b)、Luques Curtis(b)、Matthew Stevens(g)、Cliff Hines(g)、Dominic Minix(g)、Corey Fonville(ds、SPD-SX)、Joe Dyson Jr.(pan african ds、SPD-SX)、Marcus Gillmore (ds、SPD-SX)、Weedie Braimah(djembe、bata、congas)。

三部作すべてに参加しているメンバーも多いですが、本作ではMatthew StevensMarcus Gillmoreといった今ジャズ注目のミュージシャンの参加が目を引きます。Marcus GillmoreはTaylor McFerrin『Early Riser』(2014年)でのプレイが印象的でした。

ジャズ誕生100年の三部作の最終作のタイトルが『(リンカーン大統領の)奴隷解放宣言』というのもインパクトがありますね。

ジャズという音楽自体が黒人解放運動と強く結びついていますが、Christianはそうしたジャズの歴史と人種差別問題がクローズアップされることが多くなった昨今の社会情勢がオーバーラップさせているのでしょうね。

アルバム自体は、これまでの2作と同様に、生ドラミングとサンプリングパッドを融合させた今ジャズらしいビートをバックに、Christianらが雄弁なアンサンブルで魅せてくれます。

個人的にはRadiohead「Videotape」をカヴァーしている点が興味深かったです。

このカヴァーを含めて、困難に直面してもそれを乗り越えて、より良き一歩を踏み出そうとするChristianの強い意志が本作に貫かれている気がします。

「In The Beginning (Interlude)」「Videotape」以外はChristianのオリジナルです。

大作を聴きながら、ジャズの過去・現在・未来に思いを馳せてみましょう!

全曲紹介しときやす。

「The Emancipation Procrastination」
前述のように、タイトルに社会的メッセージを感じるオープニング。黒人のアイデンティティとしてのジャズを強く印象付けてくれます。その象徴でもある帝王Miles Davisへのオマージュも織り交ぜられているのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JJ2jBa42qc4

「AvengHer」
Marcus Gillmore参加曲。そのGillmorのドラミングとサンプリングパッドによる今ジャズらしいビートをバックに、Christianがエモーションなプレイで魅せてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9BH6xXgM-nY

「Ruler Rebel (X. aTunde Adjuah Remix)」
The Centennial Trilogyの第1弾であった『Ruler Rebel』のタイトル曲のリミックス。『Ruler Rebel』ヴァージョンは壮大のスケールの演奏の中に、さまざまな感情が入り混じっているように感じましたが、本ヴァージョンはより慈愛に満ちているような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=5TUHc4WkEGg

「Ashes Of Our Forever」
今ジャズらしい刺激的なビートとChristian、Elena Pinderhughes、Stephen J. Gladneyの美しいアンサンブルの調和が印象的です。The Centennial Trilogyシリーズらしい音ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=1v3hX1--l0s

「In The Beginning (Interlude)」
パーカッション奏者Weedie Braimahの作品。というか、Weedie Braimahのパーカッション・ソロ。
https://www.youtube.com/watch?v=S2BwrwtX1Yo

「Michele With One L」
今ジャズらしいビートと対話しているかのようなChristianの雄弁なプレイに惹き込まれます。今ジャズらしい黄昏モードがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Zt1s5ES6hAg

「The Cypher」
アブストラクトHip-Hop調の乾いたビートとChristianやElena Pinderhughesのフルートらの美しいアコースティック・サウンドとのコントラストがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_oHaL95_Luc

「Videotape」
Radioheadのカヴァー。オリジナルはアルバム『In Rainbows』(2007年)のエンディングを飾った曲です。このカヴァーは実に興味深いですね。何が起ころうと、より良き一歩を踏み出そうとする現在ジャズの牽引者の真摯な気持ちが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=7-9-E0SOfMI

「Gerrymandering Game」
Cliff Hinesのギター、Lawrence Fieldsのピアノらのミニマル感覚の演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=gqR5zJB2T08

「Unrigging November」
大海に解き放たれたようなChristianのプレイ、パーカッシヴなビートとCliff Hinesのギターが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=HVEVVUfPrOo

「Cages」
Stephen J. Gladneyのサックスをフィーチャー。Corey Fonvilleのドラム、Christianのトランペット、Stephen J. Gladneyのサックスのパッションが伝わってくる、スケールの大きいジャズ100年史のような演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=dcAZGqu2SgM

「New Heroes」
ラストは美しさとしなやかさのあるアンサンブルでニュー・ヒーローの登場を予感させて、"The Centennial Trilogyを締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=C8KvDw9yo_A

Christian Scottの他作品もチェックを!

『Rewind That』(2006年)
Rewind That

『Anthem』(2007年)
Anthem

『Live At Newport』(2008年)
Live at the Newport Jazz Festival (W/Dvd) (Dig)

『Yesterday You Said Tomorrow』(2010年)
Yesterday You Said Tomorrow

Stefon Harris/David Sánchez/Christian Scott『Ninety Miles』(2011年)
ナインティ・マイルズ

『Christian Atunde Adjuah』(2012年)
Christian Atunde Adjuah

Next Collective『Cover Art』(2013年)
Cover Art

『Stretch Music』(2015年)
Stretch Music [日本語解説付き]

『Ruler Rebel』(2017年)
Ruler Rebel [日本語解説つき]

『Diaspora』(2017年)
Diaspora [日本語解説つき]
posted by ez at 00:57| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月20日

Georgia Anne Muldrow『Olesi: Fragments of an Earth』

Stones Throw初の女性アーティスト作品となったデビュー作☆Georgia Anne Muldrow『Olesi: Fragments of an Earth』
Olesi: Fragments of an Earth
発表年:2006年
ez的ジャンル:Stones Throw系エクスペリメンタルR&B
気分は... :世界観が大事!

独特の音世界でファンを魅了する女性R&BアーティストGeorgia Anne Muldrowのデビュー・アルバム『Olesi: Fragments of an Earth』(2006年)です。

L.A.出身の女性R&Bシンガー/ソングライター/プロデューサーGeorgia Anne Muldrowに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚。

 『Umsindo』(2009年)
 『Kings Ballad』(2010年)
 『Seeds』(2012年)

デビュー・アルバムとなった本作『Olesi: Fragments of an Earth』(2006年)は、気鋭のインディ・レーベルStones Throw、初の女性アーティスト作品となりました。

Georgia Anne Muldrow本人がプロデュースを務め、当時のレーベル・メイトで公私のパートナーとなるDudley Perkinsがエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねます。

R&B、Hip-Hop、ジャズがコズミック感覚でクロスオーヴァーしたサウンドと、何物にも縛られない自由を感じるMuldrowのヴォーカルが印象的な密度の濃い1枚に仕上がっています。

特に本作ではJ DillaSa-Raあたりに通じるHip-Hopフィーリングが印象的です。その意味ではヴォーカリストのみならず、プロデューサーとしての才も実感できます。

それに加え、スピリチュアル/アフロ・スピリチュアルな感覚が薄っすらと彼女のヴォーカルに貫かれているのも、僕が本作に惹かれる理由だと思います。

彼女のアルバムの場合、記事を書くのに曲数の多さがいつもネックになるのですが、本作『Olesi: Fragments of an Earth』も全21曲とボリューミーです(笑)。

Georgia Anne Muldrowという才能を世に知らしめるためには、21曲でも少ないのかもしれませんが・・・

彼女ならではの音世界を楽しみましょう!「

全曲紹介しときやす。

「New Orleans」
アヴァンギャルドなジャズ・フィーリングが支配するオープニング。今ジャズ感覚で聴くのも楽しいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=8n9v3hBoxCA

「Melanin」
J Dilla感覚のビートとMuldrowのピュアなヴォーカルが印象的なネオソウル・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=cPyuNuIv5eg

「Wrong Way」
少しレイジーなビート感が印象的です。Muldrowらしいブラック・ミュージックを楽しめる1曲なのでは。
https://www.youtube.com/watch?v=YeSqiCEOc4Y

「Feet」
美しさの中にほんのり漂うフューチャリスティック感がいいですね。もっと長尺で聴きたい!

「Frames」
2分に満たない小曲ですが、格好良いアブストラクトHip-Hopチューンに仕上がっています。

「Lovelight」
同じく2分に満たない小曲ですが、Muldrowが才能あるトータル・ミュージシャンであることを示すコズミックなR&Bサウンドに惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=X7RvpH1BVSs

「Radio WNK」
つなぎ小曲ですが、トリップ感覚のブラック・ミュージックを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=SQBOTfyFsi0

「Because」
メロウネスが妖しく浮遊するMuldrowならではのネオソウル・ワールドを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=4OFo-IdV0GE

「Speakervision」
J Dilla感覚のビートとMuldrowらしい音世界が見事に融和しています。
https://www.youtube.com/watch?v=LSFMa507iYw

「Wheels」
軽くトライバルなフィーリングのサウンドをバックに、Muldrowのヴォーカルが言霊のように響き渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=a2-7Og9HwhA

「Birds」
中毒性の高いグルーヴにヤラれてしまう1曲。何度もループしているうちにハマっていきます。
https://www.youtube.com/watch?v=II_vhzfJkGQ

「Amnrh (Interlude)」
インタールドですが、Muldrowらしい音世界を楽しめます。

「West Coast Recycler」
Hip-HopサイドにおけるMuldrowの才を楽しめる1曲。僕好みのサウンドです。
https://www.youtube.com/watch?v=9G6gLlnrEX0

「Boom」
Muldrowのヴォーカルに寄り添うベースが印象的です。

「Patience」
スピリチュアル・ジャズのフィーリングながらもアヴァンギャルドなオーラを放つバラード。The Weeknd「Initiation」のサンプリング・ソースになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=vLeRrcvYdZE

「Blackman」
コズミックなR&Bワールドが印象的な仕上がり。コレも長尺で聴きたい・・・
https://www.youtube.com/watch?v=V5pC0ZNQDXE

「Leroy」
「A Requiem For Leroy」のタイトルで12" もリリースされたコズミック・グルーヴ。Sa-Raあたりと一緒に聴くのもいいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=uXm11AzvvMI

「Nowadayze」
ヴォーカル・ワークの中にアフロ・スピリチュアルなフィーリングを感じるR&Bグルーヴ。

「Skaw De Beast」
ビート感覚とヴォーカルの調和が絶妙な完成度の高い1曲。トータルなミュージシャンとしての才を示してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=pPUqTOaocQc

「Epilogue」
アブストラクトなトラックが格好良い1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=3qFyqFSQ7fY

「Blackman (Reprise)」
「Blackman」のリプライズで余韻に浸りながらエンディングを迎えます。

Georgia Anne Muldrowの過去作品もチェックを!

『The Worthnothings EP』(2004年)
Worthnothings

G&D『The Message Uni Versa』(2007年)
The Message Uni Versa

Pattie Blingh and the Akebulan 5『Sagal』(2007年)
Sagala

Georgia Anne Muldrow & Declaime『Someothaship』(2008年)
Someothaship

『Umsindo』(2009年)
Umsindo

『Early』(2009年)
Early

『Georgia Anne Muldrow Presents Ms One & The Gang』(2009年)
Ms. One

『Kings Ballad』(2010年)
Kings Ballad

Jyoti『Ocotea』(2010年)、
Jyoti-Ocotea Album

『Vweto』(2011年)
Vweto

『Owed to Mama Rickie』(2011年)
Owed to Mama Rickie

『Seeds』(2012年)
Seeds

The Blackhouse『The Blackhouse』(2012年)
Blackhouse

G&D『Lighthouse』(2013年)
Lighthouse

Jyoti『Denderah』(2013年)
Denderah

『A Thoughtiverse Unmarred』(2015年)
A Thoughtiverse Unmarred
posted by ez at 10:54| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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