2018年02月28日

Terri Walker『L.O.V.E.』

スマートな女性R&B/ネオソウル☆Terri Walker『L.O.V.E.』
Love
発表年:2005年
ez的ジャンル:UKレディ・ネオソウル
気分は... :何年経っても優しく・・・

今回はUKネオソウル作品からTerri Walker『L.O.V.E.』(2005年)です。

1979年ロンドン生まれの女性R&BシンガーTerri Walkerの紹介は、1stソロ・アルバム『Untitled』(2003年)に続き2回目となります。

『Untitled』に続く2ndアルバムとなる本作『L.O.V.E.』(2005年)は、改めて聴いてみると、実にスマートなR&B/ネオソウル作品に仕上がっています。

メイン・プロデュースはデンマーク出身の人気プロデュース・チームCutfather & Joe。さらにCopenhaniacsJens Lomholt & Philip Dencker)、Delgado/Peter BikerLucasMaximum Riskがプロデュースを手掛けています。

目立つのはシングル・カットされた「Whoopsie Daisy」「This Is My Time」の2曲。特に大ネタDynasty「Adventures in the Land of Music」使いの「This Is My Time」は僕のお気に入りです。

それ以外に「The Woman You Want」「The One That Got Away」「Feel Love」「Yes I Do」というミディアム・バラード系のラスト4曲にTerri Walkerの魅力が詰まっている気がします。

商業的には不発でしたが、女性R&B/ネオソウル好きの人であれば、十分楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「This Is My Time」
Cutfather & Joeプロデュース。大ネタDynasty「Adventures in the Land of Music」をサンプリングしたキャッチーなオープニング。シングルにもなりました。「Adventures in the Land of Music」大好きの僕には嬉しい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=LGitI6qPCKM

「L.O.V.E」
Copenhaniacsプロデュース。タイトル曲はダンサブルなミディアム・グルーヴ。抑えたトーンながらも艶やかな魅力があるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GoLH59azYk8

「Whoopsie Daisy」
Cutfather & Joeプロデュース。シングルにもなったアッパー・チューン。ホーン隊も入ったメイン・ストリーム感のあるサウンドをバックに、Terriがヴィヴィッドな歌声を聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=7nXvapX76vU

「Hurt By Love」
Cutfather & Joeプロデュース。哀愁モードのサウンドとそれを振り切るようなTerriの力強いヴォーカルとのコントラストが印象的なミディアム・チューン。

「What The Hell」
Cutfather & Joeプロデュース。ソフトリーに歌い上げる哀愁バラード。ソングライティングには大ヒット・シングル「C'est La Vie」で知られるRobbie Nevilの名もクレジットされています。

「Slow It Up」
Delgado/Peter Bikerプロデュース。レゲエ調のサウンドでアルバムのいいアクセントになっています。

「Star」
Lucasプロデュース。UKネオソウル・シンガーDon-Eも共同プロデューサーとしてクレジット。ネオソウルらしいミディアム・チューンです。元Wop Bop TorledoのMary Ann Morganによるバック・ヴォーカルもグッド!
http://eastzono.seesaa.net/article/442251080.html?1519743495

「Ain't No Love」
Cutfather & Joeプロデュース。Eddie Floyd「I've Never Found A Girl(To Love Me Like You Do)」ネタの早回しを使ったトラックが印象的です。レトロなマテリアルを2000年らしい感覚のモダン・ソウルに変貌させているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sopK5IUyqF8

「The Woman You Want」
Maximum Riskプロデュース。Stockholm Session Stringsのストリングスを配したミディアム・バラード。中盤以降を聴いていると、何故か続けてAlicia Keys「If I Ain't Got You」が聴きたくなりました。

「The One That Got Away」
Delgado/Peter Bikerプロデュース。Delgado/Peter Bikerの手腕が光る素敵なミディアム。さり気ない中からTerriの魅力がジワジワと滲み出てきます。
https://www.youtube.com/watch?v=zq1H96byP6A

「Feel Love」
Copenhaniacsプロデュース。個人的には「This Is My Time」「Yes I Do」と並ぶお気に入り。Terriの凛としたヴォーカルが映える素敵なレディ・ネオソウル。バック・ヴォーカルを務めるNina Woodfordがソングライティング、ヴォーカル・アレンジでも貢献しています。

「Yes I Do」
Cutfather & Joeプロデュース。ラストはエレピの音色と優しい歌声で包み込んでくれるメロウ・バラードでロマンティックに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ekr1_yxL6Sk

他のTerri Walker関連作品もチェックを!

Shanks & Bigfoot『Swings & Roundabouts』(2000年)
Swings & Roundabouts by Shanks & Bigfoot (2000-09-18) 【並行輸入品】

『Untitled』(2003年)
Untitled

『I Am』(2006年)
I Am

Lady『Lady』(2013年)
LADY [輸入盤CD] [TS021]
posted by ez at 02:10| Comment(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月27日

『今の気分は...2018年2月27日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は1980年代カテゴリーからアーバン系を中心に10曲セレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Heaven Sent & Ecstasy「I See Heaven」
https://www.youtube.com/watch?v=TbB6DzvVA7w
From 『The Greatest Love Story』(1980年)
ザ・グレイテスト・ラヴ・ストーリー(紙ジャケット仕様)

Barry White「Lady, Sweet Lady」
https://www.youtube.com/watch?v=DWC9_sGdTcU
From 『Sheet Music』(1980年)
Sheet Music

Heatwave「Find It in Your Heart」
http://www.youtube.com/watch?v=Rfc3Bd2Vs9Q
From 『Current』(1982年)
カレント(紙ジャケット仕様)

Paradise「World's Midnight」
https://www.youtube.com/watch?v=kCfJFstVvBQ
From 『World's Midnight』(1982年)
ワールズ・ミッドナイト+1 (生産限定紙ジャケット仕様)

The Gap Band「Yearning for Your Love」
https://www.youtube.com/watch?v=X1eiAPKfAVY
From 『The Gap Band III』(1980年)
III

Webster Lewis「Dancer」
http://www.youtube.com/watch?v=xpz8EMpAqpA
From 『Let Me Be the One』(1981年)
Let Me Be the One

Gary Bartz「Keep Goin' On」
https://www.youtube.com/watch?v=_oiC59BNYqw
From 『Bartz』(1980年)
BARTZ

Leslie Smith「Don't Shut The Door (On My Love)」
http://www.youtube.com/watch?v=8_c6KV9aiHc
From 『Heartache』(1982年)
ハートエイク (SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

Invisible Man's Band「Along The Way」
https://www.youtube.com/watch?v=7Rt-GSLa72Q
From 『Really Wanna See You』(1981年)
Really Wanna See You

Angela Bofill「On and On」
https://www.youtube.com/watch?v=W3gXWG_PYa4
From 『Something About You』(1981年)
サムシング・アバウト・ユー(紙ジャケット仕様)
posted by ez at 01:42| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月26日

Made In Brazil『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』

シスコ産ブラジリアン・ジャズ☆Made In Brazil『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』
セカンド・アルバム
発表年:1976年
ez的ジャンル:シスコ産ブラジリアン・ミュージック
気分は... :祭りのあと・・・

今回はサンフランシスコ産のブラジリアン・ミュージック作品、Made In Brazil『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)です。

Made In Brazilは、Victor Mによるブラジリアン・ジャズ・バンド。

Victor MことVictor Meshkovskyは、1939年上海生まれのロシア人。1953年に一家でブラジル、サンパウロへ移住し、ブラジル音楽に慣れ親しむようになり、自身もグループを組むようになります。その後1959年に米国へ移住し、サンフランシスコで自身の会社を経営する傍ら、ブラジル音楽のプロモーション活動にも関与すようになりました。

そして、結成した自身のブラジリアン・ジャズ・バンドがMade In Brasilです。Made In Brasilとして、『Numero Um(Number One)』(1975年)、『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)という2枚のアルバムをリリースしています。

僕自身は既に1stアルバム『Numero Um(Number One)』(1975年)を当ブログでエントリーした気分で、続く2ndアルバム『Nosso Segundo Disco(Our Second Album)』(1976年)を今回取り上げたつもりになっていましたが、記事を途中まで書いていて『Numero Um(Number One)』が未エントリーであることに気づきました。

『Numero Um』と本作『Nosso Segundo Disco』では、大きくメンバーが異なっており、本作ではキーボード奏者Claudio MedeirosRoberto de LimaLiza Jeorge da Silvaという男女ヴォーカリストが参加しています。

ポルトガル生まれのClaudio MedeirosはVictor Mが発掘したアーティストであり、彼がプロデュースしたアルバムClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)は、当ブログでも紹介済みです。

前作『Numero Um』は結構ベタな有名曲カヴァー集でしたが、コンポーザー/アレンジャーとしての才を持つClaudio Medeirosの参加により、本作『Nosso Segundo Disco』にはオリジナルも多数収録されており、アレンジ面でもさらに磨きが磨きが掛かっています。

Edu Lobo/Capinan作の「Ponteio」Milton Nascimento作の「Salt Song」Ivan Lins作の「Madalena」といった名曲カヴァーが目立ちますが、個人的には「Circles」「So Peco P'ra Voce Voltar」といったオリジナルや、Herb Alpert & The Tijuana Brassのカヴァー「Slick」あたりがおススメです。

グルーヴィーなブラジリアン・ジャズをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Ponteio/Asa Branca」
Edu Lobo/Capinan作の名曲「Ponteio」とHumberto Teixeira/Luiz Gonzaga作の「Asa Branca」をカヴァー。グルーヴィーなオルガンの音色、男女ヴォーカルが彩るミステリアスなブラジリアン・グルーヴがオープニング。

「Ponteio」について、当ブログではThe G/9 GroupBatidaSergio Mendesのカヴァーを紹介済みです。また、「Asa Branca」についてもCravo & Canelaのカヴァーを紹介済みです。

「Salt Song」
Milton Nascimento作の名曲「塩の歌」をカヴァー。♪パッパパラッパ♪ダバダバ♪スキャットを伴った軽快なオルガン・グルーヴで名曲を聴かせてくれます。

本曲に関して、当ブログではBossa RioRonald MesquitaChristiane LegrandTania MariaElis Reginaのカヴァーも紹介済みです。

「One, Two-Two」
Victor M作。少しユーモラスなミステリアス感が印象的なオリジナル。
https://www.youtube.com/watch?v=UGck5WoN8SE

「Carinhoso」
Pixinguinha作。美しいピアノ&アコーディオンによるインスト。当ブログではTania MariaElis Reginaヴァージョンも紹介済みです。

「Canaval Medley」
「Mamae Eu Quero」、「Cidade Maravilhosa」、「Cachaca」、「Aurora」、「O Le-Le,O La-La」というカーニヴァル曲のメドレー。緩急つけた楽しげな演奏で盛り上げてくれます。

「Madalena」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro De Souza作の名曲をカヴァー。この曲はいつ聴いても名曲ですね。そんな名曲の魅力を十分に伝えてくれるブラジリアン・ジャズ・カヴァーに仕上がっています。

当ブログでは有名なElis ReginaヴァージョンやTania MariaAquarius Y Luiz AntonioSylvia VrethammarAnamaria & Mauricioのカヴァーを紹介済みです。

「Circles」
Claudio Mendeiros/Victor M作。セルメン好きの人は気に入るであろうブラジリアン・ソフトロック調の仕上がり。クラヴィネット、シンセを織り交ぜたアレンジの妙も光ります。

「So Peco P'ra Voce Voltar」
Claudio Mendeiros/Victor M作。前曲に続き、ソフトリーなブラジリアン・ジャズを楽しめます。Claudio Mendeirosの奏でる鍵盤の音色も心地好いです。

「Slick」
Herb Alpert & The Tijuana Brassのカヴァー(Herp Albert/Joe Pizano作)。オリジナルは『The Beat Of The Brass』(1968年)に収録されています。小粋なオルガン・メロウ・グルーヴのインストで楽しませてくれます。

「A Briza」
Johnny Alf/Victor M作。ラストは美しいピアノをバックに、しっとりと歌い上げるビューティフル・バラードで締め括ってくれます。

1stアルバム『Numero Um(Number One)』(1975年)やVictor MがプロデュースしたClaudio MedeirosClaudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)も併せてチェックを!

『Numero Um(Number One)』(1975年)
ファースト・アルバム

Claudio Medeiros,Victor M & Friends『Rotation』(1975年)
ローテイション
posted by ez at 03:06| Comment(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月25日

Reginald Omas Mamode W『Children Of Nu』

ロンドン発の新進ブラック・ミュージック☆Reginald Omas Mamode W『Children Of Nu』
Children of Nu [日本限定CD]
発表年:2018年
ez的ジャンル:ロンドン発新進ブラック・ミュージック
気分は... :最後にスッキリ!

大詰めのオリンピックは女子スピードスケート・マススタートの金メダル、女子カーリングの銅メダルでスッキリ気分になりましたね。

特にマススタートは、全出場選手の中で最も小柄な高木菜那選手が一番でゴールを駆け抜け、ガッツポーズした姿は痛快でした!パシュート決勝以上に興奮しましたね。

さて、今回は新作アルバムからReginald Omas Mamode W『Children Of Nu』です。作品のリリース自体は昨年末ですが、今年に入り日本でCD化が実現されました。

Reginald Omas Mamode IVはサウスロンドン、ペックハム出身。

Tenderloniousが率いる地元の音楽クルー22aの一員のようです。

22aには、他にMo KoloursAl Dobson Jr.Henry WuJeen BassDennis AylerJames 'Creole' Thomasといったメンバーがいます。ちなみに、Mo Kolours、Jeen BassはReginaldの実の兄弟です。

Reginald自身は、これまでミニ・アルバム『All Together』(2015年)、1stアルバム『Reginald Omas Mamode W』(2016年)といった作品をリリースしています。特に、『Reginald Omas Mamode W』はGilles Petersonからも絶賛された1枚でした。

さて、『Reginald Omas Mamode W』に続く2ndアルバムとなる本作『Children Of Nu』は、ベースミュージック、R&B、Hip-Hop、ファンク、ジャズ、アフリカ音楽等を飲み込んだ2018年モードの新進ブラック・ミュージックを提示されたような刺激があります。

特にD'AngeloJ DillaPrinceあたりの影響を今のロンドンらしいサウンドに昇華させたサウンドに魅了されます。

その一方で、全19曲中3分を超えるものは僅かに6曲という1曲の短さや、ひたすら反復するミニマルな覚醒感はベースミュージックならではの音世界だと思います。

刺激的なR&Bサウンドを求めている方はぜひチェックを!

『Children Of Nu』 [Full Album]
https://www.youtube.com/watch?v=P46_N7zIo0A

全曲紹介しときやす。

「Rollin' In」
1分にも満たないオープニングですが、グルーヴィーなR&Bサウンドを楽しめます。

「Put Your Hearts Together」
僕が本作を購入しようと決めた1曲。Prince殿下がベースミュージックにアプローチしていたら、こんな感じだったのでは?と想像させる刺激的な1曲です。

「Afrika Crunk」
タイトルの通り、アフリカン・リズムを取り入れたトライバル・サウンドを楽しめる小曲。

「Us Two」
D'Angelo好きの人が気に入りそうなファンク・チューン。ダークな覚醒感がクセになりそうです。

「Interlude」
アフリカン・リズムによるトライバルなインタールード。

「Question They」
ロンドンらしい翳りのあるグルーヴが支配するブラック・ミュージックに仕上がっています。不思議な感覚の音世界を楽しめます。

「Nu」
チープなビートと美しいキーボードの音色が織り成す小曲。

「Do Right」
初期D'Angeloを彷彿させる漆黒のR&Bグルーヴ。ベースミュージックらしいミニマルな魅力もあります。

「Peoples Pattern」
再びアフリカン・リズムによるトライバルなインタールード。

「Working」
70年代のStevie Wonderと80年代のPrince、さらにはD'Angeloが出会ったような音世界を楽しめます。僕が本作に惹かれるのはこういう音を欲しているからだと思います。

「Unity」
Prince殿下に通じる妖しい魅力が漂うミディアム・グルーヴ。ミニマルな展開がハマる1曲です。

「Don't You Know」
漆黒のグルーヴィー・サウンドに魅了される1曲。D'Angelo『Voodoo』好きの人はグッとくると思います。

「I Guess」
簡素な中にも漆黒のグルーヴがビンビン押し寄せてくる感じがいいですね。Princeに通じる閉じた音世界がいいですね。

「Interlude II」
またまたアフリカン・リズムによるトライバルなインタールード。

「We Must Learn (skit)」
小曲ですが、刺激的なサウンドです。

「Wake Up」
少ない音ながらも、脳内が刺激されるグルーヴにヤラれます。

「Children of Nu」
タイトル曲の"Nu"とはエジプト神話の原始の神をさすらしいです。そんなタイトルを反映したトライバルなグルーヴを楽しめます。

「Satisfied」
本作らしい漆黒のグルーヴを満喫できます。反復するグルーヴに脳内が侵食されていくようです。コレはクセになる!

「This Light (Omas Sextet)」
ラストはジャズ・フィーリングも織り交ぜたアッパー・サウンドと共に疾走します。

『Reginald Omas Mamode W』(2016年)
REGINALD OMAS MAMODE I
posted by ez at 02:19| Comment(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月24日

Bobby Bryant『Earth Dance』

Crusaders勢が関与したファンキー・ビッグバンド・ジャズ☆Bobby Bryant『Earth Dance』
アース・ダンス
発表年:1969年
ez的ジャンル:ファンキー・ビッグバンド・ジャズ
気分は... :抜け殻状態・・・

先週は個人的に大きなイベントがあり、それをやりきった反動からか、今日は抜け殻状態です。ブログ書く以外は何もせずにボーッと過ごそうっと。

今回は60年代ファンキー・ジャズ作品からBobby Bryant『Earth Dance』(1969年)です。

Bobby Bryant(1934-1988年)はミシシッピ州ハッティズバーグ出身のジャズ・トランぺッター。

スタジオ・ミュージシャン、音楽教育者も務めていたBryantは、自身の名義で『Ain't Doing Too B-a-d, Bad』(1967年)、『Earth Dance』(1969年)、『The Jazz Excursion Into Hair』(1969年)、『Swahili Strut』(1971年)、『Big Band Blues』(1974年)といったアルバムを残しています。

本作『Earth Dance』(1969年)は、Wayne Hendersonがプロデュースを務め、 Joe SampleWilton Felderがレコーディングに参加するといったようにCrusaders勢が大きく関与しています。

レコーディング・メンバーはBobby Bryant(tp)以下、 Joe Sample(p)、Wilton Felder(b)、Carl Lott(ds)、John Duke(b)、Mike Anthony(g)、Bob Norris(congas)、Chino Valdes(congas)、Ernie Watts(ts)、Pete Christlieb(bs)、Herman Riley(sax)、Buddy Childers(tp)、Freddie Hill(tp)、Paul Hubinon(tp)、Bill Tolz(tb)、George Bohanon(tb)、John Ewing (tb)、David Duke(french horn)、Don Waldrop(tuba)、Melvin Moore(violin)、Don Bailey(harmonica)。

このメンバー編成からも想像できるように、アルバム全体はBobby Bryant個人へフォーカスするというよりも、ファンキーなビッグバンド・ジャズを聴かせる作品となっています。

The Beatnuts等のサンプリング・ソースにもなったファンキーなタイトル曲「Earth Dance」「While My Guitar Gently Weeps」「Happiness Is A Warm Gun」というThe Beatlesのカヴァー2曲、レア・グルーヴ的な魅力の詰まったParliamentの初期ヒット・カヴァー「I Want To Testify」など全8曲、1曲1曲楽しめる内容です。

ファンキーなビッグバンド・ジャズをご堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「Earth Dance」
Bill Peterson作。タイトル曲は、重厚なホーン・アンサンブルを楽しめるスケールの大きなファンキー・チューン。序盤と中盤のブレイクも格好良いですね。ヴァイオリンの音色も効果的です。
https://www.youtube.com/watch?v=U0kN2LMHYVk

The Beatnuts「World's Famous Intro」、DJ Format feat. King Aroe「Lords of Cardboard」のサンプリング・ソースとなっています。
The Beatnuts「World's Famous Intro」
 https://www.youtube.com/watch?v=1vdO98Q5_8k
DJ Format feat. King Aroe「Lords of Cardboard」
 https://www.youtube.com/watch?v=Ap1MJG8DQr8

「While My Guitar Gently Weeps」
The Beatlesの名曲カヴァー(George Harrison作)。ロッキン・ギターをかき鳴らした豪快ビッグバンド・ジャズはブラス・ロックを意識したものかもしれませんね。Gubb「Verbalt Ran」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SSLtsF3TFV8

「Since I Left Home」
Bobby Bryant作。本作唯一のBryantのオリジナル。ブルージーなハーモニカの音色がいいアクセントになっているファンキー・ジャズに仕上がっています。

「Cristo Redentor」
Duke Pearson作品のカヴァー。Pearson自身のヴァージョンは『How Insensitive』(1969年)に収録されています。また、当ブログではJohnny Lytleヴァージョンも紹介済みです。ここでは情熱的なトランペットが印象的な男臭い哀愁バラードで聴かせてくれます。

「Crisis」
Freddie Hubbard作品のカヴァー。Hubbard自身のヴァージョンは『Ready For Freddie』(1962年)に収録されています。Hubbard参加のArt Blakey & The Jazz Messengers『Mosaic』(1962年)ヴァージョンでもお馴染みですね。軽快なビートと共に疾走するファンキー・チューン。本作らしいパワフルなホーン・アンサンブルを楽しめるのもいいですね。

「Happiness Is A Warm Gun」
The Beatlesのカヴァー(John Lennon/Paul McCartney作)。なかなかシブいBeatlesソングのカヴァーですが、メリハリのある演奏で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=j3IIPNIFF0E

Wu-Tang Clan「City High」、Bumpy Knuckles & Statik Selektah「Don't Do Fake」のサンプリング・ソースとなっています。
Wu-Tang Clan「City High」
 https://www.youtube.com/watch?v=2WWSpVWNsNI
Bumpy Knuckles & Statik Selektah「Don't Do Fake」
 https://www.youtube.com/watch?v=oizqVyRmRNs

「Love Is Like An Old, Old Man」
Howlett Smith作。Spanky Wilsonも歌っていた楽曲をカヴァー。Ernie Wattsのテナー・サックスが牽引するビッグバンドらしい哀愁バラードに仕上がっています。

「I Want To Testify」
Parliament、1967年のヒット曲をカヴァー(George Clinton/Deron Taylor作)。個人的には本作のハイライト。ダイナミック&エキサイティングなパーカッシヴ・ファンキー・グルーヴ!レア・グルーヴ的な格好良さがぎっしり詰まっています。

『Ain't Doing Too B-a-d, Bad』(1967年)
エイント・ドゥーイング・トゥー・バッド、バッド (紙ジャケット仕様)
posted by ez at 18:21| Comment(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする